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恋人との同棲生活みたいな日常
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「莉愛、クリスマスはどこかホテルのディナー予約しようか?」
「……家がいい。ああいうレストランでの食事、敷居が高くて、苦手」
クリスマスシーズン。
煌びやかなイルミネーションとライトアップが都内各地で行われていて、蓮が夕食の後の腹拵えと連れ回してくれた。
私が逃げ出さないか心配なのか、家の中では足環は外さない。
外出時も私の手を絶対に離さない。
同じベッドに眠り、3食ご飯を共にし、ハグやキスをする。
「ハイグレードなホテルに宿泊し、レストランでコース料理を食べるのが東京港区に住む20代OLの憧れって、AI使ってネット検索したら統計的に出てきたが」
合併記念パーティーといい、同窓会からのレストランでのプロポーズといい、憧れのシチュレーションかもしれないけど、細々と生活してきた私にとっては別世界過ぎて恐怖でしかない。
「じゃあ、美味しそうなケーキとオードブルとローストチキンを予約してテイクアウトしてくる。莉愛にはパスタ作って貰おうか」
蓮は昔から私に超絶優しく甘やかしてくれる。
ひたすら可愛がられ、喧嘩をした事が無い。
「蓮、……クリスマスプレゼント、何がいい?」
生活費を一切支払ってなく、服やアクセサリーに美容液などもしょっちゅう買い与えられている。
「ここにサインしてくれたら嬉しいな」
仕事部屋の蓮のデスクの引き出しに、私の名前以外記入済みの婚姻届が隠されていた。
「……覚悟が……まだできてない」
無理と言ったら軟禁が監禁にされる気がし、言葉を選んだ。
「覚悟はいらないよ。莉愛に何も求めないし、この生活が続くだけだから」
何も求めないと言われるのも悲しい。
「莉愛が俺の側に居てくれさえすればいい。他には何も求めない」
執着の塊の蓮から逃げ出す事はできないと思う。
一緒にいるのが嫌なわけではないから、逃げ出す気はない。
「莉愛、冷えるから、そろそろ帰ろう」
仕事で忙しいはずなのに、夕食後、片付けを手伝ってくれて、その後、外に連れ出してくれる。
蓮だけが、引きこもりでぼっちな私に唯一手を差し伸べてくれる。
「……家がいい。ああいうレストランでの食事、敷居が高くて、苦手」
クリスマスシーズン。
煌びやかなイルミネーションとライトアップが都内各地で行われていて、蓮が夕食の後の腹拵えと連れ回してくれた。
私が逃げ出さないか心配なのか、家の中では足環は外さない。
外出時も私の手を絶対に離さない。
同じベッドに眠り、3食ご飯を共にし、ハグやキスをする。
「ハイグレードなホテルに宿泊し、レストランでコース料理を食べるのが東京港区に住む20代OLの憧れって、AI使ってネット検索したら統計的に出てきたが」
合併記念パーティーといい、同窓会からのレストランでのプロポーズといい、憧れのシチュレーションかもしれないけど、細々と生活してきた私にとっては別世界過ぎて恐怖でしかない。
「じゃあ、美味しそうなケーキとオードブルとローストチキンを予約してテイクアウトしてくる。莉愛にはパスタ作って貰おうか」
蓮は昔から私に超絶優しく甘やかしてくれる。
ひたすら可愛がられ、喧嘩をした事が無い。
「蓮、……クリスマスプレゼント、何がいい?」
生活費を一切支払ってなく、服やアクセサリーに美容液などもしょっちゅう買い与えられている。
「ここにサインしてくれたら嬉しいな」
仕事部屋の蓮のデスクの引き出しに、私の名前以外記入済みの婚姻届が隠されていた。
「……覚悟が……まだできてない」
無理と言ったら軟禁が監禁にされる気がし、言葉を選んだ。
「覚悟はいらないよ。莉愛に何も求めないし、この生活が続くだけだから」
何も求めないと言われるのも悲しい。
「莉愛が俺の側に居てくれさえすればいい。他には何も求めない」
執着の塊の蓮から逃げ出す事はできないと思う。
一緒にいるのが嫌なわけではないから、逃げ出す気はない。
「莉愛、冷えるから、そろそろ帰ろう」
仕事で忙しいはずなのに、夕食後、片付けを手伝ってくれて、その後、外に連れ出してくれる。
蓮だけが、引きこもりでぼっちな私に唯一手を差し伸べてくれる。
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