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第六章 エルフ王国編
第244話 ちょいクズ社畜の攻城戦
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小高い丘の上に登ると、その砦の姿を見上げる事が出来た。
朝から立ち込めていた霧が徐々に晴れていく。
巨大な砦だった。
険しい山の中腹に築かれた堅牢な建物。
壁なんかがやたら黒光りしている。
チンコみたいな砦だった。
なんの素材で出来ているのかわからないが、とりあえず硬そうである。
「いや、抗魔石で出来てるってエルフどもが言ってたじゃないですかー! もー忘れちゃったんですか? おバカさんですねー」
隣に立つ全身鎧フィリスに小馬鹿にされてイラッとした。
なんて口の悪い排泄物娘だろう。
ていうか、お、覚えてたかんね!
コーマセキでしょ。
「にしても、あんな山の中に建てたら人の出入りが難しいと思うんですよ! お買い物とか大変じゃないですかー! 魔族もおバカさんですよね」
「ああ、たしかに。アクセスが悪い物件って敬遠するよな。駅から歩いて10分以内じゃないとな」
「そーそー! コウさまが何言ってんのかイマイチわかんないけど、そーですよ!!」
フィリスはものすごく適当にがしょがしょ頷いていた。
ここまで適当だと逆に清々しい。
「……人の出入りしやすい砦になんの意味があるのか。あの堅牢な立地故に、我らが攻めあぐねているというのに」
ルーナの幼馴染のインキンタムシくんがそんなツッコミを入れてくる。
イケメンは黙れ。
「我ならひとっ飛びだけどな!」
パタパタとコバエみたいに宙に浮かぶフェルちゃんがドヤ顔で胸を張る。
超巨乳モードではなかったが良い乳だったのですかさず揉んでしまった。
「ああっ!? あ、あるじ!! あるじの愛が嬉しい!!」
愛ではないが、トカゲは嬉しそうだった。
どうでもいいが、乳を揉まれて喜ぶコバエみたいなトカゲって字面がすごいな。
「あああああっ! そ、そこは触っちゃだめぇー!」
背後では相変わらずクッコロさんがファラチオに襲われていた。
俺のクッコロさんに何してんだよ、とイラッとしたがエロかったのでヨシッ!
「くっ! こんな恥ずかしい態勢をさせて……殺せっ!!」
触手に巻かれて空中に釣り上げられているクッコロさん。
すっごく頑張って目を細めてみれば、父親に高い高いをされている幼女のように見えて、ほっこりしなくもない。
「これから難攻不落の城攻めなのに。この司令官全然緊張してくれない……」
イケメンが俺を見てため息をついていた。
人の顔を見てため息とか。
なんて失礼なイケメンだろう。
俺がもう少しナイーブだったら今ので自殺している所である。
とりあえず、舌打ちして唾を地面に吐いておいた。
「……失礼以前に人間として終わっている」
イケメンは黙れ。
「全軍攻撃開始! かかれ!!」
目の前に立つアナスタシアさんが凛々しい声を上げる。
バサッと翻った純白のマントがかっこいい。
――ドンドン。
打ち鳴らさせる戦太鼓の重い音。
合わせて大地を揺らすのは、大人数の軍靴の音。
アナスタシアさんが丘の上から見下ろす先。
そこには8万の軍隊が展開していた。
横に長い陣形を組んで、ノロノロと砦の立つ山脈に進んでいく。
その進軍速度は遅かった。
理由は軍隊の後ろを見ればわかる。
ゴロゴロと巨大な車輪の音が聞こえてくる。
無骨で巨大な物体がゆっくりと大地を進んでいた。
巨木を組み合わせた直角三角形の構造物。
カタパルト。
映画や漫画なんかで見たことがあるので、それの名前は知っていた。
でも、実際に見た実物は迫力が違う。
あんな巨大なものがよく動いていると感心してしまう。
カタパルトを守るようにして全軍が進んでいるので、速度が出ないのだろう。
「……まずは定石通りの城攻めをする。カタパルトに攻城塔など、攻城兵器は一通り持ってきているからな」
隣に立ったイケメンが教えてくれた。
解説してくれるらしい。
意外といいイケメンである。
インキンタムシさんってちゃんとさん付けで呼んであげようと思う。
「魔法が使えればあんな不格好なものに頼らなくて済むのだが、抗魔石め……」
インキンさんが悔しそうにイケフェイスを歪めていた。
そういえば、エスメラルダさんが魔法が効かないとか言っていたような気もする。
エルフも色々と大変なんだなと思った。
ゴロゴロとカタパルトがゆっくりと砦に接近していく。
カタパルトとは巨石を投げて攻撃する兵器だったはずだ。
正確に投げるためには、すごく難しい数学の応用が必要だとか。
かつてインスーブンカイが出来た俺でも、ちょっとわからなかった。
そんなややこしい兵器はゴロゴロとひたすら進んでいく。
砦に近づくってことは、射程距離がまだ足りないのだろうか。
「そうだ。射程がまだ足りないのだが、問題は……」
――ブゥン!
その時、沈黙を守っていた砦から不気味な音が聞こえた。
霧の晴れた青空に、小さな黒い点がいくつも浮かぶ。
なにあれ。
徐々に大きくなっていく黒点。
それは勢いを増しながら、大地に落下していく。
巨大な岩だった。
落下。着弾。
地面がえぐれた。
えっちらおっちら進んでいたカタパルトを巻き込んで。
まるで狙ったかのように。
「て、敵のカタパルトだー!!」
丘の下でエルフたちが慌てている。
こちらのカタパルトが空から降ってきた巨石によって、次々に破壊されていった。
「……問題は、敵のカタパルトの方が射程も威力も上なのだ」
ええ!?
駄目じゃんエルフ。
「魔法に頼っていた私達は、攻城兵器の開発には疎いんだ……」
さっきまでキリッとしていたカーチャンも悔しそうに真っ白な歯を噛み締めていた。
まあ、エルフがカタパルト作るの苦手なのはなんとなく納得する。
ルーナの種族が高度な計算を必要とするカタパルト作れるわけないもんね。
「……まあ、カタパルトが潰されるのは想定の上だ。砦の門まで兵たちがたどり着くための囮になってくれればいい。まだ手は考えてあるし……」
そんな事を呟きながらもアナスタシアさんはどこか不安げだった。
ギュッと掴んだ二の腕が小さく震えている。
アナスタシアさんの言った砦の門とは、山脈の麓に見える巨大な門のことだろう。
あそこまで必死に辿り着いた所で、砦のある山の中腹までまだ結構な距離がある。
その途中には小さな門みたいなのがいくつもあった。
あの砦を落とすのは困難を極める。
パッと見た感じは若い女性なアナスタシアさん。
こんな女の子に、8万人の命とエルフの命運を預けるなんて、酷な……。
……酷な。
…………。
そこまで考えて、ふと思った。
あれ、俺何しに来たんだっけ?
司令官は俺だったような気も……しなくもないような……。
「え、ええ!? アサギリくん!?」
とりあえず怯えるアナスタシアさんを抱きしめた。
誤魔化すように。
カチャと触れる鎧と鎧。
ふんわり漂う良い女の匂い。
「きゅ、急にこんなことしちゃ駄目じゃないか! わ、私には夫も子もいるのに……」
アナスタシアさんは真っ赤になって照れていた。
やんわりと抵抗しようとするが、強烈にちょろい雰囲気が漂っている。
さすがルーナのカーチャン。
「ジークリンデ様! そういう問題ではなく今は戦闘中です!!」
そしてイケメンはうるさかった。
「ここは俺に任せてくれ」
アナスタシアさんの耳元で囁いた。
途端にふにゃっとアナスタシアさんの力が抜ける。
「は、はい……」
真っ赤になりながらも小さく頷くカーチャン。
なんて素直な。
とても30代の娘を持つ母親とは思えなくて股間がオッキしてしまう。
まあ、今はオッキさせている場合じゃない。
アナスタシアさんの腰を軽く抱きながら、俺はゆっくりと砦を指差す。
ドヤ顔で。
「う、うわ……かっこいい……」
カーチャンが小声で娘と同じような事を言っていた。
この母娘大丈夫だろうか。
難攻不落の砦。
しかし、俺なら落とせる。
なぜならば、俺にはとっておきの召喚獣がいるのだから!
召喚バハムート!!
「フェルちゃんやれ! トカゲ化してあの砦ボコってやれ!!」
俺は忠実なるペットのトカゲにそう命じた。
思い切り人任せだけど気にしない。
「やだ!!!!」
しかし、フェルちゃんは全力でそっぽを向く。
このトカゲ……カーチャンの前でカッコつけていたのに。
結構イラッとした。
「あの姿になると主がかまってくれなくなるから嫌だ!!!」
なんて反抗的な態度だろう。
捨ててやろうか。
「ええ!? す、捨てないで……」
「……トカゲ化してビーム吐いてあの砦を木っ端微塵にして欲しかったんだけどなー」
「は、吐けるから! この姿でも吐けるから捨てないで!!」
フェルちゃんは必死に主張しながら、なぜか人差し指を喉に突っ込んでいく。
「オ、オエッ……アエッ……待っててね。この姿だとブレス吐きにくくて」
涙目になりながらオエオエやってる青髪の美女。
早朝の西新宿。駅のトイレで吐いている仕事帰りのキャバ嬢か。
「オエッエロッエロロロロオオオオオオ!」
きゅーんとフェルちゃんの小さい口に何かがチャージされていく。
震える大気。
圧縮していく青い光。
そして、放たれる閃光。
ビシッと寸分の歪みもない直線を描いて、青いビームが砦に向かっていく。
おお。
これだよ、これ。
かつてオーク数万匹を塵にしたビーム攻撃。
ビームの根本が美女の小さな口っていうのがなんとも締まらないが。
「オロロロロロ!!」
フェルちゃんは涙目を必死につむって頑張っていた。
――着弾。
ビームはあっさりと砦に直撃する。
轟音。
熱風。
視界を埋める土埃。
「おお!」「ついに……!!」
歓声を上げるエルフたちの声が聞こえる。
土埃が晴れていく。
そこには廃墟と化した砦の姿が――。
「マジかよ」
――見えることはなく、砦は普通に鎮座していた。
効いてないんですけど。
「えええ!?」
慌てるフェルちゃん。
頑張ってゲロを吐いたのにな。
「そんな……」
エルフ兵たちも落胆している。
「ちょっと待ってくれ。その女性は何なんだ? なぜドラゴンのようなブレス攻撃ができるのだ……!?」
インキンはフェルちゃんに興味津々だった。
性欲が強すぎて引く。
「あ、あるじぃ?」
フェルちゃんが不安そうに俺を見つめてくる。
整った顔立ちの青髪美女。
その金色の瞳には涙が浮かんでいたが、俺が言えることは一つだけだった。
「……つかえね」
「えええええ!?」
必死にしがみついてくるフェルちゃん。
ちょっとかわいそうだが、飼い主としてここは厳しくしなきゃいかんのだ。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!! 少し調子が悪かっただけなんだ!!! あ、あと素材!! あの建物、抗魔石か何かで出来ているんじゃないか!?」
必死に言い訳をするフェルちゃんからは、どうしようもない小物感が漂ってきた。
ちょっと可愛いのがタチ悪い。
「いえ、だから抗魔石で出来てるって言ってるじゃないですか。おバカなドラゴンですねー!」
「ええええ!? そうなの!? じゃあ我のブレスが効かなくても仕方ない……」
容赦ないフィリスのツッコミで、フェルちゃんがしょぼんとしてしまう。
あのビームって魔法属性なんだろうか。
ていうか、コーマセキって何度も言われてんのに、パタパタ楽しそうに飛んでるだけだったフェルちゃんは全然聞いていなかったらしい。
まあ所詮はトカゲだし。
過度な期待はすべきではないのかもしれない。
それにしてもコーマセキめんどくせえな。
――ぱらぱら。
その時、山から崩れ落ちた小石が砦に当たるのが見えた。
刹那。
俺の灰色の頭脳が音を立てて回転する。
脳内で孔明さんが「今です」と言っていた。
「策は成った」
「「「ええ!?」」」
その場にいた全員が俺のセリフに驚く。
「エッチなことしか考えてないコウ様が策とか言ってる……!!」
フィリスがすごく酷いことを言っていた。
あとでカンナさんにチクらねば。
まあそれはそれとしてである。
「見せてやんよ、俺の知能あふれる作戦を……」
「ふわあ、かっこいい……」
ドヤ顔で宣言してみたら、腰を抱いたままのカーチャンがボソッとちょろい事を言っていた。
かわいいけど、とりあえずカーチャンを離しててくてくと歩き出す。
俺のやや後方。
そこには地面にめり込むように巨大な岩が置いてあった。
自動車くらいの大きさ。
多分、重さはトンを超える。
ここからが知恵の見せ所である。
「ふぬぬぬぬぬ!!」
大岩を掴んで必死に持ち上げる。
俺のレベルは36。
こないだのエルフ王国襲撃でなんかレベルが上がっていた。
#############################################
HP:1313/1380(+7)
MP:301/301(+7)
筋力:162(+2)
防御:61(+2)
敏捷:60(+1)
器用:58(+2)
知能:105(+1)
精神:84(+1)
スキルポイント:5(+1)
#############################################
100を超えた知能で考えた作戦を見よ!!!!
「うおおおおおお!!」
ゆっくりと大岩が持ち上がっていく。
小さな埃を立てて、大岩は地面から離れていった。
大岩と地面の隙間から地虫達が這出ててくる。
ダンゴムシを見た時に、なぜか脳裏にピートの顔が浮かんだ。
頭上まで持ち上がった大岩。
俺はそれをおもむろに――。
「ふんぬっ!!!」
砦に向かってぶん投げた。
砦までの距離は1キロ半といったところか。
大岩はきれいな放物線を描いて砦に飛んでいく。
――ズガンッ!!
そして着弾。
やや逸れたのか、大岩は砦の端っこの方に当たってしまった。
端っこがパラパラと崩れている。
そう、崩れたのだ。
効いている。
丘の下のエルフ兵たちが俺をぽかんと見つめていた。
そして、爆発したような大歓声が沸き起こる。
「なんてお人だ……人?」「俺、三代目に一生ついていく!!」「素敵……」
「三代目!」「三代目!」「三代目!」
盛り上がるエルフ兵たちに片手を上げて答えた。
「……はあはあ」
カーチャンなんか胸元を押さえて俺に熱い視線を送ってくる。
もう完全に抱ける気がするのだが。
目がハートマークなんだけど。
もうここはエルフたちに言ってやるしかないのか。
あの言葉を。
「パアアアアアイッ!!!」
エルフの中心で乳を叫んでみた。
――シーン。
えええ!? これでもスベるの!?
途端に黙ったエルフたちに俺は泣きそうになった。
「コウ様……」
そんな時、フィリスがガショっと声をかけてきた。
なぜか地面に膝をついている。
「このフィリス。感服しました。なんて……なんて筋肉のある作戦!!!」
「お、おお」
筋肉のあるって表現なんだよ。
初めて聞いたよ。
「ご褒美に後でケツ穴ペロペロしてあげますね!」
「お、おお……ってさせねえよ!?」
どさくさに紛れて何言ってんだ。
なんで執拗にケツ狙ってくんだよ。
どうせならチンコペロペロしろよ。
「私もお手伝いしますね! どっせーい!!」
相変わらず自由なフィリスは、近場の大岩を持ち上げてぽいっと投げつける。
大岩は軽々砦に届いて、その堅牢な城壁を粉砕した。
俺より中心に近くてイラッとする。
「あ、主! 我だって!! 我だってあれくらいできるぞ!!!」
必死なフェルちゃんも大岩を持ち上げて砦に投げつける。
中身が大トカゲなだけあって、力も強いらしい。
岩は砦に当たったが、フェルちゃんが必死過ぎて見苦しい。
「続いて、それぇー!!」
「え、えーい!! あ、主、見ててくれた??」
ポンポン宙を舞う大岩。
投げるのが小柄な女性二人っていうのが違和感バリバリだが。
どんどん破壊されていく砦。
黒光りしているくせに、どこか怯えて見えた。
俺も投げるか。
フェルちゃんとフィリスのせいで近場の岩が無くなりそうな勢いだった。
カタパルトさんたち用の球でももらってくるかな。
砦の命運は刻一刻と尽きかけようとしていた。
エスメラルダさんのご褒美パイ揉みができる日は近いと見た。
「……すごいけど、なんて頭の悪い作戦だ」
インキンさんが失礼な事を言っていた。
知力100超えの俺に対して。
もげればいいのに。
朝から立ち込めていた霧が徐々に晴れていく。
巨大な砦だった。
険しい山の中腹に築かれた堅牢な建物。
壁なんかがやたら黒光りしている。
チンコみたいな砦だった。
なんの素材で出来ているのかわからないが、とりあえず硬そうである。
「いや、抗魔石で出来てるってエルフどもが言ってたじゃないですかー! もー忘れちゃったんですか? おバカさんですねー」
隣に立つ全身鎧フィリスに小馬鹿にされてイラッとした。
なんて口の悪い排泄物娘だろう。
ていうか、お、覚えてたかんね!
コーマセキでしょ。
「にしても、あんな山の中に建てたら人の出入りが難しいと思うんですよ! お買い物とか大変じゃないですかー! 魔族もおバカさんですよね」
「ああ、たしかに。アクセスが悪い物件って敬遠するよな。駅から歩いて10分以内じゃないとな」
「そーそー! コウさまが何言ってんのかイマイチわかんないけど、そーですよ!!」
フィリスはものすごく適当にがしょがしょ頷いていた。
ここまで適当だと逆に清々しい。
「……人の出入りしやすい砦になんの意味があるのか。あの堅牢な立地故に、我らが攻めあぐねているというのに」
ルーナの幼馴染のインキンタムシくんがそんなツッコミを入れてくる。
イケメンは黙れ。
「我ならひとっ飛びだけどな!」
パタパタとコバエみたいに宙に浮かぶフェルちゃんがドヤ顔で胸を張る。
超巨乳モードではなかったが良い乳だったのですかさず揉んでしまった。
「ああっ!? あ、あるじ!! あるじの愛が嬉しい!!」
愛ではないが、トカゲは嬉しそうだった。
どうでもいいが、乳を揉まれて喜ぶコバエみたいなトカゲって字面がすごいな。
「あああああっ! そ、そこは触っちゃだめぇー!」
背後では相変わらずクッコロさんがファラチオに襲われていた。
俺のクッコロさんに何してんだよ、とイラッとしたがエロかったのでヨシッ!
「くっ! こんな恥ずかしい態勢をさせて……殺せっ!!」
触手に巻かれて空中に釣り上げられているクッコロさん。
すっごく頑張って目を細めてみれば、父親に高い高いをされている幼女のように見えて、ほっこりしなくもない。
「これから難攻不落の城攻めなのに。この司令官全然緊張してくれない……」
イケメンが俺を見てため息をついていた。
人の顔を見てため息とか。
なんて失礼なイケメンだろう。
俺がもう少しナイーブだったら今ので自殺している所である。
とりあえず、舌打ちして唾を地面に吐いておいた。
「……失礼以前に人間として終わっている」
イケメンは黙れ。
「全軍攻撃開始! かかれ!!」
目の前に立つアナスタシアさんが凛々しい声を上げる。
バサッと翻った純白のマントがかっこいい。
――ドンドン。
打ち鳴らさせる戦太鼓の重い音。
合わせて大地を揺らすのは、大人数の軍靴の音。
アナスタシアさんが丘の上から見下ろす先。
そこには8万の軍隊が展開していた。
横に長い陣形を組んで、ノロノロと砦の立つ山脈に進んでいく。
その進軍速度は遅かった。
理由は軍隊の後ろを見ればわかる。
ゴロゴロと巨大な車輪の音が聞こえてくる。
無骨で巨大な物体がゆっくりと大地を進んでいた。
巨木を組み合わせた直角三角形の構造物。
カタパルト。
映画や漫画なんかで見たことがあるので、それの名前は知っていた。
でも、実際に見た実物は迫力が違う。
あんな巨大なものがよく動いていると感心してしまう。
カタパルトを守るようにして全軍が進んでいるので、速度が出ないのだろう。
「……まずは定石通りの城攻めをする。カタパルトに攻城塔など、攻城兵器は一通り持ってきているからな」
隣に立ったイケメンが教えてくれた。
解説してくれるらしい。
意外といいイケメンである。
インキンタムシさんってちゃんとさん付けで呼んであげようと思う。
「魔法が使えればあんな不格好なものに頼らなくて済むのだが、抗魔石め……」
インキンさんが悔しそうにイケフェイスを歪めていた。
そういえば、エスメラルダさんが魔法が効かないとか言っていたような気もする。
エルフも色々と大変なんだなと思った。
ゴロゴロとカタパルトがゆっくりと砦に接近していく。
カタパルトとは巨石を投げて攻撃する兵器だったはずだ。
正確に投げるためには、すごく難しい数学の応用が必要だとか。
かつてインスーブンカイが出来た俺でも、ちょっとわからなかった。
そんなややこしい兵器はゴロゴロとひたすら進んでいく。
砦に近づくってことは、射程距離がまだ足りないのだろうか。
「そうだ。射程がまだ足りないのだが、問題は……」
――ブゥン!
その時、沈黙を守っていた砦から不気味な音が聞こえた。
霧の晴れた青空に、小さな黒い点がいくつも浮かぶ。
なにあれ。
徐々に大きくなっていく黒点。
それは勢いを増しながら、大地に落下していく。
巨大な岩だった。
落下。着弾。
地面がえぐれた。
えっちらおっちら進んでいたカタパルトを巻き込んで。
まるで狙ったかのように。
「て、敵のカタパルトだー!!」
丘の下でエルフたちが慌てている。
こちらのカタパルトが空から降ってきた巨石によって、次々に破壊されていった。
「……問題は、敵のカタパルトの方が射程も威力も上なのだ」
ええ!?
駄目じゃんエルフ。
「魔法に頼っていた私達は、攻城兵器の開発には疎いんだ……」
さっきまでキリッとしていたカーチャンも悔しそうに真っ白な歯を噛み締めていた。
まあ、エルフがカタパルト作るの苦手なのはなんとなく納得する。
ルーナの種族が高度な計算を必要とするカタパルト作れるわけないもんね。
「……まあ、カタパルトが潰されるのは想定の上だ。砦の門まで兵たちがたどり着くための囮になってくれればいい。まだ手は考えてあるし……」
そんな事を呟きながらもアナスタシアさんはどこか不安げだった。
ギュッと掴んだ二の腕が小さく震えている。
アナスタシアさんの言った砦の門とは、山脈の麓に見える巨大な門のことだろう。
あそこまで必死に辿り着いた所で、砦のある山の中腹までまだ結構な距離がある。
その途中には小さな門みたいなのがいくつもあった。
あの砦を落とすのは困難を極める。
パッと見た感じは若い女性なアナスタシアさん。
こんな女の子に、8万人の命とエルフの命運を預けるなんて、酷な……。
……酷な。
…………。
そこまで考えて、ふと思った。
あれ、俺何しに来たんだっけ?
司令官は俺だったような気も……しなくもないような……。
「え、ええ!? アサギリくん!?」
とりあえず怯えるアナスタシアさんを抱きしめた。
誤魔化すように。
カチャと触れる鎧と鎧。
ふんわり漂う良い女の匂い。
「きゅ、急にこんなことしちゃ駄目じゃないか! わ、私には夫も子もいるのに……」
アナスタシアさんは真っ赤になって照れていた。
やんわりと抵抗しようとするが、強烈にちょろい雰囲気が漂っている。
さすがルーナのカーチャン。
「ジークリンデ様! そういう問題ではなく今は戦闘中です!!」
そしてイケメンはうるさかった。
「ここは俺に任せてくれ」
アナスタシアさんの耳元で囁いた。
途端にふにゃっとアナスタシアさんの力が抜ける。
「は、はい……」
真っ赤になりながらも小さく頷くカーチャン。
なんて素直な。
とても30代の娘を持つ母親とは思えなくて股間がオッキしてしまう。
まあ、今はオッキさせている場合じゃない。
アナスタシアさんの腰を軽く抱きながら、俺はゆっくりと砦を指差す。
ドヤ顔で。
「う、うわ……かっこいい……」
カーチャンが小声で娘と同じような事を言っていた。
この母娘大丈夫だろうか。
難攻不落の砦。
しかし、俺なら落とせる。
なぜならば、俺にはとっておきの召喚獣がいるのだから!
召喚バハムート!!
「フェルちゃんやれ! トカゲ化してあの砦ボコってやれ!!」
俺は忠実なるペットのトカゲにそう命じた。
思い切り人任せだけど気にしない。
「やだ!!!!」
しかし、フェルちゃんは全力でそっぽを向く。
このトカゲ……カーチャンの前でカッコつけていたのに。
結構イラッとした。
「あの姿になると主がかまってくれなくなるから嫌だ!!!」
なんて反抗的な態度だろう。
捨ててやろうか。
「ええ!? す、捨てないで……」
「……トカゲ化してビーム吐いてあの砦を木っ端微塵にして欲しかったんだけどなー」
「は、吐けるから! この姿でも吐けるから捨てないで!!」
フェルちゃんは必死に主張しながら、なぜか人差し指を喉に突っ込んでいく。
「オ、オエッ……アエッ……待っててね。この姿だとブレス吐きにくくて」
涙目になりながらオエオエやってる青髪の美女。
早朝の西新宿。駅のトイレで吐いている仕事帰りのキャバ嬢か。
「オエッエロッエロロロロオオオオオオ!」
きゅーんとフェルちゃんの小さい口に何かがチャージされていく。
震える大気。
圧縮していく青い光。
そして、放たれる閃光。
ビシッと寸分の歪みもない直線を描いて、青いビームが砦に向かっていく。
おお。
これだよ、これ。
かつてオーク数万匹を塵にしたビーム攻撃。
ビームの根本が美女の小さな口っていうのがなんとも締まらないが。
「オロロロロロ!!」
フェルちゃんは涙目を必死につむって頑張っていた。
――着弾。
ビームはあっさりと砦に直撃する。
轟音。
熱風。
視界を埋める土埃。
「おお!」「ついに……!!」
歓声を上げるエルフたちの声が聞こえる。
土埃が晴れていく。
そこには廃墟と化した砦の姿が――。
「マジかよ」
――見えることはなく、砦は普通に鎮座していた。
効いてないんですけど。
「えええ!?」
慌てるフェルちゃん。
頑張ってゲロを吐いたのにな。
「そんな……」
エルフ兵たちも落胆している。
「ちょっと待ってくれ。その女性は何なんだ? なぜドラゴンのようなブレス攻撃ができるのだ……!?」
インキンはフェルちゃんに興味津々だった。
性欲が強すぎて引く。
「あ、あるじぃ?」
フェルちゃんが不安そうに俺を見つめてくる。
整った顔立ちの青髪美女。
その金色の瞳には涙が浮かんでいたが、俺が言えることは一つだけだった。
「……つかえね」
「えええええ!?」
必死にしがみついてくるフェルちゃん。
ちょっとかわいそうだが、飼い主としてここは厳しくしなきゃいかんのだ。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!! 少し調子が悪かっただけなんだ!!! あ、あと素材!! あの建物、抗魔石か何かで出来ているんじゃないか!?」
必死に言い訳をするフェルちゃんからは、どうしようもない小物感が漂ってきた。
ちょっと可愛いのがタチ悪い。
「いえ、だから抗魔石で出来てるって言ってるじゃないですか。おバカなドラゴンですねー!」
「ええええ!? そうなの!? じゃあ我のブレスが効かなくても仕方ない……」
容赦ないフィリスのツッコミで、フェルちゃんがしょぼんとしてしまう。
あのビームって魔法属性なんだろうか。
ていうか、コーマセキって何度も言われてんのに、パタパタ楽しそうに飛んでるだけだったフェルちゃんは全然聞いていなかったらしい。
まあ所詮はトカゲだし。
過度な期待はすべきではないのかもしれない。
それにしてもコーマセキめんどくせえな。
――ぱらぱら。
その時、山から崩れ落ちた小石が砦に当たるのが見えた。
刹那。
俺の灰色の頭脳が音を立てて回転する。
脳内で孔明さんが「今です」と言っていた。
「策は成った」
「「「ええ!?」」」
その場にいた全員が俺のセリフに驚く。
「エッチなことしか考えてないコウ様が策とか言ってる……!!」
フィリスがすごく酷いことを言っていた。
あとでカンナさんにチクらねば。
まあそれはそれとしてである。
「見せてやんよ、俺の知能あふれる作戦を……」
「ふわあ、かっこいい……」
ドヤ顔で宣言してみたら、腰を抱いたままのカーチャンがボソッとちょろい事を言っていた。
かわいいけど、とりあえずカーチャンを離しててくてくと歩き出す。
俺のやや後方。
そこには地面にめり込むように巨大な岩が置いてあった。
自動車くらいの大きさ。
多分、重さはトンを超える。
ここからが知恵の見せ所である。
「ふぬぬぬぬぬ!!」
大岩を掴んで必死に持ち上げる。
俺のレベルは36。
こないだのエルフ王国襲撃でなんかレベルが上がっていた。
#############################################
HP:1313/1380(+7)
MP:301/301(+7)
筋力:162(+2)
防御:61(+2)
敏捷:60(+1)
器用:58(+2)
知能:105(+1)
精神:84(+1)
スキルポイント:5(+1)
#############################################
100を超えた知能で考えた作戦を見よ!!!!
「うおおおおおお!!」
ゆっくりと大岩が持ち上がっていく。
小さな埃を立てて、大岩は地面から離れていった。
大岩と地面の隙間から地虫達が這出ててくる。
ダンゴムシを見た時に、なぜか脳裏にピートの顔が浮かんだ。
頭上まで持ち上がった大岩。
俺はそれをおもむろに――。
「ふんぬっ!!!」
砦に向かってぶん投げた。
砦までの距離は1キロ半といったところか。
大岩はきれいな放物線を描いて砦に飛んでいく。
――ズガンッ!!
そして着弾。
やや逸れたのか、大岩は砦の端っこの方に当たってしまった。
端っこがパラパラと崩れている。
そう、崩れたのだ。
効いている。
丘の下のエルフ兵たちが俺をぽかんと見つめていた。
そして、爆発したような大歓声が沸き起こる。
「なんてお人だ……人?」「俺、三代目に一生ついていく!!」「素敵……」
「三代目!」「三代目!」「三代目!」
盛り上がるエルフ兵たちに片手を上げて答えた。
「……はあはあ」
カーチャンなんか胸元を押さえて俺に熱い視線を送ってくる。
もう完全に抱ける気がするのだが。
目がハートマークなんだけど。
もうここはエルフたちに言ってやるしかないのか。
あの言葉を。
「パアアアアアイッ!!!」
エルフの中心で乳を叫んでみた。
――シーン。
えええ!? これでもスベるの!?
途端に黙ったエルフたちに俺は泣きそうになった。
「コウ様……」
そんな時、フィリスがガショっと声をかけてきた。
なぜか地面に膝をついている。
「このフィリス。感服しました。なんて……なんて筋肉のある作戦!!!」
「お、おお」
筋肉のあるって表現なんだよ。
初めて聞いたよ。
「ご褒美に後でケツ穴ペロペロしてあげますね!」
「お、おお……ってさせねえよ!?」
どさくさに紛れて何言ってんだ。
なんで執拗にケツ狙ってくんだよ。
どうせならチンコペロペロしろよ。
「私もお手伝いしますね! どっせーい!!」
相変わらず自由なフィリスは、近場の大岩を持ち上げてぽいっと投げつける。
大岩は軽々砦に届いて、その堅牢な城壁を粉砕した。
俺より中心に近くてイラッとする。
「あ、主! 我だって!! 我だってあれくらいできるぞ!!!」
必死なフェルちゃんも大岩を持ち上げて砦に投げつける。
中身が大トカゲなだけあって、力も強いらしい。
岩は砦に当たったが、フェルちゃんが必死過ぎて見苦しい。
「続いて、それぇー!!」
「え、えーい!! あ、主、見ててくれた??」
ポンポン宙を舞う大岩。
投げるのが小柄な女性二人っていうのが違和感バリバリだが。
どんどん破壊されていく砦。
黒光りしているくせに、どこか怯えて見えた。
俺も投げるか。
フェルちゃんとフィリスのせいで近場の岩が無くなりそうな勢いだった。
カタパルトさんたち用の球でももらってくるかな。
砦の命運は刻一刻と尽きかけようとしていた。
エスメラルダさんのご褒美パイ揉みができる日は近いと見た。
「……すごいけど、なんて頭の悪い作戦だ」
インキンさんが失礼な事を言っていた。
知力100超えの俺に対して。
もげればいいのに。
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