ちょいクズ社畜の異世界ハーレム建国記

油揚メテオ

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第三章 戦争編

第96話 王都デート ①

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 次の日の朝、俺は疲れ果てていた。
 昨日のパーティではかなりのニンゲンと関わってしまった。
 完全に俺の許容限界を超えている。
 今の俺には長期間の休養が必要だろう。
 具体的に3年位は、女を抱きながら引きこもらなければならない。
 とりあえず、一刻も早く我が家に帰ろうと思った。

「やだやだ! 絶対にやだ! 王都でお前とお買い物するって決めてたんだもん!」

 玄関で帰りの馬車を手配していたら、床に仰向けに倒れたルーナがジタバタしている。
 小さな子がやるんだったら可愛いのかもしれないが、手足の伸び切ったルーナがやると病院に連れて行きたくなってしまう。
 というか、昨日のパーティでの惨劇は80%ルーナのせいだ。
 罰の意味も込めて、ここは断固として家に帰る。

「なあ、少しくらいいいじゃないか。お金もいっぱい持ってきたし。2人で色んな所見て回ったらすごく楽しいぞ?」

 ルーナは金貨がパンパンに詰まった革袋を見せつけてくる。
 だが、金の問題ではないのだ。
 これは引きこもりと他のニンゲンの関係性という民俗学と生物学が高度に入り混じった複雑な問題であって。
 とにかく。

「うるさいだまれ」

「うわあああ! ひどい! たまには私とお出かけしてくれてもいいじゃないか! ほ、ほら、おっぱい揉んでいいから」

 ルーナが俺の手をとって自分の胸に誘導する。
 この女、ホントに俺をなんだと思っているのか。
 中学生じゃあるまいし、れっきとした大人の俺がこんなことで――むう、相変わらず良い乳だ。
 というか、よく考えたらデート1つせずに毎晩やらせてもらうというのはちょっと如何なものかという気がしてきた。
 数年前の俺が聞いたら、目から血の涙を流して羨ましがっただろう。
 デートとはいつかその女とやるために、面倒くさいのを我慢する苦行だ。
 そんな苦行をすっ飛ばして、ルーナとやりまくっている俺はなんかズルをしている気分になってくる。
 そう考えればデートくらいしてやってもいいかもしれない。
 ちなみに、決してルーナの稚拙な色仕掛けに籠絡したわけではない。

「……ちょっとだけだぞ」

「うん! えへへ! やったあ! すぐに支度してくるからな!」

 ルーナは嬉しそうに部屋に戻っていく。
 その様が可愛らしかったのでいいのだが、帰るモードですっかり安心しきっていた胃が悲鳴を上げ始める。
 どうしてこうなったと思わずにはいられない。

「まったく、まるで子供ね。本当に呆れるわ」

 玄関に備え付けらてたベンチに座ってお茶を飲んでいたセレナがそんな事を言った。
 今日のセレナは白いツバヒロの帽子を被り、同じく白いカーディガンに、歩きやすい丈のスカートを履いていている。
 なんというか、準備万端と言った感じだ。
 まるでこれからお出かけするような。

「どっか行くのか?」

「は、はあ!? 私はただ帰りの馬車が来るまで、あなたとちょっとお散歩でもしようと思ってただけよ? 別に小娘みたいに、あなたと王都観光を楽しもうとか、そんな事は考えてないから! 一緒にしないでちょうだい」

「お、おう」

 なんか突然恥ずかしそうにまくしたてられたが、何を言っているのかよくわからない。

「ちょっとルーナと買い物してくるけど、セレナは待っているってことか?」

「ちょ、ちょっと! 何聞いてたのよ!? 私も行くわよ!」

 そんな事を言いながら、真っ赤な顔をしたセレナが手を握ってくる。
 可愛いからいいのだが、ツンデレが恐るべきスピードで進行している気がして心配になる。
 初めて会った時のあの恐るべき吸血鬼感はどこにいったのか。
 可愛い顔してるだろ。ウソみたいだろ。世界最強の吸血鬼なんだぜ。これで。
 そこはかとなく罪悪感に苛まれた。

 そんなこんなでルーナとセレナとデートに行くことになった。



 王都は相変わらず物凄い人だかりだった。
 行き交う人はみな楽しそうにおしゃべりをしていて、喧騒がやかましい。
 早くも吐きそうになった。

「なあ、なんでこいつもいるんだ? 私はお前と二人きりが良かったのに」

「うるさい小娘ね。ほら、こうしてコウの腕につかまって、コウの横顔だけ見てみなさい? 2人で歩いているのと変わらないでしょう?」

 セレナはかなり無理のある事言いだすが、巨乳を押し付けられた俺は黙っている事しかできなかった。

「本当だ。頭いいな、お前」

 ルーナはぽーっと俺を見つめている。
 納得しちゃったのかよ。
 右にルーナ、左にセレナを抱えて、俺としては何の文句はないのだが。

「なあなあ、クレープの屋台があるぞ? あれ食べたい!」

「ほら、あそこ見てみて。素敵な橋ね。いい眺めだわ」

 2人とも好き勝手に全く別の事を話しかけてくる。
 右脳と左脳が分離しそうな錯覚を覚えて、ただでさえ人混みで吐きそうだったのに、嘔吐感に拍車をかける。

 俺は胃がぎっこんばったん言うのを必死に堪えながら、2人とのデートを続けた。
 買い食いをしたり、観光名所の噴水を眺めたり、服やアクセサリーを買ったりと2人は楽しそうだった。
 まあ、2人が楽しそうならいいのだ。
 あまりのストレスにさっきから毛根がガンガン死滅して、髪がハラハラ抜けていく気がするが。
 昨夜から続く高ストレスの連続に、俺はもうぼろぼろだった。
 意識が白んでいく。
 もうダメかもしれない。
 最後に、エロい、こと、したかっ……。

「ねえ、あそこ見て? 女性専門の下着屋さんですって。ふふ、一緒に入ってみましょうか?」

 セレナが悪戯めいた笑みを浮かべている。
 女性専門の下着屋?
 ランジェリーショップ?
 それはエロい!

 俺の意識がむくむくと復活していく。

「よし、行こうか」

「え? 本当に行くの? 普通男の人ってああいうの恥ずかしがらない?」

 自分から誘ったくせにセレナは引いていた。
 確かにランジェリーショップに男が入るのは気が引ける。
 とはいえ、街中に俺が気の引けない場所はない。
 どの店に入るのも結局俺には同じことなのである。
 そんなわけで、セレナの手を引いてずんずんランジェリーショップに向かった。

 当たり前だが、店内は女性下着に溢れていた。
 俺は思わず立ちくらみを覚えた。
 なんといえばいいのだろう。
 子供の頃、誕生日やクリスマスに親と一緒に行ったおもちゃ屋さん。
 あれと同じイノセントなわくわく感が溢れている。
 しかも、店の奥には更衣室があった。
 よし、なるべくエロい下着を見繕って、更衣室でセレナに着せながらエロいことをしよう。
 俺は限りなくイノセントな気持ちでそう思った。

「申し訳ございません、お客様。当店にはお連れ様に合うサイズの商品を用意しておりません」

 しかし、店員のお姉さんにそんな事を言われてしまった。
 お連れ様のサイズと言われて、セレナの胸を見る。
 相変わらずセレナの乳は男の夢が詰まっていて、霊峰富士もかくやと言わんばかりの荘厳な美しさと雄大さに溢れている。
 そりゃ普通の店にこんなデカいブラはねーだろとは思うが。

「許さん! ええい、店長を呼べ!!」

 イノセントな楽しみを邪魔された俺は自分でも信じられないくらい怒っていた。
 決して、一度言ってみたかったセリフだったわけではない。

「申し訳ございません。店長は只今、王宮に呼び出されております。なんでも、昨夜、王宮の中庭に突如として白く濁った液体の沼地が出現したらしく、そこに女性ものの下着が落ちていたので、意見を聞きたいとかで……」

 ふむ。
 それはまた面妖な。
 ただ、なんだろうか。
 さすがにないとは思うのだが、ちょびっと身に覚えがあるような、ないような。
 いやいや、でも沼地て。
 さすがにそこまでになるわけがない。
 とはいえ。

「出ようか、セレナ」

「え、ええ」

 とりあえず、俺たちはランジェリーショップをそそくさと後にした。
 別にバレる前に逃げ出したわけではない。

 セレナの手を引きながら大通りを歩く。
 というか、何かを忘れている。
 何かも何も、ルーナがいないではないか。

「ルーナはどこ行ったんだ?」

「そういえば、いないわね。何やってるのかしら、あの馬鹿娘」

 いつからいなくなったのだろうか。
 服を買っている時はいたと思うが、途中ストレスのあまり意識が朦朧としていたのでよく覚えてない。

「……もしかして、奴隷商に捕まったんじゃ? 若いエルフの娘なんてあいつらの格好の的よ?」

 セレナがそんな怖いことを言う。
 冗談ではなく背筋がゾッとした。

「ルーナ!」

 思わず駆け出していた。
 血眼になってルーナを探す。
 ルーナに何かあったら俺は……!

 しかし、ルーナはあっさり見つかった。
 向かいの通りを泣きべそをかいて歩いている。

「うわーん! ばかー! ま、迷子になっちゃダメじゃないか!」

 俺を見つけると、ルーナはそんな事泣き叫びながら飛びついてきた。
 いや、迷子になったのお前だし。

「ばかばか! なんで私の事離しちゃうんだ? ちゃんと捕まえておかないとダメじゃないか!」

 ルーナはがたがた震えながらひしっとしがみついてくる。
 風船みたいな女だ。
 ルーナが言うには、アイスクリームの移動屋台があったので、追いかけていったら、俺たちと逸れていたらしい。
 10対0でルーナが悪い。
 今朝の玄関での駄々こねもそうだが、こいつが俺と同い年というのはもはやホラーな気がする。
 エルフってみんなこうなのだろうか。

 とはいえ、ルーナが奴隷商に捕まったのではないかと思っていたので、見つかって良かった。
 ルーナの柔らかな金髪をそっと撫でる。
 ルーナは未だに俺の腕にしがみついて泣きじゃくっている。
 迷子になったのがよっぽど怖かったらしい。

「ちょっと、いつまで泣いているのよ。せっかくの王都観光が台無しだわ」

 セレナが不満そうな顔をしていた。
 俺にはどの辺がせっかくなのだかわからないが、たしかにルーナが泣いていると気が滅入ってくる。

「なんでもしてやるから機嫌治せって」

 ルーナにそう声をかけてみた。

「……じゃあ、欲しいもの買ってくれる?」

 ルーナは涙ぐみながらも上目遣いでそんな事を言った。
 ちょっと洒落にならないくらい可愛かった。
 ルーナにこんなことを言われて、何も買わない男がいようか、いや、いない。

「おう、なんでも言え。というか、今までだって欲しいものは全部買ってやっただろう」

 ルーナが欲しがった服やらアクセサリーは余すことなく購入している。
 もちろん、セレナが欲しがったものも全部買っているが。
 ちなみに、大量に買いまくった商品は家まで直接届けてくれるらしい。
 送料に銀貨50枚取られたが誤差の範囲だろう。
 というか、貨幣の価値が未だにわからない。
 わかるのは俺が金持ちだということだけだ。

「ちょっと本気出しちゃうぞ? ちょっと高いかもしれないぞ?」

 金はいくらでもあるので、全然構わない。
 なぜなら俺は金持ちだから。
 ルーナが馬鹿みたいに金を持ってきていたし、王様からもらった金もある。
 今まで結構派手に使ったつもりだったが、金は全然減っていなかった。

「じゃあ、こっちだ!」

 ケロッと笑顔になったルーナは、嬉しそうに俺の手を引いて駆け出していく。
 というか、よく考えたら、ルーナが勝手に迷子になって勝手に泣きじゃくっていただけなのだが、なんで俺がルーナの機嫌をとらなきゃいけないのか。

「本当に小娘に甘いんだから。もうちょっと私のことも構いなさいよ」

 セレナはぷりぷり怒りながらついてくる。
 もうかなり構っているつもりだが、まだ足りないのだろうか。
 とりあえず、セレナの腰を抱くと、セレナは嬉しそうにしがみついてきた。
 可愛い。
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