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第三章 少女期 女神編
第三百十一話 絶望の瞬間(セイ視点)
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ミーシャの異常を知らされた僕は、とにかく、すぐにでもミーシャの側に居たはずの奴等を問い詰めるべく、そいつらのところまで駆ける。
バゴンッと扉を開け放……ったというよりは、破壊してしまいながら、僕は、ようやく、奴等を視界に入れる。
「ねぇっ、君達が居ながら、ミーシャに何かあったって、どういうこと?」
この国の王太子、アルト・ラ・リーリスと、トカゲのごとく小さな姿の聖竜マルディック、そして、何やら見覚えのない黒い蛇が居る応接室を訪れ、真っ先に詰問する。答えの内容によっては容赦しない。そんな思いで、口にした言葉だったが、それを口にした直後、何かが、視界の端をチラつく。
(? 今の、は…………?)
そこにあったのは、強烈な違和感と、嫌な予感。見てはいけない。知ってはいけない。感じてはいけない。そう、思えど、自然と、視線はそちらへと……不自然にアルト王子の視線の先に置かれた、長いソファへと向けられて……。
「ミー、シャ……?」
茶色のクルクルフワフワとした、柔らかな長い髪に、同年代に比べれば、幼く、人懐っこい顔立ちの少女。今は閉じられたその瞳は、青く美しいもので、ユミリアと同じ学校の制服を纏った彼女は、自分のとてもよく知る人物のように見える。
「なん、で……? 魔力、が……」
彼女の纏う魔力は、とても優しくて温かい。ユミリアのそれも、確かに優しくて温かくもあるが、彼女のそれは、どこか安心をもたらしてくれるものだった。
「何が……どうして……?」
魔力というのは、ユミリアが言う指紋やら声紋やらと同じ、個々を識別することに使えるものだ。そして、それは、どんなに隠そうとしても、命ある限り、失われるものではない。特に、星妖精となった僕の前で、それを隠すなど不可能だ。
……それなのに、今、目の前の彼女からは、何も感じない。あの優しい魔力が、温かな魔力が、安心できる魔力が、一切、感じられない。
閉じられた瞼が開く様子もなく、ただただ、そこで眠り続ける彼女。無意識に、全力で魔力探知を行うものの、どこにも、彼女の気配はない。どこにも……彼女が、居ない。
「あ……ぁ……」
目の前の事実を、理解できるはずなのに、理解できない。嘘だ、嘘だと、頭の中でその光景を否定して、僕は、思わず一歩後退る。
人間は、儚い存在だと知っていた。初めて彼女に出会った時、僕は、それを強く実感していて、彼女は保護しなければならない存在なのだと意識していたはずだ。それなのに……。
(これは……なに……?)
大切な、大切な、愛弟子。彼女を失ったのだと気づいた僕は、誰かが何かを叫んでいる声を遠くに聞きながら、崩れ落ちた。
バゴンッと扉を開け放……ったというよりは、破壊してしまいながら、僕は、ようやく、奴等を視界に入れる。
「ねぇっ、君達が居ながら、ミーシャに何かあったって、どういうこと?」
この国の王太子、アルト・ラ・リーリスと、トカゲのごとく小さな姿の聖竜マルディック、そして、何やら見覚えのない黒い蛇が居る応接室を訪れ、真っ先に詰問する。答えの内容によっては容赦しない。そんな思いで、口にした言葉だったが、それを口にした直後、何かが、視界の端をチラつく。
(? 今の、は…………?)
そこにあったのは、強烈な違和感と、嫌な予感。見てはいけない。知ってはいけない。感じてはいけない。そう、思えど、自然と、視線はそちらへと……不自然にアルト王子の視線の先に置かれた、長いソファへと向けられて……。
「ミー、シャ……?」
茶色のクルクルフワフワとした、柔らかな長い髪に、同年代に比べれば、幼く、人懐っこい顔立ちの少女。今は閉じられたその瞳は、青く美しいもので、ユミリアと同じ学校の制服を纏った彼女は、自分のとてもよく知る人物のように見える。
「なん、で……? 魔力、が……」
彼女の纏う魔力は、とても優しくて温かい。ユミリアのそれも、確かに優しくて温かくもあるが、彼女のそれは、どこか安心をもたらしてくれるものだった。
「何が……どうして……?」
魔力というのは、ユミリアが言う指紋やら声紋やらと同じ、個々を識別することに使えるものだ。そして、それは、どんなに隠そうとしても、命ある限り、失われるものではない。特に、星妖精となった僕の前で、それを隠すなど不可能だ。
……それなのに、今、目の前の彼女からは、何も感じない。あの優しい魔力が、温かな魔力が、安心できる魔力が、一切、感じられない。
閉じられた瞼が開く様子もなく、ただただ、そこで眠り続ける彼女。無意識に、全力で魔力探知を行うものの、どこにも、彼女の気配はない。どこにも……彼女が、居ない。
「あ……ぁ……」
目の前の事実を、理解できるはずなのに、理解できない。嘘だ、嘘だと、頭の中でその光景を否定して、僕は、思わず一歩後退る。
人間は、儚い存在だと知っていた。初めて彼女に出会った時、僕は、それを強く実感していて、彼女は保護しなければならない存在なのだと意識していたはずだ。それなのに……。
(これは……なに……?)
大切な、大切な、愛弟子。彼女を失ったのだと気づいた僕は、誰かが何かを叫んでいる声を遠くに聞きながら、崩れ落ちた。
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