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第一章 幼少期編
第百四十二話 問題だらけ
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もしかしたら、イルト王子を救えるかもしれない。そう思って、メリーに城へ行きたいと言ったのだが、すぐに却下された。
「みゅ!?」
「ユミリアお嬢様。第二王子殿下が心配なのはよぉく理解しております。しかしながら、今から城へ向かうという行動には、多々問題点が見受けられます」
今は緊急事態なのだから、多少の問題は無視できるだろうと思っていた私だが、もしかしたら、私が思い浮かばない問題点があるのかもしれないと、とりあえず聞く体勢を取る。……先ほどのお説教は、しっかり身に染みたのだという証でもあるかもしれない。
「まず一つ目、浄化魔法の使い手が居ないこと」
「みゅっ、私が使えるよ?」
「そうですか、では、今ここで、魔石に浄化魔法を込めてみてくださいませんか?」
メリーは、私が全ての魔法を使えることを知らなかっただろうかと思いながら、浄化魔法も使えると主張すれば、ここで証明してみせるように言われる。
(?? 何か、あるのかな?)
実は、浄化魔法が使えるであろうことは理解していても、実際に使ったことはない。と、いうか、普通に暮らしていれば、使う機会などそうそうない。
魔石に魔法を宿して、それから行使するという面倒な手順が必要なこの世界。しかし、すでにそれに慣れた私は、ストレージに大量にストックしてある空の魔石を一つ取り出す。
「浄化」
そして、何となく理解できている浄化魔法を魔石に使用した……のだが……。
「みゅう?」
なぜか、魔石に魔法が入らない。いや、そもそも、魔法自体が発動していない。
「やはり、ですか……」
そして、どうやらその現象に、メリーは心当たりがあるらしい。
「ユミリアお嬢様から、前世のお話を伺った後、独自で浄化魔法について調べていたのですが、浄化魔法の使い手は、誰もが必ず、十二才の誕生日に能力を開花させております」
「十二才……『モフ恋』のシナリオが始まる時期……?」
言われてみれば、『モフ恋』の主人公ミーシャは、浄化魔法を開花させてから貴族の養子に入ったという設定があった気がする。
「諸説はありますが、浄化魔法は、神が授ける特別な魔法であり、十二才にならない限り使えないのだと言われております」
「な、なら、私以外で、浄化魔法を使える人をっ」
「それが、二つ目の問題です」
「どういう、こと……?」
メリーの沈痛な面持ちに、私は嫌な予感が止まらない。
「過去に浄化魔法の使い手が現れたのは三百年前。現在は、存在していないと思われます」
「っ……」
つまりは、今、イルト王子を救える者は、誰も居ない。メリーの言葉は、そういうものだった。
「そして、三つ目の問題点」
まだ、問題があるのかと絶望した面持ちでメリーを見つめれば、メリーは悲しそうな顔でこちらを見つめていた。
「第二王子殿下の峠は、今夜だと、伺っております」
その瞬間、私はメリーに背を向けて、窓から外へと飛び出した。
「みゅ!?」
「ユミリアお嬢様。第二王子殿下が心配なのはよぉく理解しております。しかしながら、今から城へ向かうという行動には、多々問題点が見受けられます」
今は緊急事態なのだから、多少の問題は無視できるだろうと思っていた私だが、もしかしたら、私が思い浮かばない問題点があるのかもしれないと、とりあえず聞く体勢を取る。……先ほどのお説教は、しっかり身に染みたのだという証でもあるかもしれない。
「まず一つ目、浄化魔法の使い手が居ないこと」
「みゅっ、私が使えるよ?」
「そうですか、では、今ここで、魔石に浄化魔法を込めてみてくださいませんか?」
メリーは、私が全ての魔法を使えることを知らなかっただろうかと思いながら、浄化魔法も使えると主張すれば、ここで証明してみせるように言われる。
(?? 何か、あるのかな?)
実は、浄化魔法が使えるであろうことは理解していても、実際に使ったことはない。と、いうか、普通に暮らしていれば、使う機会などそうそうない。
魔石に魔法を宿して、それから行使するという面倒な手順が必要なこの世界。しかし、すでにそれに慣れた私は、ストレージに大量にストックしてある空の魔石を一つ取り出す。
「浄化」
そして、何となく理解できている浄化魔法を魔石に使用した……のだが……。
「みゅう?」
なぜか、魔石に魔法が入らない。いや、そもそも、魔法自体が発動していない。
「やはり、ですか……」
そして、どうやらその現象に、メリーは心当たりがあるらしい。
「ユミリアお嬢様から、前世のお話を伺った後、独自で浄化魔法について調べていたのですが、浄化魔法の使い手は、誰もが必ず、十二才の誕生日に能力を開花させております」
「十二才……『モフ恋』のシナリオが始まる時期……?」
言われてみれば、『モフ恋』の主人公ミーシャは、浄化魔法を開花させてから貴族の養子に入ったという設定があった気がする。
「諸説はありますが、浄化魔法は、神が授ける特別な魔法であり、十二才にならない限り使えないのだと言われております」
「な、なら、私以外で、浄化魔法を使える人をっ」
「それが、二つ目の問題です」
「どういう、こと……?」
メリーの沈痛な面持ちに、私は嫌な予感が止まらない。
「過去に浄化魔法の使い手が現れたのは三百年前。現在は、存在していないと思われます」
「っ……」
つまりは、今、イルト王子を救える者は、誰も居ない。メリーの言葉は、そういうものだった。
「そして、三つ目の問題点」
まだ、問題があるのかと絶望した面持ちでメリーを見つめれば、メリーは悲しそうな顔でこちらを見つめていた。
「第二王子殿下の峠は、今夜だと、伺っております」
その瞬間、私はメリーに背を向けて、窓から外へと飛び出した。
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