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三章.意識と無意識
6.悩む武生
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月桂による武生の洗脳が解けかけている。
武生はこの頃、ちょっと自分が分からなくなっていた。
自分の意志とはたぶん関係なく、四朗のそばにいることが、多々ある。
なぜ、たぶんかというと、無意識のことだからだ。
考えてみれば、四朗のそばにいる理由なんてない。相崎と四朗が喧嘩をするからというならば、喧嘩が始まってから止めに入っても間に合う。いつ始まるか知れない喧嘩を見張っているというのも、おかしい。
それどころか、聞くところによると、自分は四朗に触れようとする「誰をも全て」も排除しているようだ。何気なく。
その様子は、一部の女子からは「四朗様の騎士」と呼ばれているようだ。
全くもって不本意だ。
記憶が全くない‥というか意識が全くないというのが恐ろしい。
まるで何かに操られているようだ。
一体何のために、俺を操るのか、操って四朗を守って(かどうかは、わからない)どうするのか?
そもそも、四朗を守る理由がわからない。あいつは、男で、体力はないが武芸にだって秀でている。
しかも、何から守るというのだ。
敵? 馬鹿馬鹿しい。
触ろうとする全ての人間が敵って、それじゃあやたら独占欲の強い恋人みたいじゃないか。
勘弁してくれ。そんなわけがない。
しかも、無意識でそれをしてしまうって‥。どれほど‥
武生は思わず頭をかきむしった。
「どうなってしまったんだ。俺は‥」
なんてことはない。紅葉に憑いている臣霊 月桂の洗脳のせいだ。
七年間毎日一緒に暮らしてきて、すっかり紅葉第一主義になった月桂等にとって、紅葉以外のことなんてはっきり言ってどうでもいい。
その後、鋼の意思で、四朗から距離を取ろうとする武生と、さらに洗脳を強化する月桂の攻防戦は暫く続き、一部の女子からは「相生君との禁断の恋に悩む武生君」という更に不本意な噂をたてられるのだった。
だけど、まあ、今のところ相生君が偽物だってことは武生も気づいていない。距離を取ろう取ろうと意識しているから、多分、これからも気づくことはない。
むしろ危ないのは、何かを気づいた相崎なんだけど、あいつはかわいい女の子以外、基本的にあんまり興味がないから、やっぱりセーフ。
紅葉の偽相生君生活は、もうしばらく続くのだった。
武生はこの頃、ちょっと自分が分からなくなっていた。
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それどころか、聞くところによると、自分は四朗に触れようとする「誰をも全て」も排除しているようだ。何気なく。
その様子は、一部の女子からは「四朗様の騎士」と呼ばれているようだ。
全くもって不本意だ。
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まるで何かに操られているようだ。
一体何のために、俺を操るのか、操って四朗を守って(かどうかは、わからない)どうするのか?
そもそも、四朗を守る理由がわからない。あいつは、男で、体力はないが武芸にだって秀でている。
しかも、何から守るというのだ。
敵? 馬鹿馬鹿しい。
触ろうとする全ての人間が敵って、それじゃあやたら独占欲の強い恋人みたいじゃないか。
勘弁してくれ。そんなわけがない。
しかも、無意識でそれをしてしまうって‥。どれほど‥
武生は思わず頭をかきむしった。
「どうなってしまったんだ。俺は‥」
なんてことはない。紅葉に憑いている臣霊 月桂の洗脳のせいだ。
七年間毎日一緒に暮らしてきて、すっかり紅葉第一主義になった月桂等にとって、紅葉以外のことなんてはっきり言ってどうでもいい。
その後、鋼の意思で、四朗から距離を取ろうとする武生と、さらに洗脳を強化する月桂の攻防戦は暫く続き、一部の女子からは「相生君との禁断の恋に悩む武生君」という更に不本意な噂をたてられるのだった。
だけど、まあ、今のところ相生君が偽物だってことは武生も気づいていない。距離を取ろう取ろうと意識しているから、多分、これからも気づくことはない。
むしろ危ないのは、何かを気づいた相崎なんだけど、あいつはかわいい女の子以外、基本的にあんまり興味がないから、やっぱりセーフ。
紅葉の偽相生君生活は、もうしばらく続くのだった。
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