自然って、誰が作ったの。

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※四十三話

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人の正体は、精子と卵子。

「君は、ただの、ぬいぐるみだから、除外されちゃってるんだぁ…」

おもちゃは、おもちゃ。
魂を注ぐぐらいに愛しているから、感情の起伏があるように、笑ったり、怒ったりしているかのような。

「俺には、精子に振り分けられる性別があるから、きっと、救われちゃうんだよね」

おもちゃは、おもちゃ。
愛されることなんて無いんだよ。
捻られて、感情があるかのように見られて、怒ったり、笑ったり、顔を変えられて、

「俺が一人の間だけ、君が寂しさを潤してくれるだけ」

最後は、愛し合った記憶すら、失われてしまうのかな。







「こんな事で、泣くな!男だろ!」

俺は、そう、よく、叱られていた。

「、ごめんなさい…、」

男の癖に、メソメソしていて、弱くて、情けなくて、仕方ないよね。
俺の父親は、きっと、全くの逆で、強くて、しっかりしていて、男を代表するぐらいの、かっこいい人なんだろうね。

「…、…、」

髪は、ボサボサ。
体は、傷だらけ。
それでも、俺は、強くなれない。
いつも、いつも、伸されてばかりで、謝ってばかり。

「………、」

部屋の隅にある、ぬいぐるみは、昔、身内の人がプレゼントしてくれた。
ぬいぐるみは、俺を傷付けないし、俺の言いなりになる、だから、俺は、男であれる。

「……でも君、性別がないよねぇ」

気付いたのは、思春期に入った時ぐらい。
たまたま参加した保健体育の授業で、受精卵がどうやって出来るかの勉強をしたんだよね。

「だから、か。俺、君には、ムラムラしないんだよね」

興味深かった。
これってまさか、男女の特性を教えてくれてるって事じゃ、って。

「仲間に入りたいなら、穴開けなきゃね」

精子と卵子は、人を作る為に存在している。
俺、精子を出す瞬間、すっごく好きなんだよね。気持ちよくて。

「穴があったら、何でもいいのかな」

不安もある。
君は、俺を許してくれるの?って、漠然とした不安が。
分からないから、女の子を見ていた。
ずっと。

『気持ち悪いー』
『まじで死んでほしい』
『消えろよな』

俺の弱い心は、分かっちゃったんだよ。
ああ、そっか、って。
穴は、勝ち取らなければならないんだって。

「テメェが聞けよ!おい!女!弱者の癖に拒絶してんじゃねーよ!」

髪を引っ掴み、無理矢理、犯したんだよ。
そしたら、その話を聞いた、男に、俺は、ズタボロにやられた。

「…俺の女に何してくれてんだ?」

ボロボロに。
ぬいぐるみみたいに、俺は、弱かった。
怖くて、怖くて、仕方なかった。

「、ごめんね、…俺が悪かったね、」

脳裏に浮かぶのは、クソ。
俺を虐めて機嫌良くなっていたそいつの顔。
俺は、穴には強いのに、棒には弱いって、理解した。

「あり得ないよね、俺ェ……。」

棒には、弱いの。
だから、穴にするの。

「…!!……!!」

声なんてどうでもいいの。
見た目なんてどうでもいいの。
穴があるから俺の棒を突っ込んで気持ち良くしてもらうだけ。
俺を傷付けた詫びを、お返しを、いただくだけ。

「、あ、…痛かったかな?ごめんね、」

穴は、切れて、血だらけだった。
俺の血と同じだったから、やりきった後になって、スン、と理解出来た。

「軟膏要る?自分でやりにくいなら塗ってあげるよ。…保健室、行く?」

男は、涙目で俺を見るだけ。
何も言わない。ぬいぐるみみたいに。
可愛い。可愛いんだよ。それが。
俺は、気付いてしまった。
気付いてしまったら、やめられなくなった。
ぬいぐるみを虐め続けた。
虐め続けて、理解する。
俺には、愛が、足りない。

誰もが、俺を避けた。
避けていくから、孤独になった。
だから、自由に生きていた。
それでも、みんな仲良くしてるのを見ると、羨ましくて、寂しくて、仕方なかった。

「……。」

どうやったって、俺は、穴以外に、愛せないのに。
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