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田中ライコフ

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屈辱の快楽

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 他人の手で扱かれるよりも刺激は少なかったがその分安心感はある。リズムよく手を動かしているうちに、そこに熱が溜まりつつあるのが分かった。どうやら完璧に勃起不全になったわけではないらしい。
 叶真は安堵し、ホッと息を吐く。根本的に解決したわけではないが、不能になったわけでないと知れただけでも気持ちは楽だ。
 二週間の間に溜まった欲情を早く吐き出してしまおうと叶真は手早く手を動かす。自分の身体のことだ。どこがどう感じるのかは知り尽くしている。
 先端から透明な露が滲み始めると、精を吐き出すまであと僅かだ。叶真は早く吐き出してしまおうと一番弱い先端を指でぐりぐりと刺激する。
「はっ……あ、あれ?」
 強烈な快感が身体を走り抜けた。いつもならば達してしまうほど強い快感だ。二週間溜まった精ならば間違いなく絶頂を迎えられるはずだった。だが叶真の性器はまだ硬さを帯び、白濁した液を出せていない。
「嘘だろ……」
 叶真はイってくれと祈るように先端を刺激する。悶えるような甘い快感が走るものの、やはり達することは出来ない。
 完璧な勃起不全でないと分かって安心していたが、達することが出来ないのもそれはそれで大問題だ。一度昂った熱は簡単にはさめてくれず、叶真の身体をどろどろと這いずりまわっている。
「うあ……な、なんで……」
 いつまでも達せられない無限とも思える快楽に叶真は身を震わせた。そして気が付いてしまった。性器とは違うある場所が切なげに蠢いていることに。
「ありえ……ない。そんなのって……」
 信じられない、信じたくないと叶真は首を横に振る。だが叶真がどれほど拒否しようともそこは何かを欲するように動いた。
「あっ……く、くそっ……」
 達する寸前で止められているような感覚に、叶真は半ばやけくそ気味に熱を欲する秘所へと指を伸ばす。透明な露で濡れた指を秘所は待ち構えていたように飲み込み、離さないとばかりに中が指に絡みついた。
 キョウスケに嬲られたときのような痛みはまるでなく、喜んで指を受け入れたそこは以前の叶真の秘所とはまるで違う。快楽を得るための場所になっていた。
 指を挿入したのはいいものの、その後どうすればいいか分からない。男を抱いたときのようにすればいいのは頭で分かっていたが自分自身でそれをやってしまうと後には戻れない気がする。
「う……うぅ……」
 抜くことも動かすことも出来ず叶真は情けない声を上げた。心は辛くて仕方がないのに秘所は待ちわびたように熱を喜んでいる。絶頂の寸前で止まっている性器も指の進入に萎えることがなく涎のように露を吐き出し続けていた。
 とにかく早く精を出してしまいたい。限界まで張り詰めたそこは痛いとさえ感じる。叶真は半ばやけくそ気味に秘所にうずめた指を動かした。
「あ……ああっ……」
 ペニスを愛撫されたときとは違う快感が背中を走り抜ける。叶真の身体は求めていたものはこれだとばかりに歓喜に震えた。
 もっと強い快感を得たいと指の動きも大胆になってくる。一度キョウスケを受け入れたせいか痛みはまったくない。あるのは快感だけだ。
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