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ED疑惑
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二週間前に叶真の身に起こった人生で最悪の悪夢。あれほどの悪夢が襲い掛かったからには当分は平穏な日々が過ごせるだろう。そう思っていた叶真だが現実は非情だった。
「第二の悪夢到来……」
叶真は自室の枕に顔をうずめながら、キョウスケと出会ってからの二週間を振り返える。
乱暴に犯された後、なんとか帰路についた叶真は、家に辿りつくなりその場に倒れこみ丸一日寝込んでしまった。体力があり病気などとは無縁だった叶真が寝込んでしまうなど本人にとっても晴天の霹靂だ。身体の疲労もあったのだろうが、それ以上に心のダメージが大きかったのかもしれない。
三日目までは溜め息をつきながら生活をしていた叶真だったが、四日目にもなれば過ぎたことを気にしている自分にも馬鹿らしくなり、普段の調子を取り戻していた。
調子を取り戻した叶真の最初の行動はセフレである女への連絡だ。キョウスケによって傷つけられた男のプライドも女を抱けば回復できる気がした。
身体の相性が良く普段から遊びのようにセックスをしていたセフレは叶真からの誘いに二つの返事で即答した。そしてそこで悪夢は続いているのだと叶真は打ちのめされる。
自慢の息子がセフレの前でぴくりとも反応しなかった。女がどれだけ頑張ろうともそこは鎮まったままだ。思いも寄らない事態に叶真は引きつった笑みを浮かべたが、セフレである女の反応は冷たかった。
次の日も、またその次の日も叶真は手ごろな女や男に声を掛け、セックスへと持ち込んだ。だが結果はセフレの時と同様だ。そこはぴくりと反応しない。
「俺まだハタチなのに引退なわけ……?」
ヤリチンと称された叶真なだけにそのダメージは計り知れない。
インポになった原因は分かっている。あの夜のことなのは間違いがなかった。ナオトを抱いたところまでは正常に機能していたのだ。その後に起こったことが原因としか考えられない。
キョウスケに犯されたという経験は、叶真にとって想像以上にショックなことだった。誰かを抱こうとするとあの夜のことを鮮明に思い出し、自分が相手に無理強いしているのではないかという錯覚まで感じる。劣情を挿入され、揺さぶられた行為の痛みや感覚が鮮明に蘇った。
「なんだって俺がこんな……」
なぜ自分がこんな目に合わなければいけない。叶真はどうにもならない憤りを覚えながら深い溜め息をつく。
二週間の間、精を放出していないせいか身体が熱く気だるい。出したくても出せなかったのだが、それでも身体は出してくれと訴えているようだ。
枕から顔を上げた叶真はふと考えた。他人を抱こうとしても反応しない性器だったが、自慰でもそうなのだろうか。触れられて何も感じないわけではない。快感よりも抱くという行為に恐怖を感じ、勃たないのだ。相手がいなければ勃つかも知れない。
ベッドに座りなおした叶真はジッパーを下ろし性器を取り出す。以前は立派に見えていたそれも、キョウスケに犯されてからはとても立派には見えない。
叶真は右手で軽く性器を包み込むとゆるゆると動かした。
「オナニーとかいつぶり……」
「第二の悪夢到来……」
叶真は自室の枕に顔をうずめながら、キョウスケと出会ってからの二週間を振り返える。
乱暴に犯された後、なんとか帰路についた叶真は、家に辿りつくなりその場に倒れこみ丸一日寝込んでしまった。体力があり病気などとは無縁だった叶真が寝込んでしまうなど本人にとっても晴天の霹靂だ。身体の疲労もあったのだろうが、それ以上に心のダメージが大きかったのかもしれない。
三日目までは溜め息をつきながら生活をしていた叶真だったが、四日目にもなれば過ぎたことを気にしている自分にも馬鹿らしくなり、普段の調子を取り戻していた。
調子を取り戻した叶真の最初の行動はセフレである女への連絡だ。キョウスケによって傷つけられた男のプライドも女を抱けば回復できる気がした。
身体の相性が良く普段から遊びのようにセックスをしていたセフレは叶真からの誘いに二つの返事で即答した。そしてそこで悪夢は続いているのだと叶真は打ちのめされる。
自慢の息子がセフレの前でぴくりとも反応しなかった。女がどれだけ頑張ろうともそこは鎮まったままだ。思いも寄らない事態に叶真は引きつった笑みを浮かべたが、セフレである女の反応は冷たかった。
次の日も、またその次の日も叶真は手ごろな女や男に声を掛け、セックスへと持ち込んだ。だが結果はセフレの時と同様だ。そこはぴくりと反応しない。
「俺まだハタチなのに引退なわけ……?」
ヤリチンと称された叶真なだけにそのダメージは計り知れない。
インポになった原因は分かっている。あの夜のことなのは間違いがなかった。ナオトを抱いたところまでは正常に機能していたのだ。その後に起こったことが原因としか考えられない。
キョウスケに犯されたという経験は、叶真にとって想像以上にショックなことだった。誰かを抱こうとするとあの夜のことを鮮明に思い出し、自分が相手に無理強いしているのではないかという錯覚まで感じる。劣情を挿入され、揺さぶられた行為の痛みや感覚が鮮明に蘇った。
「なんだって俺がこんな……」
なぜ自分がこんな目に合わなければいけない。叶真はどうにもならない憤りを覚えながら深い溜め息をつく。
二週間の間、精を放出していないせいか身体が熱く気だるい。出したくても出せなかったのだが、それでも身体は出してくれと訴えているようだ。
枕から顔を上げた叶真はふと考えた。他人を抱こうとしても反応しない性器だったが、自慰でもそうなのだろうか。触れられて何も感じないわけではない。快感よりも抱くという行為に恐怖を感じ、勃たないのだ。相手がいなければ勃つかも知れない。
ベッドに座りなおした叶真はジッパーを下ろし性器を取り出す。以前は立派に見えていたそれも、キョウスケに犯されてからはとても立派には見えない。
叶真は右手で軽く性器を包み込むとゆるゆると動かした。
「オナニーとかいつぶり……」
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