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第二章
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スターの秘密 第二章 石枝隆美
五
彼はササッと手慣れた手つきでサインをし、私に手帳とペンを返してくれた。
「ありがとうございます。あの、応援してます。」と言うと、笑顔で会釈し、颯爽と歩いて行った。カッコいい。私は惚れ惚れしてしまった。また会いたいなと思った。
「お母さん、私、今日幾島颯斗とテレビ局で会ったさ。サインもらっちゃった。」
「あら、良かったじゃない。お母さんもサイン欲しいわ。知華が羨ましい。」
「お母さん有名人に会ったことないの?」
「街でたまに見かけることはあるけど、サインは貰ったことないわね。」
「今度お母さんの好きな有名人のサインもらってこようか?」
「いいわよ。知華だって遊びに行ってるんじゃないんだから。」
「そうだけど、楽しいじゃん。幾島さんって付き合ってる人いるのかなぁ~彼女になりたいなぁ。」
「この子ったら馬鹿なこと言って。天下の芸能人様が知華と付き合ってくれるわけないでしよ?」
「お母さんの意地悪。」
私は幾島颯斗のインスタを見た。今度、京都の商店街で撮影をやるらしい。現場に行って、幾島颯斗を見たいと思った。でもちょっとストーカーちっくかも。嫌がられるかもしれない。テレビ局の上司が何か良い情報持ってるかな。
テレビ局のスタッフで仕事終わりに飲みに行った。
「先輩、芸能人の情報とかたくさん知ってるんですよね?」
「そりゃ、仕事柄、嫌でも入ってくるよ。」
「幾島颯斗の情報なんか知ってますか?」
「幾島颯斗ね、何、好きなの?」
「はい、大ファンなんです。今度京都の商店街で撮影あるらしいんですけど、行きたいなと思ってて。」
「あー会社のパソコンに撮影スケジュール入ってるよ。確か今月の下旬だったかな。」
「本当ですか⁉︎今度教えてください。」
「いいよ、でも社外秘だから、友達とかに教えたらダメだぞ。」
「わかりました。」
六
その後、上司から幾島颯斗の撮影の日時を教えてもらい、現場に出向くことにした。
現場に近づき、ドキドキしながら歩いてくと、カメラやスタッフが沢山いる中に、オーラが違うからか幾島颯斗をすぐに見つけることができた。撮影の準備をしている様子だったが、勇気を振り絞って「幾島さ~ん、頑張ってくださ~い。」と大声で叫んだ。彼はこちらを見たが、すぐに目線を外した。私は満足し、すぐにその場を立ち去った。
撮影を見に行った侍がタイムスリップする幾島のドラマを家で見て、その気迫に満ちた演技に見惚れた。なんてカッコいいんだろう。ドラマを見てると、お姉ちゃんが帰ってきて、
「知華、幾島颯斗にハマりすぎよ。」
「いいじゃん、誰にも迷惑かけてないし。」
「これまでだって一体何人好きになっては飽きての繰り返しだったじゃない。いい加減、分相応な相手を見つけた方がいいわよ。」
「分相応って何?私と幾島颯斗の違いってなんなの?違うからこそ、憧れて好きになるんじゃない。」
「あんたは、屁理屈だけはうまいんだから。」
七
バイトの上司が今度、飲み会やるから、みんなスケジュール空けとけよっと言ってきた。私は、友達とコンサートに行こうと思っていたが、取りやめて、空けることにした。
私が飲み会をやる居酒屋で待っていると、
なんと幾島颯斗が現れた。
「えっなんで…⁉︎」
「あれ、この間の…」
「私の事覚えてくれてたんですか?」
「いや、なんとなく見た事あるような気がしただけ。」
「そうですか。今日はなんでここにいらっしゃったんですか?」
「知り合いの知り合いから誘われて、断ったんだけど、どうしてもって言われて…」
3分ほどした後、上司やバイト仲間数人が現れて、
「おっ天宮早く来てたんだな。それより、驚いただろう。お前のために知り合いのつてで幾島君を誘ったんだぞ。」
彼もその事実を知らされてなかったようで、「えっ」と驚いていた。私は恥ずかしくなり、「幾島さん忙しいのに、来てもらっちゃって良かったんですか~?」と取り繕うと、彼は
「あ~たまにはこうゆう付き合いも大事
ですから。」と苦笑いをしていた。
飲み会が始まり、上司は酔っ払って、「幾島、天宮に連絡先教えてやれよ、彼女いないだろ?」と無礼なことを言い出した。
「え~…」
彼が渋っていると、私はすかさず、「私、友達多いので、連絡することないかもしれないですけど、せっかく出会えたんで交換しましょうよ。」とそれとなく下心を悟られないように言った。
「わかりました。でも僕、あんまり連絡とか取るの好きじゃないんで、それでも良ければ。」やった。幾島颯斗の連絡先をゲットした。私は職場の上司に感謝した。
八
「芸能人と連絡先交換できたなんてすごいね。」バイト仲間の真梨が言った。
「だよね。でもほんとに彼女いないのかな。女癖悪いって言う噂もあるし。」
「噂は噂だよ。幾島さん好青年だし、きっと妬まれて根も葉もない噂立てられたんだよ。」
「そっか。…私の事どう思ってんのかな。ただのファンのうちの一人かな。」
「うーん、今はそうじゃない?でも連絡先わかったんだし、これからなんとでもアタックできるじゃない。」
「そんなにガツガツいって引かれない?」
「でも向こうはその気なさそうなんでしょ?じゃあこっちからいかないと、いつまでも発展しないよ。」
「まあね。」
五
彼はササッと手慣れた手つきでサインをし、私に手帳とペンを返してくれた。
「ありがとうございます。あの、応援してます。」と言うと、笑顔で会釈し、颯爽と歩いて行った。カッコいい。私は惚れ惚れしてしまった。また会いたいなと思った。
「お母さん、私、今日幾島颯斗とテレビ局で会ったさ。サインもらっちゃった。」
「あら、良かったじゃない。お母さんもサイン欲しいわ。知華が羨ましい。」
「お母さん有名人に会ったことないの?」
「街でたまに見かけることはあるけど、サインは貰ったことないわね。」
「今度お母さんの好きな有名人のサインもらってこようか?」
「いいわよ。知華だって遊びに行ってるんじゃないんだから。」
「そうだけど、楽しいじゃん。幾島さんって付き合ってる人いるのかなぁ~彼女になりたいなぁ。」
「この子ったら馬鹿なこと言って。天下の芸能人様が知華と付き合ってくれるわけないでしよ?」
「お母さんの意地悪。」
私は幾島颯斗のインスタを見た。今度、京都の商店街で撮影をやるらしい。現場に行って、幾島颯斗を見たいと思った。でもちょっとストーカーちっくかも。嫌がられるかもしれない。テレビ局の上司が何か良い情報持ってるかな。
テレビ局のスタッフで仕事終わりに飲みに行った。
「先輩、芸能人の情報とかたくさん知ってるんですよね?」
「そりゃ、仕事柄、嫌でも入ってくるよ。」
「幾島颯斗の情報なんか知ってますか?」
「幾島颯斗ね、何、好きなの?」
「はい、大ファンなんです。今度京都の商店街で撮影あるらしいんですけど、行きたいなと思ってて。」
「あー会社のパソコンに撮影スケジュール入ってるよ。確か今月の下旬だったかな。」
「本当ですか⁉︎今度教えてください。」
「いいよ、でも社外秘だから、友達とかに教えたらダメだぞ。」
「わかりました。」
六
その後、上司から幾島颯斗の撮影の日時を教えてもらい、現場に出向くことにした。
現場に近づき、ドキドキしながら歩いてくと、カメラやスタッフが沢山いる中に、オーラが違うからか幾島颯斗をすぐに見つけることができた。撮影の準備をしている様子だったが、勇気を振り絞って「幾島さ~ん、頑張ってくださ~い。」と大声で叫んだ。彼はこちらを見たが、すぐに目線を外した。私は満足し、すぐにその場を立ち去った。
撮影を見に行った侍がタイムスリップする幾島のドラマを家で見て、その気迫に満ちた演技に見惚れた。なんてカッコいいんだろう。ドラマを見てると、お姉ちゃんが帰ってきて、
「知華、幾島颯斗にハマりすぎよ。」
「いいじゃん、誰にも迷惑かけてないし。」
「これまでだって一体何人好きになっては飽きての繰り返しだったじゃない。いい加減、分相応な相手を見つけた方がいいわよ。」
「分相応って何?私と幾島颯斗の違いってなんなの?違うからこそ、憧れて好きになるんじゃない。」
「あんたは、屁理屈だけはうまいんだから。」
七
バイトの上司が今度、飲み会やるから、みんなスケジュール空けとけよっと言ってきた。私は、友達とコンサートに行こうと思っていたが、取りやめて、空けることにした。
私が飲み会をやる居酒屋で待っていると、
なんと幾島颯斗が現れた。
「えっなんで…⁉︎」
「あれ、この間の…」
「私の事覚えてくれてたんですか?」
「いや、なんとなく見た事あるような気がしただけ。」
「そうですか。今日はなんでここにいらっしゃったんですか?」
「知り合いの知り合いから誘われて、断ったんだけど、どうしてもって言われて…」
3分ほどした後、上司やバイト仲間数人が現れて、
「おっ天宮早く来てたんだな。それより、驚いただろう。お前のために知り合いのつてで幾島君を誘ったんだぞ。」
彼もその事実を知らされてなかったようで、「えっ」と驚いていた。私は恥ずかしくなり、「幾島さん忙しいのに、来てもらっちゃって良かったんですか~?」と取り繕うと、彼は
「あ~たまにはこうゆう付き合いも大事
ですから。」と苦笑いをしていた。
飲み会が始まり、上司は酔っ払って、「幾島、天宮に連絡先教えてやれよ、彼女いないだろ?」と無礼なことを言い出した。
「え~…」
彼が渋っていると、私はすかさず、「私、友達多いので、連絡することないかもしれないですけど、せっかく出会えたんで交換しましょうよ。」とそれとなく下心を悟られないように言った。
「わかりました。でも僕、あんまり連絡とか取るの好きじゃないんで、それでも良ければ。」やった。幾島颯斗の連絡先をゲットした。私は職場の上司に感謝した。
八
「芸能人と連絡先交換できたなんてすごいね。」バイト仲間の真梨が言った。
「だよね。でもほんとに彼女いないのかな。女癖悪いって言う噂もあるし。」
「噂は噂だよ。幾島さん好青年だし、きっと妬まれて根も葉もない噂立てられたんだよ。」
「そっか。…私の事どう思ってんのかな。ただのファンのうちの一人かな。」
「うーん、今はそうじゃない?でも連絡先わかったんだし、これからなんとでもアタックできるじゃない。」
「そんなにガツガツいって引かれない?」
「でも向こうはその気なさそうなんでしょ?じゃあこっちからいかないと、いつまでも発展しないよ。」
「まあね。」
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