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第4部
弱った獲物をいたぶる
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国王の広い執務室にはベルンハルドの他には壁際で待機する護衛騎士たちしかいない。
重厚な執務机に両肘をつき、片方の拳を片方の手のひらで包み込んだ上に顎をのせて、ベルンハルドは待ち人が来るまでの時間を不安を抱えて過ごしていた。
事の発端は、ベアールの領都にある商人ギルドマスターのクレマンを通じてアヒムという男が面会を求めてきたことだった。
信頼のおけるクレマンの紹介ということで面会に応じたアヒムの話はまさに長年待ち望んでいた光明で、すぐにシーグフリードを呼び、早急に手を打つように指示をした。
それはアヒムにとってもベルンハルドにとっても、ひいては先王にとっても、積年の遺恨というべき事案だった。
一夜明けた今は、シーグフリードは財務省での監査に同席し、ローセボームは犯罪を取り締まる治安省と各大臣たちとの協議に入っている。
有能な2人がいればベルンハルドは待つだけでよいのだが、ただ1つの懸念材料は、今日がアシェルナオのベアール訪問当日ということだった。
愛し子のベアール訪問をきっかけにしたいという願望はあったものの、証拠を持ち出すのに予想外に手間取ってしまったとアヒムは言っていた。
アシェルナオに悪い影響が及ぶことなく、無事に浄化が終わることを、ベルンハルドは祈らずにいられなかった。
国王として報告を待つことしかできない我が身をもどかしく思っていると、やがて植物と鳥のレリーフの施された扉が叩かれた。
扉近くの護衛騎士が扉を開けると、そこには待ちかねていたシーグフリードとローセボームが立っていて、2人は足早にベルンハルドに歩み寄る。
ベルンハルドも、立ち上がって出迎えた。
「不正の証拠は財務省の精査のもと、30年以上に渡って脱税をしてきたことの裏付けをしめすものに間違いないことが判明しました」
シーグフリードが報告すると、アヒムを疑っていたわけではないが、ベルンハルドの肩から力が抜けた。
「先ほど緊急で招集した大臣会議において賛成多数により可決されました。首尾は想定通りです」
続いてローセボームからも状況の説明がなされる。
「昨日の今日で、ご苦労だったな」
「まったくです。おかげで、昨夜は家に帰れたもののアシェルナオは眠ったあとでしたよ。私はアシェルナオの凄惨な寝姿を見られましたが、財務省の文官たちは徹夜でした。あとで彼らを労って差し上げてください」
「ナオの寝姿が凄惨だと?」
吉報を受けて肩の荷の大半が降りたベルンハルドは、アシェルナオの凄惨な寝姿が想像できずに興味を向ける。
「陛下、それはすべての問題が解決したあとで。まだ当主本人の捕縛がまだです。これから治安省、統括騎士団と一緒に向かいます」
「そうだった。頼むぞ、シーグフリード」
「御意の通りに」
シーグフリードは胸に手を当てて綺麗な仕草でお辞儀をすると、くるりと踵を返して執務室を辞した。
「先王からの懸念が1つ、私の代で終わる」
シーグフリードが去って、再び閉ざされた扉を見つめるベルンハルド。
「気を抜くのはまだ早いですぞ。長年王城に掬っていた強欲な大狸です。気を緩めてはなりません」
珍しく強い語調で釘を差すローセボームに、ベルンハルドも気を引き締めて頷いた。
「ドロテ、ドロテはどこだ」
イグナスに遅れて王都から領城に戻ってきたイルバンは、使用人が扉を開けるが早いか玄関ホールを駆け抜ける。
「ここですわ」
メイドを伴って現れたのはレースをふんだんに使ったディープパープルのドレスを纏った赤毛の女性、イルバンの妻のドロテだった。
若々しく着飾っているが、吊り上がった目の目尻の皺と、口角の下がった口元が年齢を隠しきれていなかった。
「イグナスから話は聞いてるな?」
「ええ。でも、こんなことをしてよろしくて?」
「今の王は我がヴィンケル侯爵家をないがしろにしすぎている。一泡吹かせて目にものを見せてやらねばおさまらない。それにうまくいけば王から賠償金をせしめることができるかもしれない」
「それはおもしろそうね。アヒム、今日の私の予定はどうなっているのかしら」
ドロテの問いに、栗色の髪の毛を撫でつけたヘーゼル色の瞳をした家令が頭を下げた。
「目を通しておいていただきたい招待状と書類がいくつかございますが、本日は来客の予定はございません」
「では、ゆっくり旦那様の筋書きを楽しむとしましょう」
ドロテが悪い顔で微笑むと、イルバンも醜悪な笑みを浮かべた。
カロン湖。
アシェルナオの歌う美しい旋律が、美しいがゆえの悲しみに溢れていた。
その、深い情緒を帯びた歌声に、護衛騎士や領騎士、神殿に仕える者たちは、みな心を揺さぶられていた。
「美しい。心に染み入るようです」
アシェルナオの歌声に心酔していた人々の中で、マクシミリアンが静かに口を開いた。
イグナスだけはアシェルナオの歌声を聞いても憎々しいとしか思えなかったが、すぐに不敵な笑みを浮かべて拍手を送った。
「とても素晴らしい」
「ありがとう」
アシェルナオは緊張しながらイグナスを振り返った。
「お呼びたてして、こんな美しい歌を披露していただいた愛し子様を、このまま帰してしまうと領主代理である母に叱られてしまいます。どうか僕にお茶をふるまわせてください。うちの茶葉は有名なんですよ」
貴族としてお茶会に誘う機会に触れることも多いイグナスは、流暢に言葉を並べる。
「ありがとう、でももう帰るから」
テュコに諌められてから自分への言葉遣いは改まったものの、まだイグナスが怖いと思うアシェルナオは首を振った。
「愛し子様なら、浄化が終われば帰ればよいでしょう。けれども将来の王太子妃なら自分の都合だけで決めていいんでしょうか。もてなしを断るような、王太子の評判を下げるような振る舞いを、陛下や王太子は望まれるでしょうか」
弱った獲物をいたぶるようなイグナスの目つきに、アシェルナオは怯えて震える指で胸元を掴んだ。
「陛下も王太子殿下も、ナオ様の平穏を最優先される。もちろん、それくらいで評判の下がる王太子殿下ではない」
「やはり捕縛しましょう。それに値する物言いだ」
「神殿としても、ことの成り行きの承認者となりましょうぞ」
テュコ、ハヴェル、マクシミリアンが声を荒立てる。
「お茶をいただくだけ……いただいたらすぐに帰る」
「ナオ様、こんな無作法な招待を受ける必要はありません。それに顔色も悪い。すぐに帰りましょう」
「そうだぞ、アシェルナオ。あからさまな挑発に乗る必要はない」
フォルシウスとスヴェンもイグナスからアシェルナオを庇い、
「キュゥ」
ふよりんも心配げな声で気遣う。
「僕は大丈夫だから」
大丈夫だと、無理に笑みを浮かべるアシェルナオに、
「お茶に誘っているだけなのに、どうしても僕を悪者扱いするんだ。……僕が先に馬車を出す。うちの馬車に続いて」
公爵家の子息で、美しい容姿をしていて、王太子の婚約者。精霊の愛し子と崇められ、護衛騎士たちに大事にされているアシェルナオが気に入らないイグナスは、鼻息を荒くして自分の馬車に戻っていった。
アシェルナオは馬車に移動する前に、視線を伐採された土地に向ける。
宿と別荘を作るにしてはあまりに広大な森が失われていた。そしてそれはやがて、湖の周囲すべての森にも及ぶという。
木を切るのには時間はかからない。けれども切られた木が元の姿を取り戻すには、数十年の歳月が必要なのに。
行き場のない悲しみを、アシェルナオは昇華させることができないでいた。
※※※※※※※※※※※※※※※※
お声がけ、エール、いいね、ありがとうございます。
読み返すのに時間がかかってしまい、いつもより遅い時間になってしまいました。
あと2日仕事に行ったら休みだけど、勤労感謝の日が土曜日なのが悲しい……。
重厚な執務机に両肘をつき、片方の拳を片方の手のひらで包み込んだ上に顎をのせて、ベルンハルドは待ち人が来るまでの時間を不安を抱えて過ごしていた。
事の発端は、ベアールの領都にある商人ギルドマスターのクレマンを通じてアヒムという男が面会を求めてきたことだった。
信頼のおけるクレマンの紹介ということで面会に応じたアヒムの話はまさに長年待ち望んでいた光明で、すぐにシーグフリードを呼び、早急に手を打つように指示をした。
それはアヒムにとってもベルンハルドにとっても、ひいては先王にとっても、積年の遺恨というべき事案だった。
一夜明けた今は、シーグフリードは財務省での監査に同席し、ローセボームは犯罪を取り締まる治安省と各大臣たちとの協議に入っている。
有能な2人がいればベルンハルドは待つだけでよいのだが、ただ1つの懸念材料は、今日がアシェルナオのベアール訪問当日ということだった。
愛し子のベアール訪問をきっかけにしたいという願望はあったものの、証拠を持ち出すのに予想外に手間取ってしまったとアヒムは言っていた。
アシェルナオに悪い影響が及ぶことなく、無事に浄化が終わることを、ベルンハルドは祈らずにいられなかった。
国王として報告を待つことしかできない我が身をもどかしく思っていると、やがて植物と鳥のレリーフの施された扉が叩かれた。
扉近くの護衛騎士が扉を開けると、そこには待ちかねていたシーグフリードとローセボームが立っていて、2人は足早にベルンハルドに歩み寄る。
ベルンハルドも、立ち上がって出迎えた。
「不正の証拠は財務省の精査のもと、30年以上に渡って脱税をしてきたことの裏付けをしめすものに間違いないことが判明しました」
シーグフリードが報告すると、アヒムを疑っていたわけではないが、ベルンハルドの肩から力が抜けた。
「先ほど緊急で招集した大臣会議において賛成多数により可決されました。首尾は想定通りです」
続いてローセボームからも状況の説明がなされる。
「昨日の今日で、ご苦労だったな」
「まったくです。おかげで、昨夜は家に帰れたもののアシェルナオは眠ったあとでしたよ。私はアシェルナオの凄惨な寝姿を見られましたが、財務省の文官たちは徹夜でした。あとで彼らを労って差し上げてください」
「ナオの寝姿が凄惨だと?」
吉報を受けて肩の荷の大半が降りたベルンハルドは、アシェルナオの凄惨な寝姿が想像できずに興味を向ける。
「陛下、それはすべての問題が解決したあとで。まだ当主本人の捕縛がまだです。これから治安省、統括騎士団と一緒に向かいます」
「そうだった。頼むぞ、シーグフリード」
「御意の通りに」
シーグフリードは胸に手を当てて綺麗な仕草でお辞儀をすると、くるりと踵を返して執務室を辞した。
「先王からの懸念が1つ、私の代で終わる」
シーグフリードが去って、再び閉ざされた扉を見つめるベルンハルド。
「気を抜くのはまだ早いですぞ。長年王城に掬っていた強欲な大狸です。気を緩めてはなりません」
珍しく強い語調で釘を差すローセボームに、ベルンハルドも気を引き締めて頷いた。
「ドロテ、ドロテはどこだ」
イグナスに遅れて王都から領城に戻ってきたイルバンは、使用人が扉を開けるが早いか玄関ホールを駆け抜ける。
「ここですわ」
メイドを伴って現れたのはレースをふんだんに使ったディープパープルのドレスを纏った赤毛の女性、イルバンの妻のドロテだった。
若々しく着飾っているが、吊り上がった目の目尻の皺と、口角の下がった口元が年齢を隠しきれていなかった。
「イグナスから話は聞いてるな?」
「ええ。でも、こんなことをしてよろしくて?」
「今の王は我がヴィンケル侯爵家をないがしろにしすぎている。一泡吹かせて目にものを見せてやらねばおさまらない。それにうまくいけば王から賠償金をせしめることができるかもしれない」
「それはおもしろそうね。アヒム、今日の私の予定はどうなっているのかしら」
ドロテの問いに、栗色の髪の毛を撫でつけたヘーゼル色の瞳をした家令が頭を下げた。
「目を通しておいていただきたい招待状と書類がいくつかございますが、本日は来客の予定はございません」
「では、ゆっくり旦那様の筋書きを楽しむとしましょう」
ドロテが悪い顔で微笑むと、イルバンも醜悪な笑みを浮かべた。
カロン湖。
アシェルナオの歌う美しい旋律が、美しいがゆえの悲しみに溢れていた。
その、深い情緒を帯びた歌声に、護衛騎士や領騎士、神殿に仕える者たちは、みな心を揺さぶられていた。
「美しい。心に染み入るようです」
アシェルナオの歌声に心酔していた人々の中で、マクシミリアンが静かに口を開いた。
イグナスだけはアシェルナオの歌声を聞いても憎々しいとしか思えなかったが、すぐに不敵な笑みを浮かべて拍手を送った。
「とても素晴らしい」
「ありがとう」
アシェルナオは緊張しながらイグナスを振り返った。
「お呼びたてして、こんな美しい歌を披露していただいた愛し子様を、このまま帰してしまうと領主代理である母に叱られてしまいます。どうか僕にお茶をふるまわせてください。うちの茶葉は有名なんですよ」
貴族としてお茶会に誘う機会に触れることも多いイグナスは、流暢に言葉を並べる。
「ありがとう、でももう帰るから」
テュコに諌められてから自分への言葉遣いは改まったものの、まだイグナスが怖いと思うアシェルナオは首を振った。
「愛し子様なら、浄化が終われば帰ればよいでしょう。けれども将来の王太子妃なら自分の都合だけで決めていいんでしょうか。もてなしを断るような、王太子の評判を下げるような振る舞いを、陛下や王太子は望まれるでしょうか」
弱った獲物をいたぶるようなイグナスの目つきに、アシェルナオは怯えて震える指で胸元を掴んだ。
「陛下も王太子殿下も、ナオ様の平穏を最優先される。もちろん、それくらいで評判の下がる王太子殿下ではない」
「やはり捕縛しましょう。それに値する物言いだ」
「神殿としても、ことの成り行きの承認者となりましょうぞ」
テュコ、ハヴェル、マクシミリアンが声を荒立てる。
「お茶をいただくだけ……いただいたらすぐに帰る」
「ナオ様、こんな無作法な招待を受ける必要はありません。それに顔色も悪い。すぐに帰りましょう」
「そうだぞ、アシェルナオ。あからさまな挑発に乗る必要はない」
フォルシウスとスヴェンもイグナスからアシェルナオを庇い、
「キュゥ」
ふよりんも心配げな声で気遣う。
「僕は大丈夫だから」
大丈夫だと、無理に笑みを浮かべるアシェルナオに、
「お茶に誘っているだけなのに、どうしても僕を悪者扱いするんだ。……僕が先に馬車を出す。うちの馬車に続いて」
公爵家の子息で、美しい容姿をしていて、王太子の婚約者。精霊の愛し子と崇められ、護衛騎士たちに大事にされているアシェルナオが気に入らないイグナスは、鼻息を荒くして自分の馬車に戻っていった。
アシェルナオは馬車に移動する前に、視線を伐採された土地に向ける。
宿と別荘を作るにしてはあまりに広大な森が失われていた。そしてそれはやがて、湖の周囲すべての森にも及ぶという。
木を切るのには時間はかからない。けれども切られた木が元の姿を取り戻すには、数十年の歳月が必要なのに。
行き場のない悲しみを、アシェルナオは昇華させることができないでいた。
※※※※※※※※※※※※※※※※
お声がけ、エール、いいね、ありがとうございます。
読み返すのに時間がかかってしまい、いつもより遅い時間になってしまいました。
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