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私が祈祷師になった年、国家から依頼が入りました。私はうっすらと父の仕事風景を思い出しながら祈祷に全国各地を回りました。
神はいるのだ。まだ浅はかな青年だった私にその現実は重くのしかかりました。
この頃から私は神の気迫を感じ取れる様になっていきました。
依頼を受けては全国各地を飛び回るものですから、家があっても年に数回しか家には戻ることがなくトメさんの息子夫婦を住まわせる様になりました。
私はホテル住まいで、大きなスーツケースに最低限の衣服や日用品を詰め仕事に向かいました。
現実と非日常の境目で私は確かな物を見失わないように支えとなるものを探し求めました。
この頃の貴女が、高校生になっていたことを思い出しました。
しかし、私は他の女性と交際していました。貴女も私のことなど知らないものですから彼氏がいました。
ああ、運命なんてないんだな、私はそう思いました。
しかし、貴女は彼氏に翻弄され、今で言うモラハラを受けていました。
私の知らないところで彼氏なんて作るからだ。そう思って私は遥かに若い貴女に苛立ちを向けました。
しかし、事態は急変しました。モラハラをしていた彼氏を貴女は見限り、彼氏が自殺したのです。貴女はそれから荒れていきました。
次から次へと男を作り、罪悪感を払拭するように身体の関係を持つようになっていったのです。
私はこの頃、新人の育成を始めようとしていた年で貴女のことを構う余裕はありませんでした。
私たちの歯車は噛み合うことも無く回っていきました。
私は自分の運命を呪う様になりました。なぜ、私が祈祷師になんてならなくてはいけなかったのか。しかしもう止まるわけにはいかなかったのです。私には魂の光が見えるようになりました。自分を傷つけていた貴女の魂はとても小さくなっていました。
今すぐにでも会いに行って貴女を止めようと幾度となく思いました。
それでも私は仕事から離れることが出来なかったのです。
神はいるのだ。まだ浅はかな青年だった私にその現実は重くのしかかりました。
この頃から私は神の気迫を感じ取れる様になっていきました。
依頼を受けては全国各地を飛び回るものですから、家があっても年に数回しか家には戻ることがなくトメさんの息子夫婦を住まわせる様になりました。
私はホテル住まいで、大きなスーツケースに最低限の衣服や日用品を詰め仕事に向かいました。
現実と非日常の境目で私は確かな物を見失わないように支えとなるものを探し求めました。
この頃の貴女が、高校生になっていたことを思い出しました。
しかし、私は他の女性と交際していました。貴女も私のことなど知らないものですから彼氏がいました。
ああ、運命なんてないんだな、私はそう思いました。
しかし、貴女は彼氏に翻弄され、今で言うモラハラを受けていました。
私の知らないところで彼氏なんて作るからだ。そう思って私は遥かに若い貴女に苛立ちを向けました。
しかし、事態は急変しました。モラハラをしていた彼氏を貴女は見限り、彼氏が自殺したのです。貴女はそれから荒れていきました。
次から次へと男を作り、罪悪感を払拭するように身体の関係を持つようになっていったのです。
私はこの頃、新人の育成を始めようとしていた年で貴女のことを構う余裕はありませんでした。
私たちの歯車は噛み合うことも無く回っていきました。
私は自分の運命を呪う様になりました。なぜ、私が祈祷師になんてならなくてはいけなかったのか。しかしもう止まるわけにはいかなかったのです。私には魂の光が見えるようになりました。自分を傷つけていた貴女の魂はとても小さくなっていました。
今すぐにでも会いに行って貴女を止めようと幾度となく思いました。
それでも私は仕事から離れることが出来なかったのです。
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