最強魔法戦士は戦わない ~加藤優はチートな能力をもらったけど、できるだけ穏便に過ごしたいんだあ~

まーくん

文字の大きさ
372 / 382
第14章 そして神になった

【アキラ君の行方1】

しおりを挟む
<<ミリヤ視点>>

召喚中のアキラ君が黒い靄に飲み込まれてから2ケ月。

監査部や公安課、マサルさん達調査室の懸命の捜索にもかかわらず依然として行方が掴めないの。

運営課としても初めてのケースなので今後の召喚体制について連日会議が開かれているんだけど、あまりにも不可解で現象が特定できないため、なかなか結論が出ないみたい。

最初の内はわたしも証言するために出席してたんだけど、証言も何も言葉にしたら3分くらいの話しだし、マサルさんの映像の方がよっぽど分かり易いから最近は全く呼ばれなくなったわ。

先日マサルさんが新情報を取得したってことで会議に呼ばれていた。

何でも機密情報が含まれているということで、残念ながらわたし達みたいな平職員には内容を教えてもらえなかったけどね。



「マリス先輩、なにか知ってることがあったら教えて下さいよー。」

「えーー、わたし何も知らなーいよ。」

マサルさんが絡んでいるならマリス先輩も何か知っているかと思って聞いてみるんだけど、はぐらかされちゃう。

語尾のイントネーションがぎこちないから絶対何か知ってるんだと思うんだけど、お酒を飲ませても教えてくれなかったわ。


マサルさんにも聞こうと思って待ち伏せしたりしてるんだけど、忙しそうでなかなか会えない。

調査室まで押しかけたいところなんだけど、あそこって局長室の隣でしょ、行けるわけ無いわよね。

そんなこんなで、わたしの心配をよそに時間ばかり過ぎていくの。




<<マサル視点>>

シベルス商会の摘発で生命エネルギーカプセルの違法販売を潰したのだが、黒幕であろうマフィアには未だ辿りつけていない。

おそらく本店で警備を担当していたあの厳つい男達、あれがマフィアの構成員であり、シベリスの護衛をしているようで実際は監視していたのではないだろうか。

警察に連行される連中の中にあいつらの姿は無かった。

事前に摘発を察知してシベリスを逃がす振りをしながら本店を撤退し、その後シベリスを殺害したのだろう。

実はあの後、シベリスの遺体発見現場に侵入し彼らの残した物が何かないか徹底的に調べた。

何かしら残っていたらそこから思念を追いかけてやろうと思っていたのだが、残念ながらそこには何も残っていなかった。

どうやら殺害現場は別にあって殺害後にあの場所に運ばれたようだな。

用意周到で手慣れた鮮やかさにマフィア追跡の難しさを悟ったのだ。




「マサルさん、新しい情報よ。また召喚元不明の召喚が検知されたみたい。
今度はラスク星からよ。」

「本当かい!ユウコさん。」

「間違いないわ。監査部の仕掛けてあった検知網に引っかかったんだから。」

「それで場所は?」

「それが、分からなかったみたいなのよ。途中まで追っていたんだけど、途中で真っ黒な靄がかかって計器類が誤動作したみたい。それ自体は数秒で収まったんだけど、その間に忽然と消えたんだって。」

「どこから攫われたか分かるかい?」

「たしかハローマ自治区とか言ってたわ。」

「分かった。とりあえず行って見るよ。」

「まって、わたしも一緒にいくわ!」

俺達はラスク星へと急いだ。

「まずはランスのところへ行こう。何か掴んでるかもしれない。」

俺達はランスのいる星都へと向かう。

「ランス、いるか?」

「お父様、どうしたんですか?そんなに急いで。」

「ハローマ自治区から強制召喚で誰かが誘拐されたみたいなんだ。何か気付いたことはないかい?」

「ちょっと待ってね、人工衛星に何か残っていないか確認してみるよ。」

そう言うとランスは右手を上げて魔力を四方八方に飛ばした。

やがてその魔力はそれぞれが細い糸のようになり、ラスク星全体を覆うように無数に飛ばしてある人工衛星ひとつひとつに繋がり、そこに記録された情報を集めていく。

「人工衛星か、懐かしいな。まだ動かしていたんだな。」

「そうよ、シンゲン星と国交を結ぶきっかけになったんだったよね。お父様のアイデアで太陽光から魔力を作っているから、今でも現役で動いているのよ。」

いつの間にか現れたイリヤが話しかけてきた。

「ユウコさん、こんにちは。またお会いできて嬉しいわ。」

「イリヤさん、こんにちは。こんな状況じゃなければまたお宅にお伺いしたかったんだけど。残念だわ。」

「わたし達も協力しますから、早く解決してまた一緒にお話ししましょうね。」

「是非、お母様にもよろしくね。」

「お父様、情報が一通り集まりました。この魔石に記録しておきましたよ。」

「ランスありがとう。」

ランスから魔石を受け取る。

マリス様から頂いたタブレットを久しぶりに取り出し、そこに魔石を乗せると青白い光が魔石を中心に拡がり、タブレットに吸い込まれていく。

タブレットにより高速処理された検索機能は指定したいくつかのキーワードをAIを駆使して関連検索し、結果のみを画面上に表示していく。

画面を目で追っていると、その情報が整理されて自然と脳裏に刻まれていく。

「よし、大体わかった。ランス、誘拐されたのはハローマ自治区に住むナタリーという人だ。すぐに連絡してフォローしてやってくれよ。」

「分かりましたお父様。すぐに手配します。」

「頼んだよ。俺は戻ってナタリーさんを追跡するよ。」

「お父様、ユウコさん、お気をつけて。」

そして俺はユウコさんと一緒に調査室に戻ったのだった。

しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

社畜サラリーマン、異世界でパンと魔法の経営革命

yukataka
ファンタジー
過労死寸前の30代サラリーマン・佐藤健は、気づけば中世ヨーロッパ風の異世界に転生していた。与えられたのは「発酵魔法」という謎のスキルと、前世の経営知識。転生先は辺境の寒村ベルガルド――飢えと貧困にあえぐ、希望のない場所。「この世界にパンがない…だと?」健は決意する。美味しいパンで、人々を笑顔にしよう。ブラック企業で培った根性と、発酵魔法の可能性。そして何より、人を幸せにしたいという純粋な想い。小さなパン屋から始まった"食の革命"は、やがて王国を、大陸を、世界を変えていく――。笑いあり、涙あり、そして温かい人間ドラマ。仲間たちとの絆、恋の芽生え、強大な敵との戦い。パン一つで世界を救う、心温まる異世界経営ファンタジー。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~

チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!? 魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで! 心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく-- 美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~

中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」 唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。 人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。 目的は一つ。充実した人生を送ること。

処理中です...