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プロローグ
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私が鈴里怜であったことを思い出したのは、5歳の誕生日だった。
怜としての記憶は25歳が最後。
働きながら、趣味のゲームと読書の時間を無理やり捻出し毎日をそれなりに楽しく過ごしていた。
趣味と仕事があれば恋人が居ない現状もこれといって問題はなく、小さな幸せを噛み締めていたのだが…
最期は交通事故巻き込まれ、ブラックアウトする視界で締めくくられていた。
再び意識を戻した時にはレイチェル・アンブルとして、伯爵家で溺愛されていた。
そして怜の記憶と同時に、ここが乙女ゲーム『キミと輝く星の未来』の世界であることを思い出したのだ。
「あぁぁ…よりによって悪役令嬢なのね」
断罪、破滅エンドはごめんだけれど、『キミ輝』は攻略対象ごとに悪役令嬢が異なる仕様。
ヒロインが私のお相手を選ばない限りは平穏に過ごすことが出来るはず。
レイチェルのお相手は幸か不幸か、私の最推し"氷の貴公子"ことセオドア・サスティ様。次期宰相で若くして公爵家を継ぐ事になるお人である。
得意な魔法はもちろん氷。長く艶やかな黒髪で、キリッと涼やかな目元はタンザナイトのような不思議な多色ブルーである。必要以上に迫ってくる女性達を煩わしく感じており底冷えするような冷たい視線を送るも美しいせいで効果は半減しているようだ。
推しとは凄い。美麗な立ち絵を思い出しただけで、ほぅと口からため息が漏れる。
セオドアは2つ年上で、レイチェルが14歳の時に婚約者となる。もちろん、政略結婚のための前段階ですね。忙しい彼とはあまり時間が取れず、仲を深める前に学園入学となる。
セオドアのルートのレイチェルは、自分よりも優先されるヒロインに嫉妬し、おかしくなっていく。あの手この手でヒロインを追い詰めるもことごとくセオドアに阻止され何なら2人の仲を深めるスパイスとなる。最期はセオドアに断罪される悲しい運命である。
メインヒーローは王子様なのでヒロインが彼を選んでくれるのならば、もしかしたら私も幸せな結婚生活を得ることができるかもしれない。
せっかく早い段階で記憶を取り戻せたのだ、断罪された時の避難ルートを確保しつつ、推しに嫌われないようきちんと淑女としての教育を受け、学園入学を待ちましょう!!
なーんて意気込んでいたのが懐かしい。
いや、16歳になり真新しい制服にそでを通して、気を引き締めて頑張るぞ!と決意を新たに家を後にしたその瞬間までは少なからず前向きでいたのだ。
しかしそんな私もお昼の時点で半目状態。
今朝入学式に参加するため学園の門をくぐったその瞬間からひたすらにヒロインと攻略対象達のイベントを傍観している。
あ、ヒロイン様は逆ハーエンドをお望みでしたか…
怜としての記憶は25歳が最後。
働きながら、趣味のゲームと読書の時間を無理やり捻出し毎日をそれなりに楽しく過ごしていた。
趣味と仕事があれば恋人が居ない現状もこれといって問題はなく、小さな幸せを噛み締めていたのだが…
最期は交通事故巻き込まれ、ブラックアウトする視界で締めくくられていた。
再び意識を戻した時にはレイチェル・アンブルとして、伯爵家で溺愛されていた。
そして怜の記憶と同時に、ここが乙女ゲーム『キミと輝く星の未来』の世界であることを思い出したのだ。
「あぁぁ…よりによって悪役令嬢なのね」
断罪、破滅エンドはごめんだけれど、『キミ輝』は攻略対象ごとに悪役令嬢が異なる仕様。
ヒロインが私のお相手を選ばない限りは平穏に過ごすことが出来るはず。
レイチェルのお相手は幸か不幸か、私の最推し"氷の貴公子"ことセオドア・サスティ様。次期宰相で若くして公爵家を継ぐ事になるお人である。
得意な魔法はもちろん氷。長く艶やかな黒髪で、キリッと涼やかな目元はタンザナイトのような不思議な多色ブルーである。必要以上に迫ってくる女性達を煩わしく感じており底冷えするような冷たい視線を送るも美しいせいで効果は半減しているようだ。
推しとは凄い。美麗な立ち絵を思い出しただけで、ほぅと口からため息が漏れる。
セオドアは2つ年上で、レイチェルが14歳の時に婚約者となる。もちろん、政略結婚のための前段階ですね。忙しい彼とはあまり時間が取れず、仲を深める前に学園入学となる。
セオドアのルートのレイチェルは、自分よりも優先されるヒロインに嫉妬し、おかしくなっていく。あの手この手でヒロインを追い詰めるもことごとくセオドアに阻止され何なら2人の仲を深めるスパイスとなる。最期はセオドアに断罪される悲しい運命である。
メインヒーローは王子様なのでヒロインが彼を選んでくれるのならば、もしかしたら私も幸せな結婚生活を得ることができるかもしれない。
せっかく早い段階で記憶を取り戻せたのだ、断罪された時の避難ルートを確保しつつ、推しに嫌われないようきちんと淑女としての教育を受け、学園入学を待ちましょう!!
なーんて意気込んでいたのが懐かしい。
いや、16歳になり真新しい制服にそでを通して、気を引き締めて頑張るぞ!と決意を新たに家を後にしたその瞬間までは少なからず前向きでいたのだ。
しかしそんな私もお昼の時点で半目状態。
今朝入学式に参加するため学園の門をくぐったその瞬間からひたすらにヒロインと攻略対象達のイベントを傍観している。
あ、ヒロイン様は逆ハーエンドをお望みでしたか…
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