エロ異世界で愛は叫ばない

昔の話をしましょう

この国を作ったのは女神「イシュファ」

イシュファは何も持たない幼い兄弟に加護を授け導いた
兄はイシュファの作った国の初代王となり国を治めるが王の器ではなかった

そんな兄をサポートする弟は国の安定に尽力を注ぎ皆から愛される存在になっていく

兄は弟の存在が段々邪魔に思えてくる
アイツさえいなければ…………

小さな火種は徐々に大きくなる


兄が王妃を迎え跡継ぎが産まれた
弟は王位継承権を放棄して臣下に降る決意をする

臣下に降る弟の為に兄は公爵の位を授ける
お前は私の大事な弟だよ
幸せになっておくれ

兄さん僕は愛する人を守って生きていくよ
僕から1つお願いがある
女神イシュファの制約書に兄さんの
サインを貰いたい

兄は喜んだ
弟にこの地位を奪われる事はない
サインをして早く弟を追い出そう

さらっと紙に目を通し名前を書いて印を押す

弟よ幸せになれ！サインをした紙を渡すと
弟は臣下の礼をして城を去る

ふははははは～私を脅かすものはもういない
私がこの国の初代皇帝だ

あはははは～

初代国王の弟シオンは女神イシュファの愛し子
女神の加護を受けたのはシオンただ1人だけ


2年後

弟が父親になったと知らせを受けた
弟は王位継承権を放棄しているが、もしも私の子に何けあれば………疑心が消えない

私が皇帝だ！
弟の顔を見に公爵邸にいく。リース！リース！
はい！国王様
違う！皇帝だ！

公爵邸に鳩を飛ばせ
祝の品を馬車に詰め込み早急に遅れ
明日、シオンに会いに行く

はい！皇帝様




閣下、王家から鳩が来ました

ふ～ん

お祝いの馬車が門の前に列を作っています

ふ～ん

閣下……

予想はしていたけど兄はやっぱり兄だね
マック、手紙を読んでくれ

子の誕生おめでとう
明日、会いに行く
祝の品を贈る

文才ないよね……

マック分かっているよね？
ブラッドホール家のオ・モ・テ・ナ・シ
宜しく頼むよ

畏まりました


皆、集まれ
執事のマック様の声が響く
屋敷の者たちがホールにゾロゾロ集まって来る

明日の予定を伝える。この国の国王が屋敷を訪れる
目的は閣下のお子を見る為

上級侍女リン、ラン、奥様とお子様を全力でお守りせよ
暗器使用を認める

門の前にいる馬車をすべて追い返せ

屋敷の警戒レベルを最大にしろ
皆、武器の着用を許す

閣下は女神イシュファの愛し子
閣下のお子は女神イシュファの加護を持ち
産まれている

この国の頂点である、お子を私達ブラッドホール家の使用人達が使え守る

忠誠を…
忠誠を…
ブラッドホール公爵閣下に忠誠を………

おやおや
家の者たちは熱いね

閣下…私も同じ気持ちです

侍従として側でお守りいたします

そうだね
頼むよロン

兄は皇帝と名乗ったり国王と名のったり
本当に頭が空っぽだね

この国は帝国ではない
女神イシュファが作った聖なる国！
女神イシュファに感謝する事もなく銅像もない
自分の都合の良い時だけ女神よーーーとか言うの止めてくれないかな？反吐が出る

ププラトゥーン王国？皇帝が統治する国？

あはははは～

二心持つ持つ者に加護はなし