【新訳】帝国の海~大日本帝国海軍よ、世界に平和をもたらせ!第一部

山本 双六

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第一章 真珠湾占領

第六話 マジュロ沖海戦勃発

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空母鳳炎艦橋
「敵機動部隊とは昨日の観測から予測するとおおよそ700㎞といったところか....」
私も、急にマジュロ沖へ向かわされるとは思いもしなかった。本当に大丈夫なのか。そんな思いが頭によぎりつつも、私は艦内放送のスピーカーを手に取った。
「艦隊司令の阿部だ。戦闘は明日になるだろう。皆は睡眠と手入れを怠らないように」
それだけ言って私はその日は寝た。
翌日1942年6月1日7:10
それは、朝のモーニングタイムのことだった。突如として警報が鳴った。
「対空電探感あり!!」
報告がはいる。
「各員戦闘配置につけ!!」
それほど経たないうちに敵機が目視でとらえられた。だが脅威ではなかった。艦隊直上には風翔7機が直掩しているし対空火器の準備も整っていたからだ。ちなみに、風翔とは、1941年の初めから帝国海軍が三菱、愛知、川西の三社に受注していた艦上戦闘機の、川西製の正式名称『川西A7K 二式艦上戦闘機』の呼称のことである。昨年6月に三社から試作機が提供され、川西のが採用されたのだ。8月からは製造も始まり、鳳炎には載せられるということで今回15機がこの鳳炎に配備されたのだ。そして、まもなくして迎撃を完了すると、漸減作戦が始動した。
8:24には同艦隊所属呂450号潜水艦より入電が入った。
『我、敵艦隊捕捉セリ。コレヨリ攻撃二転ズル。』
因みに、この作戦は開戦当初に立案されていた漸減邀撃作戦を参考にして作られた作戦である。私は、緊張と恐怖を覚えていた。

呂450号艦内
「長、敵艦捕捉」
電子員が集中しているような低い声で喋る。
「了解。一、二番管注水」

「注水完了」
「てぇー!!」
発射されたのは潜水艦のためだけに作られた九一式潜水酸素魚雷だった。もちろん効果は抜群。
敵駆逐に命中。轟沈した。
「敵駆逐に命中!敵艦轟沈!!」
「よくやった。つづいて、三、四番管にも注水。一、二番管は装填急げ!」
「第三第四発射管注水完了!」
「了解。目標前方敵戦艦。てぇー!!」
魚雷は敵戦艦左舷に一発のみ命中。そうこうしていると、敵の駆逐隊が迫ってきた。
「急速潜航!鈴木、伊号に打電!」

米艦隊右舷側 伊200号潜水艦
「呂450号より入電!『我、囮ニナル』とのことです」
「了解した。全管注水。目標前方敵戦艦。注水完了次第発射はじめ!」

発射管室
「てぇー!!」
〔プシューン〕
発射音と共に爆発音が聞こえた。そう。命中したのだ。
「あたったぞ!!」
「急速潜航!後は鳳炎航空隊に引き継ぐ!」

空母鳳炎飛行甲板
「鳳炎第一戦闘隊発艦準備!」
私、佐藤は鳳炎第一戦闘隊の搭乗員だ。今まで九六艦戦で中国、零戦で東南アジアで戦ってきた俗にいうエースパイロットというやつだ。そして、私は新型機 二式艦上戦闘機、要するに風翔の配属地である鳳炎第一戦闘隊に転属となった。その時の驚きは今でも覚えている。確か、仏南航空隊に配属されてしばらくたったころだったと思う。
「佐藤、ちょっといいか」
帰投してゆっくりしていると、仏南航空隊司令に呼び出された。
「なんですか」
私がそう聞くと司令は
「単刀直入に言うが、佐藤、お前空母航空隊に興味はないか」
その言葉の意味をすぐには理解できなかった。
「どういうことですか」
そう聞いたと思う。
「新型空母の鳳炎にな新型機が搭載されるということでエースパイロットが集められているんだとさ。それでお前が推薦されたのだとさ」
すぐ私は言い返したと思う
「どうして私が」
すると、司令が笑いながら言った。
「なぜって、お前先月に配属されたばっかりなのに、23機墜として編隊長になってんだから推薦位来るだろう」
それを聞いても私は茫然としてたと思う。それを見た司令が俺のことを思ってくれたのか、
「それで、どうするんだ」
と聞いてくれた。
「はい!行かせてください!」
そんな経緯で私は鳳炎航空隊に配属となった。初めて、風翔を見たのはそれから五日後のことだった。零戦より一回り大きく、少し逆ガル翼の風翔は2300馬力の火星二四型を搭載し、30㎜機関砲を2挺と20㎜機関砲を2挺装備していた。航空隊には志賀少佐や岩本中尉の顔が見られた。
そして、今この人たちと共に私は鳳炎の空へと飛び立った。第一次攻撃隊隊長 村田大尉を護衛して。

第一次攻撃隊隊長 村田は呟く。
「隊長、敵艦隊見えました!」
村田はこくりとうなずくと、機体を揺らしながら指を下にさした。それと同時に攻撃隊は降下した。
「魚雷投下用意!てぇー!!」
それで狙われたのが先から潜水艦隊に狙われていた新型戦艦 サウスカロライナだった。左舷に次々と魚雷が命中。艦が大きく左に傾き、九九艦爆の急降下爆撃が決定打となり、サウスカロライナは沈没した。他にも敵空母ワスプの甲板が破損。離着艦が不能となった。
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