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第一章 真珠湾占拠

第五話 マジュロ沖殲滅作戦始動!!

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「これが、肥前型戦艦...」
山本が驚いた顔をして呟く。
1942年日本軍は快進撃を続けていた。そんな時代にミッドウェー島攻略のために建造された艦がある。名前を「肥前型巡洋戦艦『肥前』・『肥後』」・「台風型追撃駆逐艦『台風』・『竜巻』」の四隻である。まず、肥前型の二隻の特徴は、金剛型と肩を並べる快速艦であること。公試最大速力は35ノットである。そして二つ目は水中発射管を前方四門中央六門後方二門の合計十二門の発射管がある。そして、台風型の特徴は、敵を追撃するための索敵力、攻撃力、耐久力の全てが備わっており、装甲は、5500t級。索敵力は利根並み。攻撃力は球磨(竣工時)なみ。速力は公試速力で32ノット。とても駆逐艦とは思えない力が備わっている。その代わりに、船体が120mと大きい。そして、速力が前述の通りのため駆逐としては物足りない。そんな苦悩がありながらも、肥前は1942年4月29日、肥後は同年5月1日、台風は同年5月12日、竜巻は同年5月21日竣工した。
「すごい...あれは?」
山本が技術長に聞く。
「あれは、九七式38サンチ砲ですね」

「肥前は金剛代艦だと聞いたが?」
「そうですね。金剛代艦といったところでしょうか」
そんな会話を交わしていると。
「ハァハァ」
息を切らした鳳炎航空参謀が走ってやってきた。
「アメリカの機動部隊がマジュロ沖に出現しました!」
その場が凍り付く。
「なんだって⁉」
山本は戸惑う。仕方ないことだ。主力艦隊がMI作戦のために択捉島に移動しているからだ。山本は冷や汗をかいている。そんな中技術長が、
「山本長官、恐れながらあの作戦を実行してみては?」
そんな言葉に、山本は閃いてしまった。
「艦長ら全員を作戦指令室に集めろ!!」

その後、作戦指令室にて。
「これより、を実行する!!」
山本がきっぱり言うと、鳳炎艦長の阿部大佐が、
「殲滅作戦とはあの?」
その質問に山本は
「そうだ」
その一言だけだった。

「参加艦艇は.....................」
山本が淡々と説明する。
「以上だ!!各員出撃準備急げ!!」

「「「「はい!!!」」」」

その後、横須賀二は出撃警報が鳴り、横須賀にて息を抜いていた水兵出撃命令がかかった。
そして、警報から二時間後の1942年5月29日14時23分、空母機動部隊が横須賀を出港した。
旗艦及び艦隊の士気はとても高かった。
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