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魔法少女イチカバ☆チカ(R18、ふたなり有。ノクタ20万PV&20万文字突破記念)
最終話 さよなら、ギャンブル魔法少女
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「許さないわ、タコ怪人。あんたはあたしを怒らせた」
あたしは気を失ったミキをそっと路上に横たえ、タコ怪人をにらみつけた。
「全部あんたが悪いのよ。だからあたしは、あんたを100%滅ぼす」
「ハハハ! 天界武器ガチャで出てきたのはEランクのハリセンだろう? そんなもの怖くないぜ」
タコ怪人は余裕の笑みを浮かべて、触手を後光のようにうねうねさせている。
……バカなヤツ。
「勘違いしないで。天界武器ガチャなんて、ハナから期待してないわ。所詮は無料のライトプランだし」
「なんだと……?」
あたしは銃弾型のイヤリングに手を伸ばし、耳から外した。
そう、これが、あたしの切り札。
「見たことある? 魂のダンガンよ」
「魂の、ダンガン?」
「チカ! やめるニャブ!」ニャンブルがわめいた。「それは魔法少女の魂。使えば、チカは魔法少女じゃなくなるニャブ」
「だけど、こいつを滅ぼせるわ」
あたしが右手を前に出すと、空間から手品のように拳銃が現われて、あたしの手にフィットした。
「そしてこれが、魂のダンガンを撃ち出す、魂の回転式拳銃(リボルバー)よ」
「な、なんだと……!?」
タコ怪人が動揺している。
あたしは魂のダンガンを、6つのシリンダーのうち、1つにセット。
シリンダーを元の位置に戻すと、勝手にくるくると高速回転を始める。
「確率は6分の1」
あたしは銃口をタコ怪人に向けた。
「ま、待て! 引き金を引けば、お前もただでは済まないぞ!」
「運よくダンガンが発射されれば、ね。だけど、あんたみたいなクズを滅ぼせるなら、それでいいわ」
「や、やめろおおお!」
「チカ、やめるニャブーー!!」
「さよなら。魔法少女のあたし」
あたしは、引き金を引いた。
***
とある高層マンションの一室。
窓の外には都会の美しい夜景。
真っ暗の部屋の中、ダブルベッドの上でまぐわう二人の少女。
そのなまめかしい声が響く。
「ミキっ、んっ、だめ、また……」
「いいよ、チカ、来て、中に出して……」
「んっ、出るうぅぅぅぅぅ……っ!!!」
重なり合った少女たちの裸体が、びくびくと震える。
ナレーション「チカとタコ怪人の戦いから一年が経った。チカに中出しされたミキは身ごもり、責任を取るという形で、チカはミキと結婚した」
「チカ、今日も激しくて、よかったよ」
「だって、ミキが可愛すぎるから、いっぱい出しちゃった……」
唇を重ねるチカとミキ。
チカの身体は、女性でありながら、男性器を備えている。それを、ミキが愛おしそうに撫でている。
「ねえチカ、もう1回する?」
「そろそろ流星(りゅうせい)が起きるわ」
二人はベビーベッドに目をやる。寝息を立てている幼い赤ん坊――流星ちゃん。
ナレーション「あの日からなんやかんやあって、チカは競馬で大勝し、この高層マンションの一室を買って、二人の愛の巣とした」
「ねえチカ、あの日、私、チカが魔法少女みたいな格好で、怪人と戦っているところを見た気がする。夢だったかもしれないけど」
「夢じゃないわ。あたしはかつて、怪人から街を守る魔法少女だった」
「どうして今は違うの?」
「力を全部使っちゃったから」
チカはあの日のことを思い起こす。
魔法少女の魂を込めたダンガン。
それを装填したシリンダー。
ダンガンが発射される確率は6分の1。
チカが引き金を引いたとき、
何も発射されなかった。
だけど、タコ怪人はビビッて隙だらけだったので、なんやかんやあって、ボコボコにして警察に突き出してやった。
その事実は、ミキには明かせない。
魔法少女というものは、うかつに市民に正体を知られてはいけないのである。
あのとき、魂のダンガンが発射されなかったのは、運命が、まだ魔法少女として悪と戦えと言っているからに違いない。
だから、チカはこれからも悪と戦い続ける。
「あっ、ミキ、ごめん。ちょっと、雀荘に行ってくるわ」
「え? こんな時間に?」
「なんていうか、そう。牌があたしを呼んでるから」
「うん、わかった。気をつけてね」
「流星のこと、お願いね」
チカは服を着てマンションを飛び出し、ひとり、都会の闇の中へと躍り出る。
「さあ、行くニャブ!」
~EDテーマソング最終話バージョン~
おわり
あたしは気を失ったミキをそっと路上に横たえ、タコ怪人をにらみつけた。
「全部あんたが悪いのよ。だからあたしは、あんたを100%滅ぼす」
「ハハハ! 天界武器ガチャで出てきたのはEランクのハリセンだろう? そんなもの怖くないぜ」
タコ怪人は余裕の笑みを浮かべて、触手を後光のようにうねうねさせている。
……バカなヤツ。
「勘違いしないで。天界武器ガチャなんて、ハナから期待してないわ。所詮は無料のライトプランだし」
「なんだと……?」
あたしは銃弾型のイヤリングに手を伸ばし、耳から外した。
そう、これが、あたしの切り札。
「見たことある? 魂のダンガンよ」
「魂の、ダンガン?」
「チカ! やめるニャブ!」ニャンブルがわめいた。「それは魔法少女の魂。使えば、チカは魔法少女じゃなくなるニャブ」
「だけど、こいつを滅ぼせるわ」
あたしが右手を前に出すと、空間から手品のように拳銃が現われて、あたしの手にフィットした。
「そしてこれが、魂のダンガンを撃ち出す、魂の回転式拳銃(リボルバー)よ」
「な、なんだと……!?」
タコ怪人が動揺している。
あたしは魂のダンガンを、6つのシリンダーのうち、1つにセット。
シリンダーを元の位置に戻すと、勝手にくるくると高速回転を始める。
「確率は6分の1」
あたしは銃口をタコ怪人に向けた。
「ま、待て! 引き金を引けば、お前もただでは済まないぞ!」
「運よくダンガンが発射されれば、ね。だけど、あんたみたいなクズを滅ぼせるなら、それでいいわ」
「や、やめろおおお!」
「チカ、やめるニャブーー!!」
「さよなら。魔法少女のあたし」
あたしは、引き金を引いた。
***
とある高層マンションの一室。
窓の外には都会の美しい夜景。
真っ暗の部屋の中、ダブルベッドの上でまぐわう二人の少女。
そのなまめかしい声が響く。
「ミキっ、んっ、だめ、また……」
「いいよ、チカ、来て、中に出して……」
「んっ、出るうぅぅぅぅぅ……っ!!!」
重なり合った少女たちの裸体が、びくびくと震える。
ナレーション「チカとタコ怪人の戦いから一年が経った。チカに中出しされたミキは身ごもり、責任を取るという形で、チカはミキと結婚した」
「チカ、今日も激しくて、よかったよ」
「だって、ミキが可愛すぎるから、いっぱい出しちゃった……」
唇を重ねるチカとミキ。
チカの身体は、女性でありながら、男性器を備えている。それを、ミキが愛おしそうに撫でている。
「ねえチカ、もう1回する?」
「そろそろ流星(りゅうせい)が起きるわ」
二人はベビーベッドに目をやる。寝息を立てている幼い赤ん坊――流星ちゃん。
ナレーション「あの日からなんやかんやあって、チカは競馬で大勝し、この高層マンションの一室を買って、二人の愛の巣とした」
「ねえチカ、あの日、私、チカが魔法少女みたいな格好で、怪人と戦っているところを見た気がする。夢だったかもしれないけど」
「夢じゃないわ。あたしはかつて、怪人から街を守る魔法少女だった」
「どうして今は違うの?」
「力を全部使っちゃったから」
チカはあの日のことを思い起こす。
魔法少女の魂を込めたダンガン。
それを装填したシリンダー。
ダンガンが発射される確率は6分の1。
チカが引き金を引いたとき、
何も発射されなかった。
だけど、タコ怪人はビビッて隙だらけだったので、なんやかんやあって、ボコボコにして警察に突き出してやった。
その事実は、ミキには明かせない。
魔法少女というものは、うかつに市民に正体を知られてはいけないのである。
あのとき、魂のダンガンが発射されなかったのは、運命が、まだ魔法少女として悪と戦えと言っているからに違いない。
だから、チカはこれからも悪と戦い続ける。
「あっ、ミキ、ごめん。ちょっと、雀荘に行ってくるわ」
「え? こんな時間に?」
「なんていうか、そう。牌があたしを呼んでるから」
「うん、わかった。気をつけてね」
「流星のこと、お願いね」
チカは服を着てマンションを飛び出し、ひとり、都会の闇の中へと躍り出る。
「さあ、行くニャブ!」
~EDテーマソング最終話バージョン~
おわり
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