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新島真乃(一人称・夢の中で触手攻め・寸止め焦らし)
新島真乃⑧(おわり)
しおりを挟むゆっくりと、ゆっくりと腰を前後させると、ヌチョッとして弾力のある触手と私の硬い肉棒とが擦れ合って、心が震えるほどの快楽が全身に響いた。
「んっ……あっ……」
自然と唇の間から甘い声が漏れてしまう。
数秒かけて引いた腰を、また数秒かけて触手の筒の中へ押し込んでいく。急いではいけない。触手は私を優しく包み込むように迎えてくれるから……。
もう一度腰を引いて、腰を突き出す。腰を引いて、また突き出す。その度に聞こえるヌチャッという粘ついた音さえ、甘美な音楽のように思える。ああ、もう、他のことは考えられない。
約束通り、私の胸を揉んでいた触手たちが、乳首に先っぽを擦り付けるようにして、クリクリと刺激してくれる。
「あんっ……♡ あうぅ……♡ それっ……すごいっ……♡」
ずっと喉の奥に詰まっていた、重く湿った空気が吐き出されて、胸がすっとする。気持ちいい……。自分で触るよりも触手たちのほうが上手だった。
乳首を攻められると、一気に快感が高まってきて、私は腰の動きを少し早める。肉棒を包む触手は私の動きに合わせるように、自身でも動き始める。根元から先端まで隙間なく撫で上げられて、肉棒はガチガチに硬いのにトロトロに溶けているみたいに感じられて、そんないやらしい感覚がたまらなく愛おしい。体と心が、芯から同時に震えている。
私の肉棒はもう、限界まで太く膨らんで、鉄のように硬くなっていて、先っぽからは堪え切れなくて零れてしまった『ちんぽ汁』がにじみ出てきて、触手のヌメヌメ汁と混ざり合っている。このまま臨界点を超えたら先っぽから真っ二つに裂けてしまうんじゃないか。
だけどそんなことはどうだってよかった。私は腰を振るのをやめない。肉棒にまとわりつく極上の触手肉が、私の身も心もつかんで離さないから。気持ち良くて、気持ち良すぎて、たった一回だけ絶頂することができるなら、その後はどうなっても構わない。だからイキたい。全てを出してしまいたい。イクところを妖魔に見られていようが関係ない。イキたい……! ぶちまけたい……!
「ん゛あっ♡ 気持ぢい゛い゛♡ イグッ♡! イッぢゃう♡♡! イグぅ――ッ♡♡!! 出ぢゃ゛ううううう――――――ッッッッッ♡♡♡♡♡!!!!!」
最後の瞬間に体を思い切り後ろにのけ反らせて、肉棒を突き出して、この一週間分、溜まりに溜まっていた全てを込めて、一気に放出した。頭の中が真っ白になって、何度も激しく全身が脈打って、天地がひっくり返ったと思った。自分が空っぽになっていくほど、その空白がもっと大きな快感によって満たされていくような感覚で、心の底から気持ちが良かった。
その瞬間、私の心はすっかり裸になったのだ。
どのくらい時間が経ったのか分からないけれど、私はベッドの上で目を覚ました。部屋の中には闇が満ちている。私の部屋だ。
そうだ、私、ミキの夢の中で、ミキに裏切られて妖魔に捕まったんだ。焦らされて、我慢の限界に達して、自分から腰を振って触手でイッてしまったんだ……。
頬を触ると、涙で濡れていた。妖魔の前で泣くなんて……と憂鬱な気分になる。それに、あんなふうに心を乱してしまうなんて、自分が情けない。
下腹部の内側には、まだ燃え残りのような熱がじんわりと残っているのを感じる。あれほど大きな快感だったのだから、簡単に消えなくて当然だろう。
私は布団の中に手を入れ、パジャマのズボンの股間の辺りに触れてみる。
――えっ?
また寝ぼけているのかもしれない。私は思わず込み上げた笑いをおさめて、両手で頬をパシパシと叩いた。……よし、起きた。枕元の電気もつけて、少し部屋を明るくした。これでOK。
今度はズボンの中に手を差し込んで、下着の上から――。
――なんで!?
私は跳び起きてズボンを下ろした。花の刺繡のあしらわれた下着を押し上げて飛び出していたのは、あるはずのない、醜い肉の塊。
男根。ペニス。おちんちん。
「あ、あ、ありえない……」
体から力が抜けて、ストンとその場に尻餅を突いてしまう。
なんで? なんで、なんで、なんで!?
男根は、ミキの夢で生えていたのと同じように、力強く屹立していた。そして、窮屈な私の下着から解放されたいとでも言っているかのように、小さく震えている。私も確かに、肉棒の引き締まった肉の感じや、快感を求める疼きを感じ始めていた。
「ここは夢の中じゃないのに!? いったい何が、どうなって……」
夢は夢であり、現実とは異なる。夢が現実を書き換えてしまう、なんてことは、ありえないのだ。
私はもう一度、肉棒に触れようとして手を伸ばしたけれど、怖くなってやめた。もしもこの肉棒をしっかりと触ることができたら、それは否定できない現実になってしまう気がする。
不意に私は気配を感じて立ち上がろうとした。だけど立ち上がるより前に、手足に何かが絡み付いて動けなくされてしまった。
「触手!?」
「やあ、こっちの世界で会うのは初めてだな」
声のほうを見ると、部屋の中にあの妖魔が立っていた。触手の腕がイソギンチャクのように揺れる。
「どうして、あんたがここに……」
「他人の夢の中で無防備になりすぎだ。お前の夢に侵入するのは容易かった」
つまり、こいつは、私が絶頂して頭が真っ白になっていたとき、ミキの夢から私の夢に入り込み、私の居場所を探り当てたということか。まるで他人のパソコンに侵入したハッカーが逆探知されてしまったような間抜けさ。ひどい失態だわ……。
触手たちがウネウネと揺れて、私をベッドの上に、大の字にして押さえつけた。
「私をどうするつもり?」
「言っただろう? お前を犯す。快楽の虜(とりこ)になったお前は、一生俺の駒だ」
「バカね。私が悲鳴をあげれば、家族や近所の人が通報するわ」
深夜とはいえ、こっちが騒ぎを起こして警察や退魔師を呼べば、こいつはお仕舞いだ。妖魔の駒になんて、なってたまるもんですか。
「お前の声が届く範囲の人間は、全員夢の中だ。朝まで起きることはない。だから、思い切り声を出しても構わないぞ?」
「そんな……」
まさか、もし本当にそうだとしたら、朝まで誰も私を助けに来ない……。
ここは夢じゃなく現実。苦痛も快楽も身体も、全てが本物。氷の手が触れたような感触が、背筋を駆け抜けていった。
「だれか助けて!! 妖魔が出たわ!! 通報して!!」
妖魔は私の口を塞ごうとはしなかった。その代わり、触手がパジャマの上着を破り、ズボンをずり下げ、あっという間に裸にされてしまう。
触手が私の乳首に巻き付いて引っ張った瞬間、頭の中で火花が散った。
「んあ゛ッ♡!? いやッ!! やめて! だれか!!」
同時に肉棒にも複数の触手が伸び、幾重にも重なって密着し、肉棒をあらゆる方向から刺激してくる。しかもこの触手、表面に細かいひだひだが付いていて、それがぞわぞわと動いて私の肌を引っ切り無しに愛撫するのだ。まるで千の小さな手に揉まれているような快感で、私の感度は否応なく高められていく。リアルでビビットな快感が下半身を支配し、私は身をよじって快楽を避けようとしたけれど、ベッドに押さえつけられた状態ではどうすることもできない。たくましく醜い肉棒は私の体で一番熱くたぎって、一番強烈な快感を私に伝えてくる。
しかもそれで終わりじゃなかった。夢の中でも侵されていない部分――淫穴まで襲ってきたのだ。左右から入り口を広げられ、先がイボイボになっている触手が割れ目に頭をこすり付けてくる。割れ目の中は、自分でもいじったことのない、未知の領域だった。
「ぅんっ♡ やめて! あ゛あぅ♡!? ダメ、そんなところ、触らないで!」
「すでにトロトロで、愛液が糸を引いているぞ」
妖魔に指摘され、私は顔が熱くなるのを感じた。実際、私の体はおっぱいも肉棒も、首筋も太ももも、あらゆる場所が敏感になりすぎて溶けそうだった。もうどこをいじられているのか、どこを撫でられたのか、はっきりと分からない。体は勝手にビクンビクンと波打って、あちこちで筋肉が強張ったり緩んだりを繰り返している。
「これなら痛くないだろう」
イボイボの触手の先が、中に入ってくる。私の膣は、きゅううううっと道を狭めて、異物を追い出そうとしていた。だけど、イボイボが中で擦れて気持ち良くて、力が入らない。
「う゛ぅう゛ぅぅ……はぁうッ♡!? ダメ、お願いだから……」
また涙がボロボロと零れてきた。乳首と肉棒への刺激だけでも頭がおかしくなりそうなのに、そんなグロテスクなものを挿入されたら、本当に快楽で脳が焼き切れちゃう。だから、どうか――。
――ばちゅんっ!
「かはっ……」
触手ペニスが強引に私の中にねじ込まれてきたとき、先っぽが一番奥――子宮にぶつかった衝撃で、肺の中にあった空気が一度に全部吐き出された。下腹部がイボイボの形に膨らんで、男根とくっついた。しかも子宮の中で、そのイボイボが勝手に動いて、子宮を掻き回している!?
「あ゛……やばっ……イクっ……イ゛ッッ……ぐ……ッ♡♡♡♡♡!!!!」
私は触手に貫かれたままブルブルと震えた後、大きくビクンと跳ねると同時に、射精してしまった。本当の体で味わう、初めての絶頂であり、射精だった。痛いのか気持ちいいのかも分からなかったけれど、快感が強すぎて、一瞬だけ意識が飛んだほどだった。
「はぁ……♡ はぁ……♡ はぁ……♡」
もう何も考えられなくて、ただベッドの上で身動きが取れないまま、息をしている。
なにこれ。
これが現実なの?
「朝まで壊れないで生きてたら解放してやろうか?」
触手男が傍らに立って、私を見下ろしている。何を言っているのか、頭に入ってこない。
「一回で壊れたのか? まあいい」
ほとんど休ませてもらえないまま、触手たちが再び一斉に動き出した。
ちゅるちゅる、ちゅくちゅく。じゅぽっ、じゅぽっ。ギュプッ、ギュプッ……。
「あ゛あああ……っ♡!? ダメこれ、んお゛っ!?♡ あ゛ッ♡ やばいッ……♡♡ おかしくなるっ、お゛お゛お゛……♡♡♡!! やめで……ゆるじでッ♡♡♡!」
「ダメだ。そのままイケ。お前が望んでいた絶頂だ、喜べ」
「あ゛ッ♡ あ゛ッ♡ お゛っ♡! イグッ♡ あ゛あ゛もう……♡♡ イ゛ぎゅ――ッッ♡♡♡!!!!!」
またもや大量に射精してしまった。
もうどこでイッたのかも分からない。体がおかしくなってる。イクのが怖い。
それなのに、触手は攻めるのをやめてくれない。乳首も、肉棒も、膣も子宮も、全部がとろけている。
「あ゛あ゛あ゛っ♡♡!! 待って、やめで……! ん゛おおッ♡♡!? 体がおがじいの……お゛ッ♡♡♡!?」
「おかしくなれ。そうしたら駒として使ってやる」
「いやあ゛あ゛あああっ♡♡!!! もうイクッ……♡ イグッ♡ イッちゃ……♡ ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッッッ♡♡♡♡♡♡!!!」
ブシュッ、ブシュッとおちんぽの先から飛沫(しぶき)が上がる。イッてるのに、おちんぽに巻き付いた触手がしごくのをやめてくれないから、おちんぽが壊れたみたいにすごい量の飛沫が飛び散って、ベッドを水浸しにしてしまう。射精潮吹きしながら乳首と子宮でイキまくってる。
まだまだ夜は長い。
夢のような現実の、夜が続く――。
<おわり・新島真乃 バッドエンド>
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