養っていただかなくても結構です!〜政略結婚した夫に放置されているので魔法絵師として自立を目指したら賢者と言われ義母にザマァしました!(続く)
陰陽@3作品コミカライズと書籍化準備中
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第46話 新しい大きな仕事の依頼①
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「描いて欲しいテーマは、うちの家族3人の肖像画です。この工房は代々続く伝統ある工房でして。それを残しておきたいのです。」
「家族の肖像画……。」
そう言えば、人物を描くのは初めてだわ。
私にうまく描けるかしら……。
しかも100号という巨大なサイズ。
ちょっぴり不安になってくるわね。
「100号とは具体的に、どのような大きさなのでしょうか?かなり大きいのだろうということだけは、想像出来ますが……。」
「でしたらこちらに本物があります。」
そう言って、工房長が私を手招きして呼び寄せた場所に、巨大なキャンバスがいくつも立てかけられていた。
「こちらのキャンバスですね。
これが100号サイズの物になります。」
工房長が、よっ、と言いつつ取り出したのは、私の身長はあろうかという高さの、巨大なキャンバスだった。
「こちらは横幅が1303ミリのものになりますね。ちなみに1112ミリのものと、970ミリのものもありますが、3人並ばせるのであれば、1303ミリのものがよいでしょう。1人座らせるにしても、立たせた時に全身を描きやすいキャンバスかと。」
「……そうですね、バランスを考えると、1人は座らせたいです。それと、もう少し横幅が狭い方が、考えている構図には余白が余り過ぎなくてよいかなと思っています。」
「では1112ミリでしょうか。」
「見せていただいても?」
「どうぞ。」
工房長が1112ミリ幅のキャンバスを引っ張り出して見せてくれたのだけれど、思ったより縦長に見えた。
縦幅はすべて1621ミリ前後らしい。
「……これだと、バランスを考えた時に、先程のもののほうが、まだイメージが近いですね。あまり細いと全身を入れたら、今度は上下が余ってしまう気がします……。」
「では1303ミリになさいますか?」
「そうですね、それでお願いします。」
サイズは1303ミリ幅に決まった。
「わかりました、キャンバスはご自宅に運ばせましょう。我々がご自宅にお伺いしますので、そちらで絵を描き進めて下さい。」
「わかりました、誠心誠意、引き受けさせていただきますわ。」
こんな大作、初めてだけど、頑張って描きあげよう。せっかくのお仕事だもの。
「それと、軸の長い筆がほしいですね。キャンバスいっぱいに絵を描こうと思ったら、筆を長く持たないと、バランスが崩れる気がします。そういう筆はありますか?」
「ありますよ。必要であれば、ご希望の長さに合わせて特注も可能です。」
「ではこのぐらいの……長さのある筆が欲しいです。」
私は手で幅を示した。筆を長く持って絵を描く練習も必要ね……。
長い筆で描くにはコツがいりそうだわ。
「その長さだと、特注になりますね。すぐに作らせましょう。正確に長さを測らせてください。──巻き尺を持ってきて。」
従業員にそう指示をすると、従業員に持ってこさせた巻き尺で、私の手で示した幅を測りだした。巻き尺を巻き取ると、
「では、すぐに取り掛かります。1日あれば作れますので、すぐにお届けしますね。」
「はい、よろしくお願いいたします。」
「アルベルトを呼んできてくれ。」
今度は従業員にアルベルトを呼びに行かせた。すぐにアルベルトがやって来て、この長さの筆を作ってくれ、と指示をしていた。
絵の具だけじゃなく、それ以外の画材も作っているのかしら。──と思ったら、
「わかった。指示しておく。」
とアルベルトが言った。
後継者として、職人の管理もしているのかしら?画材を作る人は専門にいるのね。
職人として、しっかり仕事をしているんだわ。料理のことといい、案外大人なのね。
そして私に気付き、
「彼女に絵を頼んだの?」
と祖父に尋ねた。
「ああ。お前の提案通り、肖像画を飾るのも悪くないと思ってな。彼女の絵は温かい。
素晴らしい肖像画が出来るだろう。」
「そう。──良かったね。」
そう言って、アルベルトが私にニッコリと優しく微笑んだ。ひょっとして、これはアルベルトの提案が発端の仕事だったの?
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「家族の肖像画……。」
そう言えば、人物を描くのは初めてだわ。
私にうまく描けるかしら……。
しかも100号という巨大なサイズ。
ちょっぴり不安になってくるわね。
「100号とは具体的に、どのような大きさなのでしょうか?かなり大きいのだろうということだけは、想像出来ますが……。」
「でしたらこちらに本物があります。」
そう言って、工房長が私を手招きして呼び寄せた場所に、巨大なキャンバスがいくつも立てかけられていた。
「こちらのキャンバスですね。
これが100号サイズの物になります。」
工房長が、よっ、と言いつつ取り出したのは、私の身長はあろうかという高さの、巨大なキャンバスだった。
「こちらは横幅が1303ミリのものになりますね。ちなみに1112ミリのものと、970ミリのものもありますが、3人並ばせるのであれば、1303ミリのものがよいでしょう。1人座らせるにしても、立たせた時に全身を描きやすいキャンバスかと。」
「……そうですね、バランスを考えると、1人は座らせたいです。それと、もう少し横幅が狭い方が、考えている構図には余白が余り過ぎなくてよいかなと思っています。」
「では1112ミリでしょうか。」
「見せていただいても?」
「どうぞ。」
工房長が1112ミリ幅のキャンバスを引っ張り出して見せてくれたのだけれど、思ったより縦長に見えた。
縦幅はすべて1621ミリ前後らしい。
「……これだと、バランスを考えた時に、先程のもののほうが、まだイメージが近いですね。あまり細いと全身を入れたら、今度は上下が余ってしまう気がします……。」
「では1303ミリになさいますか?」
「そうですね、それでお願いします。」
サイズは1303ミリ幅に決まった。
「わかりました、キャンバスはご自宅に運ばせましょう。我々がご自宅にお伺いしますので、そちらで絵を描き進めて下さい。」
「わかりました、誠心誠意、引き受けさせていただきますわ。」
こんな大作、初めてだけど、頑張って描きあげよう。せっかくのお仕事だもの。
「それと、軸の長い筆がほしいですね。キャンバスいっぱいに絵を描こうと思ったら、筆を長く持たないと、バランスが崩れる気がします。そういう筆はありますか?」
「ありますよ。必要であれば、ご希望の長さに合わせて特注も可能です。」
「ではこのぐらいの……長さのある筆が欲しいです。」
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長い筆で描くにはコツがいりそうだわ。
「その長さだと、特注になりますね。すぐに作らせましょう。正確に長さを測らせてください。──巻き尺を持ってきて。」
従業員にそう指示をすると、従業員に持ってこさせた巻き尺で、私の手で示した幅を測りだした。巻き尺を巻き取ると、
「では、すぐに取り掛かります。1日あれば作れますので、すぐにお届けしますね。」
「はい、よろしくお願いいたします。」
「アルベルトを呼んできてくれ。」
今度は従業員にアルベルトを呼びに行かせた。すぐにアルベルトがやって来て、この長さの筆を作ってくれ、と指示をしていた。
絵の具だけじゃなく、それ以外の画材も作っているのかしら。──と思ったら、
「わかった。指示しておく。」
とアルベルトが言った。
後継者として、職人の管理もしているのかしら?画材を作る人は専門にいるのね。
職人として、しっかり仕事をしているんだわ。料理のことといい、案外大人なのね。
そして私に気付き、
「彼女に絵を頼んだの?」
と祖父に尋ねた。
「ああ。お前の提案通り、肖像画を飾るのも悪くないと思ってな。彼女の絵は温かい。
素晴らしい肖像画が出来るだろう。」
「そう。──良かったね。」
そう言って、アルベルトが私にニッコリと優しく微笑んだ。ひょっとして、これはアルベルトの提案が発端の仕事だったの?
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