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第13話 ロック鳥(鳥肉)の冷手羽とレバーペースト②

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「ミスリルは魔法との相性がいいから、魔法剣士や魔法使い、デバフやバフの使える弓使いが愛用してる。
 聖属性を持ってるから、アンデット討伐にはミスリルの武器じゃないとかなり効率が落ちると言われているな。」
 鉱石に属性があるのは確かに凄いな。

「アダマンタイトには特に属性はないが、とにかく硬い。磁力を帯びているから見つかりやすい鉱石でもあるな。
 大剣や両手剣や片手剣なんかの近接職武器と、弓使いの矢じりや、防具に使用されることが多いな。」
 磁石で鉱脈を見つけるということか。

「オリハルコンは一番硬いが希少でとにかく高い。だがこいつも魔法との相性がいいから、ランクの高い冒険者には垂涎の的さ。特に弓使いはこいつを持ってないとSランクと戦えんらしい。流通してるものではあるが、まあ、滅多にお目にかかれんがね。」
 ならオリハルコンで弾を作れば最強ということか。

「他にもアンオブタニウムとダマスカス鋼って鉱石があるんだが……、近年見つかったという話を聞かない。オリハルコンよりも硬いが、加工技術を持ってる人間も、今は年寄りしかいないって話だ。」

 アンオブタニウムは俺も知っている。元は工学用語で、宇宙の過酷な環境に耐える理想的な金属の意味で使われ、転じて実在しないものを表現してからかわれる時に使用されるようになった言葉だ。
 この世界には現物として存在するのか。

 ダマスカス鋼は伝説の金属などではなく、俺の元の世界にも実在していた金属だ。別名ウーツ鋼。決して錆びない凄まじい切れ味の刃物が作れるという金属だが、製造法が歴史の彼方に消えてしまったと言われている、ロマンあふれる金属だ。
 それを加工出来る人間が、この世界には今なお存在するとは!

 俺はダマスカス鋼に最も興味をひかれて、加工技術を持つ人の居場所を尋ねたが、アスターさんには分からないらしい。
 なんせ流通してないからな、冒険者ギルドでも分からないんじゃないか?と言われてしまってはお手上げだった。

 ダイヤモンドを加工するにはダイヤモンドが必要と言われているように、それを加工する技術が分からなければ、いくら能力で出せても意味がない。一番現実的なのが、オリハルコンの武器というわけだ。

 俺はオリハルコンの武器を加工しているところを見てみたいと言った。
 この村の近くにはないらしい。
 明日加工場があるところの近くまで、クエストでいくから案内しようか?と言われて、俺は一も二もなく了承した。

 俺は家に戻ったが、明日になるまではやることがない。トイレの問題は解決したし、畑は土を再び調整するにはまだ日数がかかる。とりあえず残ったロック鳥の素材を使って料理でもするか。

 俺は冷蔵庫からレバーと手羽を出した。鶏のレバーは臭み取りがいらないものだが、ロック鳥のレバーも匂いが気にならなかったので特に臭み取りはしなかったが、すじと血栓は取り除いてある。久々に常備菜にするか。

 俺は玉ねぎ、人参、セロリ、にんにく、赤ワイン、ローリエ、生クリーム、落し蓋、タッパー、フードプロセッサーを出して、オリーブオイル、塩、バター、黒胡椒、片栗粉、醤油、みりん、白胡麻、サラダ油、ジップロック、キッチンペーパー、以前ラズロさんから料理と交換に譲って貰った乾燥ハーブと、余ったクズ肉と野菜で作っておいた、煮詰めたコンソメスープを準備した。

 レバー1キロに対して、玉ねぎ1個と人参とセロリを1本、うすーく切ってやる。にんにくは2粒みじん切りにし、まとめてオリーブオイルで弱火で炒める。
 火が通ったら適当な大きさに切ったレバーを入れて更に炒める。

 全体に火が通ったら、赤ワインを400CC、煮詰めたコンソメスープを200CC、乾燥ハーブをお好みで加えて中火で煮てアルコールを飛ばす。コンソメキューブを使うなら3つ、顆粒のコンソメを使うなら大さじ2だ。

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