こじらせ中年の深夜の異世界転生飯テロ探訪記

陰陽@3作品コミカライズと書籍化準備中

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第13話 ロック鳥(鳥肉)の冷手羽とレバーペースト③

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 鍋が沸騰してきたらローリエを加えて弱火に戻し、落し蓋をして汁気がなくなるまで煮詰めていく。
 煮詰まったら味を見ながら塩を加えて味を調節し、しばらくおいておいて熱を冷ます。

 冷たくならない程度、手で触れられるくらいまで熱が冷めたら、フードプロセッサーでなめらかになるまで細かく砕き、生クリームを400CC、バターを40グラム加えてさらにフードプロセッサーにかける。

 タッパーに入れて冷蔵庫でひと晩寝かせてレバーペーストの完成だ。半分以下の量なら5時間も寝かせればじゅうぶんだ。
 冷蔵庫で5日はもつ常備菜となる。

 俺はこれをツマミに酒を飲むのが好きなんである。ワインは白ワインでも構わないが、その時はコンソメのかわりに牛乳を使い、黒胡椒を加えている。

 でかすぎる手羽は冒険者ギルドで適当な大きさにぶった切って貰ってあるので、今回は手羽先も手羽中もすべて使う。
 ジップロックに、手羽100グラムに対して塩と黒胡椒をひとつまみ入れて、ジップロックの上からよく揉み込む。

 そこに片栗粉を大さじ2投入し、袋を振りながら全体にまぶしたら、フライパンにサラダ油をしき、160度で30分かけてじっくりと揚げ焼きにして、キッチンペーパーでよく油を切ってやる。

 鍋に手羽800グラムに対して水200ミリリットル、醤油大さじ8、みりん大さじ9、すりおろしにんにくと白胡麻を大さじ4入れて中火で温める。白胡麻は炒ってあるやつだ。

 手羽を入れて中火で水分が減るまで、手羽にかけて絡めながら煮ていく。
 熱を冷ましたらタッパーに入れて冷凍庫で1時間冷やして、冷手羽の出来上がりだ。
 冷蔵庫ならひと晩寝かせてやればいい。
 甘辛くてこれも酒によく合う。

 俺は今日食べる用に小分けにして冷やしておいたレバーペーストをパテに乗せて、冷手羽とともにツマミにしながらビールを飲んだ。
 手羽は冷手羽の方が絶対にうまいと俺は思う。

 ついつい食べすぎてレバーペーストを追加で冷蔵庫から出そうとして、ビールが空になっていたのでやめた。
 レバーペーストをツマミにすると、つい飲みすぎちまうんだよなあ。

 次の日、朝から冒険者ギルドの前に集合すると、アスターさんは既に準備を終えて、仲間を紹介してくれた。魔法使いが1人にデバフの使える弓使いが1人、アスターさんの他に近接職が1人と、なかなかバランスのよいパーティーだった。

 クエストに向かう前に、その町の冒険者ギルドに挨拶をする必要があるらしく、町の中に鍛冶工房があると言う。
 案内してくれるお礼に、昨日作っておいた冷手羽をアスターさんに渡した。

 この人の料理本当にうまいんだぜ、と仲間たちに自慢げに言い、楽しみに食べるよ、と言ってくれた。
 冒険者ギルドに挨拶をした後で、アスターさんが鍛冶工房に案内してくれ、そこでアスターさんたちと別れた。

 鍛冶工房は隣が武器屋になっていて、鍛冶工房で作成したものを直接おろしているらしい。
 工場を見学したいと伝えると、部外者は立ち入り禁止だと言われてしまった。

 それはそうかも知れない。鍛冶工房は危険なものだし、俺も弾を自作している最中に人に寄って来られたら困ってしまう。
 だがここで引き下がってはここまで来た意味がなくなる。

 俺はオリハルコンの武器の作成を考えているが、最高のものを作りたいので、どうしても見学させて欲しいと頼んだ。
「オリハルコンの武器だって?
 あんたなんかに買えんのか?」
 明らかに無理だろうという表情を浮かべて、若い男がそう言った。

 最も希少という鉱石だ、だいぶお高いのだろう。俺は手持ちの金を全部見せた。
「……これじゃ手付金にしかならないが、まあいいだろう、親方に聞いてやるよ。」
 若い男がそう言って奥に消えていった。
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