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069 : 至福の喜び
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「あ、ナディア…何か用かい?」
「リュックさん…少し早いんですが、ランチを持って来ました。」
「ランチを?なんでだ?
今日は、いつもみたいに家で食べないのか?」
「え…ええ…
お客様かなにかあるみたいで…それで…」
「そうか、わかった。
じゃあ、マルタンにも…」
「あ…!マルタンさんは店の方に行ってるので、そちらで食べるそうです。」
「…そうなのか…ありがとう。
じゃあ、そこに置いといてくれ。」
「…あの…私もご一緒してはいけませんか?」
「そ…そりゃあ…あんたがそうしたいのなら、別にかまわないけど…」
リュックはナディアの方を見ずにそう言うと、作業を再開した。
「リュックさん、今日は父も兄もいませんし、早めにランチにしませんか?」
「そうはいかない。
やることはちゃんとやらなきゃな。
腹が減ってるのなら、先に食べててくれて良いぜ。」
「いえ…待ってます。」
しばらくして正午を知らせるサイレンが鳴り響くのを聞いたリュックは、やっと作業の手を止めた。
二人は木陰に移動し、ナディアの持って来たランチを広げた。
「いつも本当にどうもありがとう。」
「いえ…」
バスケットの中の料理がどんどんリュックの口に運ばれて行く。
「どうしたんだ?食べないのか?」
「……食べてますよ。」
消え入りそうな声で呟くナディアの瞳から、ぽつぽつと涙がこぼれ落ちていく…
「なんだ?突然、どうしたんだっ?!」
「リュックさん…私…」
「あ…」
泣きながらリュックの胸に飛び込んだナディアにとまどいながらも、リュックは、ナディアの背中を優しく抱いていた。
「ごめんなさい、リュックさん…
実は、今日、父さんが…」
ナディアは父親から言われたことをリュックに話して聞かせた。
話を聞いているリュックの表情が、だんだんと険しいものに変わっていく。
「俺が親父さんと話をつけてくる!
あんたは心配しないで、ここで待ってな!」
リュックは、屋敷に向かって走り出した。
「あ、ナディア…何か用かい?」
「リュックさん…少し早いんですが、ランチを持って来ました。」
「ランチを?なんでだ?
今日は、いつもみたいに家で食べないのか?」
「え…ええ…
お客様かなにかあるみたいで…それで…」
「そうか、わかった。
じゃあ、マルタンにも…」
「あ…!マルタンさんは店の方に行ってるので、そちらで食べるそうです。」
「…そうなのか…ありがとう。
じゃあ、そこに置いといてくれ。」
「…あの…私もご一緒してはいけませんか?」
「そ…そりゃあ…あんたがそうしたいのなら、別にかまわないけど…」
リュックはナディアの方を見ずにそう言うと、作業を再開した。
「リュックさん、今日は父も兄もいませんし、早めにランチにしませんか?」
「そうはいかない。
やることはちゃんとやらなきゃな。
腹が減ってるのなら、先に食べててくれて良いぜ。」
「いえ…待ってます。」
しばらくして正午を知らせるサイレンが鳴り響くのを聞いたリュックは、やっと作業の手を止めた。
二人は木陰に移動し、ナディアの持って来たランチを広げた。
「いつも本当にどうもありがとう。」
「いえ…」
バスケットの中の料理がどんどんリュックの口に運ばれて行く。
「どうしたんだ?食べないのか?」
「……食べてますよ。」
消え入りそうな声で呟くナディアの瞳から、ぽつぽつと涙がこぼれ落ちていく…
「なんだ?突然、どうしたんだっ?!」
「リュックさん…私…」
「あ…」
泣きながらリュックの胸に飛び込んだナディアにとまどいながらも、リュックは、ナディアの背中を優しく抱いていた。
「ごめんなさい、リュックさん…
実は、今日、父さんが…」
ナディアは父親から言われたことをリュックに話して聞かせた。
話を聞いているリュックの表情が、だんだんと険しいものに変わっていく。
「俺が親父さんと話をつけてくる!
あんたは心配しないで、ここで待ってな!」
リュックは、屋敷に向かって走り出した。
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