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ルカ(聖夜月ルカ)

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069 : 至福の喜び

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「あんたみたいに綺麗だったら、本当なら男が群がって来る所だろうにな。
もったいないな。」

「そんなことないわ。
私は、何も取り柄がないし…本当につまらない女だから…」

「よく言うよ。
あんたは、料理もすごくうまいし、しっかりしてるし…
それに、そんなに綺麗なんだから、男なら誰だって気になるはずさ。」

その言葉にナディアは嬉しそうに微笑んだ。



「リュックさんは優しいのね。
…あのね…父さんがいつも言うのよ。
本当に私のことが好きなら、どんなに父さんが怖くても諦めないはずだって。
私に興味を示してくれた人は、皆、父さんのことを怖がって去って行ったわ。
やっぱり、私のことなんて誰も本気じゃないのよ。
それは、私に魅力がないからなんだわ。」

「そうだったのか…
でも、それは違うぜ!
それは、あんたに魅力がないんじゃなくて、今までの奴に根性がなかっただけだ。
あんたは、本当に魅力的だ。
俺だって一目で…」

「え……?!」

「あ…い、いや、なんでもないんだ。
と、とにかく、あんたはすごく魅力的だ!
自信持たなきゃだめだぞ!」

リュックはそう言って、ナディアの背中を威勢よく叩いた。



「リュックさん…ありがとう…!
あなたは本当に優しい人だわ。」

「そんなことないさ。
俺は、自分の思ったことを言っただけだ。
俺は馬鹿だし、単細胞だから、思ったことしか言えないんだ。」

「馬鹿だなんて…」

「本当に馬鹿なんだ…
マルタンと話してると、自分の未熟さみたいなものを感じることがよくあるんだ。」

「マルタンさんは、あなたよりずっと年上だから仕方がないわ。」

「……年のせいじゃないさ。」

 本当はマルタンよりも遥かに長い時を生きていることを、リュックが言えるはずはなかった。



「あなたこそ、もっと自信を持たなきゃ!
あなたは優しいし、いつも元気で楽しくて…素敵だわ。」

「良いよ、無理しなくても…」

「本当よ!
私、初めて会った時から、あなたのこと、好きよ!あ……!」

「えっ!!」

「あ、あ…あの…好きっていうのは…あの…」

二人は、お互い、赤い顔をして俯く。
なんともいえない気まずい雰囲気が二人を包みこんだ。



 「あ、そうだ!
俺、酒と食べるものを探しに来たんだった!
マルタン達が待ってるから、じゃあ、また…」

「あ!リュックさん…!」

リュックは、ナディアの声を振り切り、走り出した。



「リュックさん……」

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