お題小説

ルカ(聖夜月ルカ)

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043 : たき火をかこんで

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 「あぁ、それならジョセフ爺さんのことだな。」

「ジョセフ爺さん?」

町の酒場でようやくポズナー氏の言っていた老人らしき者の話を聞くことが出来た。



「あぁ、若い頃から宝探しをしてるとかで、たまに山から下りて来ちゃあホラを吹いてまた帰っていくのさ。」

「ホラァ?」

「あんたも聞いてみたらわかると思うけどな。
とても現実にあるような話じゃあねぇ。
だけど、それがなかなかおかしくてな。
あの爺さんがここに来るのを楽しみにしてる奴も、けっこう多いんだぜ。」

「そうなんですか。
それで、そのジョセフさんはどこに住んでらっしゃるんですか?」

「この先の山ん中だよ。
町に住めば良いもんを、なぜだかあんな辺鄙な所を離れねぇんだ。
しかも、あの爺さんがあの山のどこに住んでるのか、詳しい場所を知ってる奴もいないんだ。」

「それは困ったな…どうする、リュック?」

「なぁに、俺は山には詳しいんだ!
人が住みそうな場所はすぐにわかる。
心配はいらないぜ!」



私達は早速、酒場の親父に教えてもらった山を目指した。
私としては、今日は宿で休んで次の日の朝になってから出発したかったのだが、リュックがどうしても早く会いに行きたいと言い出したことから、すぐに出発することになってしまったのだ。
これが、本当に長年生きてきた者なのだろうか?
 年齢よりも子供っぽく感じられる行動をリュックはよく取る。

それが本来の彼の性格のためなのか、それとも「自分には時間がない」という想いからなのか…
それは私にはわからなかった…



「あ~あ、リュックのせいで今夜も野宿だわ。」

パチパチと弾ける音を立てながら、赤い炎が燃え上がる。

クロワは口ではそんなことを言いながらも、その表情は穏やかに微笑んでいる。



「すまないな…まさかこんなにみつからないとは思わなかったから…」

「君も相当辺鄙な山の中に住んでたが、ここはあそこ以上だな。」

「きっと、俺よりももっと偏屈だってことだぜ。」

「そうかもしれないな。
しかし、そんなに偏屈なら、いきなり訪ねて行っても会ってくれないかもしれないぞ。」

「大丈夫さ!クロワさんがいるから!」

 
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