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017 : 盗賊団
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「そんなものはいりません。
私とイシドールを無事に返してくれさえすればそれで…」
「イシドール?
一緒にいた男か?
もしかしたら、あれはおまえの弟か?」
「……ええ、そうよ。」
「わかった。
そのくらい、お安いご用だ。
こいつが良くなったら必ずおまえらを無事にここから帰してやる…だが…」
男の顔が急に険しくなった。
「万一、ダヴィッドが助からなかった時は…その時はおまえの弟を殺す…!
わかったな!」
「そ、そんな…!!」
(…弟だなんて言わなきゃ良かった…)
クロワは後悔したがもう遅い…
弟だと言わなくても結局は同じことだったのかもしれないが、やはりつまらないことを言ってしまったとクロワは悔やんだ。
とにかく、今はその男を助けることに全力を尽すしかないのだ。
「まずは必要なものを集めて来て下さい。」
ダヴィッドの置かれている環境は実に良くないものだった。
クロワは、怖さも忘れ悪党達に様々な指示を出し、テキパキと働いた。
ダヴィッドは腕の傷だけではなく、日頃からの不摂生のためか内臓の方にも様々な問題があるようだった。
(これは簡単にはよくならないわ…)
クロワはこの病人の治療には時間がかかることを直感した。
やがて、月日が流れ……
少しづつとはいえ病状が改善されていることをダヴィッドも、そして、兄のジョルジュも感じていた。
「いつもすまねぇな。
お陰でダヴィッドの様子もずいぶん良くなってきたようだ。」
「腕の傷はもう心配ないようですね。
後は身体の方をじっくり治していきましょう。」
「ありがとうよ。
俺達は盗賊なんてことをやってるクズ野郎だけどな、それでも、ダヴィッドは俺にとっちゃあ宝物なんだ。
俺のたった一人の肉親だからな…かけがえのない奴なんだ。」
「…わかります。
あなた方のやってることを認めることは出来ませんが、あなたが弟さんを大切にするお気持ちはとてもよくわかります。」
「ハハハッ
ずいぶんとハッキリ言ってくれるな。」
ジョルジュとクロワはいつの間にか打ち解けた雰囲気になっていた。
イシドールも家の中では自由にさせてもらえるようになっていたが、それでもやはり解放はしてもらえなかった。
「マルタンさん、どうしてるかな?
もうどこかの町に行ってしまったかな?」
「そんなことないわ。
マルタンさんはきっと私達を探してくれてる。
…そうに違いないわ。」
私とイシドールを無事に返してくれさえすればそれで…」
「イシドール?
一緒にいた男か?
もしかしたら、あれはおまえの弟か?」
「……ええ、そうよ。」
「わかった。
そのくらい、お安いご用だ。
こいつが良くなったら必ずおまえらを無事にここから帰してやる…だが…」
男の顔が急に険しくなった。
「万一、ダヴィッドが助からなかった時は…その時はおまえの弟を殺す…!
わかったな!」
「そ、そんな…!!」
(…弟だなんて言わなきゃ良かった…)
クロワは後悔したがもう遅い…
弟だと言わなくても結局は同じことだったのかもしれないが、やはりつまらないことを言ってしまったとクロワは悔やんだ。
とにかく、今はその男を助けることに全力を尽すしかないのだ。
「まずは必要なものを集めて来て下さい。」
ダヴィッドの置かれている環境は実に良くないものだった。
クロワは、怖さも忘れ悪党達に様々な指示を出し、テキパキと働いた。
ダヴィッドは腕の傷だけではなく、日頃からの不摂生のためか内臓の方にも様々な問題があるようだった。
(これは簡単にはよくならないわ…)
クロワはこの病人の治療には時間がかかることを直感した。
やがて、月日が流れ……
少しづつとはいえ病状が改善されていることをダヴィッドも、そして、兄のジョルジュも感じていた。
「いつもすまねぇな。
お陰でダヴィッドの様子もずいぶん良くなってきたようだ。」
「腕の傷はもう心配ないようですね。
後は身体の方をじっくり治していきましょう。」
「ありがとうよ。
俺達は盗賊なんてことをやってるクズ野郎だけどな、それでも、ダヴィッドは俺にとっちゃあ宝物なんだ。
俺のたった一人の肉親だからな…かけがえのない奴なんだ。」
「…わかります。
あなた方のやってることを認めることは出来ませんが、あなたが弟さんを大切にするお気持ちはとてもよくわかります。」
「ハハハッ
ずいぶんとハッキリ言ってくれるな。」
ジョルジュとクロワはいつの間にか打ち解けた雰囲気になっていた。
イシドールも家の中では自由にさせてもらえるようになっていたが、それでもやはり解放はしてもらえなかった。
「マルタンさん、どうしてるかな?
もうどこかの町に行ってしまったかな?」
「そんなことないわ。
マルタンさんはきっと私達を探してくれてる。
…そうに違いないわ。」
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