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復讐の連鎖

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「そうだ、兄ちゃん!
 飯を食ったら面白い所へ連れて行ってやろう!!」

 男の一人がそう言って、ベルナールの耳元で何事かを小声で囁く。
ベルナールはその言葉に、驚いたような…戸惑ったような表情を浮かべ、やがてルークに視線を移すとぽつりと呟いた。


 「……しかし、こいつはそういう所には行ったことがないのだが……大丈夫だろうか?」

 「なんだって!?
じゃ、もしかしたらこのぼうやはまだ女も知らないっていうのか!?」

その場に先程よりもさらに大きな笑いがわき上がった。
ルークは厳しい表情で顔をあげ、その唇が僅かに動いたかに見えたが言葉にはならず、再びルークは俯いた。



 「よ~し!そういうことならぜひとも行ってみなくちゃな!
これも社会勉強のうちの一つだ。」

 「しかし……今日は、思いも寄らぬトラブルに巻き込まれこんな怪我もしていることだし……その上女だなんて、刺激が大きすぎるのではないか?」

ベルナールは、ルークの方に不安げな視線を投げかける。



 「大丈夫だって!
そんな風に甘やかしてると、このぼうやは一生へなちょこ野郎で終わっちまうぜ!
こういう時だからこそ、弾みが付いて良いんだよ。
とにかく俺に任せとけって…!」

 少し酒の入った男達はルークをからかうことで大いに盛りあがっていた。



 *



 「ルーク…よく我慢したな。
この調子で店でもうまくやれよ。
 女にされるがままになっていたらそれで良い。
 出来るだけの道化を演じて来い。」

ベルナールはルークの耳元で囁いた。



 「……わかってるよ。」

ルークは不機嫌にそう答えると、男達と一緒に夜の町へ消えて行った。
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