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さらなる復讐
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「なぁ、ベルナール…さっきのことなんだが、なんで金持ちにこだわるんだ?
上級悪魔なら、金持ちだろうがそうでなかろうがそれだけで良いんじゃないのか?」
ベッドに寝転びながら、オルジェ好きが尋ねた。
「おまえは何もわかっていないのだな…」
窓辺で佇んでいたベルナールが、オルジェスの方へ向き直り傍らの椅子に腰を降ろす。
「……わかってないって……」
「オルジェス…食うための上級悪魔を紹介してほしいと言うわけにはいかんだろう?
だからこそ、『理由』がいるのだ。
私達は、金持ちに寄生して生きるひ弱で美しい人形…そういう風に思わせておくのだ。」
ベルナールの端正な顔にどこか悪意のこもった微笑みが宿った。
「なるほどね…
あんたは本当に頭が良いんだな。
それで、男でも構わないっていってたのはどういうことなんだ?
……まさか、男を相手にするってわけじゃないよな?」
「その通りだ。」
「ば…馬鹿なっっ!!」
オルジェスは、大きく目を見開き上半身を起こす。
「冗談じゃない!
俺は男だぞ!
そんなことが出来るか!!」
「……オルジェス、何をそんなに動揺している?
相手が男だろうか女だろうが、そんなことはたいした問題じゃない。
どうせ、そいつの心臓はいただくんだ。
何度か愉しませてやるくらい、なんともないだろう。」
「あ…あんた…どうかしてるぜ!
……まさか、あんた、今までにも男の相手をしたことがあるのか?」
オルジェスのその問いを、ベルナールは鼻で笑った。
「くだらん…そのくらいのことでおたおたするな…
私達は、共通の目的のために行動しているのだということを忘れるな!
ルークはリュタンを殺し、村を焼き払おうとしているのだぞ。
そんなことに比べたら、一度か二度、男と交わることがなんだと言うんだ!」
「そ…それは……」
「……オルジェス…そう深刻に考えるな…
従順な振りをして、ほんの束の間そいつのいいなりになっていればそれで良い。
良いな、決して歯向かうな。
力のあることを悟られてはならん…
そいつが私達を見くびれば見くびるほど、その後はやりやすくなるんだ。
……わかったな?」
オルジェスはベルナールと視線を合わせないまま、小さく頷いた。
「なぁ、ベルナール…さっきのことなんだが、なんで金持ちにこだわるんだ?
上級悪魔なら、金持ちだろうがそうでなかろうがそれだけで良いんじゃないのか?」
ベッドに寝転びながら、オルジェ好きが尋ねた。
「おまえは何もわかっていないのだな…」
窓辺で佇んでいたベルナールが、オルジェスの方へ向き直り傍らの椅子に腰を降ろす。
「……わかってないって……」
「オルジェス…食うための上級悪魔を紹介してほしいと言うわけにはいかんだろう?
だからこそ、『理由』がいるのだ。
私達は、金持ちに寄生して生きるひ弱で美しい人形…そういう風に思わせておくのだ。」
ベルナールの端正な顔にどこか悪意のこもった微笑みが宿った。
「なるほどね…
あんたは本当に頭が良いんだな。
それで、男でも構わないっていってたのはどういうことなんだ?
……まさか、男を相手にするってわけじゃないよな?」
「その通りだ。」
「ば…馬鹿なっっ!!」
オルジェスは、大きく目を見開き上半身を起こす。
「冗談じゃない!
俺は男だぞ!
そんなことが出来るか!!」
「……オルジェス、何をそんなに動揺している?
相手が男だろうか女だろうが、そんなことはたいした問題じゃない。
どうせ、そいつの心臓はいただくんだ。
何度か愉しませてやるくらい、なんともないだろう。」
「あ…あんた…どうかしてるぜ!
……まさか、あんた、今までにも男の相手をしたことがあるのか?」
オルジェスのその問いを、ベルナールは鼻で笑った。
「くだらん…そのくらいのことでおたおたするな…
私達は、共通の目的のために行動しているのだということを忘れるな!
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そんなことに比べたら、一度か二度、男と交わることがなんだと言うんだ!」
「そ…それは……」
「……オルジェス…そう深刻に考えるな…
従順な振りをして、ほんの束の間そいつのいいなりになっていればそれで良い。
良いな、決して歯向かうな。
力のあることを悟られてはならん…
そいつが私達を見くびれば見くびるほど、その後はやりやすくなるんだ。
……わかったな?」
オルジェスはベルナールと視線を合わせないまま、小さく頷いた。
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