52 / 355
策略
15
しおりを挟む
「ねぇ、ベルナール、少し散歩にでかけない?」
次の日の夕食後、シャルロットが唐突にそう言った。
「そうだね。
どこへ行くんだい?」
「ふふふっ…内緒よ…」
ランプを持って二人は別荘を出た。
シャルロットは、行き先を決めているかのように目的を持った足取りでまっすぐに進んで行く。
「シャルロット、どこに行くんだい?」
「もう少しよ。」
別荘を出てから、小一時間程歩いた頃、二人は小高い丘の上にいた。
「ここよ。思ってたより近かったのね。
子供の頃はもっと遠いと思ってたわ。」
「シャルロット、ここはもしかして…」
「ベルナール、見て…」
夜空には、宝石を巻き散らかしたような無数の星々がきらきらと瞬いていた。
「とても綺麗だ…
星に手が届きそうだね。」
「そうでしょう?」
「シャルロット、こうやって寝転んだ方がよく見えるよ!」
大地の上に横になるベルナールに倣い、シャルロットも同じように寝転がって空を仰いだ。
「本当に綺麗…」
「シャルロット…」
「あ…ベルナール…!」
シャルロットの唇に、突然、ベルナールの熱い唇が重なった。
何が起こったか理解する間もなく、シャルロットは初めての心地良い感触に酔いしれた。
「ごめん…シャルロット…」
身体を起こしたベルナールが、そう言ってシャルロットに背を向けた。
「どうして謝るの?」
「だって……シャルロット、怒ってないの?」
「怒るわけないでしょう?
私達は婚約者同士よ。
愛し合ってるのよ。
それより…昨夜はどうしてキスしてくれなかったの?
私、もしかして、あなたに嫌われてるんじゃないかと心配になったわ…」
「違うよ!
ただ…君にキスしてしまったら、僕はそれ以上のことを求めてしまいそうで…
自分の理性が抑えられるかどうか自信がなくて…
そんなことしたら君に嫌われるかもしれないってそのことが怖かったから…」
「馬鹿ね…ベルナールったら…」
シャルロットが、ベルナールの手を取って立ち上がった。
「別荘はこの近くなの。」
二人は、手を繋ぎ寄り添いながら夜道を歩き出した。
次の日の夕食後、シャルロットが唐突にそう言った。
「そうだね。
どこへ行くんだい?」
「ふふふっ…内緒よ…」
ランプを持って二人は別荘を出た。
シャルロットは、行き先を決めているかのように目的を持った足取りでまっすぐに進んで行く。
「シャルロット、どこに行くんだい?」
「もう少しよ。」
別荘を出てから、小一時間程歩いた頃、二人は小高い丘の上にいた。
「ここよ。思ってたより近かったのね。
子供の頃はもっと遠いと思ってたわ。」
「シャルロット、ここはもしかして…」
「ベルナール、見て…」
夜空には、宝石を巻き散らかしたような無数の星々がきらきらと瞬いていた。
「とても綺麗だ…
星に手が届きそうだね。」
「そうでしょう?」
「シャルロット、こうやって寝転んだ方がよく見えるよ!」
大地の上に横になるベルナールに倣い、シャルロットも同じように寝転がって空を仰いだ。
「本当に綺麗…」
「シャルロット…」
「あ…ベルナール…!」
シャルロットの唇に、突然、ベルナールの熱い唇が重なった。
何が起こったか理解する間もなく、シャルロットは初めての心地良い感触に酔いしれた。
「ごめん…シャルロット…」
身体を起こしたベルナールが、そう言ってシャルロットに背を向けた。
「どうして謝るの?」
「だって……シャルロット、怒ってないの?」
「怒るわけないでしょう?
私達は婚約者同士よ。
愛し合ってるのよ。
それより…昨夜はどうしてキスしてくれなかったの?
私、もしかして、あなたに嫌われてるんじゃないかと心配になったわ…」
「違うよ!
ただ…君にキスしてしまったら、僕はそれ以上のことを求めてしまいそうで…
自分の理性が抑えられるかどうか自信がなくて…
そんなことしたら君に嫌われるかもしれないってそのことが怖かったから…」
「馬鹿ね…ベルナールったら…」
シャルロットが、ベルナールの手を取って立ち上がった。
「別荘はこの近くなの。」
二人は、手を繋ぎ寄り添いながら夜道を歩き出した。
0
あなたにおすすめの小説
【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。
ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。
彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。
婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。
そして迎えた学園卒業パーティー。
ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。
ガッツポーズを決めるリリアンヌ。
そのままアレックスに飛び込むかと思いきや――
彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。
他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに
千石
ファンタジー
【第17回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞】
魔法学園4年生のグレイ・ズーは平凡な平民であるが、『他人の寿命が視える』という他の人にはない特殊な能力を持っていた。
ある日、学園一の美令嬢とすれ違った時、グレイは彼女の余命が本日までということを知ってしまう。
グレイは自分の特殊能力によって過去に周りから気味悪がられ、迫害されるということを経験していたためひたすら隠してきたのだが、
「・・・知ったからには黙っていられないよな」
と何とかしようと行動を開始する。
そのことが切っ掛けでグレイの生活が一変していくのであった。
他の投稿サイトでも掲載してます。
※表紙の絵はAIが生成したものであり、著作権に関する最終的な責任は負いかねます。
ベテラン精霊王、虐げられ皇子の子育てに励みます
はんね
ファンタジー
大陸で最も広大な領土と栄華を誇るアストラニア帝国。
その歴史は、初代皇帝ニコラスと精霊王バーティミアスが“疫病王ヴォラク”を討ち倒したことから始まった。ニコラスとバーティミアスは深い友情を結び、その魂を受け継ぐ皇子たちを永遠に見守り、守護する盟約を交わした。
バーティミアスは幾代もの皇帝を支え、帝国は長き繁栄を享受してきた。しかし、150年の眠りから目覚めた彼の前に現れた“次の皇帝候補”は、生まれたばかりの赤ん坊。しかもよりにもよって、十三番目の“虐げられ皇子”だった!
皮肉屋で老獪なベテラン精霊王と、世話焼きで過保護な月の精霊による、皇帝育成(?)奮闘記が、いま始まる——!
人物紹介
◼︎バーティミアス
疫病王ヴォラクを倒し初代皇帝ニコラスと建国初期からアストラニア帝国に使える精霊。牡鹿の角をもつ。初代皇帝ニコラスの魂を受け継ぐ皇子を守護する契約をしている。
◼︎ユミル
月の精霊。苦労人。バーティミアスとの勝負に負け、1000年間従属する契約を結びこき使われている。普段は使用人の姿に化けている。
◼︎アルテミス
アストラニア帝国の第13皇子。北方の辺境男爵家の娘と皇帝の息子。離宮に幽閉されている。
◼︎ウィリアム・グレイ
第3皇子直属の白鷲騎士団で問題をおこし左遷されてきた騎士。堅物で真面目な性格。代々騎士を輩出するグレイ家の次男。
◼︎アリス
平民出身の侍女。控えめで心優しいが、アルテミスのためなら大胆な行動に出る一面も持つ。
公爵令嬢は結婚式当日に死んだ
白雲八鈴
恋愛
今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。
「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」
突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。
婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。
そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。
その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……
生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。
婚約者とその番という女性に
『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』
そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。
*タグ注意
*不快であれば閉じてください。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
うわさの行方
下沢翠花(しもざわすいか)
恋愛
まだ十歳で結婚したセシリア。
すぐに戦場へ行ってしまった夫のニールスは優しい人だった。
戦場から帰るまでは。
三年ぶりにあったニールスは、なぜかセシリアを遠ざける。
ニールスの素っ気ない態度に傷つき疲弊していくセシリアは謂れのない酷い噂に追い詰められて行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる