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第一章
第12話(4)タイヘイの一撃
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「こ、攻撃力特化だと?」
タイヘイが半身を起こして問う。
「ああ、そうだ……」
「……艶めかしいボーズではあるな……」
「な、なんだ、艶めかしいって……」
フンミが戸惑う。
「ある意味攻撃的ではあるか……」
「は?」
「どちらかといえば……挑発的じゃねえか?」
「待て、さっきから何を言っている……?」
「いや、それ……いわゆる『女豹のポーズ』ってやつだろ?」
「違えよ! 『白虎の型』だって言ってんだろ!」
「ええっ⁉」
「そんなに驚くことに驚くっつうの!」
「ケツを強調し過ぎじゃねえか?」
「どこを見てんだよ!」
フンミが思わず尻を抑える。
「な、何を言い合っているの……?」
カンナが困惑する。
「と、とにかく……この型は一撃一撃が重い……もうお前には万の一つも勝ち目はねえよ」
「なんだと?」
「どうせロケットブースターとやらも燃料が無限ってわけじゃねえだろう?」
「な、なかなか鋭いじゃねえか……」
「分かりやすい動揺!」
タイヘイの様子にカンナが思わず声を上げる。
「大体見当がつくさ……よく頭が回るんでね」
フンミが指で自らの側頭部をトントンとつつく。
「ちっ……」
タイヘイが立ち上がる。
「はっ!」
「む!」
「ふん!」
「がはっ⁉」
素早くタイヘイの懐に入ったフンミが右手を鋭く振るう。タイヘイの胸のあたりが引き裂かれたように傷付く。
「ま、まるで、虎の爪!」
カンナが驚く。
「くっ……」
タイヘイが胸を抑えてよろめく。
「まだ粘るか……そらっ!」
「ちっ!」
「!」
フンミの爪をタイヘイがかまいたちの鎌で受け止める。
「ど、どうよ⁉」
「はん! 攻撃で使う鎌を防御に回している時点で、お前はもう詰んでんだよ!」
「ま、まだ逆転の目はある!」
タイヘイがロケットブースターを噴出させ、浮上を試みる。
「そうはさせねえよ!」
「ぎゃっ⁉」
タイヘイの左足にフンミが噛みつく。
「ひょら!」
「ぐはっ⁉」
フンミに思い切り引っ張られ、タイヘイは地面に叩きつけられる。フンミがわずかに噛み千切ったものを吐き出して呟く。
「ふん、とても食えたもんじゃねえな……」
「ぐっ……な、なるほど、虎の牙か……」
タイヘイが左足を抑えながら呟く。
「そういうこった」
フンミが口を大きく開ける。白く鋭い歯がキラリと光る。
「きょ、強烈だな……攻撃力特化はダテじゃねえってか……」
タイヘイが立ち上がる。フンミが驚く。
「おいおい、まだ立ち上がるのか……」
「一発で仕留めるくらいのつもりで来いよ……」
タイヘイがくいくいっと手招きをする。
「へえ……ならばお望み通りにしてやるよ!」
フンミがタイヘイの喉元に噛みつこうとする。
「そらっ!」
「もはっ⁉」
タイヘイがタイミング良く自分の頭を差し出す。フンミはその頭に噛みついたかたちとなったが、あまりの硬さに戸惑い、後ろに倒れ込む。タイヘイが頭をさすって笑う。
「足よりは美味いと思ったんだが……」
「な、なんだ! その頭は⁉」
「さあな、大体の見当はつくんじゃねえのか?」
タイヘイがわざとらしく肩をすくめる。フンミが立ち上がりながらぶつぶつと呟く。
「ゴ、ゴリラの頭が硬いとは聞いたことがねえぞ……待てよ、『人』としては……それは異様なタフさのはず……『獣』のゴリラ、『妖』のかまいたち、『機』のロケットブースター……まさか、他にも何かの流れを汲んでいるのか?」
「そっちが来ねえなら、こっちから行くぜ!」
「むっ⁉ くっ!」
タイヘイの突進をフンミが後方に飛んでかわす。
「逃がさねえよ!」
タイヘイが追撃の構えを見せる。
「ちっ! これだ!」
フンミがひょうたんを飲む。
「‼」
「ひっく!」
フンミが両手両足を閉じる。
「なんだあ、そりゃあ⁉」
「防御力特化の『玄武の型』だ! この鉄壁の守り! 崩せるものなら崩してみろや!」
「ほ~う?」
「なっ⁉」
タイヘイが右手を回してフンミの後襟をガシッと掴む。
「喰らえ!」
「⁉」
タイヘイの頭突きをまともに喰らい、フンミは崩れ落ちる。
「ふん……」
「なっ……」
「よく回る頭で色々と考え過ぎたな。俺はな……“ただ単にすげえ石頭”なんだよ」
「な、なんだと……」
「俺の勝ちだな」
タイヘイが額をさすりながら告げる。
「く、くそが……!」
フンミは気を失う。
「よし! 一丁上がり!」
タイヘイが仁王立ちして叫ぶ。声が玉座の間に響く。
「な、なんという……」
「姫様、守ったぜ、アンタの大事な国!」
タイヘイがカンナに向かって右手をサムズアップしながらウインクする。
タイヘイが半身を起こして問う。
「ああ、そうだ……」
「……艶めかしいボーズではあるな……」
「な、なんだ、艶めかしいって……」
フンミが戸惑う。
「ある意味攻撃的ではあるか……」
「は?」
「どちらかといえば……挑発的じゃねえか?」
「待て、さっきから何を言っている……?」
「いや、それ……いわゆる『女豹のポーズ』ってやつだろ?」
「違えよ! 『白虎の型』だって言ってんだろ!」
「ええっ⁉」
「そんなに驚くことに驚くっつうの!」
「ケツを強調し過ぎじゃねえか?」
「どこを見てんだよ!」
フンミが思わず尻を抑える。
「な、何を言い合っているの……?」
カンナが困惑する。
「と、とにかく……この型は一撃一撃が重い……もうお前には万の一つも勝ち目はねえよ」
「なんだと?」
「どうせロケットブースターとやらも燃料が無限ってわけじゃねえだろう?」
「な、なかなか鋭いじゃねえか……」
「分かりやすい動揺!」
タイヘイの様子にカンナが思わず声を上げる。
「大体見当がつくさ……よく頭が回るんでね」
フンミが指で自らの側頭部をトントンとつつく。
「ちっ……」
タイヘイが立ち上がる。
「はっ!」
「む!」
「ふん!」
「がはっ⁉」
素早くタイヘイの懐に入ったフンミが右手を鋭く振るう。タイヘイの胸のあたりが引き裂かれたように傷付く。
「ま、まるで、虎の爪!」
カンナが驚く。
「くっ……」
タイヘイが胸を抑えてよろめく。
「まだ粘るか……そらっ!」
「ちっ!」
「!」
フンミの爪をタイヘイがかまいたちの鎌で受け止める。
「ど、どうよ⁉」
「はん! 攻撃で使う鎌を防御に回している時点で、お前はもう詰んでんだよ!」
「ま、まだ逆転の目はある!」
タイヘイがロケットブースターを噴出させ、浮上を試みる。
「そうはさせねえよ!」
「ぎゃっ⁉」
タイヘイの左足にフンミが噛みつく。
「ひょら!」
「ぐはっ⁉」
フンミに思い切り引っ張られ、タイヘイは地面に叩きつけられる。フンミがわずかに噛み千切ったものを吐き出して呟く。
「ふん、とても食えたもんじゃねえな……」
「ぐっ……な、なるほど、虎の牙か……」
タイヘイが左足を抑えながら呟く。
「そういうこった」
フンミが口を大きく開ける。白く鋭い歯がキラリと光る。
「きょ、強烈だな……攻撃力特化はダテじゃねえってか……」
タイヘイが立ち上がる。フンミが驚く。
「おいおい、まだ立ち上がるのか……」
「一発で仕留めるくらいのつもりで来いよ……」
タイヘイがくいくいっと手招きをする。
「へえ……ならばお望み通りにしてやるよ!」
フンミがタイヘイの喉元に噛みつこうとする。
「そらっ!」
「もはっ⁉」
タイヘイがタイミング良く自分の頭を差し出す。フンミはその頭に噛みついたかたちとなったが、あまりの硬さに戸惑い、後ろに倒れ込む。タイヘイが頭をさすって笑う。
「足よりは美味いと思ったんだが……」
「な、なんだ! その頭は⁉」
「さあな、大体の見当はつくんじゃねえのか?」
タイヘイがわざとらしく肩をすくめる。フンミが立ち上がりながらぶつぶつと呟く。
「ゴ、ゴリラの頭が硬いとは聞いたことがねえぞ……待てよ、『人』としては……それは異様なタフさのはず……『獣』のゴリラ、『妖』のかまいたち、『機』のロケットブースター……まさか、他にも何かの流れを汲んでいるのか?」
「そっちが来ねえなら、こっちから行くぜ!」
「むっ⁉ くっ!」
タイヘイの突進をフンミが後方に飛んでかわす。
「逃がさねえよ!」
タイヘイが追撃の構えを見せる。
「ちっ! これだ!」
フンミがひょうたんを飲む。
「‼」
「ひっく!」
フンミが両手両足を閉じる。
「なんだあ、そりゃあ⁉」
「防御力特化の『玄武の型』だ! この鉄壁の守り! 崩せるものなら崩してみろや!」
「ほ~う?」
「なっ⁉」
タイヘイが右手を回してフンミの後襟をガシッと掴む。
「喰らえ!」
「⁉」
タイヘイの頭突きをまともに喰らい、フンミは崩れ落ちる。
「ふん……」
「なっ……」
「よく回る頭で色々と考え過ぎたな。俺はな……“ただ単にすげえ石頭”なんだよ」
「な、なんだと……」
「俺の勝ちだな」
タイヘイが額をさすりながら告げる。
「く、くそが……!」
フンミは気を失う。
「よし! 一丁上がり!」
タイヘイが仁王立ちして叫ぶ。声が玉座の間に響く。
「な、なんという……」
「姫様、守ったぜ、アンタの大事な国!」
タイヘイがカンナに向かって右手をサムズアップしながらウインクする。
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