44 / 50
第一章
第11話(3)援軍対神器
しおりを挟む
「ぐう……」
「さて……」
「む……」
「これで終わりにして差し上げましょう……⁉」
「うおおっ!」
ムツキが手を掲げたその瞬間、ヤヨイが斬りかかってきた。
「おっと!」
「ちっ!」
ヤヨイの振り下ろした剣をムツキがかわす。
「ヤ、ヤヨイ……」
「カンナ、ムツキのおっさんが首謀者ってことかい?」
「え、ええ……」
「そうか、分かった……」
「お、おっさんって……だから貴女たちとはそんなに年齢は離れていませんよ……」
「黙れ!」
「むっ……」
ヤヨイが剣を振るうが、ムツキはまたもかわす。
「すばしっこいな……」
「貴女の動きが鈍いのでは? 見たところその左腕……」
「ふん!」
「はっ!」
「なにっ⁉」
ムツキがどこからか発生させた剣を取って、ヤヨイの剣を防ぐ。
「ふむ……」
「アタシの剣を防ぐ……ここまでの使い手だったとは予想外だ」
「……これくらいで予想外と言われても困りますね」
「なんだと?」
「むん!」
ムツキがヤヨイの剣を弾く。
「しまっ……」
「はあっ!」
「!」
ムツキの振るった剣を食らい、ヤヨイの大きな体が凍り付く。
「左腕さえ折れていなければ、もう少し分からなかったかもしれませんね……」
ムツキが剣を鞘に納め、腰に提げる。カンナが驚く。
「こ、氷の剣? ヤ、ヤヨイ……!」
「ご心配なく。ちょっとうるさいから凍らせただけです。命に別条はありません」
「い、生きている……?」
「ええ、ただ、これを砕いたりすれば……」
ムツキが鞘に手をかける。カンナが声を上げる。
「! やめて!」
「……させん!」
「おおっと!」
キサラギが苦無で斬りかかるが、ムツキが剣を抜いてそれを防ぎ、その場から後退する。
「キサラギ!」
「申し訳ございません、遅くなりました……」
「忠実なる忍者のご登場ですか……」
「貴様がクーデターの首謀者だったとはな……」
「ええ……」
「まんまと欺かれたぞ……」
「ふふっ、なにも知らずに連絡係を務めて下さってありがとうございます。おかげで姫の情報はこちらに筒抜けでしたよ」
「……借りはキッチリと返してもらう!」
「むっ!」
「はああっ!」
「おおっ⁉」
キサラギがあっという間に間合いを詰め、ムツキに斬りかかる。ムツキはこれも防ぐ。
「はっ、はっ、はっ!」
「よっ、ほっ、とっ!」
キサラギが素早い連続攻撃を仕掛けるが、ムツキはなんとかこれも凌ぐ。
「……ここまでやるとは」
「貴方ももうボロボロのわりにはなかなか動けますね……目を見張るスピードだ」
「ふん、もっと上がるぞ……」
「え?」
「止められるものなら止めてみろ!」
キサラギが後ろに数歩下がってから飛びかかる。
「うおっ⁉ ならばこれです!」
「‼」
ムツキがどこからか取り出した鏡から雷が発せられ、キサラギの体を貫く。キサラギはうつ伏せに倒れ込む。ムツキが額の汗を拭う。
「ふう……なかなか焦りましたよ」
「こ、今度は鏡……キサラギ!」
「急所は外しました……というか、とっさにかわしましたね、大したものです」
ムツキが感嘆とする。カンナがほっとする。
「よ、良かった……」
「やはり厄介な存在です……ここでとどめを刺しておきますか……」
ムツキが鏡をしまい、再び鞘に手をかける。カンナが叫ぶ。
「や、やめなさい!」
「うおおっ!」
「うおおっと!」
シモツキが突き出した槍をムツキは横っ飛びしてかわす。
「シモツキ!」
「カンナ様! たいへん遅くなりました! 申し訳ございません!」
「……」
「どうした! 驚きのあまり声も出ないか⁉」
シモツキがムツキに向かって声を上げる。
「ええ、貴方がここまでたどり着くのは予想外でした」
「な、なんだと⁉」
「かなり戸惑っています……」
「ば、馬鹿にするな!」
「いえ、むしろ感心しているのです」
「どっちでも良い! 喰らえ!」
「むう!」
「そらっ! それっ!」
「む! ぬ!」
シモツキの繰り出す鋭い突きをムツキはかろうじてだが、かわしてみせる。
「ぐうう……」
「距離を取りますか……」
ムツキが言葉通り、シモツキから離れる。シモツキは笑みを浮かべる。
「それは悪手だぞ! それっ!」
「はっ!」
「⁉」
ムツキが取り出した勾玉を握りしめると、強風が巻き起こり、シモツキは自ら投じた槍ごと吹き飛ばされて、壁に叩きつけられる。ムツキが淡々と呟く。
「剣、鏡、そして勾玉……神器の力のお陰ですね……」
「神様に感謝を述べるのはまだ早いですよ……」
「! ちい……」
ムツキが舌打ちする。カンナが立ち上がってきたからである。
「さて……」
「む……」
「これで終わりにして差し上げましょう……⁉」
「うおおっ!」
ムツキが手を掲げたその瞬間、ヤヨイが斬りかかってきた。
「おっと!」
「ちっ!」
ヤヨイの振り下ろした剣をムツキがかわす。
「ヤ、ヤヨイ……」
「カンナ、ムツキのおっさんが首謀者ってことかい?」
「え、ええ……」
「そうか、分かった……」
「お、おっさんって……だから貴女たちとはそんなに年齢は離れていませんよ……」
「黙れ!」
「むっ……」
ヤヨイが剣を振るうが、ムツキはまたもかわす。
「すばしっこいな……」
「貴女の動きが鈍いのでは? 見たところその左腕……」
「ふん!」
「はっ!」
「なにっ⁉」
ムツキがどこからか発生させた剣を取って、ヤヨイの剣を防ぐ。
「ふむ……」
「アタシの剣を防ぐ……ここまでの使い手だったとは予想外だ」
「……これくらいで予想外と言われても困りますね」
「なんだと?」
「むん!」
ムツキがヤヨイの剣を弾く。
「しまっ……」
「はあっ!」
「!」
ムツキの振るった剣を食らい、ヤヨイの大きな体が凍り付く。
「左腕さえ折れていなければ、もう少し分からなかったかもしれませんね……」
ムツキが剣を鞘に納め、腰に提げる。カンナが驚く。
「こ、氷の剣? ヤ、ヤヨイ……!」
「ご心配なく。ちょっとうるさいから凍らせただけです。命に別条はありません」
「い、生きている……?」
「ええ、ただ、これを砕いたりすれば……」
ムツキが鞘に手をかける。カンナが声を上げる。
「! やめて!」
「……させん!」
「おおっと!」
キサラギが苦無で斬りかかるが、ムツキが剣を抜いてそれを防ぎ、その場から後退する。
「キサラギ!」
「申し訳ございません、遅くなりました……」
「忠実なる忍者のご登場ですか……」
「貴様がクーデターの首謀者だったとはな……」
「ええ……」
「まんまと欺かれたぞ……」
「ふふっ、なにも知らずに連絡係を務めて下さってありがとうございます。おかげで姫の情報はこちらに筒抜けでしたよ」
「……借りはキッチリと返してもらう!」
「むっ!」
「はああっ!」
「おおっ⁉」
キサラギがあっという間に間合いを詰め、ムツキに斬りかかる。ムツキはこれも防ぐ。
「はっ、はっ、はっ!」
「よっ、ほっ、とっ!」
キサラギが素早い連続攻撃を仕掛けるが、ムツキはなんとかこれも凌ぐ。
「……ここまでやるとは」
「貴方ももうボロボロのわりにはなかなか動けますね……目を見張るスピードだ」
「ふん、もっと上がるぞ……」
「え?」
「止められるものなら止めてみろ!」
キサラギが後ろに数歩下がってから飛びかかる。
「うおっ⁉ ならばこれです!」
「‼」
ムツキがどこからか取り出した鏡から雷が発せられ、キサラギの体を貫く。キサラギはうつ伏せに倒れ込む。ムツキが額の汗を拭う。
「ふう……なかなか焦りましたよ」
「こ、今度は鏡……キサラギ!」
「急所は外しました……というか、とっさにかわしましたね、大したものです」
ムツキが感嘆とする。カンナがほっとする。
「よ、良かった……」
「やはり厄介な存在です……ここでとどめを刺しておきますか……」
ムツキが鏡をしまい、再び鞘に手をかける。カンナが叫ぶ。
「や、やめなさい!」
「うおおっ!」
「うおおっと!」
シモツキが突き出した槍をムツキは横っ飛びしてかわす。
「シモツキ!」
「カンナ様! たいへん遅くなりました! 申し訳ございません!」
「……」
「どうした! 驚きのあまり声も出ないか⁉」
シモツキがムツキに向かって声を上げる。
「ええ、貴方がここまでたどり着くのは予想外でした」
「な、なんだと⁉」
「かなり戸惑っています……」
「ば、馬鹿にするな!」
「いえ、むしろ感心しているのです」
「どっちでも良い! 喰らえ!」
「むう!」
「そらっ! それっ!」
「む! ぬ!」
シモツキの繰り出す鋭い突きをムツキはかろうじてだが、かわしてみせる。
「ぐうう……」
「距離を取りますか……」
ムツキが言葉通り、シモツキから離れる。シモツキは笑みを浮かべる。
「それは悪手だぞ! それっ!」
「はっ!」
「⁉」
ムツキが取り出した勾玉を握りしめると、強風が巻き起こり、シモツキは自ら投じた槍ごと吹き飛ばされて、壁に叩きつけられる。ムツキが淡々と呟く。
「剣、鏡、そして勾玉……神器の力のお陰ですね……」
「神様に感謝を述べるのはまだ早いですよ……」
「! ちい……」
ムツキが舌打ちする。カンナが立ち上がってきたからである。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる