たくさんの想いの先に

来栖瑠樺

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呪いの続き

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***
 俺はイザベラに会いに行き、いつも通り話しかけていた。
「そういえば、イザベラ。目覚めたら庭園を見るって聞いた。俺も見たいな」
「・・・」
「庭園もいいけど、俺達が初めて出会った場所。あの花畑も一緒に行こう」 
当時を思い出しながら話してた時、握ってたイザベラの手に反応があった。
俺は驚いて、反応のある手を見ると、またピクッと動く。
「イザベラ!?分かるか!?」
俺は立ち上がりイザベラを見ると、閉じられてた目が開き、綺麗なオッドアイが見えた。
俺は泣きそうになった。
目覚めの瞬間を、ずっと心待ちにしてたから。

 イザベラは、俺を見ると口を開けるが、何を言っているのか分からない。
俺の思ってることが分かったのか、ベッドの側にある水に視線を移し見つめる。
俺は、イザベラを腕で支えると水の入ったグラスを口元に持っていく。
イザベラは、グラスの水を飲み干した後、俺や周りの様子を伺う。
イザベラの様子に不信を抱き、使用人に、両親を呼んでもらう。
イザベラの両親は飛んでやってきた。
「イザベラ、1年以上も意識がなかったんだ。どこか違和感や痛い所ないか?」
俺の問いかけに、視線を向けるが反応しない。
「どうしたイザベラ」
「イザベラ、声が出ないの?」
イザベラの両親も娘の様子に違和感を感じている。
「あの・・・イザベラって私の事?それと、あなた達も誰か分からないわ」
ずっと聞きたかった声。だけど欲しい言葉じゃない。
全員が凍りついた。
ライリーが呪いの品を買った店主が言っていた。
『目覚めても記憶を失う』可能性。
今までは、ただ目覚めてほしい気持ちが大きかった。
それなのに、いまだに呪いの影響を受けている。

 「何を言ってる!お前の名前はイザベラ・シャロン!俺は、お前の父親のジェイク。俺の隣にいるのは、母親のルナだ!」
イザベラは、両親に目を向けるが首を振る。
落胆する2人を見て心が痛む。
「イザベラ。あなたの近くにいる人の事も、本当に分からないの?」
イザベラの母親は俺を見る。その視線を辿るように俺を見るが、やはり首を振る。
「・・・・・ただ」
「「「ただ?」」」
「あなたは、私の両親と言う人とは違う気持ちになる。あなた達の顔を見ると胸が痛むわ。特に私の近くにいる、あなたのその顔を見ると苦しいの」
そう言ってイザベラは、涙を流しながら問いかける。
 「ねえ、あなたの名前は?私とは、どうゆう関係なの?」
「俺は、アレクサンドル・モンフォール。イザベラの幼なじみで、お互い惹かれ合ってる」
イザベラの涙を拭いながら、問いかけに答える。
「・・・アレクサンドル・・・恋人って事?」
「恋人だけど、公にはしてない」
「どうして?」
「立場上できなかったんだ。イザベラが、目覚めて君の気持ちが変わってなければ、いづれ結婚と考えている」
「立場?待って!頑張って思い出すわ!」
イザベラは思い出そうと必死だが、上手くいかず顔色も悪い。
「イザベラ、無理せず今は休みなさい」
「そうよ、焦ったら良くないわ」
両親から止められ、俺はイザベラをベッドに戻して立ち上がる。
「待って!アレクサンドルまた会いに来て!」
「分かった」
するとイザベラが小指を出した。
「約束よ。もう気持ちを抑えるのも待つのも嫌なの」
その言葉に、俺達は顔を合わせた。
「やはり、記憶を失っても、アレクサンドルに対する強い気持ちは消えてない」
「アレクサンドルお願いよ。私達も協力するけど、イザベラの記憶を取り戻す鍵になってるのは、あなただわ」
「はい。これからも、お屋敷に伺います」
イザベラの両親は頷いた。
「3人で何を喋ってるの?」
「何でもない。これからも会いに来るよ。約束」
イザベラの小指に自分の小指を絡ませる。
それを見てイザベラは微笑んだ。
俺も、少しでもイザベラを安心させる為に、微笑んだ後に部屋を出る。


 俺達は、呪いを打ち破ってやる。
お互いの思い描いていた将来を手にする為に。
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