たくさんの想いの先に

来栖瑠樺

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別れの後

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 アレクサンドルは、王家の騎士として向かう前に、私の屋敷に挨拶に来ていた。
両親が対応していた。私は会わなかった。
きっと泣き崩れてしまう。両親は私の様子を見て、アレクサンドルと会うように言わなかった。
事前にアレクサンドルから騎士の任命が決まった事を聞いた日から、部屋に籠り泣き続け、食事も満足に摂れていなかった。
その後は、部屋の窓際に座りボーッとしていた。頭では分かっていても気持ちが追いつかない。両親以外誰にも会う気になれずにいた。
手にはアレクサンドルから貰った花の指輪をしおりしたものがある。
アレクサンドルが騎士として出発した時に捨てようかと思った。
でも、できない。
しばらく、しおりを見つめた後、元の場所に戻す。

 アレクサンドルは、先を見つめ頑張っているはずた。
それに比べて私はひき籠っているだけ。私も前を向かなければならない。
そう思い立ち上がった。


 その後は、令嬢達とお茶会をしたり、社交界デビューして夜会に顔を出したりしていた。
社交界デビューしてからは、縁談の話が増えた。しかし今は結婚できない。どの男性と関わっても楽しくない。話の内容は薄っぺらで退屈だ。
しかし、外に出る時は貼り付けた笑みで当たり障りのないように接している。
今は結婚しなくてもいいけど、いつかはしないといけない。
誰か良い人はいないのかしら。最終的には好みや感情など言ってられない。

 「そういえばクレア嬢、見かけませんわね」
その名前に聞き覚えがある。
今は夜会に参加中で休憩の為バルコニーにいる。近くのバルコニーにいる令嬢2人組の会話が聞こえてきた。
「夜会もお茶会も見かけないし、どうしたのかしら」
「皇太子殿下の騎士の1人が関係してるらしいわよ」
「どうゆうこと?」
「騎士の1人に恋してるとか。その騎士が王家に仕えるようになってから、屋敷に籠ってると噂で聞いた事があるわ」
そこで令嬢達は会場内に戻っていった。

 騎士の1人・・・アレクサンドルのことだろうか。
以前、一緒にお茶会をした時にアレクサンドルに会いたがっていたし、恋をしているように見えた。

 アレクサンドル・・・どうしてるのかしら。お互い手紙のやりとりはない。
屋敷にも帰ってないようだし、きっと忙しいのだろう。
私は屋敷に帰る為、一時的に会場に入る。声をかけてくる人達に適当にあしらって屋敷に帰った。
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