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鍾乳洞
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「イザベラ」
「アレクサンドル」
アレクサンドルは、私の名前を呼んですぐに近づいてきた。
初めて会った時から、何度も会っていくうちに今はお互い幼なじみだ。
「今日は久しぶりに外で会うわね」
「そうだな。普段はお互いの屋敷で会う事が多い」
今日は久しぶりに外で会うし目的地が楽しみだ。
「皆揃ったな。じゃあ行こう」
私の父が出発を伝えると、それぞれ歩き出す。
歩く順番は、私の両親→アレクサンドル→私→アレクサンドルの両親だ。
今日は初めての鍾乳洞で胸が高鳴る。
どんな場所なんだろう。
「イザベラ。足元気をつけて」
「大丈夫よ・・・キャッ」
足が縺れ、バランスを崩し倒れると思った。目を瞑り痛みに耐えようとする。
でも不思議と痛みはこなかった。代わりにアレクサンドルに抱きしめられていた。
「まったく、言った矢先に」
耳元で言われドキッとした。
そう言われ、体が離れたと思ったら、手を握られ歩き出した。
「お~。アレクサンドル。今のかっこよかったぞ。まだ騎士としては見習いだが、素早く動けたな。流石、俺の息子だ」
ハリソンは息子の行動を褒める。
先頭を歩いていた私の両親は振り向き、こう言った。
「ほう。さらにエスコートしてるのか。立派だな」
「フフ。流石ね」
アレクサンドルは、動じることなく歩いている。
「アレクサンドル。さっきは、ありがとう。もう1人で歩けるから」
そう言って、手を離そうとしたが逆に強く握られた。
「何を言ってる。さっき転びそうになったじゃないか。手を離した時に怪我されたら困る。俺がイザベラを守る」
私を一瞥した後に前を向いた。
その言葉は、お互いの両親にも聞こえたようで
「アレクサンドルも、そうゆうことが言えるようになったのね」
オリビアの言葉に皆同意した。
さっきは恥ずかしかったが、今は鍾乳洞を楽しもう。
気持ちを切り替えて、進んでいく。
「寒くないか?」
「平気」
アレクサンドルは心配性な気がする。今までも気にかけてもらった事はあったけど、その度合いが大きい気がする。
これを言ったら、また何言われるか分からないから黙ってる。
さっきみたいに恥ずかしいのは嫌だ。
「ここからは船だ」
父の言葉が聞こえ、顔を覗き出す。そこには川があり、ボートが何隻か停められている。
先程と同じ組でボートに乗ると、使用人がオールで漕ぎ進んでいく。
ボートに乗る時、足元が不安定そうに見えた。使用人が気を遣って私にも手を伸ばし乗りやすいようにしてくれたが、アレクサンドルが「俺がやる」と言った。「大人の方が安全よ」と言ったが聞かないので、仕方なくアレクサンドルの手を取り乗った。私達が乗るとボートは出発した。
「大丈夫か?船酔いは?」
「平気よ」
出かける時は馬車だから慣れているし、ボートもそんなに揺れるわけじゃない。
そこまで心配性しなくてもいいのに。
「・・・心配性ね」
「何か言ったか」
「何でもない」
私の回答に一瞬眉を顰めたが、私の驚いた顔で放った言葉に表情が和らいだ。
「あ!!!」
そこには、洞窟に大きな穴が空いていて、空が見え、太陽光で川の水が反射してキラキラと輝いている。
「見てみて、アレクサンドル!!とても綺麗!」
私は空と川の煌めきを交互に見て興奮する。
そんな私を微笑んで見てる。
「ちゃんと見なさいよ」
「見てるさ」
「本当に?」
「ああ」
景色より私を見ている気がする。しかし、そんなことを言ったら、自意識過剰と思われるかもしれないし、肯定されるのも恥ずかしい。
だから、その時の私は難しい顔をして周りの音を聞こえてなかった。
難しい顔をしてる私を見て、アレクサンドルが微笑むのを止めて「イザベラは、笑顔が1番似合うのに」と言っていた事に。
「アレクサンドル」
アレクサンドルは、私の名前を呼んですぐに近づいてきた。
初めて会った時から、何度も会っていくうちに今はお互い幼なじみだ。
「今日は久しぶりに外で会うわね」
「そうだな。普段はお互いの屋敷で会う事が多い」
今日は久しぶりに外で会うし目的地が楽しみだ。
「皆揃ったな。じゃあ行こう」
私の父が出発を伝えると、それぞれ歩き出す。
歩く順番は、私の両親→アレクサンドル→私→アレクサンドルの両親だ。
今日は初めての鍾乳洞で胸が高鳴る。
どんな場所なんだろう。
「イザベラ。足元気をつけて」
「大丈夫よ・・・キャッ」
足が縺れ、バランスを崩し倒れると思った。目を瞑り痛みに耐えようとする。
でも不思議と痛みはこなかった。代わりにアレクサンドルに抱きしめられていた。
「まったく、言った矢先に」
耳元で言われドキッとした。
そう言われ、体が離れたと思ったら、手を握られ歩き出した。
「お~。アレクサンドル。今のかっこよかったぞ。まだ騎士としては見習いだが、素早く動けたな。流石、俺の息子だ」
ハリソンは息子の行動を褒める。
先頭を歩いていた私の両親は振り向き、こう言った。
「ほう。さらにエスコートしてるのか。立派だな」
「フフ。流石ね」
アレクサンドルは、動じることなく歩いている。
「アレクサンドル。さっきは、ありがとう。もう1人で歩けるから」
そう言って、手を離そうとしたが逆に強く握られた。
「何を言ってる。さっき転びそうになったじゃないか。手を離した時に怪我されたら困る。俺がイザベラを守る」
私を一瞥した後に前を向いた。
その言葉は、お互いの両親にも聞こえたようで
「アレクサンドルも、そうゆうことが言えるようになったのね」
オリビアの言葉に皆同意した。
さっきは恥ずかしかったが、今は鍾乳洞を楽しもう。
気持ちを切り替えて、進んでいく。
「寒くないか?」
「平気」
アレクサンドルは心配性な気がする。今までも気にかけてもらった事はあったけど、その度合いが大きい気がする。
これを言ったら、また何言われるか分からないから黙ってる。
さっきみたいに恥ずかしいのは嫌だ。
「ここからは船だ」
父の言葉が聞こえ、顔を覗き出す。そこには川があり、ボートが何隻か停められている。
先程と同じ組でボートに乗ると、使用人がオールで漕ぎ進んでいく。
ボートに乗る時、足元が不安定そうに見えた。使用人が気を遣って私にも手を伸ばし乗りやすいようにしてくれたが、アレクサンドルが「俺がやる」と言った。「大人の方が安全よ」と言ったが聞かないので、仕方なくアレクサンドルの手を取り乗った。私達が乗るとボートは出発した。
「大丈夫か?船酔いは?」
「平気よ」
出かける時は馬車だから慣れているし、ボートもそんなに揺れるわけじゃない。
そこまで心配性しなくてもいいのに。
「・・・心配性ね」
「何か言ったか」
「何でもない」
私の回答に一瞬眉を顰めたが、私の驚いた顔で放った言葉に表情が和らいだ。
「あ!!!」
そこには、洞窟に大きな穴が空いていて、空が見え、太陽光で川の水が反射してキラキラと輝いている。
「見てみて、アレクサンドル!!とても綺麗!」
私は空と川の煌めきを交互に見て興奮する。
そんな私を微笑んで見てる。
「ちゃんと見なさいよ」
「見てるさ」
「本当に?」
「ああ」
景色より私を見ている気がする。しかし、そんなことを言ったら、自意識過剰と思われるかもしれないし、肯定されるのも恥ずかしい。
だから、その時の私は難しい顔をして周りの音を聞こえてなかった。
難しい顔をしてる私を見て、アレクサンドルが微笑むのを止めて「イザベラは、笑顔が1番似合うのに」と言っていた事に。
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