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第三部 魔法使い、双子の悪魔の変化
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(仲が悪くなった.....とは言い切れないけど、たまに見えない火花が散っているような.....)
もぐもぐと無言で食事する二人を見比べてスープを口にする。三人で話しながら食事を進めていたあの時期が遠い昔の様に感じる。目の前の二人はきちんとした様子でそれ以上口を開く事なく朝ご飯を終えてしまう。「ご馳走様でした」という一言を一緒に言うのは律儀に待っていた。
「何だろう、寂しいのかな僕。二人があまりにも早く成長するから置いていかれた気分になっているのかも」
カウンターに顔を横に向ける形で突っ伏してボーッと窓の外を眺めながら言うと「お前は此処を愚痴吐き屋と勘違いしていないか」と呆れた様にロビンが見下ろしてくる。今日もセルとヨルは何処かへ出掛けてしまった。二人だけで街へ出掛けてしまうなんて、何だか仲間外れにされた気分だ。
「僕の話を聞いてくれるのロビンしかいないじゃないか」
「いないじゃないかって.....友人とかいなかったのかリューは」
「友人.....」
.....そう呼べる存在はいなかったかもしれない。思えば僕はずっと一人で、ただ無気力に働いていた。魔法を極めたり研究したりする事が好きなだけで、それが出来たらもうどうでも良かった。
「あ、でも一人だけいたな。こんな僕にも話し掛けてくれる優しい人」
ベッセルの存在を思い出して何気なく口にする。ベッセル──オークションで会ったっきりだし、僕が存在を完全に消しているせいで不思議に思っているだろうか。.....ただの同期だし、それはないか。
「あぁ~、何だかモヤモヤする.....」
「何だよ、彼等反抗期なの?あんなにリューの事大好きって感じだったのに」
「反抗.....いや、それはない。ただ、二人との距離感が前より遠くなっている気がする.....」
別に今迄と変わらず二人は僕に対して基本素直なのだが以前と雰囲気が違って見える時がある。二人が一気に成長したせいで、まだ目が慣れていないからなのか.....二人共、感情を隠すのが上手だから僕の方が逆に動揺してしまう事が度々ある。
「リュー。お前も遂に子離れする時が来たんだよ。子はね、そうして親から離れて自立していくものなんだよ」
「子離れ」
ロビンの言葉を復唱すると「悪い事じゃないさ」とポットを傾けて紅茶を注いでいく。
「むしろ喜ばしい事だ。双子君達はこれから色んな出会いを通して更に成長していく。親として子供の成長する瞬間を側で見られるのは幸せな事だろ」
「幸せ.....」
目の前に差し出された入れたばかりの紅茶のコップを掌で包み込み呟く。
──そっか。
かぞくである以上、二人が成長する事を本来僕は喜ぶ立場なんだ。確かに、あんなに小さくてボロボロだった二人が立派に成長している姿を見ると何だか誇らしいし嬉しい。嬉しい筈なのに.....彼等が僕のいない『これから』へ進もうとする事をどうして僕は素直に喜べないのか。
もぐもぐと無言で食事する二人を見比べてスープを口にする。三人で話しながら食事を進めていたあの時期が遠い昔の様に感じる。目の前の二人はきちんとした様子でそれ以上口を開く事なく朝ご飯を終えてしまう。「ご馳走様でした」という一言を一緒に言うのは律儀に待っていた。
「何だろう、寂しいのかな僕。二人があまりにも早く成長するから置いていかれた気分になっているのかも」
カウンターに顔を横に向ける形で突っ伏してボーッと窓の外を眺めながら言うと「お前は此処を愚痴吐き屋と勘違いしていないか」と呆れた様にロビンが見下ろしてくる。今日もセルとヨルは何処かへ出掛けてしまった。二人だけで街へ出掛けてしまうなんて、何だか仲間外れにされた気分だ。
「僕の話を聞いてくれるのロビンしかいないじゃないか」
「いないじゃないかって.....友人とかいなかったのかリューは」
「友人.....」
.....そう呼べる存在はいなかったかもしれない。思えば僕はずっと一人で、ただ無気力に働いていた。魔法を極めたり研究したりする事が好きなだけで、それが出来たらもうどうでも良かった。
「あ、でも一人だけいたな。こんな僕にも話し掛けてくれる優しい人」
ベッセルの存在を思い出して何気なく口にする。ベッセル──オークションで会ったっきりだし、僕が存在を完全に消しているせいで不思議に思っているだろうか。.....ただの同期だし、それはないか。
「あぁ~、何だかモヤモヤする.....」
「何だよ、彼等反抗期なの?あんなにリューの事大好きって感じだったのに」
「反抗.....いや、それはない。ただ、二人との距離感が前より遠くなっている気がする.....」
別に今迄と変わらず二人は僕に対して基本素直なのだが以前と雰囲気が違って見える時がある。二人が一気に成長したせいで、まだ目が慣れていないからなのか.....二人共、感情を隠すのが上手だから僕の方が逆に動揺してしまう事が度々ある。
「リュー。お前も遂に子離れする時が来たんだよ。子はね、そうして親から離れて自立していくものなんだよ」
「子離れ」
ロビンの言葉を復唱すると「悪い事じゃないさ」とポットを傾けて紅茶を注いでいく。
「むしろ喜ばしい事だ。双子君達はこれから色んな出会いを通して更に成長していく。親として子供の成長する瞬間を側で見られるのは幸せな事だろ」
「幸せ.....」
目の前に差し出された入れたばかりの紅茶のコップを掌で包み込み呟く。
──そっか。
かぞくである以上、二人が成長する事を本来僕は喜ぶ立場なんだ。確かに、あんなに小さくてボロボロだった二人が立派に成長している姿を見ると何だか誇らしいし嬉しい。嬉しい筈なのに.....彼等が僕のいない『これから』へ進もうとする事をどうして僕は素直に喜べないのか。
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