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古代要塞アルカドビア、古からの慟哭編
39.焦土現れ、傀儡が揺らぐ
しおりを挟む「グルルルルルル……」
唸り声を細長い口から漏らし、ブラック達を見下ろす“継ぎ接ぎの獣”達。
だがその声は、歪んでいたり重なっていたり、獣人だというのに人が真似たような不格好な唸りになっていて、明らかに自然なものではない。
なにもかもが不自然で、どう考えても「不気味さを感じるよう造られている」という、胸糞悪くなるような結論を想像してしまって吐き気がこみ上げそうになる。
……もし「強くするため」とか「特定の利益を追求するため」に、人の体を繋ぎ合わせたのなら、あんな奇妙な姿になんてしなかったはずだ。
少なくとも何らかの共通点があっただろう。
でも、あの獣達にはそういう点は見受けられない。
仮に何か理由があったとしても、大きな体に似合わない細い腕をくっつけたり、逆に長細い体に屈強な脚をくっ付けたりする事になんの意味があるというんだろう。
この世界の人達は、女性の細腕でも俺を抱き上げられるくらい筋力があったりするけど……でも、それでも体格による差ってのはあるはずだし、その体だからこそ発揮できる筋力ってのもあるはずだ。
なのに、あんな……ただ面白がって付けたみたいな格好にするなんて。
――――……マジで、理解できない。
例え正々堂々戦って打ち負かしたのだとしても、あんな風に遺体を弄ぶような事をする理由がどこにある。何がしたいんだアイツらは。
…………獣人達にとって、一騎打ちをして負けた相手に食われることは名誉な事であり、とても大事な事なんだ。
そうしてもらうことで己の誇りが保たれるし、強者が糧にしたということで「そこまでの価値がある」と認められる大事な儀式でもある。
彼らにとって「弱肉強食」は、ただの言葉じゃなく文化みたいなものなんだ。
それなのに、アイツらは……アイツらは、喰う事も墓で弔ってやることもしないで、あんな風に死体をオモチャにして操って……っ。
「おい熊公、一応聞くが灰にしてもいいのか? 獣人ってのは」
「……已むを得ん。こんな生き恥を晒すよりも、いっそ塵になって消えた方がこのオス達も誇りが保てるというものだろう」
成仏……と言い換えたいところだが、この世界にホトケはいなかったんだっけ。
それにしても、自分達の二倍くらいは背丈がある敵なのに、ブラックもクロウも全くと言っていいほど慄いていないのが凄い。
相手が獣の姿でくっついているからなのか、それとも既にモンスターだと割り切っているからなのか……何にせよ、俺にはその冷静さは難しい。
相手が人であることは変わりないと思ってしまうから、あの場所に居たらきっと動揺して曜術も上手く発動できなかっただろう。
そう思うと、やっぱり俺はこの場所で隠れていて良かったと思った。
……情けないけど、足手まといにはなりたくないし。
それに……斃さなきゃいけないのなら、出来るだけ苦痛が無いようにしたい。
相手は既に死んでるんだろうし、魂も無いのかもしれないけど。
でも、それでも……自分が殺さなきゃいけないのなら、人として相手の尊厳だけは守ってやりたかった。……こんな場所でこんなこと言っても仕方ないんだけどさ。
『おにいちゃん……おじさんたち、大丈夫かな……』
「大丈夫。……俺達は、ここでブラック達を応援しよう」
俺の甘い思いを更に強くさせる、魂だけの存在であるクラウディアちゃん。
そんな彼女だけは俺が守らなければと強く思いつつ、柱の陰から二人を見守る。
ブラックとクロウが負ける事なんてないと俺は知っているけど、あの【教導】達が何を企んでいるか分からない。
二人の戦いを見ながらも、ちゃんとアイツらを見張っておかないと。
そんなことを思いながら視線の先を睨むと――――
唸り声を上げていた獣達が、一気にブラックとクロウへと襲い掛かった。
「ガァアアッ!!」
それぞれに吠えながら、鋭い爪や牙を二人に突き立てようと獣達が群がる。
だが、ブラックは飛び、クロウは獲物を狙う猫のように体勢を低くして四つん這いで素早く体勢を変えるとその輪から逃げ出す。
一瞬で躱されたことについて行けず、獣達が一斉に前へとつんのめったのを下に見て、ブラックは一番大きな獣のうなじに宝剣・ヴリトラを突き立てた。
「ギャァアアアッ!!」
「チッ……結合部なのに硬い……どんなくっつけ方してんだ……!」
深追いすると剣が抜けなくなると判断したのか、ブラックは素早く剣を引き抜き、獣の背を蹴って再び跳躍し距離を取った。
その間に、クロウは別の獣の細い足を蹴って相手を転ばせる。
それぞれ、ほぼ同時の行動。
示し合わせてもいないだろうに、息がぴったりのその行動によって獣の群れが一気に崩される。一番大きな獣がブラックの蹴りによって体を傾げ、他の獣を巻き込んで倒れ、クロウが体勢を崩した細い足の獣は横に居た獣と一緒に転んだ。
ずん、と、重苦しい音を立ててその場に崩れ落ちた数匹によって、他の獣達の動きにも動揺が滲む。操られているはずだが、獣としての本能が残っているのだろうか。その動きは、獲物が急に消えて周囲を探す猫のようだった。
だけど、彼らが探し当てるまでブラック達が待つはずもない。
好機を逃さなかったクロウが橙色の光を体に纏い、すかさず詠唱を放った。
「哀れな骸の鎖を断ち切り、墓標を囲う土と成れ――
我が血に応えろ――――【トーラス】!」
纏った光が一際強く輝いた、刹那。
クロウが橙色の瞳で睨みつけた獣達の群れを囲うようにして、巨大で分厚い壁が床からせり上がるようにして出現した!
「よくやった熊公、あとは任せろ!」
今度はブラックの体から、ゆらゆらと赤い炎が沸き立ってその場に散り始める。
まるで、篝火から舞い散る火の粉のようだ。炎そのものにも負けないほどに強く明々と燃える光を身に纏いながら、ブラックは壁で囲われた方に手を向けた。
そのブラックの背中を、クロウが【教導】達の方へ立ち向かう形で守る。
クロウの連携を背後で感じ取ったかのように、ブラックの纏う炎のような紅い光がクロウの背中まで強く照らして一気に噴き上がった。
「哀れな亡骸よ、清き命の灰に変わり大地へ還れ……
出でよ――――【ディノ・バイラール・フレイム】!!」
低く響く声が、引導を渡すかのようにそう強く詠唱した瞬間。
分厚い土壁に囲われた中から――――マグマのように赤い炎が噴き出し、巨大な焚火のように轟音を立てながら高く伸びあがった。
「――――――!!」
周囲を強く照らす炎の光は、熱さすら感じる。
目を焼かれないようにクラウディアちゃんと一緒に目を細めたが、苛烈な炎だというのに、土壁に囚われていた獣達は……一言も、悲鳴を上げなかった。
「…………必ず、あとで大地に帰そう。約束する」
土壁に背を向け【教導】達を睨んだまま、クロウが珍しく大きな声で静かに告げる。
その声に反応したのかどうかは、わからない。
だけど……確かに、土壁の中から遠吠えのような声が、聞こえた。
一つじゃない。
どこか寂しげな、狼や他の獣達の声が……。
「……さて、これでお前達のオモチャは片付けてやったが?」
血の一滴も付着していない剣を一振りしながら、ブラックも正面を振り返る。
勝気な言葉だが、まったく油断していない。
軽口を叩きながらも、ブラックの真剣な表情は【教導】達に向けられていた。
そんなブラックとクロウに、相手は平然とした態度で「ふう」と息を吐く。
自分の手札が一気に消滅したというのに、焦りも怒りもしていなかった。
「やれやれ……やはり、ただの木偶人形じゃ生きていた時の半分も能力が発揮できなかったみたいですねえ。見切り発車で戦闘に投入せず、貴方がたに遊んで頂いて良かった。これで貴重な結果が一つ頂けましたよ」
「自分で殺して自分で造っておいてその言い草とは、見下げ果てた根性だな」
このブラックの言葉は、もちろんダイレクトな嫌悪発言だ。
人でなしと言われがちなブラックでも、やっぱり死者を侮辱する【教導】達の行動は我慢がならないみたいだ。
クロウも、何も言わないが凄く怒っているような気配を醸し出している。
身内を大事にするクロウにとって、この【教導】が行った事は許せないのだろう。
もちろん俺だって、きっとロクだって許せない事だ。
人を弄んでおいて「木偶人形」だの「貴重な結果」だの、本当に何から何まで他人をモノとしか思っていない……。
…………いや、待てよ……。
こんなヤツの所に、アクティーの魂か何かが帰って来たってことは……もしかして、アクティーも何かされてるんじゃないのか。
だから、クラウディアちゃんと出会った時にあんな風になったんじゃないのか?
もしそうだとしたら、アクティーは……危険な目に遭っているかもしれない。
こんな狂った事をする男達と一緒に居て、安全なワケないよな。
獣人達の慣習すら無視しているコイツらが、人の命を敬うような考え方をするだろうか。操られていそうだって話はしてたけど、これはヤバいんじゃないのか。
仮に、アクティーも【教導】に操られていたとしたら、あの【菫望】に唆されているよりもっと酷いことになってるぞ。
相手は人体実験をして死体を弄ぶマッドサイエンティストみたいな奴だ。
もしアクティーが【教導】に操られているのなら、一刻も早く探し出して保護しないと。でなきゃ、あのツギハギ達みたいに今度はアクティーが殺される。
いや、それはあくまでも最悪の事態ならって話だけど、けど早くアクティーを探し出してクラウディアちゃんとの約束を果たさないと。
【教導】がこちらの目的に気付いたら、何をされるか分からないんだから。
『おにいちゃん……?』
「っ……な、なんでもない。なんでもないよ……! まだ出ちゃダメだからね」
『うん……』
クラウディアちゃんが、不安そうに俺の服を掴む。
彼女だって早くアクティーを探したいだろう。だけど、こうして我慢しているのだ。
俺も、冷静にならなきゃ。
最優先事項は、こっちの狙いを悟らせないようにして、ここから逃れること。
だけど急がば回れだ。今こそ冷静になって、とにかく相手を煙に巻かねば。
でも……どうしたらいいんだろう。
俺達はどこに行けばいいのかも分からないし、アイツらが何をしてくるかも全く予想がつかないんだ。こちらの目的を悟らせることだけは絶対に阻止しなきゃ……!
ともかく、まずはブラック達に会話を任せよう。
小難しい話を離す大人なら、俺より二人の方が適任だ。
どうかバレずにアクティーの居場所を聞き出せますように……そんな事を考えながら【教導】と双子のような仮面をつけた男達を見ると、ちょうどブラックが呆れたような声で話しかけているところだった。
「冒険者も傭兵も獣達でさえも、中身のない肉の壁か? お前らはどんだけ人を使うのが下手くそなんだよ。手ゴマが灰になって結果を見つけた? そういうのは世間の言葉じゃ“負け惜しみ”ってんだよ。実験材料を灰にされた時点でな」
「モンスター以下の矜持しか持たない人族など、今までの人族より愚かだ。元々低い人族の地位をこれ以上どこまで下げろというんだ」
味方だし俺が言われているワケではないのに何故か心が痛い。
っていうか、どうしてアンタらはそう口が悪いんだ。【教導】が急に激昂したら、何が起こるのか分からないってのに……。
いや、でも、やっぱり【教導】達は堪えてないみたいだ。
むしろ……なんだか、愉しんでいるような……。
「ほうほう、負け惜しみ……ですか。確かに、あの頃はそんなに下手くそですか? いやあ、まあ確かに私は群れるのが嫌いですからねえ。人の使い方に関しては、一般的なソレではなかったと認めましょう」
「認めるか?」
「認めちゃったな」
仮面の男達がおどけたように繰り返してクスクス笑う。
だが【教導】は薄らと笑みを浮かべたまま、余裕の顔で。
「しかし、肉の壁なんてものはそもそも捨て駒と同じでしょう? 大した耐久性もないその場しのぎの物なんですから。ねえ。例えば……――――
こんな風に」
――――【教導】がニヤりと笑みを深め、片手を前に出した。寸時。
「ッ……!?」
『お、おにいちゃん……!』
急に、人の気配が周囲に現れる。
いや気配だけではない。これは。これは……――っ。
「なんだと……!?」
「おい、テメェ何しやがった!!」
唐突な形勢逆転に、思わずブラックが吠える。
本来なら察知できたはずのものが、出来なかった。そのことに珍しく混乱して、つい冷静さを欠いてしまったのだろう。気持ちは分かる。
だけど、俺はクラウディアちゃんを庇うように抱えるので精いっぱいで、それ以上、ブラック達の方を意識している余裕は無かった。
何故なら、俺やブラック達の周りを取り囲むようにして……
正体を失った冒険者達が、虚ろな目をしながら群れていたのだから。
→
※ツカサは良いように解釈してますが
ブラックはただ【教導】が嫌いなのでイラついてるだけです。
またもやツイXで言ってた通り遅くなりました(;´Д`)スマヌ…
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