異世界日帰り漫遊記!

御結頂戴

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亡国古都アルカドア、黒き守護者の動乱編

  好きな人のことならば2*

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「えへへ……僕も脱いじゃうね」

 俺の足を軽く叩いてズボンも下着も脱がしてしまった事に安心したのか、ブラックは俺を抱えてタライに近付くと手を離す。
 もうこうなってしまっては抵抗など無意味なので、俺も逃げずに大人しく待つことにする。……いや、逃げても絶対捕まるし、下半身スッポンポンだしな。

 この状況でヤブヘビをつつく勇気は俺には無い……などと思っていると、ブラックは躊躇いもなくシャツを脱ぎ、ついでにズボンも降ろしやがった。

「うわぁ急に脱ぐな!!」
「だって脱がないと水浴び出来ないじゃないか。ツカサ君も早くシャツ脱いでよお」
「わ、わかった、分かったからちょっとは隠せって……!」

 ああもう、アンタのその……そ、ソレが目につくんだってばっ。
 いくら同じ男とは言え、あからさまに主張しまくってるテントの中身を見せられたら誰だって目を覆いたくなるだろうが!

 そんな、そ、そんな、ブラブラどころか上下に細かく動かしやがって……っ。

「ありゃりゃ、顔が赤一色に……。ツカサ君たら何十回も僕と恋人セックスしてるのに、僕のペニスに全然慣れてくれないよねぇ。勃起してる所見てそんなになっちゃって。でもまあ……生娘みたいなツカサ君は可愛いけどねっ」
「だーっ、だから俺は娘じゃねえええっ! つーか誰だってそんな凶悪なモンを野放しにされてりゃこうなるっつうの!」

 アンタには俺のような慎ましい日本人の心は判らないんでしょうね、ああ判らないに違いない。例えそれが相手の気持ちを代弁していようが、あからさますぎて見ている方が恥ずかしくなってくる事もあるのだ。

 それが、その……本来、自分に向けられるモノじゃないモノだったりすると、特に。

 だけど「これが愛情表現」というタイプのブラックには、俺がそういう姿を見て一々顔を沸かしたり冷ましたりするのが面白いらしく。

「んふふ……凶悪だなんて照れちゃうなぁ。ほらほら、ツカサ君も邪魔なシャツなんて早く脱いで早く水浴びしよ! 早く早くぅ」
「よ、欲望が出過ぎている……ぐわっ」

 急かすオッサンに慄いてしまったが、そんな俺に構わずブラックはこちらのシャツの裾を掴むと、強引に俺の体から引き抜いてしまう。
 腕を強制的に上げられて顔を隠されたもんだから思わず呻いてしまったが、視界が元に戻る頃にはもう俺もスッポンポンになってしまっていて。

 慌てて股間を隠すが、ブラックはそんな俺の体を頭からつま先まで何度も見回してニンマリと満足げな笑みを見せやがる。

「やっぱり起きてる時のツカサ君の方がいいなぁ」
「な、なにそれ……」
「まあまあともかく、ここまで来たらもう水浴びするっきゃない! ささ、早く入ろうねえ。水の曜術を練習する機会にもなるからねえ」
「ちょっ、わっ、脇に手ぇいれるな分かった、分かったからっ! 入るから!」

 素肌の脇にムリヤリ手を捻じ込もうとするブラックを慌てていなし、俺はそそくさと金盥に入る。プレートを伸ばした事でやっぱり薄くなったのか、ちょっと「ぐわん」と言う音が鳴ってビクついてしまったが、おっかなびっくりしてても仕方が無い。

 裸にされてしまった以上、さっさと水浴びしてしまわないと。
 いつケシスさんが戻って来るか分からないし……。

「ふふ……じゃあまずは【アクア】で水の玉を作ってみようか。自分の体をすっぽり水の玉に入れる想像をしながら発動してごらん」
「え……あ、そこはちゃんと練習するんだ」
「まあ正直に言うとセックスしたいけど、自分で言った手前やらないとダメかなって」
「お前、そう言うところは律儀だよなぁ……」

 まあでも今から大変な事になるよりはマシだ。
 【アクア】なら水の曜術の初歩の術だし、何度も使っている。形を意識して出した事は、あまりなかったように思うが……ともかくやってみるか。
 ぐずぐずしてても始まらないしな。

「えーと……球となり我が体を包め――――【アクア】……」

 両手を前に出すのも変な気がしたので、自分の体に手を向けて、大きなボールを膝の上から胸のあたりまでに被ったイメージを考えてみる。

 俺はそもそも水と木に適性があるみたいで、水気が無い場所でも【黒曜の使者】の力を意識して「自分の内から湧くイメージ」を作れば、簡単に水の曜気は俺の全身をすぐに包んでくれる。この砂漠だらけの大陸じゃ、本来なら水の術なんて出せるはずがないんだろうけど、チートな能力のお蔭でその辺りは楽々だ。
 色々問題が有る力だけど、こういう所はありがたいな。

 そんな事をごちゃごちゃ考えていても、俺の【アクア】は発動する。水色の綺麗な光は詠唱にすぐさま答え、ブクブクと音を立てながら大きな水の玉で俺の体を覆う。

「おっ、出来たねツカサ君」
「ふふん、これくらいお手の物よ」

 ……だけど、水の玉で維持するのって意外と難しいな。
 なるほどこれは良い練習になりそう。砂漠だったら万が一大量の水を零してもすぐに乾くし、自分の能力で曜気を生み出すスキルも上がりそうだ。

 水の曜術に関しては練習も何もしてなかったけど、こういう細かい事をお風呂場や炊事場でやっていけば、更に操るのが簡単になるかも。
 そしたら、いつも頭痛に悩まされてしまう最上級の術【アクア・レクス】も使えるようになるかもしれない。……いや、アレは頭が処理落ちするせいだから、あんまり関係が無いかも……――――

「よっと」
「ぎゃっ!?」

 か、か、考えてる途中になんか水の中に入って来たっ。
 びっくりして水を零しそうになっちゃったけど、なんか、そ、そうだ、ブラックがタライの中に入って来たんだ。背中にくっつかれて驚いちまったけど、まあその、このくらいは覚悟してたから大丈夫……背中になんか当たってるけど……。

「よしよし、ちゃんと出来てるね。じゃあ次は中級術【カレント】で水の玉の中に水流を起こしてみて。今のツカサ君じゃ集中力を切らしたら水が全部抜けちゃうから、気を抜いちゃだめだよ?」
「えっ、水の玉を維持しながら中で水流!? で、出来るかな……」
「まあ失敗してもタライの中だから。ほらほら、やってみて」
「う……うん……」

 集中って、正直ぴったり背中にくっついてるアンタがいるせいで、なんか物凄く気になっちゃうんだけど……でも、水流を起こせば手を使わずに体を洗えるし、ブラックも冷たい水で勃起が収まるかも知れないしな。
 よし、ともかくやってみよう。まずは術を発動しなきゃな……。

 だけど、何だか頭がこんがらがる。
 【カレント】も何度か使った事が有るけど、先に【アクア】を出して固定するイメージを保った状態でこの術を使った事はないから、何だか凄く頭が気持ち悪い。

 考えてみれば木の曜術は「植物」って形が存在するから、出した後でもさほど想像もせずに【レイン】で操る事が出来たけど、水は固定された形が無いんだもんな。
 だから、こんな風に「別の事を同時に考えた時に起こる気持ち悪さ」みたいなものが頭を支配するんだと思う。でも、これに慣れたら確かにレベルアップ出来るかも。

 最上級術の【アクア・レクス】は、水を媒介にした別の視界と物凄い情報量が入ってくる異質な術なのだ。コレであの凄まじい感覚が少し緩和されるかもしれない。
 よし、これもマスターするぞ……!

 そう決心した俺は、微妙な気持ち悪さを抑え込みながらも、頭の中に二つの想像図を思い浮かべて次の術を放った。

「我が体に触れし水よ、意思のままに流れて動け……――【カレント】……!」
「……おっ。いいね、もっと早く動かしてみて」
「うぬぬ……」

 自分の体を覆っている水が膨らみ、肩まで飲み込む。その拡張に刺激されたかのように、ゆっくりと水が動き始めた。
 ――ホントは、水の膜の中で動く水流……というのを想像したかったのだが、一度【アクア】で作ってしまった水を再度成型するのは今の俺には難しいようで、次の術に引っ張られて水全体が動くようになってしまった。

 うーん、修行不足だ……でも動いたからまずは及第点ってところだよな!

 けど、このままだと緩い。もっと激しくして、汗を拭うようにしないと。
 早く動かす……イメージとしては洗濯機の中の水かなぁ。
 そう考えつつ、球体の中で動く水を想像すると、じゃぶじゃぶと不規則な音を立てながら水がぐるぐると回転し始めた。

「おお、回転?! ツカサ君凄いね、普通は水流って言うと川の水みたいに一方通行みたいな感じなのに……体を洗いやすくするためかい?」
「ふ、ふふ、凄いだろう……これぞドラム式洗濯機イメージだ!」
「せんたっきーめーじ? よく分からないけど、これなら体がスッキリしそうだね」

 ああそうだ、この世界洗濯機ないんだった。
 でも、ブラックに褒められると悪い気はしない。異世界の知識をせせこましい使い方でしか活用できていない自分は悲しいが、これで体を洗えていれば成功だ。
 後はコツコツ地道に頑張ろう。コレが習得出来たら色々使えそうだし。

 そんなことを思いつつ、俺は今がどういう状況下をつい忘れてしまい水を動かす事に集中してしまっていたのだが。

「っ!?」

 水流の中で、何かが動いた。
 いや、俺はソレを知っている。というか、水を操ろうとする意識のせいなのか、流れを妨げる物の動きをしっかり感じ取ってしまうのだ。

 ブラックの手が、俺の脇腹を腰から上に撫で上げて来る動きを。

「って……なっ、なにして……っ」
「ん? そりゃもちろんツカサ君の体を洗ってあげてるんだよ。いくら良い動きをさせてたって、水じゃ取れない汚れもあるでしょ?」
「一理あるような気もするけど、でもそんなことしたら水が余計に汚れる……」
「汚れた部分だけタライに落とせば良いんだよ。ほらほら、練習練習」
「えぇえ!? そんな芸当出来なっ……ぁあっ! やっ、ちょっ……ぅ、ぅあぁっ」

 口を開けていたせいで、ブラックが俺の両の横腹をくすぐるのに声が出てしまう。
 思わず水流が止まってしまったが、ブラックは自分で原因を作っておいて俺にとんでもないことを言って来る。

「あっ、水が止まっちゃったよ。んもう……これじゃあ練習にならないじゃないか。ほらツカサ君、ちゃんと【カレント】で水を動かして。これも訓練の内だよ?」
「で、でも、そもそも俺水浴びしたいだけで……」
「するって言ったのはツカサ君じゃないか。だからぁ……ほら、僕とイチャイチャしながら、曜術の訓練しよ……?」

 背後から、耳に息を吹きかけられる。
 水のおかげで体温は下がったはずなのに、それでもブラックの吐息は妙に熱くて、耳がじんじんしてくる。すぐそばにブラックの顔が有るんだと思うと、冷静さを保とうとしていた心臓がどきどきしてきて、早くも水が揺らいでしまっていた。

 このままじゃ、練習すら危うい。
 なのに、ブラックのヤツは俺の事なんてお構いなしに俺の体に手を這わせ、横っ腹だけじゃなく下腹部や胸の下までをいやらしい手つきで撫でて来る。

「ぅ……うぅ……っ、やめろ、って……水が……っ」
「これも修行だよツカサ君……ほら、心を落ち着かせて。集中力を切らして動揺すると、術が解けちゃうよ? 水を保っている間、僕がツカサ君のやわらかくていやらしい体を隅々まで洗ってあげるから……」
「だ、だからそういう恥ずかしい台詞……っ、ひっ、ちょっとそこやめろってっ!」

 喋ってる間にも、ブラックの手がゆっくりと脇の際や乳首スレスレのところまで這い上がってきて、体がこそばゆさに竦んでしまう。
 その度に集中が切れて水が大きくたわむのに、ブラックはお構いなしに背中や前を触りまくってきやがる。やめろとは言うけど、ブラックは全然聞いてくれなかった。

「さっきから水が零れ落ちそうだよ? もしかして……ツカサ君ってばこれだけで感じちゃってるの? ふ、ふふ……僕は洗ってあげようとしてるだけなのに、ツカサ君は本当に敏感でやらしい体なんだねえ……」

 なにがヤらしい体だ。アンタが変な手つきで触って来るからだろ!
 洗ってるって言うけど絶対違う、だってさっきからヤケにフェザータッチだし、際どい所ばっかり撫でて来るし、そ、それに……そこまでするなら、いつもだったら触ってる部分を、故意に触らないみたいな触り方、して……っ。

「っ……も、ばか……そんな、するなら……触るな、ってぇ……っ」

 大きな手が少しでも動くと水の揺れで体がビクつくのに、ブラックは散々弄ってきた部分に全然触れてくれない。水の揺れが乳首や股間に当たると、手で触れられるのとは違う感覚があって、なんともいえない気持ちになる。
 別に、感じてる訳じゃない。気持ち良いわけじゃないんだ。
 でもブラックの手が動く度にゆれる水に触れていると、余計に今のもどかしい触り方に積もっていくものがあって。

 期待してないし、敏感なワケでもないのに……ブラックがぴったりと俺の背中に張り付いて、肝心な所に触れず腹や足なんかを撫でるのを感じていると……俺の堪え性のない体は、熱が冷えるどころか変な感じに腹の奥が熱くなっていって。

 これはヤバいと自分でも分かっているのに、それでもブラックにくっつかれて太腿を撫で上げられると腰が反応して動いてしまう。
 集中しなきゃいけないのに。そう思って気にしないようにしようとするたびに、大きい両手がわざと乳首や股間をギリギリ触るように掠めて行って、いつ触れられるのかと考えたら動悸が激しくなって、どんどん変な感覚が勝手に盛り上がって行って。

 このままじゃ本当にヤバい。
 そうは思うのに、律儀にブラックの言う事を守って水の球を維持し続けている自分がいて、何をしているのか段々分からなくなってきていた。

「んん……ツカサ君、意外と粘るね……じゃあ、ご褒美あげるよ」
「え……」
「して欲しい事をされても、ちゃんと保つんだよ?」

 背後から、低くてぞくぞくする悪戯っぽい声が降ってくる。
 ぴったりくっついた相手の肌の熱が余計に強く感じられて、相手の呼吸で動く体や、ずっと腰のあたりをつついてくる、特に熱を持った部分が時々我慢出来ずにゆっくり動くのが、我慢しようとしているあの感覚を揺さぶってしまう。

 流されちゃ駄目だって分かってるのに、俺の体に後ろから覆い被さってるブラックの興奮が伝わると、もう、どうしようもなくなっていって。
 そんな状態なのに、ブラックは。

「ツカサ君、ずっとココを触って欲しかったんでしょ……? 可愛い勃起おちんちん、水が音をたてちゃうくらい触ってあげるね……」
「ッ……! あ、ぃ、いあ、ちょっと待って、待っあっあぁああ!」

 水が、動く。
 それだけで拒否しようとして口を開いてしまった俺に、ブラックは容赦なく手を伸ばし――俺のを、その大きな手でぎゅっと包み込んでしまった。

 その瞬間、待ち望んでしまっていた感覚が体を駆け抜けて、腰が大きく震えるのと同時に……水が、とうとう落ちてしまった。

「あーあー……水、落ちちゃったねえ」
「っぁっ、やっ、やぁあっ! だ、だめっそれだめぇっ!」
「ん~? 駄目ってナニが?」
「扱くっ、ぅ、うぁあっ、やっ、あっ、あぁっ! なん、ぇ、それぇ……!」

 やだ、み、水のせいで擦られると音がする。
 ぬちぬちと嫌な水音が耳に聞こえて、根元から先端までわざと大きく擦り上げて先っぽの敏感な所を撫でていくのに、耐えられない。

 ちょっとだけなのに、それでも腰が動いてしまう。
 なのに、ブラックは俺のそんな様子を楽しそうにからかってくる。

「扱くのがヤなの? おかしいなぁ……ツカサ君の子供おちんちんは、僕の手の中で嬉しそうにヒクヒク動いてるのに……それにしてもツカサ君たら、いつの間にか勃起しちゃってるんだからビックリだよなあ。僕に触られてるだけで気持ち良くなっちゃったの? それとも……僕の勃起したペニスで犯されるのを思い出して、お腹がきゅんって切なくなって勃起しちゃったのかな……?」

 そんなワケない。
 これは、あ、アンタが変な触り方をずっとするから、体が勘違いしたんだ。

 だから俺の体は妙に敏感になっちまって、こんな事になったんだよ。
 別に、想像なんてしてない。そんな余裕なんてなかったんだ。ホントだぞ。本当に、それだけなのに……ブラックにそう言われたせいで、押し付けられているデカブツで何をされているかを思い出してしまって、体が余計におかしくなってくる。

 そ、そんなんじゃないのに。思い出してなんかないのに。
 なのに、ブラックのせいで、ブラックの、お、おちんちん、の、せいで、お腹いっぱいに押し込まれて、めちゃくちゃにされて、ワケが分からなくなる記憶が蘇って来て。
 そのせいでまた、お腹の奥が熱くなって、うずいて、ブラックのでっかい手に、おちんちんを扱かれてるのが、耐えられないくらい強い刺激になってきて……。

「やらっ、ぁ、あぁああっ! もっ、や……そっ、な……っぅ、あぁっ、ああぁ! そん、な……こと、ッ……ぅ、あ、ぁあ、やぁあっやっもっぐりぐりするのやぁああ!」
「んん、これ? 僕のペニスお尻にごりごり押し付けられながら、おちんちん扱かれるのヤなの? 気持ち良過ぎていや?」

 わかんない、分かんないけど、もう全部気持ち良くて、強すぎて、変になる。
 昨日だってクロウにいっぱい絞られておかしくなって気絶したのに、なのに、ブラックに触られただけで今日はすぐおかしくなってるなんて、変だ。

 恥ずかしい。変だって自分でも思うのに、もう頭がぼうっとして考えられない。
 ブラックのおちんちんがお尻の間に割り込んで来てぐりぐりしてくるのに、お腹の奥がギュッてなって、おちんちんを扱かれてる刺激を強くして来る。

 こんなの、変なのに。
 こんなことだけで、こんな風になるなんて、そんなの……っ。

「ふっ、ふはっ、はははっ! あ~も~可愛すぎて堪んない……っ! つ、ツカサ君、挿れないからっ、挿れないから僕も、ツカサ君の太腿で気持ち良くして……!」
「ぃっ、いれ……っ? あっ、うぁあっ!?」

 や、あ、あぁあっ、なんか、足の間に入ってきた……っ!
 ぬるぬるしてて、熱くて、足を閉じても勝手に動いて来る……い、いや、そうだ。これは、素股だ。ブラックのが、好き勝手に動いてるんだ。

 俺のことなんてお構いなしに、擦りつけるような動きでブラックが腰を動かしてる。
 お尻にブラックの体が当たって、何度も何度も打ち付けるような音がする。その音は、聞き覚えのある音に似ていて。そう思うことが、また体の熱を上げて行く。

「ッ、はっ、はぁあっ……! つ、ツカサ君の太腿……っ、む、むちむちのメス太腿っ! 気持ちいいっ、あぁっ、つ、ツカサ君気持ち良いよぉ……っ!」
「ぅ、や……っ、い……言う、なぁ……」

 なんでそんな事を言うんだよ。
 そうは思うけど、でも、ブラックの気持ちよさそうな声にどきどきが強くなる。

 ブラックも、気持ち良いんだ。
 俺と一緒に、いま気持ち良くなってるんだ……。

 こんなことしてるんだから当たり前なのに、それでも、そう強く思うとブラックに触れられているところ全部がぞくぞくしてきて。
 限界が、一気に押し寄せてきた。

「あっ、ぅ……ッく、あぁ、はぁっ、はっ……ツカサ君、ツカサくっ、ぅ……す、好きっ、好きだよぉっ、ツカサ君、ッは……だ、出す……ッ、太腿に精液出すよ……ッ!」
「っあぁああ! やっ、ぁ、そんな強っ、ぅ、あっあ゛ぁあ゛!!」

 ブラックの片腕が俺を抱き寄せて体を折り曲げる。
 今までのだけでも耐えられないのに、ぎゅって抱き締められたらもう……――

「――――ッ……!」

 掠れた大人の声が、詰まる。
 強く腰を打ち付けられたのと同時、俺もその息を飲んだ感覚につられて、ブラックの手の中に……精液を放った。

「っ……は……はぁっ……は……」

 いつの間にか息を止めて硬直していたのか、俺の口から吐息が漏れる。
 まだ体はひくひく動いていて、吐き出す感覚と襲ってくる気怠さに放心していた。
 そんな俺の足に、俺以上の痙攣をしながら、ブラックのものがびゅくびゅくと凄い量の熱い何かを吐き出している感覚が……。

 ………………。
 う……うぅ……なんか、その……。

 これ、ブラックやクロウが凄いだけなのかな……足の間から溢れてて、もう股の間全部ブラックの精液でびしゃびしゃになっちゃったんだが……。

「っ……は……はぁ~……。ツカサくぅうん……あぁ……しゅき……」
「ぅ、うえ!? なに急に……っ」

 抱き着いたままのブラックが、俺の首筋に顔を埋めて来る。
 こんな状態で俺を片腕で抱えているのにも驚きだけど、同じ賢者状態のはずなのに、何故かまだ元気なのが恐ろしい。さすがは絶倫だ……褒めてない……。

 でも、れ、冷静になって来るとなんか再び恥ずかしくなってきたぞ……。
 だってこんなの結局えっちなことしたのと変わらないし、け、けっきょく……鍛錬とか言うのも、こうするための口実だったような気もするし……。

「あ~……挿れたいなぁ……太腿も最高だけど、やっぱりこんな軽い素股じゃ全っ然たりないよぉ……早くツカサ君とベッドで一日中愛し合いたいよう……ね、ツカサ君もそう思うよねぇ?」
「なんでお前は俺より元気なんだよ毎回毎回……」
「こんなクソだるい事が終わったら、思う存分セックスしようよぉ。ねっ。ねっ?」
「ちょっ、お、押し付けながら言うなぁ!!」

 当たってるッ、またケツに聞かん棒が当たってるんだってば!
 頼むからもう今は勘弁してくれともがくが、いつも以上に力が抜けている賢者モードの俺ではブラックの体力に到底太刀打ちが出来ない。

 それを知っているブラックは、俺を抱いたまま悠々と俺の頬に無精髭だらけの頬をくっつけてずりずりこすり付ける。イテテテなんかいつもよりヒゲが濃いんですが!

「だってペニスが寂しがってるんだもん……いっぱいセックスしたいって寂しがってるんだもん……ツカサ君が約束してくれないと、すぐにでもツカサ君に甘えて挿入」
「だーもー分かった、分かったから!」
「えっ、甘え挿入していいの!?」
「んなワケあるかこのスットコドッコイ!!」

 いい加減にしろと頭を押し退けようとするが、何のスイッチが入ったのかこのスケベオヤジは更に腰を押し付けてカクカク動かしてきやがる。

「ね~、ツカサ君約束っ、甘々恋人セックスする約束~ッ! ついでに後でツカサ君のお口でもう二発ぐらい抜いてよぉ~、元気補給で一石二鳥だよぉ~!?」
「増えてる! なんか増えてるってばオイ!!」

 この期に及んでなに「お願い」増量してんだコラーッ!!

 そんな後で大変な事になりそうな約束なんてしてたまるか、と俺は必死に暴れたのだが……まあ、体力おばけに敵うはずがなく。

 結局、最終的には頷かざるを得なくなってしまったのだった。

 …………なんでこう、このオッサンは全部スケベに繋がってしまうのだろう。











※思いっきり寝て遅れてしまいました…:(´◦ω◦`):スミマセ…
 セックスさせたかったけど状況が状況なので
 セクハラだけだったのだ…

 
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