異世界日帰り漫遊記!

御結頂戴

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聖獣王国ベーマス、暗雲を食む巨獣の王編

  そうは問屋が卸さない2*

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 ……こ、これは……詰んだ……。
 一畳分とちょっとほどのこの狭い洗い場では、逃げられるワケもない。ブラックが俺を端に追い詰めてしまえば最早どうしようもないだろう。

 っていうか、なんで鍵かけてたのに入って来てるんだよっ!
 そんなのどうし……あっ、そ、そう言えばコイツ、金の曜術も使えたんだった!

 鍵開けなんてしょっちゅうやってたじゃないか、ああぁあどうして俺ってば重要な事をすっかり忘れちゃってたんだよバカバカバカ!

「ふへ、へへへ……つ、ツカサ君……お風呂入るんなら一緒に入ろうよぉ」
「興奮してる奴と一緒に入れるかぁっ!! お、お前えっちする気だろ、絶対変なことする気だろ! 俺は風呂入るって言ってんのに!」
「セックスするために体を洗うんだから、そりゃ絶対にセックスするでしょ。やだなぁ、何言ってるのツカサくんってば。あはは」
「そ、そうじゃなくてぇっ」
「ツカサ君もあっちの世界で頑張って疲れたんでしょ? だったらほら、僕がツカサ君の体をい~っぱい癒してあげるから力を抜いて……ふ、ふへへ」

 だからその語尾の「ふへへ」が危なすぎるんだってば。
 どうしてお前はそうスケベオヤジ丸出しで近付いて来れるんだよ。黙ってりゃ格好いいのに、そんな格好でデカブツおっ勃てて山賊みたいな顔でにへにへ笑ってたら台無しじゃないか。……ってか、そもそも人が風呂に入ってる所に鍵をピッキングして無理矢理入ってくるのがヤバいんですけども……!

 風呂桶に湯を張って温かいはずの風呂場だというのに、俺はだらだらと冷や汗を流しながらブラックを見上げて身を縮める。
 だが相手はそんな俺に下卑た笑みを深めて、手を伸ばしてきた。

「ほら、体を洗う途中だったんだろう? 僕が手伝ってあげるっ」

 語尾にハートマークでも散らしそうな勢いで上機嫌なブラックは、泡でツルツル滑るはずの俺の体を易々と捕まえて再び風呂椅子に座らせる。
 そうして、俺の背中にぴったりと肌をくっつけて……俺の体に、手を這わせ始めた。

「うあ、やっ……ちょっ、ちょっと……っ」
「ぼ、僕の手で、隅々まで洗ってあげるね……へへ……っ」

 泡で滑る体を、ブラックの大きな手がぬるぬると動き回る。
 やめろと腕を掴むが、それで止まるなら苦労は無い。ブラックは俺の抵抗など全然気にしないで胸から腹を掌で撫でまわしてきた。

「っあ、や……ばっ、ばかっ、それ違うだろ!?」
「ちがわない違わない。ほら、ここなんて出っ張ってて洗いにくいでしょ? 僕が隅々までしっかりと洗ってあげるから……」

 耳のすぐ後ろで、ブラックの低く笑う声がする。
 それだけでも体の奥がゾワゾワしてくるのに、何を考えているのかブラックは俺の乳首のあたりを執拗に撫でて、指で小刻みに弾いて来て。

「ぅあぁっ、あぁ……っ!」
「あれれぇおかしいな~。普通に洗ってるだけなのに、ツカサ君の乳首がツンッてなってきてるよ? ツカサ君もしかしてキモチイイの?」
「ち……ちがっ……ぁ……くっ……もっ、触るなっ、てぇ……っ」
「そのワリには変な声出てるじゃない……ふ、ふへへぇ……」

 変な声ってそんなの、アンタがしつっこく触って来るからじゃないか。
 何度もヤメロと言ってるのに執拗に指ではじいてきたり、ぐ、ぐりぐりしたりとかするから、だから変な感じになって、声だって……。

「ば、か……っ、も……っ」
「ツカサ君の乳首、もう完全に立ち上がっちゃったねぇ……! んふっ、こ、こんなに硬くなったら、簡単に指でしごけちゃうよぉ?」
「っあぁあ! ひぁっ、やっ、んんん……っ!!」

 ブラックの手が、両方の乳首を指できゅっと捕まえて、まるで引っ張るみたいにして扱いて来る。泡でぬるぬるしているせいで、余計に滑りが良くなって根元からキュッと抓まれて乳首を指の腹で挟まれ揉まれると体が大きく跳ねてしまう。

 いやだ、こんな、こんなのだけで反応するなんて恥ずかしい。
 乳首しごかれてるだけなのに、こんな、足を閉じるくらい反応するなんて……っ。

 そんなの変だ。いつもより、からだがおかしい。そう思って我慢しようとするのに、体が言う事を聞いてくれない。ブラックの大きな胸が背中にぴったりと張り付いて、はあはあと荒い息がうなじや耳にかかってくると肌が粟立ってしまう。

 こんな事くらいで反応してる自分が恥ずかしくなって、どうにか逃れようとするのにブラックから離れられない。それどころか、俺が抵抗する旅にブラックは「お仕置き」だとでも言いたげに乳首を少し強く抓んで先端をくすぐってきて。

「うぁああっ! やっぁ、強くしたらっ、ぁ、ぐ……や、も、いやぁあっ……!」
「はぁっ、は……つ、ツカサ君っ、ツカサくんん……っ」
「んぅっ、ん、むぅう……っ!」

 耐え切れずに変な声を出してしまう俺に何を催したのか、ブラックは俺の顔を横に向けて、キスをして来る。何度も軽くついばんで音を立てて、それから唇をぎゅうっと押し付けて舌を差し込んできた。

「んん゛っ……ん、ぅ、んんん……っ!」

 大きな舌が口の中いっぱいに入って来て、その大人の舌が逃げ場のなくなった俺の舌を簡単に絡め取る。軽く舌の表面を撫でられるだけで体がビクビクと細かく反応してしまって、恥ずかしさに熱が上がってくる。
 こんな、いくらぬるぬるしてるからって乳首を弄られたくらいで感じるとか変だろ。俺どんだけ開発されてるんだよ、こんなの我慢出来るはずだろ普通は!

「はむっ……ん……んふっ……つ、つかひゃく……」

 ああ、だめだ。
 頭がぼうっとしてくる。ブラックの舌が俺の舌を絡め取って吸ったり弄ったりして来るのと、乳首の刺激しかもう分からなくなってくる。
 そんなんじゃダメだって解かってるのに、ブラックに抱き寄せられてえっちなことを今しているんだと思うと、何だかもう、たまらなくて。

「ぅ、あ゛っ……あ……っん゛っ、ぅ……んぅう……っ」

 せめて必死に声は出すまいと、キスの合間に軽く口が離れる時でも喉を締める。

 なのに、ブラックは俺を更に追い詰めようとしているのか、両乳首の先端を指の腹でくりくりと撫で回してきて。今まで散々弄り回されたせいか、俺の体はそんなことで最早体の熱を我慢出来なくなってきたようで、股間がどうしようもなくなってしまっていた。足を閉じて抑えようとしても、ソコが熱くてじんじんする。

 泡だらけのぬるぬるした体じゃ、隠したって隠しきれるもんじゃないんだ。
 一生懸命我慢しても、これじゃどうしようもなかった。
 そんな俺の姿を、ようやく口を離したブラックが嬉しそうに見下ろしてくる。

「あはっ……ツカサ君の可愛いおちんちん、泡の中で先っぽだけぴょこって見えてるねぇ……! 泡で隠そうとしたのかな。でもこれじゃだいなしだ……」
「や、もっ……もぉ、勘弁してぇ……っ」

 ブラックの低い声が俺の体に熱い息とともに吹きかけられるのが、つらい。
 恥ずかしい部分を、言葉で更に辱められるのが我慢出来なかった。

 なのに、悔しさでいっぱいのはずの俺の体は勝手に熱くなって、トドメとばかりに指で引き出された両乳首の先端を指で軽く弾くように弄られると、腰がはしたなく揺れてしまう。そんなのおかしいのに、いつもならもう少し耐えられるのに、大人の太い指が乳首の先端を無遠慮に擦ると……俺の、が、ひくひく震えて……。

「ふっ、ははっ……ツカサ君も、僕との久しぶりの濃厚セックスに期待してくれてるんだね……! うっ、うひっ、嬉しいよぉっ! そんなに可愛いおちんちんが勃起してるのを見せられたら、もっと気持ち良くしてあげたくなっちゃう……」
「いやっ、こ、これは違……っちがうんだって……っ!」

 こんなのは、違う。
 俺はもっと……っていうか、もうちょっと我慢出来るヤツだったはずだ。
 なのに乳首を弄られてキスされただけで勃起なんておかしい。久しぶりに二人とも裸で密着してるからって、こんなに早くこんな事になるなんて絶対違う。

 ぶ、ブラックと……裸で密着して、えっちなことしてるからってだけで、こんな……。

「んもぉ、ツカサ君たら体は素直なくせに意地っ張りなんだから~。まあでも……このヒクヒクしてる子供おちんちんが仮に『セックスしたい』とかで反応してるんじゃないんなら……コッチを弄られても反応なんてしないよね?」
「ふぇっ!?」

 自分でも気持ち悪いと思うような変な声が出てしまったが、ブラックは俺の態度などお構いなしに手を進めて来る。ようやく乳首が片方解放されて息を吐いたが、しかし相手は俺を休憩させる気など無かったのか、乳首を弄りながら……次は、無骨な指で、ヘソの周りをくるくると撫で始めたではないか。

「ほら、ここ……ツカサ君は、こっちの穴も弄られるの大好きだよねぇ?」
「なっ……ぁ……そ、そんなわけ、あるか……っ」

 乳首をきゅっきゅっと指で扱かれているせいで、まともな声が出てこない。
 その情けない台詞に顔を熱くしながらも必死で否定するが、ブラックはそんな俺の態度をせせら笑うようにブラックは人差し指でヘソの穴の際で指を動かし、おなかの肉を軽く指で押しながら、何度も指がヘソの穴に入るギリギリで指を動かした。
 その動きが苦しくもどかしい。

「ひっ、ぐ……うぅ……っ! ゆ、指、やめ……も、やめ、て……っ!」
「そういうワリには腰が動いておちんちんが揺れてるよ。ふ、ふははっ……ツカサ君は、おへその穴を弄られるだけでも感じちゃう淫乱だから仕方ないよねぇ……!」
「い、いや、ぁ……っ、ちが……違う、ってば……ちがっぁっ、あぁあ……!」
「違うの? じゃあおへその穴を犯されても、ツカサ君はおちんちん萎えちゃうって事だよね! そうそう、ツカサ君は淫乱じゃないんだもんね?」
「ぅ、うぅう……」

 乳首をくりくりと捏ねられているせいで、声を出すとまた変な声が出てしまいそうでなにも反論できない。そんな俺をニヤニヤと見ながら――――ブラックは、よだれを垂らしそうな顔でいやらしく笑いながら、俺の耳に唇をくっつけて低く囁いた。

「じゃあ……もし、このちっちゃなおへそを指でズボズボされて、それでもツカサ君のおちんちんが萎えなかったら……ツカサ君を、僕の好きにしてもいいよね……?」
「っ……ぅ……んん……っ」

 心臓が、どくどくする。
 至近距離で囁かれているだけなのに、体も唇もぐっとくっつけられていやらしい言葉を囁かれると、背筋がぞくぞくしてお腹の奥がぎゅうっとなる。

 こんなことで変な気持ちになる自分が恥ずかしいのに、ブラックが俺の体を執拗に触りながら「いやらしいことをしたい」と囁いて来ると、俺の体は我慢したい気持ちとは裏腹に興奮している時のように熱くなって、お……おちんちんが、おかしくなって。

 我慢させなきゃ、自分も我慢しなきゃと思うのに、ブラックの大きくてがっしりとした大人の体や広い手、低くてぞくぞくする大人の男の声を感じると……自分でも変だと思うくらいに……下半身に、熱がたまってどうしようもなくなる。
 ブラックが触って来る所全部が熱を持ってしまって、頭は熱でぼんやりしてしまっていた。……だから、もう……ブラックに見つめられると。

「ね、ツカサ君……僕が今から、おへそもツカサ君のナカも全部犯してあげる……。だから、船が到着するまで……どろどろになるくらい恋人セックスしよ……?」

 その菫色の綺麗な目で、嬉しそうに笑われると――――

 もう、強く拒否することなんて、出来なかった。










※ブラック視点で続く
 
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