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ファンラウンド領、変人豪腕繁盛記編
14.好きだからこそ我慢できなくて1*
しおりを挟む※ちょっと叩き要素有(さらっと軽め)なので注意。次回は快楽責めです。
久しぶりで楽しくて長くなってしまった……(´・ω・`)
「さあ、ツカサ君……ちゃんと出来るよね?」
他の奴に邪魔をされたくないから、と二人がかりで抱え上げられて、ブラックの部屋に連れ込まれた。最初から俺が逃げない事なんて解っているだろうに、それでも強引に俺を部屋に閉じ込めた所から見ると、二人は相当怒っているようだ。
だって……部屋に連れ込むなりブラックはベッドに座って不機嫌そうにじぃっと俺を見つめて来るし、クロウはその横で腕組みして立ったまま俺を見下ろしてくるし。もうこれ完全にお怒りモードだよね……。
その上、部屋に入るなり俺に命令して来たのが「白エプロン以外は全部脱げ」というもので……ああおかしいよね、コレ本当におかしいよね。どんな命令だよっていうか、なんでしょっぱなからそんな変態な命令なの。
いやまあ全裸で直立不動になれっていう命令よりかはマシだけど、なんかコレ余計に変態っぽくない……? 背後に誰も居ないから恥ずかしさは薄いが、エプロンだけになって何をされるのかの想像がつかなくて怖い。
でも、やらなきゃもっと酷い事になるんだし……。
「…………」
怖いけど、どの道俺に選択肢はない。
諦めて、俺はまず上半身の服を脱いだ。
「下は?」
「い、今から脱ぐ……」
急かされて、下も脱ぐ。二人に股間を見られる事は無いと言う安心感もあってか、手はスムーズに動いてズボンと下着を脱ぐことが出来た。
だけど……いざ脱いでみると、非常に心許ない。
考えてみれば、細長い布を前に一枚かけてるだけの状態だし、後ろはと言えばすっぽんぽんだ。こんな嬉しくない裸エプロン初めてだよ俺。
「……ふーん、すんなり脱いじゃうんだ」
「だ、だって脱げっていったのアンタだろ……」
「……あんまり恥ずかしく思ってないってことか。まあ、そうなるだろうとは思ってたけどね。……でも、ツカサ君も詰めが甘いなあ」
「え……」
「その格好で普通にセックスするとでも思ってたのかな? お仕置きなんだから、簡単にツカサ君を犯すわけないじゃないか。……今からたっぷり、後悔するくらい反省して貰わないとねえ……」
そう、言って、冷えた菫色の瞳で俺を頭から爪先まで眺めるブラック。
本気で怒っている事が解って思わず身構えたが――もう、遅かった。
「ツカサ」
ブラックの隣に立っていたクロウが、いつの間にか紐状の何かを持っていて、ぱしんぱしんと音が鳴るくらいに伸ばしたり纏めたりしている。
明らかに「普通の事に使うものではない」道具に固まった俺に、クロウは近付いて来て、俺の腕を強引につかんだ。
「こっちにこい」
「っ……!」
抵抗する間もなくクロウに引き摺られて、いつの間にか用意されていた四角いテーブルの前に連れて行かれる。
何をするのかと思ったらクロウはいきなり俺の頭を掴んで、思いきりテーブルの上に押し付けやがった。
「うあっ!?」
「大人しくしていろ。少しでも嫌がったら、余計に酷くなるぞ」
そう言いながらクロウは俺の腰に手をやると、俺を強引に持ち上げてテーブルへと乗せてしまう。だけど下腹部までしか乗り上げられず、妙に苦しい体勢にさせられて、俺は思わず呻いてしまった。
こ、この体勢キツい……っ。
骨盤がテーブルの縁に当たって痛いし、中途半端に乗り上げてるから、四つ足のテーブルでも非常に不安定になって無暗に動けない。
唯一の救いは足が床に着くことだけど……と思っていると、クロウは俺の右手を掴み、その手首に太い紐を巻きつけ始めた。
「え……」
なに、何してんの?
そう思う間に左手も縄に拘束されて、残った紐はテーブルの下へと降ろされる。
テーブルに腹ばいになった状態で、クロウによって俺の両手はそれぞれテーブルの足に紐で結ばれ……って、こ、この状態で……!?
「な、ま、待って、なんでこんな格好で……!?」
せっかくエプロンで前が隠れてたのに、これじゃケツだけじゃなく、ヘタしたら股間まで丸見えになっちまうじゃないか。
今更自分の格好が恥ずかしくなって思わず逃れようとするが、もう遅い。
両手はしっかりとテーブルの足に固定され、このまま動く事など出来ない。仮に動けたとしても、テーブルを抱えて歩くような感じになってしまうので、逃げる事すらも不可能だった。
だけど、それだけじゃ終わらなくて。
「ツカサ君、それじゃあお仕置きにならないよねえ」
「ぇ……」
「なんでわざわざその状態で体を付けさせたか解る?」
背後から問われるが、声が冷たいと言う事以外は何も解らない。
何でだ。辱める為なのは解ってるけど、それだけじゃないんだよな。わざと下半身をギリギリの位置でテーブルから逃したのは、何か理由がある……でも、俺にはどういう意図があるのか解らない。
ケツを強調したいんだとしても、だったらその……俺の体を股間ギリギリまでテーブルに乗せ上げて爪先立ちにした方が良いような……。何にしろ、普通に体を曲げた現在の状態では色気に欠ける。というか中途半端に乗った骨盤が痛い。
股間が乗らないギリギリの位置で俺をテーブルに固定したのは、何か意味が有るのだろうか……と、考えていると――――
「そうやって意識を余所にやるから、良いように隙を突かれるんだぞ、ツカサ」
「はぇ……」
いつの間にか、後ろからクロウの声が聞こえた、と、同時。
一気に両足を持ち上げられて、俺は驚いて叫んでしまった。
「うわぁあ!? な、なに、やだ、何!?」
「テーブルと一緒に倒れたくなかったら静かにしていろ」
「ひっ、ぃ、いや、なに、なんだよこれぇ……っ」
クロウが俺の足を広げて間に入ってくる。その状態で両足を持ち上げたと思ったら、すぐさま右足だけを掴む形に変えて、何か……しゅるっと音を鳴らした。
怖い。何をされようとしているんだ。
思わず震える俺に構わず、クロウは掴んだ右足を正座するように曲げさせると、そこに紐を通して足を曲げた状態に固定した。
途端に不安定になってバランスを崩しそうになるが、クロウはかまわず右足を脇に挟んだまま、左足も同じように曲げて固定した。
「や……やだ……なに、なにしようとしてるんだよ……」
正座でもさせるのか。だけど、こんな状態じゃ正座なんて出来るはずがない。
一体どういうつもりなのかと体を震わせる俺に、背後のクロウはフッと笑った。
「決まっている。……お前が泣いて嫌がるほどの、恥ずかしいことだ」
「……っ!?」
絶句したが、もう俺には抵抗する事すら許されなかった。
合わせた右足の間に、強引に紐が通される。長い紐が通ったと思ったら、クロウは俺の足を広げたまま下に降ろした。
そうして、何をするのかと思ったら……残りのテーブルの足に、俺の足を固定し始めたのだ。
「やっ……やだ、やだやだやだ、クロウそれだめ、いやだっ!」
――そんな事をすれば、無理な大股開きになって大事な部分が曝されてしまう。
テーブルはそれなりの大きさだ。それぞれのテーブルの足に折り曲げた俺の足を固定するとなれば、倒れたカエルのように無様な姿にされてしまう。
いや、カエルどころか、今の状態じゃ股間から垂れ下がる俺の分身や、尻の穴までブラック達に見られてしまうじゃないか。
ああ、そうか。だから中途半端な位置で俺の体を……。
「右足は固定したぞ。……ふっ……左足を固定すれば、もう逃げられないな……。ツカサのいやらしい部分がすべて丸見えだ……」
囁かれて、ついに左足がぐいっと限界まで開かされる。
テーブルに腹ばいになって、不安定な状態で大股開きにされて、股間を隠す事も出来ず、後ろから全部見られてしまうんだ。こんな、恥ずかしい格好で……。
「いや……やだ……こんな格好やだぁ……っ!」
足の付け根が痛くなるくらい開かされて、左足がついに固定されてしまう。
今まで閉じていた部分が強制的に曝け出されて、俺は思わず目を瞑った。
「あーあ、恥ずかしい部分を丸出しにしちゃったねえ、ツカサ君」
「ツカサの可愛いところがよく見えるぞ」
「ぅ……ぃ、やだ……言うな……!」
何度二人に見られている場所だと言っても、こうやって無様に曝されてしまえばどうしても恥ずかしい訳で。
「なんだこんな事くらい」と気丈に振る舞おうとしても、今の格好を思うと俺の中の自尊心が酷く泣き叫んで、どうしても我慢する事が出来なかった。
恥ずかしい、普段見られる事のない場所を、二つの視線が見ている感じがする。
視線なんて普段はほとんど感じないのに、こんな時に限って自分の肌や急所を舐めるように見つめる動きを感じてしまって、とても耐えられない。
それが自分の妄想かも知れない事を思うと、余計に泣きたくなりそうだった。
だけど、そんな俺の思いを無視して、ブラックとクロウは俺の羞恥を煽るように、背後から近づいて来て俺の様子を事細かに喋り出す。
「こんなにいやらしく膨らんだお尻をしてるのに、ツカサ君はおちんちんもお尻の穴も子供のままなんだねえ……。ここに僕のペニスがきっちり収まるなんて、普通じゃ考えられないな……」
「子種袋も小さな果実みたいだ……。だが何度舐めまわしても勢いよく精液が出て来るし、可愛い割には犯されるのに適している。ふふ……ツカサ……お前は本当にオスに組み敷かれる為に生まれて来たような体をしているんだな」
いやだ、いうな、そんなこと聞きたくない。
見ないで、そんな所ばかり見ないでくれ。
耳を塞ごうとするが、肩が動いて手首の縄が擦れるだけで、痛みを感じる以外はどうなりようもない。
「あは……ツカサ君たら、恥ずかしい言葉を言われるたびに、お尻の穴がひくひく動いてるよ……? 視線と言葉だけで反応しちゃうなんて、堪え性のないえっちなお尻だね……」
「ち、ちが……っ」
「何が違う。おちんちんも子種袋も、オレ達が何か言う度に小さく反応してるぞ。ツカサはもう辱められて悦ぶ淫乱な体になったんだ」
「やだっ……ちが、ぅ、違うったら……!」
もうそんな事言わないでくれ、頼むから。
無意識のうちに泣きそうになっていたのか、声が弱々しく情けなくなっている。
喉が痛くて、顔が熱くて、鼻水や涙が零れてきそうだった。
だけど、俺が泣いたってこいつらが許してくれるはずがない。
俺が二人を振り返れないのを良い事に、ブラックとクロウは唐突に俺の尻を一本指で左右からぐっと突いてきた。
「うぁあ!? いやっ、な、なにっ」
「ほら、指でちょっと突いただけで可愛い穴がぎゅっと締まったじゃないか。こうやって触れられるのを期待してたんだろう? まったく……こんなに堪え性のない体なのに、また他人に気を持たせるような行動して……!」
ブラックがそう声を荒げた瞬間――ぱんっ、と強く尻を叩かれて、俺はテーブルを浮き上がらせんばかりに驚き、痛みに叫んでしまった。
「いあぁあ゛!?」
「ツカサ君が悪いんだからね……。僕と言う恋人がありながら、あんなクソ貴族に色目を使って優しくして!! 僕教えたよねえ、ツカサ君を犯したいと思ってる奴には優しくするなって!」
「そんなの使ってなっ、いだっ、や、ごめんらさっ、やだ、叩くのやだぁっ!!」
反論しようとするとまた尻を叩かれる。その度に体が勢いよく跳ねるが、クロウがテーブルを抑えていて転倒する事すら出来ない。
助けを求めようにも、この場には助けてくれる人は居なかった。
ううううくしょう……なんで仲間にこんなことされなきゃいけないんだよ!
つーか恋人ならもうちょっと怒り方をまろやかに出来るだろ、バカ、バカぁあ!
「ごめんなさい……? ケツ穴をヒクヒクさせて悦びながら謝られても、ちっとも謝られた感じがしないんだけどなあ!」
「うっ、うぅう……ひぐっ、そ、そんら……っ、も、やだ……痛いのやだぁ……」
尻がヒリヒリする。それほど強く叩かれたんじゃないし、ブラックも見境なく怒ってる訳じゃないって言うのは解ってるけど、でも、やっぱり痛いし怖い。
ブラックが怒ってるのも、泣きたくなる。っていうか泣いてしまった。
情けない……こんな事で泣いてしまう自分が悔しくて仕方なかった。
ああもう、どうしてこうなったんだ。
なんでラスターを庇っただけでこんな事されなきゃならんのだと俺の感情は怒るが、理性的な部分は「ブラックはこう言う性格だって言うのは解っていただろう」と俺の怠慢を責めて来る。
ああ、確かにそうだ。ブラックは俺が他の男と話しただけでも不機嫌になる時がある。俺を閉じ込めたいけど我慢してるとも言っていた。
それくらい、俺とは「人を好きになる感覚」が違う。解っていた事じゃないか。
だけど、それを受け入れて自分を完璧に戒められるのなら苦労はない。
俺だって一人の人間だ。ミスをやらかすし、うっかりだってする。自分の意思を貫きたいことだってあるし、こんな、こんな恥ずかしい事をさせられて、嫌になるのだって……
「痛いのは嫌?」
必死に感情を押し殺す最中に問われて、思わず何度も頷く。
そんな俺にブラックは何か考えていたようだが……何を思ったのか、唐突にヒリヒリする俺の尻を掌で撫で上げて来た。
「うあぁ!?」
「じゃあ……今から言う事をちゃあんと出来たら許してあげる……。ただし、出来なかったら…………ツカサ君をあのクソ貴族の前で犯すから」
「――――ッ!?」
な、に。
なに、いって。
「だって……そうでもしないと、ツカサ君はまた同じ事しちゃうだろう……? だって、ツカサ君は僕と違うから。……だから、僕の中身を知らないから、解って貰う為には教えてあげなくちゃいけないんだよね……? だったら、教え込んで、しっかり記憶させてあげるよ……ツカサ君の全部は、僕のものなんだって……」
分かんない、何言ってるのか分かんないよ。
中身を知らないって、なに。
知らないから、教えて貰ってないから、解らないの?
俺がまだ解らないから、こんなことするのか?
「ツカサ君……。良い子なら、僕の大事な可愛い恋人なら……ちゃあんと理解して……我慢出来るよねえ……?」
ねっとりした言葉と共に、尻の谷間で緊張に窄められていた部分を、指が優しく撫で上げる。
もうそれだけで緊張した体は我慢できず、俺は甲高い声を上げてしまった。
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