異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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ファンラウンド領、変人豪腕繁盛記編

13.教えてくれるから理解出来る

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 半ば諦めつつ、ご満悦まんえつのラスターに肩を抱かれて廊下を歩いていると、廊下の先に見える台所からリオルが飛び出してくる。
 慌てた様子で俺達の所へ走って来て、何事かと思ったら、ぎこちない笑顔で揉み手をしながらラスターにへりくだり出した。

「い、いや~、おはようございますラスター様」
「うむ、お前は礼儀が解っているな」
「へっへっへ、これはありがたいお言葉……ところでラスター様、朝食にはまだ少々準備がございまして……ツカサちゃんにお頼みしてもよろしいですか?」

 この腰の低い姿勢、チャラ男でもさすがは家事妖精……。どんな相手がゲストであっても不快にさせないような術を知ってるんだな……見習わねば。

 変な所で感心している俺を余所に、ラスターもわりとリオルには好印象を抱いたのか、軽い調子で頷いてこっちを見やる。

「おお、なんだそうか。朝食が出来る前に呼びに来るとは……それほど俺に出来立てを食べさせたかったのだな、ツカサ。まったく可愛い奴め」
「いや、それは冷めるとマズいから……」
「はいはいはいー! と言う訳で、愛の語らいを邪魔してしまって真に申し訳ありませんがツカサちゃんはまずラスター様とのお約束を守りたいと思っていますのでー! ちょいと失礼しますよ!」

 上手いこと会話に入り込んで、リオルは俺をラスターから引き離してくれる。
 これにはラスターも嫌な顔をするかも知れないと思ったが、意外な事にすんなり離れてくれた。わ、話術ってすげえ。

「ツカサ、俺はテーブルについて待っているぞ」
「う、うん。すぐに出来るから」
「さあさ、行きましょツカサちゃん」

 そう言ってリオルはラスターから少し距離を取ると、俺に小さく耳打ちをした。

「もうオッサン達席に座ってんだよツカサちゃん。危ないところだった……」
「ゲッ、マジ!? ごめんリオル、助かった……!」
「良いって事よ、俺の今の雇い主はツカサちゃんだしね。さ、早く朝食作ろうぜ」

 リオル、お前って奴はマジでいい奴だなぁ……っ!!

 この四面楚歌の状況では、まさに地獄に仏と言った所だ。リオルは伴侶しいたげる者死すべしな思想持ちだからか、俺に対してはすげえ優しいんだよなあ。

 イケメンチャラ男だけど優しいって、ほんと俺からすればヤクザが子供にアイスをおごった並の衝撃なんだけど、今はもうどうでもいいわ。悪い奴が優しい事をすると二割増しにうんたらという法則だとしても、今は素直に喜ぶよもう。

 両手を合わせてリオルを拝みつつ台所へと戻ると、確かにもう二人のオッサンが席に着き、目の前の皿に乗っているフレンチトーストをまじまじと見つめていた。
 あ、そっか、この世界じゃ白パンってあんまり焼かないもんな。
 浅黒いパン……穀物パンがそもそも歯ごたえが有りすぎるので、この世界の人は積極的に固くしようと思わないようだ。まあ、柔らかいパンうまいもんな。

「つ、ツカサ君、これナニ……?」
「甘そうで美味そうな匂いがするが、まだ食べては駄目か」

 フレンチトーストと俺を交互に見やり困惑するブラックに、トーストを至近距離でじぃっと見つめて鼻を動かしているクロウ。
 どうやら料理の方に意識が行っていて俺の行動には頭が回らなかったようだ。
 良かった。本当に良かった。

「まあ待て、まだ朝食を作り終えてないからな。付け合せが出来るまで、もうちょっと待っててな」

 そう言いつつ再びエプロンを装備し、俺はリオルが洗ってくれていたフライパンを再びかまどの上に置くとカンラン油を引いた。
 背後から三人分の視線を感じたが、気にせず調理を開始する。

「さて……あとは目玉焼きとベーコンだ」

 完璧なる助手のリオルがあらかじめ切ってくれていた干し肉と卵を、カンラン油を引いたフライパンの上でじっくり焼いていく。
 もちろん、卵は目玉焼きだ。

 油が肉を焼く音が耳をくすぐり、香ばしい匂いが部屋に充満していく。
 半生の柔らかい干し肉からは、残っていたわずかな油がじわりと染み出しパチパチとぜ、卵は熱を加える度にしっかりとした形に固まって行く。

 あまり焼き過ぎると裏面が焦げてしまうので、頃合いを見てリオルに目玉焼きとベーコンもどきを渡し、テーブルに運んで貰った。
 ここで紅茶とかオレンジジュースとかがそろっていたら完璧な朝食なんだろうが、この世界では俺はまだ紅茶を見かけたことが無いし、ジュースを用意するのは難しかったので、今回は麦茶で我慢して貰う。

「揃った奴から食べていいぞ」

 そう言いながら、俺はまた一つ皿を完成させる。
 フライパンから目が離せないので背後の三人の様子は見えないが、先程から待ち遠しそうな顔をしてたし、勝手に食べてくれているだろう。

 そうしてリオルの分も作り、最後に自分のを仕上げ、皿をもって振り返ると。

「…………あれ? なんで食べてないんだよ」

 てっきりもう食べてるのかと思ったのに、四人は飯に手を付けていなかった。
 俺を待ってたら冷めると思ったから先に食べろと言ったのにな、と困っていると、三人は何故か揃いも揃って不機嫌そうな顔になって俺を睨んできた。
 え、ええ……なに? 俺なんかした……?

「なんでって、ツカサ君が席についてないのに食べる訳ないだろう?」
「ツカサが傍にいるのに、何故先に食べるんだ。オレはツカサと一緒に食べたい」
「ツカサ、お前は料理人じゃないだろう。何故愛しい者を置いて先に食べる必要があるんだ? そんな愛のない行為など全く美しくないぞ」
「あー……俺はほら、あの、先に食べるようなアレじゃないから」

 リオルが最後に軽く言って雰囲気をやわらげてくれるが、ブラック達は全員ムスーッとして表情を変えてくれない。
 どんだけ怒ってるんだよと呆れる気持ちも有ったが……だけど、三人がそれだけ俺を「仲間外れにしたくない」と思ってくれていたのなら、なんというか……なんだか嬉しいなとは思う訳で……。

 何かすげえ恥ずかしいけど……そう思って貰えるだけありがたいんだよな。
 一緒に食べたいって思ってくれるのは、悪い事じゃない……と思うし……。
 表現の仕方が子供そのものだけど、まあこの三人じゃ仕方ないか。

「そっか……。ごめん、やっぱみんなで一緒に食べたいよな」

 ごめんな、と四人の顔をそれぞれじっと見やると、やっと満足したのかブラック達は表情を緩めた。

「ツカサ君、早く食べようよ。僕もうお腹ぺこぺこ……さっきから良い匂いしすぎだよこれ~」
「ふっ……はいはい、解ったからもう食べろって。冷めちまったら勿体ない」

 ブラックの隣に座ってフォークを持つと、ようやく四人は朝食に手をつけた。
 ……ど、どうかな。
 自信満々に作ったものの、味付けとかには非常に不安が有る。

 ブラックもクロウも甘い物は嫌いじゃないだろうけど、ベーコンとの組み合わせはどうなんだろう。俺はあまじょっぱいのも好きなんだが、人それぞれだからな。
 それにこの料理はラスターとの約束だからって作ったもんだし……。
 唾を飲み込んでブラック達を見守っていると……意外にも、一番早く声を漏らしたのはクロウだった。

「ム……! パンが甘いぞツカサ! 焼いた白パンなど硬さを誤魔化すための物だとばかり思っていたが、これは柔らかくて汁気が有ってうまい……まるで森の果実のようだ……! それに、この干し肉は噛み千切りやすくていい、卵を焼いたのと一緒に食べると、とろみがついて味が変わってこれも美味い……!」

 クロウの国には目玉焼きの文化がないのかな?
 ちょっと不思議に思ったけど、喜んでくれて良かった。

「確かに、これはちょっと驚きだね……。ツカサ君、このパン何かの液体に付けて焼いたの? 柔らかさも失われてないし、なによりほんのりした甘さがいいね……朝から凄く甘いのは困るけど、これなら塩気のある干し肉とも合う」

 遅れて、ブラックも言葉通りに驚きの表情を浮かべながら、フレンチトーストを咀嚼そしゃくしている。白パン好きのブラックにも好評なようだ。
 さらに嬉しくなって、俺はブラックの問いに頷いて答えた。

「そう、それはフレンチトーストって言って、甘くした液体に漬けて焼いたパンなんだ。普通はおやつとかで食べるんだけど、砂糖を使わずに焼いて甘さゼロで朝食にするって所もあるって言うから、今回はそういう感じでやった」
「なるほど……本当ツカサ君は料理上手だねえ……」
「オレはおやつの方のふれんちとーすとも食べてみたい」

 やっぱりクロウは甘い物好きなんだなあ。蜂蜜が有ればもう少しクロウも喜んだかもしれないが、この国では本当に蜂蜜が手に入らないから残念だ。
 まあでも、ブラックもクロウも喜んでくれたみたいだし、リオルも「美味い!」とばかりに俺に親指を立てて頬を膨らませている。ここまではセーフだろう。
 後はラスターだけなんだが……と思って、くだんの相手の方を見やると。

「あ……もう食べ終わった?」

 少し目を話している内に、ラスターはもう食べ終わってしまっていた。
 残さず食べきってくれたけど、味はどうだったんだろうか。

「あの、ラスター……どうだった? 約束通り料理作ったけど……美味かったか?」

 俺がそう言うと――ラスターはハンカチで口を拭い、何の気も無しと言ったような表情で俺を見て口を開いた。

「ふむ……まあまあだったな」

 ラスターがそう言った瞬間、俺の視界に入ってない場所からガタッと大仰な音が聞こえる。しかしそちらに構っている暇はなく、俺はおずおずと再度問いかけた。

「……マズかった?」
「いや、マズくはなかったが、気になる点は色々あった」
「こっ、このクソ貴族、ツカサ君が作ってくれたモノを……!!」
「グルルルルル……」
「だだだ旦那方抑えて抑えて!!」

 あ、やばい、背後のオッサン達が何故か怒っとる……。
 しかし怖くて振り返る事が出来ず、俺はラスターを見続けながら続けた。

「約束だったのに、満足させられなくてごめん……でも、気になる所って、例えばどんなとこ? 教えてくれると助かるんだけど」

 俺の後ろで怒気を放っているオッサン達は見えているだろうに、ラスターは俺の質問に呑気に顎を擦って天井を見やる。

「ふむ……そうだな。まず、フレンチトーストとやらだが、塩気のある食品と合わせるのなら、逆にもう少し甘めである方が良かったと思う。甘みと塩気は中途半端だとどちらかが負けてしまう。この場合は、お前が普段食べていた程度の甘さで作った方が良かっただろうな」
「なるほど……」

 そういやそうかも。
 実際食べてみると、ちょっと甘みが足りない気がしたんだよなあ。
 でもそれは、俺が甘いフレンチトーストに慣れてるからだと思ってたから、実際に甘みが足りなかったとは考えつかなかった。
 ふむふむと頷く俺に、ラスターは人差し指を立てて続けた。

「……それに、付け合せに干し肉を使ったようだが、この場合は不適格だ。半生は良い判断だが、干したものより燻製を使う方が良い。干し肉より保存は効かんが、肉本来の油を持っているあちらの方が合うだろう。肉には植物の油を混ぜるべきではないと俺は思う。まあ、卵の黄身が肉に足りない味を補った部分もあるから、まったく間違いと言う訳ではなかろうがな」

 あれ、燻製肉って普通にあんの!?
 あっいや、干し肉が有るんだから当然あるんだろうけど、肉屋とかで見かけなかったから無い物だと思い込んでた……どこにあるんだろう?
 燻製肉だったら、ベーコンとほぼ一緒だろうし、そりゃあっちの方がいいよな。
 むう、そうか……言われてみればみるほどラスターの言う通りだな。

「ちょっとツカサ君! なんでこんな奴の言う事を素直に聞き入れてるのさ!」
「そうだぞツカサ、自分の作り上げた物を貶められて怒らないのは間違いだ」

 リオルに抑えられながらも、鼻息荒くブラックとクロウは俺にそんな事を言ってくる。
 勿論、俺の事を考えて言ってくれてる訳で、それはとても嬉しいのだが……。

「……怒ってくれてありがと。でも……正直、ブラックとクロウもちょっと思う所あっただろ? ……遠慮せずに言って良いんだぞ?」

 そう言うと、あれだけ怒っていた二人は急所を突かれたように顔を歪めた。
 ……だよなあ、やっぱそうだと思ってたよ。
 だってさ、いつもの二人なら、一口食べたら間髪入れずに褒めて来るんだもん。褒めてくれるのは嬉しかったし、食べられる料理だったんだなってホッとしたけど……でも、食べてくれる奴に無理を言わせるのは俺だって嫌だ。

 隠さなくていいから正直に言え、と困り顔のオッサン達を交互に見やると、二人は言い難そうに肩を縮めて目を泳がせた。

「それは……その…………あの、でも、ちょっと干し肉が微妙かなぁ、って……」
「ウ……ゥグ…………甘みが……塩気に負けてるとは……思ったが……」
「でっ、でも、マズいなんて事ないよ?! 凄く美味しかったし!」
「そ、そうだぞツカサ、他の奴の料理より何万倍も美味いんだぞ!」

 いつになく慌てて子供のような言葉で交互に言い繕う二人に、なんだかおかしくなってしまって俺はクスクスと笑ってしまった。
 ああ、俺が笑ったのに二人がびっくりしてる。でも笑えるんだから仕方ない。

 空涙を拭って、俺は二人に微苦笑を向けた。

「そんな気にしなくていいってば。……俺的にはさぁ、無理して褒められるより、美味しいかどうかを正直に言ってくれる方がよっぽど嬉しいんだよ。だから、気まずそうな顔すんなって」
「でも……」
「ラスターにムカついたのは解るけど、コイツの言う事はもっともだっただろ? ただマズいってだけ言われたら、そりゃ俺だって悲しいけど……ラスターは、キチンと料理を味わってから、良い所と悪い所を細かく教えてくれたんだ。それは、俺の事をちゃんと考えてくれたって事だ。それは悪い事じゃないだろう? アンタらも、嘘ついて褒めたら俺が嫌がるって思って、今ちゃんと教えてくれたんだよな?」

 そう言うと、オッサン二人はしょぼんと頭を垂れて頷く。
 まあ多分ラスターの前で色々言うのも嫌だと思って、料理の不満点を黙殺したって感じなんだろうけど……まったく、変な所で気を使う奴らだ。

「でも、ツカサ君……怒らない……?」
「怒るもんかよ。無言だったり具体的に言われないより、よっぽど良いと思うぞ? それに、アンタ達に無理させるくらいなら、文句言って貰った方がマシだ。俺は我慢させるために料理作ってんじゃないんだからな」

 まあぶっちゃけショックではあるし、完璧に作れなかった事への悔しさも有る。
 だけど、ラスターもブラックもクロウも、悪気が有って問題点を指摘したんじゃない。むしろ、俺の料理に期待をして、これがなければ……って思ってくれたから、問題点を挙げてくれたんだ。ソレが迷惑な訳がないだろう。

 俺を大事に思ってくれてるからこそ、言って欲しいんだよ。
 アンタらのためにメシ作ってんだから、喜んで貰えなきゃ意味がないんだし。

 そんな思いを込めての言葉に、ブラックとクロウは目を丸くして俺を凝視していたが……やがて安堵したかのように頬を緩めて肩の力を抜いた。

「今度は上手く作るからさ」
「うん……すっごく楽しみにしてるね!」
「オレも楽しみだ」

 優しくそう言うなりすぐに元気になる二人に苦笑して、俺は再びラスターの方へと振り向いた。

「ツカサ……」
「約束だからと思って張り切って作ったんだけど……ごめんな」

 再度そう言うと、ラスターは腕を組んで首を振った。

「いや、こっちこそ悪かった。お前が俺の為に作ってくれたのに、正直な事を言ってしまって……だからメラスにも注意されるのだが……」
「はは、メラスさんも大変だな」
「む……まあ、それはそれとして……お前は本当に素晴らしいな」
「え?」

 今度は俺が目を丸くしてしまうが、ラスターは俺を熱っぽい瞳で見つめながら、手を伸ばし俺の手を掴んで引き寄せた。
 ちょ、え、ちょっと。

「その気高い心根と、他人の事を思い気遣う行動……まさしく貴族の妻として相応しいものだ……! ますますお前の事を愛しく思うようになったぞ、ツカサ……」
「え゛……」
「ああ、早く用事を済ませてお前を口説き落としたいものだな」

 そう言って、俺の手の甲にキスをするラスター。
 思わず硬直してしまったが――背後から、またもや物凄い怒気が……。

「テメェなにしてんだ腐れ貴族――――ッ!!」
「ツカサに触れるな野暮男!!」
「うわああああ旦那方テーブルひっくり返すのやめてええええ!!」

 テーブルを大きく動かしながら立ち上がった二人のせいで、お皿がテーブルから勢いよく零れ落ちる。それをリオルが必死にキャッチするが、ブラックとクロウはそんな事しったこっちゃないとラスターに詰め寄ろうとする。

「わっ、うわっ、まて、待てったら! 落ちつけ二人とも!!」

 慌ててラスターを庇おうとするが、当の本人が手を放してくれない。
 ヴァー! テメエ今の状況わかってんのかー!!

「止めないでツカサ君こいつ殺す! 炎でカリカリになるまで焼き殺すからあ!」
「五枚おろしはまかせろ……」
「やめて、そういうの本当にやめて!! り、リオル頼むラスターどっかに連れて行ってー! このままだとここが惨劇の家になっちゃううううう」
「あいよ了解ー!!」
「お、おい!?」

 こういう時は頼りになるリオルが、素早く俺からラスターを引き剥がして台所から脱出する。いきなりの事に虚を突かれたのか、ラスターはリオルから逃れる事も出来ず、素直に連れて行かれてしまった。

 ほっ……よ、良かった……これで惨劇は回避されたぞ……。
 …………と、思ったのだが。

「ツーカーサーくぅーん……? この期に及んで、まあだあのクソ貴族の事を庇っちゃうんだねぇ……?」
「ヒッ」

 ち、地の底を這うような低い声が聞こえる。
 あかん、肩掴まれてる。掴まれてるけど見れない。ブラックの顔が見れないぃ。

「ツカサ……そんなにあの男の方が大事か……」

 あ、あああ、もう片方の肩まで誰かさんに捕まれてしまった……。
 やべえ、やべえんだけど見れない……目の前にやって来た二つの陰の顔が怖くて見れないいぃい!!

「我慢してようかと思ったけど……これはお仕置きしなくちゃいけないなぁ……」
「他のオスに媚を売った罰として……な……」

 ……こ、媚びなんて売ってません……。

 そう反論したかったが、最早俺には反論する事すら許されなかった。











※次はえろです(´・ω・`)朝からか
 
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