となりのソータロー

daisysacky

文字の大きさ
上 下
343 / 425
第14章

   24

しおりを挟む
(自分を縛っているもの?)
 なんだ、それは?
宗太郎には、先生の言っていることが、理解出来ない。
(なんでそんなことを言うのか?)
まるで先生は…宗太郎が何かを隠している、と決めつけている
ようじゃないか?
宗太郎はあらためて、先生が何かを企んでいるのだ、と感じる。
「それって…人違いなんじゃないですか?」
 自分は、先生の思うような人間じゃない…
先生に抗議するように、見返す。
すると、そんな宗太郎の表情を見るなり、
「あれ?おかしいなぁ」
見立て違いなのか?
先生はつぶやく。
「何で…キミは、自分を押し殺そうとするんだ?」
逆に、先生に問い詰められる。
「なんだって…」
そもそも、何もないに決まっているじゃないか!
そう言い返したいのに…
なおも執拗に、先生は強いまなざしで、宗太郎を見る。

「あの…」
 目をそらそうとすると、先生はポケットからロウソクを取り出し、
ライターで火をつける。
「炎を見るんだ」
有無も言わさぬ調子で、宗太郎の目の前に突き出す。
「キミは…10年前、何を見たんだ?」
ゆっくりと、宗太郎を誘導するように、先生は問いかける。
「何も…」
 ボヤボヤ…と、頭にモヤがかかりそうになり、宗太郎は目をそらそうと
する。
先生はいきなり、宗太郎の目の前で、指をパチンと鳴らした。
「あっ」
一瞬、頭の奥がスパークした。
まるで、電流が頭の中を駆け抜けたような衝撃を感じた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

冬の水葬

束原ミヤコ
青春
夕霧七瀬(ユウギリナナセ)は、一つ年上の幼なじみ、凪蓮水(ナギハスミ)が好き。 凪が高校生になってから疎遠になってしまっていたけれど、ずっと好きだった。 高校一年生になった夕霧は、凪と同じ高校に通えることを楽しみにしていた。 美術部の凪を追いかけて美術部に入り、気安い幼なじみの間柄に戻ることができたと思っていた―― けれど、そのときにはすでに、凪の心には消えない傷ができてしまっていた。 ある女性に捕らわれた凪と、それを追いかける夕霧の、繰り返す冬の話。

水曜日のパン屋さん

水瀬さら
ライト文芸
些細なことから不登校になってしまった中学三年生の芽衣。偶然立ち寄った店は水曜日だけ営業しているパン屋さんだった。一人でパンを焼くさくらという女性。その息子で高校生の音羽。それぞれの事情を抱えパンを買いにくるお客さんたち。あたたかな人たちと触れ合い、悩み、励まされ、芽衣は少しずつ前を向いていく。 第2回ほっこり・じんわり大賞 奨励賞

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

【4】ハッピーエンドを超えてゆけ【完結】

ホズミロザスケ
ライト文芸
大学一回生の佐野真綾(さの まあや)には、神楽小路君彦(かぐらこうじ きみひこ)という大切な恋人が出来たばかり。 大学祭、初デート、ファーストキス……一作目『胃の中の君彦』内でハッピーエンドを迎えた二人が歩む、その先の物語。 「いずれ、キミに繋がる物語」シリーズ四作目(メインの登場人物が共通しています)。単品でも問題なく読んでいただけます。 ※当作品は「カクヨム」「小説家になろう」にも同時掲載しております。(過去に「エブリスタ」にも掲載)

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

隣の席の美少女が何故か憐れむような目でこちらを見ているけど、僕には関係がないのでとりあえず寝る ひとりが好きなぼっちだっているんですよ?

プル・メープル
ライト文芸
『ひとりでいたい男子高校生と、どうしても構いたい女子高生の窓際ラブコメ!』 高校2年生の唯斗は今年も相変わらず、周囲の人間にに興味を持たないぼっち生活を送っていた。 しかし、席替えで隣になったのをきっかけに、落とした男も砕け散った男も数知れずと噂の美少女に話しかけられるようになる。 いつまでも興味を持たない唯斗と、何とかして心を開かせたいヒロインの、小さなバトル(ラブコメ)が今開幕する! この作品はカクヨムというサイトの方で、既に完結しているものを投稿しています。 先が早く読みたいという方は、そちらで読んで貰えるとありがたいです!

青空の彼方にて

鈴原りんと
ライト文芸
「この世界でオレたちが生きている理由、繋は知りたくないか?」  親友の一吹に不意にそう言われ、自身が生きる世界への疑問を思い出した西条繋。この世界には、青空しか存在しない、街の外へは出られないなど、常識的に普通とは思えない多くの謎があった。  好奇心から生まれた疑問に、世界への違和感を思い出した繋は、いつメンである四人と共に世界への秘密を探る決心をする。  自分たちがこの学校に通い、この不思議な世界で生きる意味は何なのか。その世界には、一体どんな秘密が隠されているのか。  「秘密」を探しに奮闘する五人の少年少女たちの物語。 ◇◇◇ 他サイト様にて連載していたものの改稿版となります。

処理中です...