となりのソータロー

daisysacky

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第3章

   13

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「あっ、入った!」
 清子が目ざとく、気が付く。
「うん」
清子と宗太郎は、近くの茂みに移動して、しばらくその場で
待機している。
「ねぇ、『じいちゃん、ただいま』って、言ってなかったか?」
かすかに、彼の声を聞いたような気がする。
「気のせいじゃない?」
そう言いながらも、清子のまぶたが、ピクピクと動いている。
(キヨちゃん…子供の頃から、変わってないなぁ)
清子は、ウソをつくと、マブタが痙攣するのだ。
(もっとも、本人は…気付いていないんだろうなあ)


 シンと静まり返った、廃屋の玄関を見つめる。
雑草が手前まではびこっていて、とても人の住む家には見えない。
「もしかして…アイツ、家出してきて、ここに住んでいるとか?」
宗太郎は頭をひねる。
「それか…ただ、ここに来ただけ…とか?」
わざわざ、そんなことをするだろうか?
「うーん」
 清子の言うことも、もっともだ。
冷静にそう言われてしまうと…宗太郎も、返す言葉が見つからない。
「そうかぁ~そうだよなぁ」
 もう少し、情報が欲しい。
今度は思いきって、茂みから出てみる。
「あっ、ちょっと」
清子が、止めようとする。
ただ宗太郎は、そこで生活をしている形跡がないか、確かめたかったのだ。

「ポストは?」
「えっ、ポスト?」
「郵便受けでもいい」
 玄関の扉には、新聞がたまっている様子もない。
郵便ポストらしきものもない。
 どういうことだ?
宗太郎は腕組みをして、考え込んだ。
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