地方公務員のおっさん、異世界へ出張する?

白眉

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第八章

8-13 ダウンタウンへ繰り出そう

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「ただいまぁ~。」
「あ、カズ様、お帰りなさいませ。」

 昼過ぎに宿に戻り、部屋に入った瞬間、倒れた。

「お貴族様の付き合いってのは、ほんとに疲れるんだな。」
「私どももそう思います。さ、どうぞ中に。ベリルさんカズ様に膝枕を。」
「はい!(やった)」

 ベリルさん何故かガッツポーズだ。

「皆、お昼ご飯食べた?」
「はい(((はい)))。」
「よかった。んじゃ、夕方までどうしようね。」
「お館様、もし宜しければ、私どもの服のお披露目をしたいのですが…。」
「そうだったね。あ、そう言えばアイナは?」
「何か面白いモノを見つけたらしく、街に行ってます。」
「んじゃ、都合がいいね。皆お願いしていいかい?」
「はい((はい))(え…)。」
「ん?どうしたベリル?」
「主殿…、せっかく膝枕が出来るのに、もうお終いだなんて…。」
「あ、ごめん。んじゃ、服を着替えてからもお願いできるかな。」
「はい!喜んで!」



「で、皆さん、何故に同じ服装なんでしょうか…。」

 4人が着ている服は、どう見てもゴスロリ服…、『お帰りなさい、旦那様。にゃん!』とか言うメイド喫茶風のコスチュームなんだが…。

「はい。それはカズ様が伯爵家のメイドやトーレスさんのお店の服をまじまじとご覧になられておいででした。」
「うん…、でもそれを知っているのはディートリヒだけだよね…。」
「はい。しかし、そこで優位に立ってもいけませんので、全員に共有しております。」
「そう…ですか…。」

 ど真ん中のどストライクです…。
もうチヤホヤされたいです…。もみくちゃでもいいです…。
しかし、そこは敢えて出してはいけない…。が、理性と本能が…。

「で、では、ベリル…、さっきの続きで膝枕をお願いします。」
「はい。よろこんで。にゃん」

いや、竜人族だから、そこは『がおー』だよ…。
と思うも、誘惑には抗う事はできない。

「どうですか、主殿。」
「うん。気持ちいいです。極楽です。」
「で、カズ様、誰が一番ですか?」
「ディートリヒ…、それを今決めろというのか…。」
「はい。」
「…無理だ。俺に優劣をつけることなど出来ない。それほどまでに君たちはパーフェクトだ!」
「では、4人でいたしましょうか。」

 しまった。そんな約束をしていた事を思い出した。

「へ、あ、あの約束ですね…。」
「はい。アイナも居ませんから…。是非お試しください、ご・主・人・様。」



 大運動会でした。
よく体力がもったものだ…。おそるべし52歳!
やる時はやるおっさん、自分で自分を褒めてあげたい。

「ところで、この服は皆同じ店で買ったんだろうな…。」
「はい、カズ様、魔道具を扱っているお店でした。」
「もしかして、そこもハイエルフさんが経営してたりするのか?」
「いえ、ハイエルフさんではありませんでしたが…ゴニョゴニョ。」
「そうか…。」

 何かディーさんが言ってたが、すでに俺の頭はゴスロリ衣装にシフトチェンジだ。
ゴスロリ・メイド服は素晴らしい。
あれ程までに緻密に精錬された服はないと思う。
A〇B4〇のようなカラフルなモノでなくていい…。モノトーンが良いのだ。
それがこの世界にマッチしている。否、同化していると言って過言でない。

「俺もいつか大きな屋敷に住むようなことがあったら、メイドさんに皆が着ていたような服を着させるのも良いかな。」
「お館様、それは心の声として聞いておきますが、お手付だけは止めておいた方がよいでしょう。」
「ん?それは何故かな?」
「主殿のお相手ができるような体力をもっている女性など、そうそうおりませんよ。」
「へ?俺そんなに動いていないけど…。寧ろお願いする方ばかりだけど…。」
「主様が動かずとも、我々をすぐにイかせてしまう技術が凄いのです。
 色街のブランディーヌ様にも教えていただきましたが、それ以上に主様の技術の方が凄いのです。」
「ん?そんなもんかな。」

 良くは分からん…。
何が良いのか、何が凄いのかを事細かに説明してくれるのだが、それはそれで恥ずかしい。
でも、お互いが愛し合うには良い事だと思っている。

「そういえば、さっきの服についていたヒラヒラの部分もそのお店で作っているのかい。」
「はい。一点一点手作りという事でした。」
「それじゃ、高かったんじゃないの。」
「いえ、安かったですよ。大銀貨15枚で購入できましたから。」

 それでも15万か…。下着よりは安いが、あのレースは魅力的だ。
今、下着のストックはB80くらいしかない…。
夕食まで2時間くらいか…。

「みな、今からその店に行ってみたいんだが。」
「やはりお館様はご興味がおありなんですね。
 分かりました。では、皆一緒に行きましょう。」





 その店はザックさんの店から5分程歩いた大通りから一本入った裏道にひっそりとたたずんでいた。

「主様、こちらです。」

 スピネルがちょこちょこと先に扉を開け入って行く。

「いらっしゃい。」

中で、女性の声が聞こえる。
出てこられたのは、ボンキュッボンの褐色のエルフさん…。
ハイエルフには見えないけど、エルフさんじゃん…。

「ふふ。殿方がこの店に入って来るなんて数百年ぶりだね。」
「お邪魔しますね。
昨日、ここにいる女性が服を買ったということを教えていただきましたので…。」
「あんた、“むっつりスケベ”かい?」

ん?懐かしい言葉を聞いたような気がする。

「あの、今何と?」
「あぁ、“むっつりスケベ”の事か?」
「そうです。その言葉を何故知っているのかと。」
「数百年前、ひょいと現れた男に教えてもらったんだよ。」
「もしかして、“ヲタ”とか“アキバ”とか“メイド喫茶”とか言ってませんでしたか?」
「あぁ、言ってたね。」

はい、“迷い人”さん、この都市にも出現報告がありました。
しかし、俺が行くところ“迷い人”さん有りだな。“迷い人”さん巡礼の旅だ。

「そのヒトは“渡り人”ですね。」
「あぁそう言ってた。確か自分のことを“シャトー”と言ってたような…。」

シャトー?あ、サトウさんね。
うん。一般的な名前だ。割り出すこともできんよ。

「俺も“渡り人”なんです。あ、俺、ニノマエと言います。」
「そうなのかい?あたしはアデリンだ。よろしく。
 で、ご用件は?」
「アデリンさんの店でメイド服といいますか…」
「あぁ、“ゴスポリ”だろ?」
「え、ゴスポリ?」
「シャトーが言ってた。あの服はゴスポリだと。」
「えと、それは“ゴスロリ”というものですね。」
「まぁ、名前はどうでも良いが、あれは良いだろ?一部の貴族の間でも人気でな。」

 やはり、その道のヒトは居るんだ…。

「それで、お願いしたいことが2つありまして…。」
「ん?何だ?金になることなら何でもするぞ。」
「では、ゴスポリについているあのフリフリの部分を仕入れたいのですがどうでしょう?」
「何に使うんだ?」
「これです。」

 俺は下着を見せた。

「あぁ、久しく見てなかったが、大昔にシャトーが泣いて作ってくれと言ってたやつだな。」

 俺、サトーさんと同じレベルだ…。
同属だよ、完全に。

「はい。これを今度作ることになりました。」
「何?ほんとに作れるのか。」
「はい。そのための工場もノーオの街に建設しています。」
「そうか、奴の夢が叶ったという訳だな…、それは良かった。」
「で、フリフリの部分は?」
「勿論大丈夫だ。ただし、月で言えば10m作れるかどうかだが。」
「構いません。では10mをおいくらで」
「そんなのあんたに任せるよ。」
「んじゃ、金貨1枚、勿論それ以上であればもっと嬉しいです。」
「ほぉ、太っ腹だね。よし、請け合おう。そうさね、それだけあれば20mはかたいね。」
「では、よろしくお願いします。次なんですが…。
 ゴスポリの服に必要なモノなんですが、こんなモノを作ってみませんか?
 勿論、俺もたくさん買います。」

 俺は持っていたノートに絵を描いた。

「あんた、これはストッキングと言って、どこでも売ってるもんだ。ただなぁ、ずり落ちるんだよ。」
「ずり落ちないために必要なものがこれなんですよ。」

 俺は描いた絵を指さす。

「ほう、これは一体なんだい?」
「これは、ガーターベルトと言います。」
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