50 / 57
第一部 第二章
四十九話
しおりを挟む
49
「お前はそっちの棚を調べろ」
「了解っす」
資料は全く整頓がされていない状態で、シスターも何処に何があるのか分からないと言っていた。
ハルトと手分けして探しているが、
寄付の記録に孤児院関連の資料など、余計なものしか見つからない。
「ん? これは――」
ハラりと、本の中から一枚の肖像画が落ちた。
そこには真っ赤な瞳の双子が描かれていて、背景には血塗られたように真っ赤な教会がある。
二人の双子は向き合って、ヒビが入った地面の上で魔術のようなものを用いて戦っている。
「創世神話・・・」
肖像画が挟まれていた本を開き、目を通す。
【創世神話・回顧録】
天が大地を創造し、生命が誕生した。同時に、悪しき存在が大地を支配する。
天界の主は地上へ干渉する術を持たない。二人の遣いを地上へ送った。
遣いの一人は人々に希望を与える光となり、もう一方の遣いは安寧を与える闇となった。
救世の双子は、四人の人間に出会った。偉大なる天の導きによって、行動を共にする。
希望と浄化、光を司る遣いは魔物を退けた。
安寧と秩序、闇を司る遣いは魔物を北の森へ封じ、人々に安寧をもたらした。
人々は偉大なる天へ信仰を捧げた。
人々の祈りを受け取った救世の双子は、天を代行し、その願いを叶える存在となった。
醜い欲望を持つ願いを受けた。闇を司る遣いは人々の闇に惹かれ、その願いに応えた。
世の秩序を乱した闇の遣いは、堕天した。
闇の遣いは人々の欲望に染まり、唯一の天の代行者になることを望んだ。
光の遣いと闇の遣いの激しい争いが始まる。
四十九日に及ぶ争いにより、大地は二つに分断され、天から真っ赤な雨が降り注いだ。
光の遣いは自らの肉体を代償に、闇の遣いを永い檻の中へ封印した。
四人の追随者は光の遣いの命を受け、四つの地を守護することを誓った。
四つの線が交わる場所に深い闇が封印され、光の遣いはその地に城を建てるよう命じた。
光の遣いによって創造された新たな代行者は、広大な土地の主となり封印を守る鍵となるであろう。
「お前はそっちの棚を調べろ」
「了解っす」
資料は全く整頓がされていない状態で、シスターも何処に何があるのか分からないと言っていた。
ハルトと手分けして探しているが、
寄付の記録に孤児院関連の資料など、余計なものしか見つからない。
「ん? これは――」
ハラりと、本の中から一枚の肖像画が落ちた。
そこには真っ赤な瞳の双子が描かれていて、背景には血塗られたように真っ赤な教会がある。
二人の双子は向き合って、ヒビが入った地面の上で魔術のようなものを用いて戦っている。
「創世神話・・・」
肖像画が挟まれていた本を開き、目を通す。
【創世神話・回顧録】
天が大地を創造し、生命が誕生した。同時に、悪しき存在が大地を支配する。
天界の主は地上へ干渉する術を持たない。二人の遣いを地上へ送った。
遣いの一人は人々に希望を与える光となり、もう一方の遣いは安寧を与える闇となった。
救世の双子は、四人の人間に出会った。偉大なる天の導きによって、行動を共にする。
希望と浄化、光を司る遣いは魔物を退けた。
安寧と秩序、闇を司る遣いは魔物を北の森へ封じ、人々に安寧をもたらした。
人々は偉大なる天へ信仰を捧げた。
人々の祈りを受け取った救世の双子は、天を代行し、その願いを叶える存在となった。
醜い欲望を持つ願いを受けた。闇を司る遣いは人々の闇に惹かれ、その願いに応えた。
世の秩序を乱した闇の遣いは、堕天した。
闇の遣いは人々の欲望に染まり、唯一の天の代行者になることを望んだ。
光の遣いと闇の遣いの激しい争いが始まる。
四十九日に及ぶ争いにより、大地は二つに分断され、天から真っ赤な雨が降り注いだ。
光の遣いは自らの肉体を代償に、闇の遣いを永い檻の中へ封印した。
四人の追随者は光の遣いの命を受け、四つの地を守護することを誓った。
四つの線が交わる場所に深い闇が封印され、光の遣いはその地に城を建てるよう命じた。
光の遣いによって創造された新たな代行者は、広大な土地の主となり封印を守る鍵となるであろう。
73
お気に入りに追加
193
あなたにおすすめの小説



社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!
乙女ゲームが俺のせいでバグだらけになった件について
はかまる
BL
異世界転生配属係の神様に間違えて何の関係もない乙女ゲームの悪役令状ポジションに転生させられた元男子高校生が、世界がバグだらけになった世界で頑張る話。

無自覚な
ネオン
BL
小さい頃に母が再婚した相手には連れ子がいた。
1つ上の義兄と1つ下の義弟、どちらも幼いながらに
イケメンで運動もでき勉強もできる完璧な義兄弟だった。
それに比べて僕は周りの同級生や1つ下の義弟よりも小さくて
いじめられやすく、母に教えられた料理や裁縫以外
何をやっても平凡だった。
そんな僕も花の高校2年生、1年生の頃と変わらず平和に過ごしてる
それに比べて義兄弟達は学校で知らない人はいない
そんな存在にまで上り積めていた。
こんな僕でも優しくしてくれる義兄と
僕のことを嫌ってる義弟。
でも最近みんなの様子が変で困ってます
無自覚美少年主人公が義兄弟や周りに愛される話です。

BLゲームの世界でモブになったが、主人公とキャラのイベントがおきないバグに見舞われている
青緑三月
BL
主人公は、BLが好きな腐男子
ただ自分は、関わらずに見ているのが好きなだけ
そんな主人公が、BLゲームの世界で
モブになり主人公とキャラのイベントが起こるのを
楽しみにしていた。
だが攻略キャラはいるのに、かんじんの主人公があらわれない……
そんな中、主人公があらわれるのを、まちながら日々を送っているはなし
BL要素は、軽めです。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる