第10回BL小説大賞

第10回BL小説大賞

選考概要

アンダルシュ創設後二度目であり、前回の応募数を大きく上回ることとなった第10回BL小説大賞。全2397作品の中から一次選考を通過し、最終選考に進んだのは37作品。
その後さらに検討を続け、大賞候補に残ったのは、「エロゲーの悪役に転生したはずなのに気付けば攻略対象者になっていた」「迷い子の月下美人」「お飾り婿の嫁入り~血の繋がらない息子の為に婿入り先の悪事を暴露したら王様の側妃になりました~」「妹が公爵家との婚約を破棄したので、代わりに出来損ないの次男が売られました」「三十代で再召喚されたが、誰も神子だと気付かない【本編完結】」「召し使い様の分際で」「悪役令息の役目も終わったので第二の人生、歩ませていただきます ~一年だけの契約結婚のはずがなぜか公爵様に溺愛されています~」「奴隷を買って丸洗いしたら超好みだったので、相棒として仲を深めつつダンジョン攻略する」「血まみれの将軍は愛を乞う」「【完結】冴えない?大学生がイケメン会社役員に溺愛される」「転生先で奴隷を買ったら溺愛された」の11作品。

これらの候補作の中で、編集部内で最も高い評価を集めた「三十代で再召喚されたが、誰も神子だと気付かない【本編完結】」を大賞に選出。またポイント最多として読者賞に「エロゲーの悪役に転生したはずなのに気付けば攻略対象者になっていた」が選出された。さらにテーマ別賞として、ファンタジーBL賞に「召し使い様の分際で」「血まみれの将軍は愛を乞う」の2作品、異世界転生・転移BL賞に「転生先で奴隷を買ったら溺愛された」、現代BL賞に「【完結】冴えない?大学生がイケメン会社役員に溺愛される」を選出した。
また特別賞として「お飾り婿の嫁入り~血の繋がらない息子の為に婿入り先の悪事を暴露したら王様の側妃になりました~」「妹が公爵家との婚約を破棄したので、代わりに出来損ないの次男が売られました」の2作品を選出した。
なお、最終選考に残ったものの、惜しくも受賞に至らなかった作品を奨励賞とした。


「三十代で再召喚されたが、誰も神子だと気付かない【本編完結】」は、異世界に再召喚された主人公が、1度目の召喚では天敵だった公爵と恋に落ちる物語。ストーリー構成が巧みであり、キャラクターの感情変化や葛藤がとても丁寧に描かれているところなど、物語全体を通してクオリティが高く評価された。

「エロゲーの悪役に転生したはずなのに気付けば攻略対象者になっていた」は、エロゲーの悪役に転生した主人公が、いつの間にかゲームの主人公である攻めに溺愛され始めるコミカルな話。どこか素直じゃない主人公や、主人公に大きな愛情を注ぐ攻めなど、キャラクターが魅力的な作品だった。

「召し使い様の分際で」は、マイペースでピュアな主人公と、ぶっきらぼうだけど面倒見の良い双子獣人王子のBLラブコメディ。終始テンポよく描かれた物語と、可愛らしくも魅力的な要素が組み込まれたキャラクター設定で、楽しく読める作品であった。

「血まみれの将軍は愛を乞う」は、催眠術師が強面将軍を催眠術で虜にするよう命じられる、という惹きのある出だし。将軍の気持ちが催眠術によるものなのか本心なのか、と葛藤する主人公の心情がうまく描かれており、話もとても綺麗にまとまっていた。

「転生先で奴隷を買ったら溺愛された」は、ワケアリで奴隷になっていた王子が主人公を甘々に溺愛する王道ストーリー。転生によるチートスキルがうまく物語に組み込まれており、二人が徐々に信頼関係を深めていく描写が丁寧に描かれていた。

「【完結】冴えない?大学生がイケメン会社役員に溺愛される」は、愛されることを知らなかった主人公が、年上のスパダリに溺愛される物語。目の前に現れるハードルを、二人で手を取り合って乗り越える様子が魅力的に描かれていて、現代BLとして読み応えがあった。

「お飾り婿の嫁入り~血の繋がらない息子の為に婿入り先の悪事を暴露したら王様の側妃になりました~」は、義理の息子を守るために婿入り先の家を告発した主人公が、攻めとゆっくり関係を深めていくじれじれラブストーリー。可愛い息子にほっこり癒される子育てBLとしても楽しく読むことができた。

「妹が公爵家との婚約を破棄したので、代わりに出来損ないの次男が売られました」は、虐げられたうえに実家から追い出された主人公が、自力で居場所を掴んでいく話。王道の転生BLで話に入り込みやすく、信頼関係から恋愛関係へと変わる様子が非常に微笑ましい作品だった。

このほか、大賞候補作の中には是非出版化を進めたい、あるいは出版化の道を探りたい魅力のある作品が数多くあり、個別に連絡をしていく予定である。同じく大賞候補作以外にも出版化を検討したい作品もあり、編集部より個別にオファーあるいは出版化への挑戦の打診をしていきたい。

開催概要はこちら
応募総数 2,397作品 開催期間 2022年11月01日〜末日

編集部より

主人公であるかつての神子が再召喚されたのに、現実世界と異世界の時間軸の差から誰も気づかない…というすれ違いがもどかしくも面白く、設定と構成が光る作品でした。想いが通じ合う大団円に、二人の今後の幸せを確信しました。


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。BL小説だけでなくファンタジー小説としても、満足度の高い作品です。キャラクターたちも非常に魅力的なので、多くの読者が引きつけられたことにも納得です。


編集部より

まずインパクトのあるタイトルにぐっと惹かれました。妖精族の血を引く主人公がひ弱ながら明るく積極的な性格で、タイトル通りに攻めの二人を振り回す様が非常に愛らしく、読んでいてとにかく楽しい作品でした。


編集部より

催眠術師というオリジナリティあふれる設定を活かした構成が魅力的な作品でした。攻めの気持ちが本心なのか、催眠術によるものなのかと葛藤する主人公の心情も丁寧に描かれていて、読者からの人気もうなずけます。


編集部より

物語冒頭のテンポの良い展開にぐっと惹かれました。その後に続く純粋な主人公と、心身共に傷を負った攻めの丁寧な心情描写が非常に印象的で、二人の関係性の進展に納得を感じざるを得ない素敵な作品でした。


編集部より

愛されることを知らなかった主人公に、溺れるほどの愛をスパダリな攻めが注ぎ込む物語で、最後まで大変楽しく読むことができました。すれ違いや、目の前のハードルを乗り越えて結ばれた二人の幸せな様子も素敵です。


編集部より

愛する我が子のため運命に抗おうと奮闘する主人公に惹かれました。恋愛描写はもちろんのこと、子どもとの関係性も非常に丁寧に描かれていて、最後までドキドキしながら読み進めさせていただきました。


編集部より

ひたむきで健気だけど劣等感を抱く主人公が、冷徹と言われているものの実は優しい公爵と仕事を通じて距離を縮めていく様子が丁寧に描かれており、終始ほっこりしながら読ませていただきました。

※受賞作については大賞ランキングの最終順位を追記しております。

奨励賞

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