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Ⅲ 奪取の魔女
第53話 だって貴方は私の希望だから
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ノルンが多い。ウルド様がいるのを分かっているからだ。けどどうしてだろう。それまでノルンたちは、わたしたちと遭遇すると必ず攻撃しかけてきたのに、わたしたちがいても攻撃仕掛けてこない。
それよか、横を通り過ぎても何もしてこない。何なの。ノルンたちも儀式みたいに雷を見つめ、微動だにしない。
動かないのは好都合。だけど、おかしい。こんなの、ノルンじゃない。動かない相手を斬るのは、些か心が。
学校にだんだん近づくと、雷を落とす音とともに地震が地面を伝って伝わってくる。建物が一気に崩壊し、崩れた欠片が頭上から落ちてくる。
道路もひび割れて、真っ二つに別れてる地面もある。西側のほうは、大丈夫だろうか。建物は崩壊していなくても、この揺れ、街全体に伝わっているはずだ。
この揺れで、新たに死傷者が。
ナズナ先輩、マナミ先輩は大丈夫だろうか。駄菓子屋のおばちゃんも、パン屋の直美さんも、声をかけてくれてた活きのいいおじさんも、みんな大丈夫だろうか。
そんな心配が頭によぎった。
それに一度も見かけていない、スズカ先輩も。今何処にいるのか分からない。
「スズカ先輩、途中まで一緒だったけどな」
リュウがボソリと呟いた。
あのとき、本当ならリュウの他にもスズカ先輩がいたらしい。スズカ先輩があのときいたら、一喝のあとに往復ビンタ。だと思う。
けど、リュウは「だった」という。
わたしたちが酷い目に合わされてるときに、もうノルンは襲撃していたとなる。わたしたちが知らない間に。それじゃあ、スズカ先輩はもうとっくに、学校にいるはず。
§
何度も雷を落とされ、大きな地震が襲う。建物全体がぐらぐら揺れ、もうここも危うい。学校には先生たちはいない。みんなして外出している。保健室の主のマリア先生も、ハヤミ先生と何処かに行くと言って、外出している。
寮にはもちろん、生徒がいるでしょうけど、学校の中でいるのは私だけ。動けない私は、この揺れに耐えるしかない。
隣にはバディがいて助かった。
動ける薬を飲んで、すぐにここを立ち去らないと。すると保健室に、ドタバタと足音をたてて何者かが入ってきた。
「スズカさん……」
「マドカ! 大丈夫!?」
普段汗をかかないスズカの額には、びっしりと脂汗がわき、頬を流れてる。焦った様子で保健室に入ってきた。
「マドカ! 逃げますわよ!」
私のそばにくると、背中を向けた。その態勢は、私を背中に乗せる態勢だ。二人きりのときは、スズカさんは素をみせるけど、誰かがいる目の前でその態度は、絶対見せない。徹底していた。
スズカさんは、それでも態勢を変えなかった。うつむいて、表情ほ読み取れない。一体どこから学校まで走ってきたのか、肩で息をしていた。それを整える暇もなく、逃げるように動いている。
「さっき、薬を飲んで……しまったので」
「そんな効果を待つよりも、逃げるのが早いですわ!」
恐る恐るスズカさんの首元に腕をまわした。同じ女の子で、同じ歳なのにこんなに頼れる背中を見たのは、初めて。
恐る恐る首元に腕をまわすと、スズカさんが足を掴んで、担いだ。やっぱり同じ歳ごろの女の子におんぶされてるのは、恥ずかしい。
それに、スズカさんは私よりも細いし、今にして恥辱心がかっと溢れた。
「わっ! 私、重いと思うので、その……」
「喋ると舌噛みますわよ」
スズカさんは、私をおんぶするとゆっくり歩いた。崩れ始める校舎。棚に入っている薬瓶が雨のように降ってくる。
窓ガラスも割れて、廊下はめちゃくちゃ。裸足のまま進んでいたら、踏むところでした。何度も落ちていく雷に、学校が学校じゃない。
普段の景色が、目を疑う景色。
信じられないけど、ノルンが攻めてきた現実を、受け入れるしかない。
火薬と血の臭いが、風の運びで鼻孔に飛んできた。頭をガンガンいわせる強烈な臭いだ。特に血の臭いが濃ゆい。鼻孔がおかしくなる。
街の方から離れてるのに、助けてと泣き叫ぶ声が。凄惨な光景が目に浮かぶ。この体じゃなかったら、すぐに駆けつけていた。
「どうしてノルンは、地上に降りてきたのでしょう?」
「ゲートを壊したそうですわ」
「いえ、そこからの道もありますけど……ゲートを壊したら、魔女に伝わるはず。それがありませんでした」
マドカの真剣な問いかけに、スズカは、目を伏せた。
「……そんなの、今考えるものではありませんわ。攻めてきたら、ノルンから人を守るしかない」
「そうですね」
マドカはふと気づいた。ここに来るまで、いくつものノルンと遭遇したはず。なのに、スズカさんには魔女具を使った形跡がない。
魔女が魔女具を使えるのは通常は宇宙空間。けれど、地上に召喚しないといけないとき、そのときは、バディが必然的にいないと召喚できない。
スズカさんのバディの姿はいない。バディなしは、魔女具なし。どうやってここまでやってきたのか。
「スズカさん、バディはいらっしゃらないのですか?」
「あいつは西側に逃げてる。ノルンと遭遇したけど、後輩たちが何とかしてくれたわ」
つまり、スズカさんは魔女具を使えない。私が守らないと。私は今バディと合流してるから唯一魔女具を使える。
後輩たちも抑えられないノルンと遭遇したら、私が盾になるしかない。
もうすぐ外の扉が。あそこを出れば、外だ。外の光だけが、暗闇の中淡く光っている。スズカさんの足取りが急に早くなった。焦ったように。私は少しでも歩を遅めようとした。だって、外にはノルンの群れが。私ならまだしも、スズカさんが餌食になる。
「スズカさん、待ってください!」
「いつ崩壊するか分からない建物の中にいろ、と申しますの!?」
バディも顔色を暗くした。
何度も何度も落ちてくる雷に、校舎は耐えきれない。3階のほうは炎の海に包まれている。この1階も炎に包まれるのは時間の問題。穴が空いて、その空洞にある支柱がなくなると一気に崩壊する。
「スズカさん、アリス様を守らないと」
「分かっていますわ」
「私よりも、アリス様のところに――」
いきなり、爆炎が襲った。
その爆炎で建物が一気に崩壊する。恐れていたことが現実に。雪崩のように崩壊し、炎が一気に拡散した。たちまち辺りは火の海に。
熱い。
灼熱地獄みたい。今すぐ服を脱いでしまいたいほど熱い。どうして急に、こんな暑さが。そっと目を覚ますと、視界が暗い。瓦礫の下にいるからだ。瓦礫の山に埋もれてる。
赤い炎がすぐそこを包んでいる。
でも、それなのに傷一つついていない。それは、スズカさんが私を庇うように覆っていたから。
ポタポタと真上から滴り落ちてくる、赤い血。スズカさんの頭から。
「す、スズカさん」
「っ……」
意識がある。苦しそうに顔を歪めた。
呼吸ができるのは、ちょうど空洞があるところに埋もれたから。私が生きているということは、彼は死んでいない。逆もまた然り。
こんな瓦礫、魔女具で払えばすぐだ。でも、スズカさんは私の腕を掴んだ。冷たい。こんなに熱いのに、スズカさんの体温だけは氷みたい。
「やっと、守れた……」
とても、消え入りそうな声。呼吸。満足げに満ちた表情。私は、スズカさんの態勢を軽くしようと動いた。でも、スズカさんは「このままで」と私の行動を静止させた。
スズカさんはポツリポツリ、その胸に秘めた想いを告げた。
「わたくしを庇ったときから、貴方はずっと損してる。損して、損して、挙句の果に大事なものも失って、わたくしはそんな貴方を見ていられなかった。最強だから、強いから、みんなして貴方を損な役につける。それで宜しいの? わたくしは許せなかった。だから嫌われていましたけど、でも、こうして、守ることができた。あのときの恩返しができた」
滴り落ちたのは、赤い血だけじゃない。透明な雫。その雫は、つうと頬を伝った。
スズカさんは、あのときからずっと私の周りのことをよくやってくれた。それは、ほんとに罪滅ぼしで。弁当も、水筒も、楽しく話した会話も全部。
「私は友達だと思っていました」
急に涙が込上がってきた。
罪滅ぼしだって、思ってても、スズカさんといるとそんなの忘れる。忘れてた。
スズカさんの体温がより冷たくなった。熱い空気が忘れる。
「わたくしの最高の友達ですわ。だって、貴方はわたくしの希望ですから」
にこと微笑んだ。
それは、とても幸せに満ちた表情で。
スズカさんはゆっくり、落ちてきた。スローモーション。彼女が支えてた瓦礫が降ってくる。
肩に落ちてきたとき、彼女の鼓動、呼吸をしていない。苦しかったでしょう。暑かったでしょう。でも、彼女は幸せに満ちた表情で天に召された。
スローモーションで崩れてきたものが、私たちの上を被る前に、大鎌を召喚。瓦礫の山を振り払った。
地上へ。
一帯の瓦礫も薙ぎ払い、バディも助ける。彼は、気絶はしてるものの怪我はしていない。
外の空気は、決して新鮮なものじゃなかった。火に覆われた火薬の空気だった。
それよか、横を通り過ぎても何もしてこない。何なの。ノルンたちも儀式みたいに雷を見つめ、微動だにしない。
動かないのは好都合。だけど、おかしい。こんなの、ノルンじゃない。動かない相手を斬るのは、些か心が。
学校にだんだん近づくと、雷を落とす音とともに地震が地面を伝って伝わってくる。建物が一気に崩壊し、崩れた欠片が頭上から落ちてくる。
道路もひび割れて、真っ二つに別れてる地面もある。西側のほうは、大丈夫だろうか。建物は崩壊していなくても、この揺れ、街全体に伝わっているはずだ。
この揺れで、新たに死傷者が。
ナズナ先輩、マナミ先輩は大丈夫だろうか。駄菓子屋のおばちゃんも、パン屋の直美さんも、声をかけてくれてた活きのいいおじさんも、みんな大丈夫だろうか。
そんな心配が頭によぎった。
それに一度も見かけていない、スズカ先輩も。今何処にいるのか分からない。
「スズカ先輩、途中まで一緒だったけどな」
リュウがボソリと呟いた。
あのとき、本当ならリュウの他にもスズカ先輩がいたらしい。スズカ先輩があのときいたら、一喝のあとに往復ビンタ。だと思う。
けど、リュウは「だった」という。
わたしたちが酷い目に合わされてるときに、もうノルンは襲撃していたとなる。わたしたちが知らない間に。それじゃあ、スズカ先輩はもうとっくに、学校にいるはず。
§
何度も雷を落とされ、大きな地震が襲う。建物全体がぐらぐら揺れ、もうここも危うい。学校には先生たちはいない。みんなして外出している。保健室の主のマリア先生も、ハヤミ先生と何処かに行くと言って、外出している。
寮にはもちろん、生徒がいるでしょうけど、学校の中でいるのは私だけ。動けない私は、この揺れに耐えるしかない。
隣にはバディがいて助かった。
動ける薬を飲んで、すぐにここを立ち去らないと。すると保健室に、ドタバタと足音をたてて何者かが入ってきた。
「スズカさん……」
「マドカ! 大丈夫!?」
普段汗をかかないスズカの額には、びっしりと脂汗がわき、頬を流れてる。焦った様子で保健室に入ってきた。
「マドカ! 逃げますわよ!」
私のそばにくると、背中を向けた。その態勢は、私を背中に乗せる態勢だ。二人きりのときは、スズカさんは素をみせるけど、誰かがいる目の前でその態度は、絶対見せない。徹底していた。
スズカさんは、それでも態勢を変えなかった。うつむいて、表情ほ読み取れない。一体どこから学校まで走ってきたのか、肩で息をしていた。それを整える暇もなく、逃げるように動いている。
「さっき、薬を飲んで……しまったので」
「そんな効果を待つよりも、逃げるのが早いですわ!」
恐る恐るスズカさんの首元に腕をまわした。同じ女の子で、同じ歳なのにこんなに頼れる背中を見たのは、初めて。
恐る恐る首元に腕をまわすと、スズカさんが足を掴んで、担いだ。やっぱり同じ歳ごろの女の子におんぶされてるのは、恥ずかしい。
それに、スズカさんは私よりも細いし、今にして恥辱心がかっと溢れた。
「わっ! 私、重いと思うので、その……」
「喋ると舌噛みますわよ」
スズカさんは、私をおんぶするとゆっくり歩いた。崩れ始める校舎。棚に入っている薬瓶が雨のように降ってくる。
窓ガラスも割れて、廊下はめちゃくちゃ。裸足のまま進んでいたら、踏むところでした。何度も落ちていく雷に、学校が学校じゃない。
普段の景色が、目を疑う景色。
信じられないけど、ノルンが攻めてきた現実を、受け入れるしかない。
火薬と血の臭いが、風の運びで鼻孔に飛んできた。頭をガンガンいわせる強烈な臭いだ。特に血の臭いが濃ゆい。鼻孔がおかしくなる。
街の方から離れてるのに、助けてと泣き叫ぶ声が。凄惨な光景が目に浮かぶ。この体じゃなかったら、すぐに駆けつけていた。
「どうしてノルンは、地上に降りてきたのでしょう?」
「ゲートを壊したそうですわ」
「いえ、そこからの道もありますけど……ゲートを壊したら、魔女に伝わるはず。それがありませんでした」
マドカの真剣な問いかけに、スズカは、目を伏せた。
「……そんなの、今考えるものではありませんわ。攻めてきたら、ノルンから人を守るしかない」
「そうですね」
マドカはふと気づいた。ここに来るまで、いくつものノルンと遭遇したはず。なのに、スズカさんには魔女具を使った形跡がない。
魔女が魔女具を使えるのは通常は宇宙空間。けれど、地上に召喚しないといけないとき、そのときは、バディが必然的にいないと召喚できない。
スズカさんのバディの姿はいない。バディなしは、魔女具なし。どうやってここまでやってきたのか。
「スズカさん、バディはいらっしゃらないのですか?」
「あいつは西側に逃げてる。ノルンと遭遇したけど、後輩たちが何とかしてくれたわ」
つまり、スズカさんは魔女具を使えない。私が守らないと。私は今バディと合流してるから唯一魔女具を使える。
後輩たちも抑えられないノルンと遭遇したら、私が盾になるしかない。
もうすぐ外の扉が。あそこを出れば、外だ。外の光だけが、暗闇の中淡く光っている。スズカさんの足取りが急に早くなった。焦ったように。私は少しでも歩を遅めようとした。だって、外にはノルンの群れが。私ならまだしも、スズカさんが餌食になる。
「スズカさん、待ってください!」
「いつ崩壊するか分からない建物の中にいろ、と申しますの!?」
バディも顔色を暗くした。
何度も何度も落ちてくる雷に、校舎は耐えきれない。3階のほうは炎の海に包まれている。この1階も炎に包まれるのは時間の問題。穴が空いて、その空洞にある支柱がなくなると一気に崩壊する。
「スズカさん、アリス様を守らないと」
「分かっていますわ」
「私よりも、アリス様のところに――」
いきなり、爆炎が襲った。
その爆炎で建物が一気に崩壊する。恐れていたことが現実に。雪崩のように崩壊し、炎が一気に拡散した。たちまち辺りは火の海に。
熱い。
灼熱地獄みたい。今すぐ服を脱いでしまいたいほど熱い。どうして急に、こんな暑さが。そっと目を覚ますと、視界が暗い。瓦礫の下にいるからだ。瓦礫の山に埋もれてる。
赤い炎がすぐそこを包んでいる。
でも、それなのに傷一つついていない。それは、スズカさんが私を庇うように覆っていたから。
ポタポタと真上から滴り落ちてくる、赤い血。スズカさんの頭から。
「す、スズカさん」
「っ……」
意識がある。苦しそうに顔を歪めた。
呼吸ができるのは、ちょうど空洞があるところに埋もれたから。私が生きているということは、彼は死んでいない。逆もまた然り。
こんな瓦礫、魔女具で払えばすぐだ。でも、スズカさんは私の腕を掴んだ。冷たい。こんなに熱いのに、スズカさんの体温だけは氷みたい。
「やっと、守れた……」
とても、消え入りそうな声。呼吸。満足げに満ちた表情。私は、スズカさんの態勢を軽くしようと動いた。でも、スズカさんは「このままで」と私の行動を静止させた。
スズカさんはポツリポツリ、その胸に秘めた想いを告げた。
「わたくしを庇ったときから、貴方はずっと損してる。損して、損して、挙句の果に大事なものも失って、わたくしはそんな貴方を見ていられなかった。最強だから、強いから、みんなして貴方を損な役につける。それで宜しいの? わたくしは許せなかった。だから嫌われていましたけど、でも、こうして、守ることができた。あのときの恩返しができた」
滴り落ちたのは、赤い血だけじゃない。透明な雫。その雫は、つうと頬を伝った。
スズカさんは、あのときからずっと私の周りのことをよくやってくれた。それは、ほんとに罪滅ぼしで。弁当も、水筒も、楽しく話した会話も全部。
「私は友達だと思っていました」
急に涙が込上がってきた。
罪滅ぼしだって、思ってても、スズカさんといるとそんなの忘れる。忘れてた。
スズカさんの体温がより冷たくなった。熱い空気が忘れる。
「わたくしの最高の友達ですわ。だって、貴方はわたくしの希望ですから」
にこと微笑んだ。
それは、とても幸せに満ちた表情で。
スズカさんはゆっくり、落ちてきた。スローモーション。彼女が支えてた瓦礫が降ってくる。
肩に落ちてきたとき、彼女の鼓動、呼吸をしていない。苦しかったでしょう。暑かったでしょう。でも、彼女は幸せに満ちた表情で天に召された。
スローモーションで崩れてきたものが、私たちの上を被る前に、大鎌を召喚。瓦礫の山を振り払った。
地上へ。
一帯の瓦礫も薙ぎ払い、バディも助ける。彼は、気絶はしてるものの怪我はしていない。
外の空気は、決して新鮮なものじゃなかった。火に覆われた火薬の空気だった。
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