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誘ってもいいかな
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スマホのホーム画面に写っているのは、撮らせて貰った二匹の雷狼だ。ハイメくんは写ってないけど、意味も無くスマホを触っては見てしまう。
今も、一日の終わりにスマホを見ていると、チャット型SNSの通知が来る。
ハイメくんで、開いて見ると写真が送られてきていた。綺麗な海の写真だ。
『綺麗』
『でしょ。昼に箒で飛びに行ってたら綺麗だったから。グラは何してたの?』
『魔法の練習してた』
『偉い。勉強熱心だね』
『そんなことないよ』
連絡先を交換してからは、こんな風にチャットで話す様になった。こうやって些細な事だけど、毎日話している。
でも、チャットだけじゃなくて、実際に話す事だってある。昨日だってそうだ。
「ハイメくん」
彼が誰かと居たら難しいけど、一人だったから自分から話し掛けてみた。
「わっ、ビックリした。グラか」
ハイメくんの尻尾が、ぶわっと飛び出したかと思ったら無くなった。
「私もビックリしたよ。尻尾出てた」
「最近、驚くと出ちゃうんだよね。なんか上手く制御出来ない」
「そうなんだ。大変だね」
「まぁ、雷が出てないからまだマシだけど。グラは、どうしたの? 何か用あった?」
「ううん、見かけたから話しかけちゃった。ハイメくんは一人? 珍しいね」
「みんな用事があったみたいで、グラも一人なの珍しいね。あ、これあげる。美味しかったよ」
苺味のキャンディーを貰う。
「じゃあ、私も」
ポッケに入れていたレモン味のキャンディーを渡す。
いつか会えたら渡そうって思ってたやつだ。
少しの時間だし大したことじゃないけど、二人でお話出来た。
これはもう、十分仲良くなったって言えるよね。これなら、パーティーに誘ってもいいかな。
パーティーのパートナーになるは、男女の恋人関係じゃないといけないなんてルールは無い。同性同士でも、友達同士でも良いんだし、誘っても変では無いと思う。
もちろん断られる可能性も有るけど、もしかしたらパートナーになれる可能性を信じたい。
誘うのって、やっぱ直接? それともチャット? チャットの方が断られた時はダメージ受けないけど、どうしよう。
ちょうど今、話しているしこのタイミングで誘っちゃう?
スマホを持ったままうだうだ考えていると、ハイメくんから『聞きたいことあるんだけど、グラって』と、送られてくる。
え、なんだろう。
気になるところで、途切れている。
もしかして、パーティーのこととか?
ドキドキしながら次の文を待つ。
『魔法大会、何出るの?』
何だ、魔法大会の事か。
ホッとした様な、残念な様な気持ち。
ぽちぽちと打って、返事を送る
『私は治療魔法にしたよ。ハイメくんは?』
魔法大会ってのは、正式に言うと校内魔法実技大会。イアクス・アニマ魔法学校に通う学生にとっての一年生の集大成を見せる場所だ。
箒術や、変身術や、治療術などの学校で習う科目が、どれだけ優れているか競うんだ。
試験じゃなくてスポーツ大会みたいなもので、成績には影響しないけど、ものすごく盛り上がる。
全校生徒が参加して、何個もある競技の中から最低一つを選んで出るんだけど、種目は魔法の実技科目だけだから、私には難しい。
魔法の実技が得意なドロシーは張り切っていたけど、私はどれも苦手だからどの種目に参加するか悩んだ末に、この前褒められた治療魔法にした。
『俺は、攻撃と使役と箒術』
ハイメくんは、沢山の種目に出るみたい。
『三つも出るの? 大変じゃない?』
『先生や先輩に言われてね』
しょうがないって感じ。ハイメくんはやる気ないのかな。
『三つも勧められたんだ、凄い。頑張って、でも大変だと思うから無理はしないでね』
『大丈夫だよ。グラが応援してくれるから頑張るけど、無理はしない』
……ちょっと、勇気出して次の文を送る。
『もし、時間が合えば、見に行っていい?』
これは、大会みたいなものだから競技は見学が出来る。友達のを見にいくのも全然あるらしいんだけど、本人に直接確認するのは緊張する。
『見に来てもらっても大丈夫だよ。俺も時間が合ったら見に行く。スケジュール出たら教えてね』
『うん』
ハイメくんが見に来るのは嬉しいけど、恥ずかしくも感じる。いい結果出せるように、それまでにもっと練習しとかなきゃ。もう、一週間もないけどね。
『もう、夜遅いね。おやすみ』
『おやすみなさい』
よーし、明日も朝から練習頑張るために寝ようとスマホを置こうとして、スマホが鳴る。
見ると、ドロシーからの電話だった。
「グリー、聞いて!」
電話を取ると、耳を近づけていられないほど大きな声で話され、耳がキーンとなる。
「うるさ。夜なんだけど、どうしたの」
アンジュ達の目がこっちに向いたので、ジェスチャーで謝りながら、ドロシーに小さな声で尋ねると、ドロシーも小さな声で返してくれる。
「ベラがね、浮気をされていたのよ」
「ベラって、ドロシーの同室の子だっけ」
クラスは別だから少ししか話したことないけど、顔が思い浮かぶ。金髪で、女優みたいな美人な子で、確かヒョウの獣人。
「そう、ほんと信じられないわ、あの男も女も。聞いて!」
「うん、聞くから落ち着いて」
怒っているドロシーをなだめながら話を聞きまとめる。
ベラさんには他寮の彼氏が居たけど、彼には同寮の彼女がいて、パーティーを一緒に行くことを断られた事で発覚。
遊びだったと言われ、ベラさんは大泣きしながらも、煽ってきた彼氏の同寮の彼女と殴り合いの喧嘩をした。
ベラさんと付き合っていた彼には、反省の様子が見られないらしい。でも、まだベラさんには気持ちが残っている。
「それは、大変だったね」
全員一年生だと言っていたからみんな十三歳の話なのに、浮気とかあるのか凄いな。私の住む世界じゃないって感じだ。
「でしょう、もうもう。ベラも早く嫌いになっちゃえばいいのに」
「そうだね。ドロシー、今日はもう寝なよ。また明日、聞くから」
もう、消灯の時間が近好きでしまった。みんなカーテンを閉めて布団に潜っている。
「絶対よ。明日、話を聞いてね」
「うん。また明日。おやすみドロシー」
「おやすみ、グリー」
次の日教室に行くと、昨日ドロシーから聞いた話がもう話題になっている。
二股以上していたとか、ベラさんが呪ったとか、ベラさんが他寮だったから同寮の彼女が嫌がらせ目的で付き合ったとか、ドロシーに聞いた話より大きな話になっていた。
その現状にドロシーの気が立っている。
「ベラが呪うわけ無いわ。誰よ、そんな噂流してるの!」
「落ち着きなよ、ドロシー。みんな面白がっているみたいだけど、ベラさんは大丈夫なの?」
ベラさんのことを問われて、ドロシーは落ち着きを取り戻し、心配そうにする。
「どっちともクラスは違うし場所が離れているから学校には行ってるけど、大丈夫ではないかも。心配だから、お昼は一緒に食べる約束をしたわ。グラとアンジュも一緒に食べる?」
いつもなら、お昼はこの三人で食べているけど。
「遠慮しとくよ。ベラさん、こんな噂の中であまり知らない人と一緒じゃ、ストレスでしょ」
「私も。今日はグラちゃんと二人で食べるね」
そうやって、私たちが教室の端の方で話していると、急に廊下がざわざわしてきた。
「なんか騒がしいね」
「うん、何だろう」
気になって廊下に近づいて見る。何かに気づいたドロシーが嫌そうな顔をした。
「アイツがベラの彼氏の浮気相手よ」
一人で廊下を歩いている、顔に大きな白いガーゼが張ってある彼女には見覚えがあった。
「治癒魔法で直せるのに、なんでわざわざ大きなガーゼを張ってあるの。当てつけ?」
「あれって……」
ハイメくんと仲良くしないでって言ってきた、朝雷寮の子じゃん。たしか、名前はダイナ。
あのウエーブした黒紫の髪に垂れ目、ダウナーな雰囲気間違い無い。
「え、彼氏ってハイメくんなの!?」
衝撃の事実にショックで気が遠くなりそう。彼女が居た。しかも二股……
「違うわ。ハイメとよく一緒にいる赤髪のやつよ。ダヴィットって奴」
ああ、そうなんだ良かった。いや、浮気している人がいるってのは、良くはない。
ハイメくんと一緒にいる赤髪の人ね、チャラい雰囲気はあったけど、パーティーのためにバイトしてたみたいなのに、浮気してたんだ。
それにしても、ダイナの私に対するマウントは、ハイメくんの事が好きなのかと思っていたけど違うんだ。そこに驚いた。
でも、ドロシーの怒りが大きいのも納得する。あの時、バッチバチだったもん。それに今回の件が合わさって、相当目の敵にしている。
「ドロシー、殴り合いの喧嘩しないでね」
地元にいた頃のドロシーを思い出し、一応言っとく。
「気を付けるわ」
ドロシーの気を付けるは、信用できない。大丈夫かな。
あの噂が学校に広まってからも、ハイメくんは変わらずに赤髪の彼、ダヴィットと居るから直接話し掛けるのが難しいし、パーティーに誘いづらい。
チャットでは変わらずやりとりを続けるけど、私も、ハイメくんも、彼らの話題は出さなかった。
私達は、触れないという方向で平和だったたけど、学校ではそうじゃなかった。
あれ以来、ドロシーやベラさんが居る昼晴寮と、ダヴィットやダイナが居る朝雷寮が凄く仲悪くなった。
それだけならまだマシだったんだけど、それに感化されたのか、全ての寮が他寮と日に日に仲が悪くなって行く。
やれ、授業の邪魔をしただの、呪っただの、馬鹿にしてるだの、昔の出来事も今さら持ち出し、毎日どこかで喧嘩や言い争いが起こっている。
その結果、寮が違えば同じクラスメイトでも喋ることが出来ない雰囲気になった。と言っても一年生だけで、他の学年はあまり気にしていない。先輩曰く、まあ、よくあることらしい。
だから、あまり気にしないようにしているけど……
今も、一日の終わりにスマホを見ていると、チャット型SNSの通知が来る。
ハイメくんで、開いて見ると写真が送られてきていた。綺麗な海の写真だ。
『綺麗』
『でしょ。昼に箒で飛びに行ってたら綺麗だったから。グラは何してたの?』
『魔法の練習してた』
『偉い。勉強熱心だね』
『そんなことないよ』
連絡先を交換してからは、こんな風にチャットで話す様になった。こうやって些細な事だけど、毎日話している。
でも、チャットだけじゃなくて、実際に話す事だってある。昨日だってそうだ。
「ハイメくん」
彼が誰かと居たら難しいけど、一人だったから自分から話し掛けてみた。
「わっ、ビックリした。グラか」
ハイメくんの尻尾が、ぶわっと飛び出したかと思ったら無くなった。
「私もビックリしたよ。尻尾出てた」
「最近、驚くと出ちゃうんだよね。なんか上手く制御出来ない」
「そうなんだ。大変だね」
「まぁ、雷が出てないからまだマシだけど。グラは、どうしたの? 何か用あった?」
「ううん、見かけたから話しかけちゃった。ハイメくんは一人? 珍しいね」
「みんな用事があったみたいで、グラも一人なの珍しいね。あ、これあげる。美味しかったよ」
苺味のキャンディーを貰う。
「じゃあ、私も」
ポッケに入れていたレモン味のキャンディーを渡す。
いつか会えたら渡そうって思ってたやつだ。
少しの時間だし大したことじゃないけど、二人でお話出来た。
これはもう、十分仲良くなったって言えるよね。これなら、パーティーに誘ってもいいかな。
パーティーのパートナーになるは、男女の恋人関係じゃないといけないなんてルールは無い。同性同士でも、友達同士でも良いんだし、誘っても変では無いと思う。
もちろん断られる可能性も有るけど、もしかしたらパートナーになれる可能性を信じたい。
誘うのって、やっぱ直接? それともチャット? チャットの方が断られた時はダメージ受けないけど、どうしよう。
ちょうど今、話しているしこのタイミングで誘っちゃう?
スマホを持ったままうだうだ考えていると、ハイメくんから『聞きたいことあるんだけど、グラって』と、送られてくる。
え、なんだろう。
気になるところで、途切れている。
もしかして、パーティーのこととか?
ドキドキしながら次の文を待つ。
『魔法大会、何出るの?』
何だ、魔法大会の事か。
ホッとした様な、残念な様な気持ち。
ぽちぽちと打って、返事を送る
『私は治療魔法にしたよ。ハイメくんは?』
魔法大会ってのは、正式に言うと校内魔法実技大会。イアクス・アニマ魔法学校に通う学生にとっての一年生の集大成を見せる場所だ。
箒術や、変身術や、治療術などの学校で習う科目が、どれだけ優れているか競うんだ。
試験じゃなくてスポーツ大会みたいなもので、成績には影響しないけど、ものすごく盛り上がる。
全校生徒が参加して、何個もある競技の中から最低一つを選んで出るんだけど、種目は魔法の実技科目だけだから、私には難しい。
魔法の実技が得意なドロシーは張り切っていたけど、私はどれも苦手だからどの種目に参加するか悩んだ末に、この前褒められた治療魔法にした。
『俺は、攻撃と使役と箒術』
ハイメくんは、沢山の種目に出るみたい。
『三つも出るの? 大変じゃない?』
『先生や先輩に言われてね』
しょうがないって感じ。ハイメくんはやる気ないのかな。
『三つも勧められたんだ、凄い。頑張って、でも大変だと思うから無理はしないでね』
『大丈夫だよ。グラが応援してくれるから頑張るけど、無理はしない』
……ちょっと、勇気出して次の文を送る。
『もし、時間が合えば、見に行っていい?』
これは、大会みたいなものだから競技は見学が出来る。友達のを見にいくのも全然あるらしいんだけど、本人に直接確認するのは緊張する。
『見に来てもらっても大丈夫だよ。俺も時間が合ったら見に行く。スケジュール出たら教えてね』
『うん』
ハイメくんが見に来るのは嬉しいけど、恥ずかしくも感じる。いい結果出せるように、それまでにもっと練習しとかなきゃ。もう、一週間もないけどね。
『もう、夜遅いね。おやすみ』
『おやすみなさい』
よーし、明日も朝から練習頑張るために寝ようとスマホを置こうとして、スマホが鳴る。
見ると、ドロシーからの電話だった。
「グリー、聞いて!」
電話を取ると、耳を近づけていられないほど大きな声で話され、耳がキーンとなる。
「うるさ。夜なんだけど、どうしたの」
アンジュ達の目がこっちに向いたので、ジェスチャーで謝りながら、ドロシーに小さな声で尋ねると、ドロシーも小さな声で返してくれる。
「ベラがね、浮気をされていたのよ」
「ベラって、ドロシーの同室の子だっけ」
クラスは別だから少ししか話したことないけど、顔が思い浮かぶ。金髪で、女優みたいな美人な子で、確かヒョウの獣人。
「そう、ほんと信じられないわ、あの男も女も。聞いて!」
「うん、聞くから落ち着いて」
怒っているドロシーをなだめながら話を聞きまとめる。
ベラさんには他寮の彼氏が居たけど、彼には同寮の彼女がいて、パーティーを一緒に行くことを断られた事で発覚。
遊びだったと言われ、ベラさんは大泣きしながらも、煽ってきた彼氏の同寮の彼女と殴り合いの喧嘩をした。
ベラさんと付き合っていた彼には、反省の様子が見られないらしい。でも、まだベラさんには気持ちが残っている。
「それは、大変だったね」
全員一年生だと言っていたからみんな十三歳の話なのに、浮気とかあるのか凄いな。私の住む世界じゃないって感じだ。
「でしょう、もうもう。ベラも早く嫌いになっちゃえばいいのに」
「そうだね。ドロシー、今日はもう寝なよ。また明日、聞くから」
もう、消灯の時間が近好きでしまった。みんなカーテンを閉めて布団に潜っている。
「絶対よ。明日、話を聞いてね」
「うん。また明日。おやすみドロシー」
「おやすみ、グリー」
次の日教室に行くと、昨日ドロシーから聞いた話がもう話題になっている。
二股以上していたとか、ベラさんが呪ったとか、ベラさんが他寮だったから同寮の彼女が嫌がらせ目的で付き合ったとか、ドロシーに聞いた話より大きな話になっていた。
その現状にドロシーの気が立っている。
「ベラが呪うわけ無いわ。誰よ、そんな噂流してるの!」
「落ち着きなよ、ドロシー。みんな面白がっているみたいだけど、ベラさんは大丈夫なの?」
ベラさんのことを問われて、ドロシーは落ち着きを取り戻し、心配そうにする。
「どっちともクラスは違うし場所が離れているから学校には行ってるけど、大丈夫ではないかも。心配だから、お昼は一緒に食べる約束をしたわ。グラとアンジュも一緒に食べる?」
いつもなら、お昼はこの三人で食べているけど。
「遠慮しとくよ。ベラさん、こんな噂の中であまり知らない人と一緒じゃ、ストレスでしょ」
「私も。今日はグラちゃんと二人で食べるね」
そうやって、私たちが教室の端の方で話していると、急に廊下がざわざわしてきた。
「なんか騒がしいね」
「うん、何だろう」
気になって廊下に近づいて見る。何かに気づいたドロシーが嫌そうな顔をした。
「アイツがベラの彼氏の浮気相手よ」
一人で廊下を歩いている、顔に大きな白いガーゼが張ってある彼女には見覚えがあった。
「治癒魔法で直せるのに、なんでわざわざ大きなガーゼを張ってあるの。当てつけ?」
「あれって……」
ハイメくんと仲良くしないでって言ってきた、朝雷寮の子じゃん。たしか、名前はダイナ。
あのウエーブした黒紫の髪に垂れ目、ダウナーな雰囲気間違い無い。
「え、彼氏ってハイメくんなの!?」
衝撃の事実にショックで気が遠くなりそう。彼女が居た。しかも二股……
「違うわ。ハイメとよく一緒にいる赤髪のやつよ。ダヴィットって奴」
ああ、そうなんだ良かった。いや、浮気している人がいるってのは、良くはない。
ハイメくんと一緒にいる赤髪の人ね、チャラい雰囲気はあったけど、パーティーのためにバイトしてたみたいなのに、浮気してたんだ。
それにしても、ダイナの私に対するマウントは、ハイメくんの事が好きなのかと思っていたけど違うんだ。そこに驚いた。
でも、ドロシーの怒りが大きいのも納得する。あの時、バッチバチだったもん。それに今回の件が合わさって、相当目の敵にしている。
「ドロシー、殴り合いの喧嘩しないでね」
地元にいた頃のドロシーを思い出し、一応言っとく。
「気を付けるわ」
ドロシーの気を付けるは、信用できない。大丈夫かな。
あの噂が学校に広まってからも、ハイメくんは変わらずに赤髪の彼、ダヴィットと居るから直接話し掛けるのが難しいし、パーティーに誘いづらい。
チャットでは変わらずやりとりを続けるけど、私も、ハイメくんも、彼らの話題は出さなかった。
私達は、触れないという方向で平和だったたけど、学校ではそうじゃなかった。
あれ以来、ドロシーやベラさんが居る昼晴寮と、ダヴィットやダイナが居る朝雷寮が凄く仲悪くなった。
それだけならまだマシだったんだけど、それに感化されたのか、全ての寮が他寮と日に日に仲が悪くなって行く。
やれ、授業の邪魔をしただの、呪っただの、馬鹿にしてるだの、昔の出来事も今さら持ち出し、毎日どこかで喧嘩や言い争いが起こっている。
その結果、寮が違えば同じクラスメイトでも喋ることが出来ない雰囲気になった。と言っても一年生だけで、他の学年はあまり気にしていない。先輩曰く、まあ、よくあることらしい。
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