216 / 702
分岐・鹿王院樹
名前を呼ばれて
しおりを挟む
(……勝った)
大きな歓声。皆立ち上がり、私も立ち上がって拍手する。
でも私は直ぐ座ってしまう。膝に力が入らない。すごいすごいすごい。
(お、おめでとううう)
ぽろぽろと涙がこぼれてしまう。
こんなに嬉しいなんて思ってもみなかった。どうしてこんなに、感情が揺さぶられるんだろう? 7月に神戸まで日帰りで観に行ったアキラくんのバスケも、この間みんなで応援に行った黒田くんの空手も、勝ったのも負けたのも見たことあるのに、こんな風にはならなかった。
(なんで樹くんだけ、私、特別なんだろ)
サングラスを外して、涙をタオルで拭いながら考える。優勝したから? そうかもしれない。
(今日はみんなでお祝いかなぁ)
明日か明後日あたりに、お邪魔させてもらってお祝いしたいけど、どうだろ。忙しいかなぁ。
「あの」
顔にタオルを押しつけるようにして涙を拭いていた私に、女の子が話しかける。
顔をあげると、さっき熱中症になった子のお友達たち。
「さっき、ありがとうごさいました。あの、これ」
「え、あ、良かったのに」
私はタオルを外して立ち上がり、それを受け取った。女の子に貸していた保冷剤だ。まだ少し凍っている。
渡してくれた子を見て、微笑む。
「わざわざありがとうございます」
お友達たちはなぜか一瞬、息を飲んだ。それから、別の子が少し戸惑いながら冷たいスポーツドリンクをくれる。自販機で買ったばかりって感じ。
「あと、大したものじゃないんですけど」
「え、わざわざすみません。てか、ほんと申し訳ないんですけど」
「買っちゃったので」
もらってください、とはにかむ女の子の笑顔に押されるように受け取る。可愛いな女子中学生……。
「あ」
別の子がピッチを見る。
「挨拶だ」
選手たちが応援席の前まで来て整列している。
「すごかった」
「すごかったよねぇ」
みんな顔を見合わせ、ニコニコと話し出す。
(お育ちがいいなぁ)
なんて感じてしまう、穏やかな雰囲気。さすが青百合のお嬢様たち。
「ありがとうございましたー!!」
選手たちは大きな声で挨拶をしている。応援席の生徒たちも立ち上がり、大きく拍手。
選手たちはハイテンションだ。そりゃそうだ、優勝したんだもん。応援席の生徒さんとハイタッチしたり、各自スマホで写真を撮ったり。
樹くんもテンションが高い。ゴールを決めたチームメイトを肩車なんかしちゃっている。みんな爆笑しちゃったりしてて、うん、あんなハイテンションな樹くん、初めて見ました。
(やっぱ、友達の前だと違うのかな?)
私といるときは気を使っているのかも、なんて、考えてしまう。
一瞬暗くなったその時、「華!」と呼ばれる。
顔を上げると、樹くんがピッチと応援席を隔てる1メートルくらいのフェンスの上をひょい、と超えてこちらに走ってきていた。
「え、い、樹くん!」
気づいてたのか。
結構距離あるし、人に紛れて気づかないと思っていた。
「華!」
樹くんは目の前に立つとまた私の名前を呼んで、それから笑って、ぎゅうぎゅうと私を抱きしめた。
「わあ!?」
「暑いから無理しなくていいと言ったのに! しかし嬉しい! 体調は大丈夫か!?」
(テンション高っ!)
てか、人前だというのに! テンション高すぎて、なにやってるか自分でも分かってないんじゃないかこの人!
でも私もなんだか高揚しちゃってるし、勝った瞬間とか思い出しちゃって、ちょっと泣いてしまう。
樹くんの背中をぎゅうっと抱きしめ返して、泣いてしまう。汗と日光のかおりがした。
「お、おめでとううぅ」
「華」
樹くんは私の名前を呼ぶ。嬉しそうに、愛しそうに呼ぶから、きっと優勝のテンションの高さゆえだと分かってるのに、やっぱり私は少し勘違いしそうになる。
それをごまかすように「ほんとにおめでとう」と少し身体を離して顔を見て言うと、樹くんは私の涙を指で拭って、やっぱり嬉しそうに笑った。
「どうやって帰るんだ?」
「あ、電車」
「青百合のバスで帰るといい、電車なんか危ない、華はきっと寝てしまうから」
「寝ないよ」
と答えたものの、うん、自信はないな……。でも。
「部外者が乗れないよ、学校のバスなんか」
「? 保護者で乗る人もいるぞ」
「保護者じゃないもん私」
「俺の許婚だろう?」
樹くんは笑って、私の頬に手を当てる。
「家族みたいなものじゃないか」
「……あ、家族」
私は唐突に納得してしまう。家族。
(そっか)
樹くんが私を特別扱いしてくれるのも、優しくしてくれるのも、友達であって家族だから、なのだ。
落胆している自分に気づいて、私は戸惑う。
(私、樹くんに、ひとりの女の子としてみて欲しかったんだ)
私を嬉しそうに見つめる樹くんを見上げる。これが家族のハグだとしても、今、私はドキドキしている。
(私、樹くんをひとりの男の子として、見てるんだ)
そう自覚すると、急に頬に熱が集まった。
「華?」
不思議そうに私を見る樹くん。
「う、ううんっ」
そう首を振った時、ピッチから別の選手が樹くんを呼ぶ。
「いつきーっ、いつまでもイチャついてんじゃねーぞ、集合写真っ」
「ああ、分かった!」
樹くんはそう返事をすると、私の髪をひと撫でして笑って、ピッチに戻っていった。
「……あの」
一部始終を目の前で(無理やり?)見せられた女の子が首をかしげる。
「鹿王院くんの、許婚の、華、様?」
「……あ、はい」
そうです、とモゴモゴと答えた。
(釣り合わない~とか思われて、たり)
ちらりと女の子を見ると、キャアとその子たちは笑った。
「あんな鹿王院くん、初めて見ました」
「仲がよくてらっしゃるんですねっ」
「あ、そう……ですか? でも、あれは優勝したハイテンションも相まってのことかなと」
「それにしても、あ~、羨ましいですっ」
ニコニコと微笑む女の子たち。心から言ってる感じがして、ほんとに育ちが良い子って、人を貶したりとかしないんだなぁとちょっと思う。
「でも、ほんとあんなテンションの鹿王院くん初めて見たね」
ひとりの子が、友達に笑いかける。
「そりゃ嬉しいよね」
「留学前だもんね、結果出しておきたかったよね」
女の子の言葉に私は固まる。
(……留学?)
なにそれ、聞いてない。
私は血の気が引いていくのを感じた。
大きな歓声。皆立ち上がり、私も立ち上がって拍手する。
でも私は直ぐ座ってしまう。膝に力が入らない。すごいすごいすごい。
(お、おめでとううう)
ぽろぽろと涙がこぼれてしまう。
こんなに嬉しいなんて思ってもみなかった。どうしてこんなに、感情が揺さぶられるんだろう? 7月に神戸まで日帰りで観に行ったアキラくんのバスケも、この間みんなで応援に行った黒田くんの空手も、勝ったのも負けたのも見たことあるのに、こんな風にはならなかった。
(なんで樹くんだけ、私、特別なんだろ)
サングラスを外して、涙をタオルで拭いながら考える。優勝したから? そうかもしれない。
(今日はみんなでお祝いかなぁ)
明日か明後日あたりに、お邪魔させてもらってお祝いしたいけど、どうだろ。忙しいかなぁ。
「あの」
顔にタオルを押しつけるようにして涙を拭いていた私に、女の子が話しかける。
顔をあげると、さっき熱中症になった子のお友達たち。
「さっき、ありがとうごさいました。あの、これ」
「え、あ、良かったのに」
私はタオルを外して立ち上がり、それを受け取った。女の子に貸していた保冷剤だ。まだ少し凍っている。
渡してくれた子を見て、微笑む。
「わざわざありがとうございます」
お友達たちはなぜか一瞬、息を飲んだ。それから、別の子が少し戸惑いながら冷たいスポーツドリンクをくれる。自販機で買ったばかりって感じ。
「あと、大したものじゃないんですけど」
「え、わざわざすみません。てか、ほんと申し訳ないんですけど」
「買っちゃったので」
もらってください、とはにかむ女の子の笑顔に押されるように受け取る。可愛いな女子中学生……。
「あ」
別の子がピッチを見る。
「挨拶だ」
選手たちが応援席の前まで来て整列している。
「すごかった」
「すごかったよねぇ」
みんな顔を見合わせ、ニコニコと話し出す。
(お育ちがいいなぁ)
なんて感じてしまう、穏やかな雰囲気。さすが青百合のお嬢様たち。
「ありがとうございましたー!!」
選手たちは大きな声で挨拶をしている。応援席の生徒たちも立ち上がり、大きく拍手。
選手たちはハイテンションだ。そりゃそうだ、優勝したんだもん。応援席の生徒さんとハイタッチしたり、各自スマホで写真を撮ったり。
樹くんもテンションが高い。ゴールを決めたチームメイトを肩車なんかしちゃっている。みんな爆笑しちゃったりしてて、うん、あんなハイテンションな樹くん、初めて見ました。
(やっぱ、友達の前だと違うのかな?)
私といるときは気を使っているのかも、なんて、考えてしまう。
一瞬暗くなったその時、「華!」と呼ばれる。
顔を上げると、樹くんがピッチと応援席を隔てる1メートルくらいのフェンスの上をひょい、と超えてこちらに走ってきていた。
「え、い、樹くん!」
気づいてたのか。
結構距離あるし、人に紛れて気づかないと思っていた。
「華!」
樹くんは目の前に立つとまた私の名前を呼んで、それから笑って、ぎゅうぎゅうと私を抱きしめた。
「わあ!?」
「暑いから無理しなくていいと言ったのに! しかし嬉しい! 体調は大丈夫か!?」
(テンション高っ!)
てか、人前だというのに! テンション高すぎて、なにやってるか自分でも分かってないんじゃないかこの人!
でも私もなんだか高揚しちゃってるし、勝った瞬間とか思い出しちゃって、ちょっと泣いてしまう。
樹くんの背中をぎゅうっと抱きしめ返して、泣いてしまう。汗と日光のかおりがした。
「お、おめでとううぅ」
「華」
樹くんは私の名前を呼ぶ。嬉しそうに、愛しそうに呼ぶから、きっと優勝のテンションの高さゆえだと分かってるのに、やっぱり私は少し勘違いしそうになる。
それをごまかすように「ほんとにおめでとう」と少し身体を離して顔を見て言うと、樹くんは私の涙を指で拭って、やっぱり嬉しそうに笑った。
「どうやって帰るんだ?」
「あ、電車」
「青百合のバスで帰るといい、電車なんか危ない、華はきっと寝てしまうから」
「寝ないよ」
と答えたものの、うん、自信はないな……。でも。
「部外者が乗れないよ、学校のバスなんか」
「? 保護者で乗る人もいるぞ」
「保護者じゃないもん私」
「俺の許婚だろう?」
樹くんは笑って、私の頬に手を当てる。
「家族みたいなものじゃないか」
「……あ、家族」
私は唐突に納得してしまう。家族。
(そっか)
樹くんが私を特別扱いしてくれるのも、優しくしてくれるのも、友達であって家族だから、なのだ。
落胆している自分に気づいて、私は戸惑う。
(私、樹くんに、ひとりの女の子としてみて欲しかったんだ)
私を嬉しそうに見つめる樹くんを見上げる。これが家族のハグだとしても、今、私はドキドキしている。
(私、樹くんをひとりの男の子として、見てるんだ)
そう自覚すると、急に頬に熱が集まった。
「華?」
不思議そうに私を見る樹くん。
「う、ううんっ」
そう首を振った時、ピッチから別の選手が樹くんを呼ぶ。
「いつきーっ、いつまでもイチャついてんじゃねーぞ、集合写真っ」
「ああ、分かった!」
樹くんはそう返事をすると、私の髪をひと撫でして笑って、ピッチに戻っていった。
「……あの」
一部始終を目の前で(無理やり?)見せられた女の子が首をかしげる。
「鹿王院くんの、許婚の、華、様?」
「……あ、はい」
そうです、とモゴモゴと答えた。
(釣り合わない~とか思われて、たり)
ちらりと女の子を見ると、キャアとその子たちは笑った。
「あんな鹿王院くん、初めて見ました」
「仲がよくてらっしゃるんですねっ」
「あ、そう……ですか? でも、あれは優勝したハイテンションも相まってのことかなと」
「それにしても、あ~、羨ましいですっ」
ニコニコと微笑む女の子たち。心から言ってる感じがして、ほんとに育ちが良い子って、人を貶したりとかしないんだなぁとちょっと思う。
「でも、ほんとあんなテンションの鹿王院くん初めて見たね」
ひとりの子が、友達に笑いかける。
「そりゃ嬉しいよね」
「留学前だもんね、結果出しておきたかったよね」
女の子の言葉に私は固まる。
(……留学?)
なにそれ、聞いてない。
私は血の気が引いていくのを感じた。
10
お気に入りに追加
3,083
あなたにおすすめの小説
モブ令嬢ですが、悪役令嬢の妹です。
霜月零
恋愛
私は、ある日思い出した。
ヒロインに、悪役令嬢たるお姉様が言った一言で。
「どうして、このお茶会に平民がまぎれているのかしら」
その瞬間、私はこの世界が、前世やってた乙女ゲームに酷似した世界だと気が付いた。
思い出した私がとった行動は、ヒロインをこの場から逃がさない事。
だってここで走り出されたら、婚約者のいる攻略対象とヒロインのフラグが立っちゃうんだもの!!!
略奪愛ダメ絶対。
そんなことをしたら国が滅ぶのよ。
バッドエンド回避の為に、クリスティーナ=ローエンガルデ。
悪役令嬢の妹だけど、前世の知識総動員で、破滅の運命回避して見せます。
※他サイト様にも掲載中です。
ヒロインを虐めなくても死亡エンドしかない悪役令嬢に転生してしまった!
青星 みづ
恋愛
【第Ⅰ章完結】『イケメン達と乙女ゲームの様な甘くてせつない恋模様を描く。少しシリアスな悪役令嬢の物語』
なんで今、前世を思い出したかな?!ルクレツィアは顔を真っ青に染めた。目の前には前世の押しである超絶イケメンのクレイが憎悪の表情でこちらを睨んでいた。
それもそのはず、ルクレツィアは固い扇子を振りかざして目の前のクレイの頬を引っぱたこうとしていたのだから。でもそれはクレイの手によって阻まれていた。
そしてその瞬間に前世を思い出した。
この世界は前世で遊んでいた乙女ゲームの世界であり、自分が悪役令嬢だという事を。
や、やばい……。
何故なら既にゲームは開始されている。
そのゲームでは悪役令嬢である私はどのルートでも必ず死を迎えてしまう末路だった!
しかもそれはヒロインを虐めても虐めなくても全く関係ない死に方だし!
どうしよう、どうしよう……。
どうやったら生き延びる事ができる?!
何とか生き延びる為に頑張ります!
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
どう頑張っても死亡ルートしかない悪役令嬢に転生したので、一切頑張らないことにしました
小倉みち
恋愛
7歳の誕生日、突然雷に打たれ、そのショックで前世を思い出した公爵令嬢のレティシア。
前世では夥しいほどの仕事に追われる社畜だった彼女。
唯一の楽しみだった乙女ゲームの新作を発売日当日に買いに行こうとしたその日、交通事故で命を落としたこと。
そして――。
この世界が、その乙女ゲームの設定とそっくりそのままであり、自分自身が悪役令嬢であるレティシアに転生してしまったことを。
この悪役令嬢、自分に関心のない家族を振り向かせるために、死に物狂いで努力し、第一王子の婚約者という地位を勝ち取った。
しかしその第一王子の心がぽっと出の主人公に奪われ、嫉妬に狂い主人公に毒を盛る。
それがバレてしまい、最終的に死刑に処される役となっている。
しかも、第一王子ではなくどの攻略対象ルートでも、必ず主人公を虐め、処刑されてしまう噛ませ犬的キャラクター。
レティシアは考えた。
どれだけ努力をしても、どれだけ頑張っても、最終的に自分は死んでしまう。
――ということは。
これから先どんな努力もせず、ただの馬鹿な一般令嬢として生きれば、一切攻略対象と関わらなければ、そもそもその土俵に乗ることさえしなければ。
私はこの恐ろしい世界で、生き残ることが出来るのではないだろうか。
悪役令嬢に転生したので、すべて無視することにしたのですが……?
りーさん
恋愛
気がついたら、生まれ変わっていた。自分が死んだ記憶もない。どうやら、悪役令嬢に生まれ変わったみたい。しかも、生まれ変わったタイミングが、学園の入学式の前日で、攻略対象からも嫌われまくってる!?
こうなったら、破滅回避は諦めよう。だって、悪役令嬢は、悪口しか言ってなかったんだから。それだけで、公の場で断罪するような婚約者など、こっちから願い下げだ。
他の攻略対象も、別にお前らは関係ないだろ!って感じなのに、一緒に断罪に参加するんだから!そんな奴らのご機嫌をとるだけ無駄なのよ。
もう攻略対象もヒロインもシナリオも全部無視!やりたいことをやらせてもらうわ!
そうやって無視していたら、なんでか攻略対象がこっちに来るんだけど……?
※恋愛はのんびりになります。タグにあるように、主人公が恋をし出すのは後半です。
1/31 タイトル変更 破滅寸前→ゲーム開始直前
見ず知らずの(たぶん)乙女ゲーに(おそらく)悪役令嬢として転生したので(とりあえず)破滅回避をめざします!
すな子
恋愛
ステラフィッサ王国公爵家令嬢ルクレツィア・ガラッシアが、前世の記憶を思い出したのは5歳のとき。
現代ニホンの枯れ果てたアラサーOLから、異世界の高位貴族の令嬢として天使の容貌を持って生まれ変わった自分は、昨今流行りの(?)「乙女ゲーム」の「悪役令嬢」に「転生」したのだと確信したものの、前世であれほどプレイした乙女ゲームのどんな設定にも、今の自分もその環境も、思い当たるものがなにひとつない!
それでもいつか訪れるはずの「破滅」を「回避」するために、前世の記憶を総動員、乙女ゲームや転生悪役令嬢がざまぁする物語からあらゆる事態を想定し、今世は幸せに生きようと奮闘するお話。
───エンディミオン様、あなたいったい、どこのどなたなんですの?
********
できるだけストレスフリーに読めるようご都合展開を陽気に突き進んでおりますので予めご了承くださいませ。
また、【閑話】には死ネタが含まれますので、苦手な方はご注意ください。
☆「小説家になろう」様にも常羽名義で投稿しております。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
成り上がり令嬢暴走日記!
笹乃笹世
恋愛
異世界転生キタコレー!
と、テンションアゲアゲのリアーヌだったが、なんとその世界は乙女ゲームの舞台となった世界だった⁉︎
えっあの『ギフト』⁉︎
えっ物語のスタートは来年⁉︎
……ってことはつまり、攻略対象たちと同じ学園ライフを送れる……⁉︎
これも全て、ある日突然、貴族になってくれた両親のおかげねっ!
ーー……でもあのゲームに『リアーヌ・ボスハウト』なんてキャラが出てた記憶ないから……きっとキャラデザも無いようなモブ令嬢なんだろうな……
これは、ある日突然、貴族の仲間入りを果たしてしまった元日本人が、大好きなゲームの世界で元日本人かつ庶民ムーブをぶちかまし、知らず知らずのうちに周りの人間も巻き込んで騒動を起こしていく物語であるーー
果たしてリアーヌはこの世界で幸せになれるのか?
周りの人間たちは無事でいられるのかーー⁉︎
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる