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終わりと出会い

少年との生活2

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長い間ここに留まる訳にもいかないよな~いつまた魔物が襲ってくるかわからないし、この子の様子を見た感じだと歩いたりは手を引っぱればするみたいだしこの子が歩けるうちに、安全な街に移った方が良いわよね。

装備の状況と少年の状態を考えながら、移動した方が良いという結論に至ると移動するための準備をシオンは始めた。リュックからすり鉢とすりこぎ棒、鍋と採取した薬草を取り出し焚火に火をつけ鍋を吊るし水を入れ薬を作る準備をした。

さて、まずは傷薬を作りますか・・この子のけがの治療に使ったから少なくなったし有って無駄な物じゃないしね。

セツ草を取り出し、布の上に置き手をかざし「乾燥」と呟き魔法を発動させると熱気がセツ草に当たり見る見るうちに水分が抜け乾燥する。

よしこれぐらいで大丈夫ね

セツ草を手に取り、状態を確かめるとすり鉢にセツ草を入れゴリゴリと音を立てながらすり潰し始めた。少しの間すり潰しているとセツ草は、粉状になりサラサラとしてきた。粉状になったセツ草を水を入れ沸かしておいた鍋に入れ煮詰め始めた。煮詰め緑色に水が変わるとそこに、アブナタから作られた油を入れかき混ぜ火を止めた。
あとは、冷めるのを待つだけね。本当なら蜜蝋があるといいんだけど仕方ないか。
少し冷めた軟膏を機の容器に入れ、冷ますためにふたを閉めず置いておき次の薬を作る準備を始めた。ダツ草を取り出し洗った鍋に浄化した水を入れ火にかけると、ダツ草を入れ沸かし始めた。水が沸いた後、少しの間煮込み続け葉から色素が溶け出し薄い水色になり始めたところで火を止め冷めるのを待った後にガラス瓶に入れ蓋をした。

これで使った薬は補充出来たわね。

薬の出来に満足そうに、頷き薬をしまうともう日は落ちかけ、夕暮れとなっていた。

あら?もうこんな時間なのか集中しすぎちゃったな・・・それにしても、この子あれから全く動きが無かったな~

薬を作るために出した道具を洗いしまいながら少年の様子を横目で見て、動かない少年を心配になりながら夕飯の準備を始める。
「水が無くなっちゃったから、水を汲んでくるわね」
少年に話しかけ井戸に向かい水を汲んで帰ってくると、少年の姿がそこには無かった。シオンは少年が居なくなっていることに驚き、慌てた様子で少年を探すために走り出す。

何処に行っちゃったのかな!?もしも魔物に会ったらあの状態じゃ殺されちゃうっ。帰ってくるときの道には見えなかったらから森の方に行っちゃったのかな!?

身体強化を使いながら、少年を探すために森へ走っていくと朝と同じ様に茂みで佇む少年を見つけた。良かったと一息つこうとした所で、少年の左前方5mほどにある茂みがカサッと音を立てて揺れた。

まずいっ!!!

少年のもとに全速力で走りだし、近づいてくる茂みの揺れを確認しながら少年の後ろまで駆け付け少年の手を引こうとしたところで茂みからゴブリンが4匹飛びかかったきた。シオンは少年を抱え込むようにして村の方向に転がり姿勢をすぐに体制を整え少年を抱え村に走り出した。ゴブリンが後ろから追ってきている気配を感じ後ろを振り向き、下品な笑顔を浮かべたゴブリンが追ってくるのを見ると振り切れないと判断したシオンは崩れた家屋の陰に少年を隠し、杖を構えゴブリンと向き合う。
まだ少し距離があることを確認するとシオンは杖に魔力を集中させ、先頭を走っているゴブリンに狙いを定め「ファイア」を放つ。
女であることと逃げた姿を見ていたゴブリンは反撃が来ると、予想しておらず自分に向かってくる火の玉に反応することが出来ず直撃した。先頭を走っていたゴブリンは吹き飛び動かなくなったが残りのゴブリン3匹がシオンに迫り来る。
シオンは迫り来るゴブリンの足を止めるために、土魔法「アースダウン」をゴブリンの前方に発動させ幅1m横5m深さ3mほどの亀裂を作った。ゴブリンは目の前に現れた亀裂に驚きながら、ジャンプして飛び越えたが飛び越えた先にシオンは土魔法「アースニードル」を発動させゴブリンを2匹串刺しにした。残り1匹はアースニードルを踏み場にし、シオンに飛び掛かったが飛び越えることを予想していたシオンが準備をしていた「ファイア」によって撃ち落され地面に墜ちた。4匹のゴブリンを撃退したシオンは、警戒を怠ることなく倒れたゴブリンに近づきダガーで頭を刺しとどめを刺していった。最初に倒したゴブリンに近づきとどめを刺そうとすると、ゴブリンが起き上がりシオンに襲い掛かろうとしたがシオンは動じることなく起き上がったゴブリンの頭を刺した。

ふ~終わったかな 森から新たな魔物が出てきそうな気配はないし。さっさと死体を燃やしてあの子の安全を確認しなきゃ
死体を燃やし、土魔法を解除し元の地面に戻すと急いで少年のもとに向かった。少年を隠した家屋の陰に行くと少年は変わらない様子で立っていた。

「良かった・・・怪我もないみたいね。にしても、こんなことが起こっても反応が無いって逆に凄いわね・・・」

少年の様子を確認したあと、シオンは呆れたような悲しいような表情でつぶやいた。

「さて、とんだ災難があったけど夕食にしましょ。お腹すいたでしょ?」

少年に浄化をかけ、手を引き歩き始めた。
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