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地球を快楽で侵略した宇宙人 カイタ編

49話 可愛い地球人(NH)

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ポペマペト視点


「デートの誘いに乗ってくれて嬉しいよ」
「……」
「どうしたのかな?」
「何で俺が「鈴木太郎」だって分かった?」

???


「脳波が一緒だからだけど?」
「……やっぱ宇宙人どもの感覚が人と離れてんな」
「地球文化では確か見た目で判断するんだったね」

鈴木がバーの席についた
今は男性の姿をしている
酒を一杯呑むだけならつきあってくれるそうだ

「あんた、わりと地球の感覚だと「イケメン」だとは思うぜ?」
「そうかな?」
「女がよっていきそうだ」
「そんな事ないさ」
「へぇ」
「顔だけ良くても首から下が昆虫に見えると逃げていくし」
「ちげぇねぇ!!」

ゲラゲラ笑う鈴木

「可愛い」
「うん?」
「やはり君が可愛いと思ってね」
「……言語バグ?」
「君は僕様にとって犯したい人だ」
「何をそんなに気にいってるか知らないが俺は気分じゃねぇな」

やはり美しい、己が持つ意志
地球という惑星で生きる事に真っ直ぐ
まるで植物のように魅惑を持つ

「ますます気に入った」
「お前、マジで女でなくてもイケそうだな」
「君の姿は他者を遠ざける為の男装、違うかい?」
「……」
「地球人の中でニホンジンのオスはメスにむらがると聞く」
「あんた地球人は女の顔がいいから抱きたかったんだよな?」
「確かに地球人は男女でわずかに顔に差があったけど……顔そんなに違うかい?」
「え」
「耳の大きさも目も口もあんまり変わってなくない?パーツの量まで同じでややこしい」
「パーツって」
「オスだけ耳が20cm長いとかオスは色が違うとか角だって無いし」
「鹿の角かよ、マスター人間用のカクテル一つ」
『どうぞ』

エクス星人がバーテンダーとは珍しい

「ブラバッカ星人用のも頼もうかな」
『……分かりました』
「そういやアンタ医者だよな?」
「うん」
「さっきからずっと思ってたんだけどマスターなんか変じゃね?」

言われてみればバーのマスターはいいが
何だかちょっと赤い?
開始前に酒を入れていたのだろうか?

「お酒でものんでるの?」
『いえ、近頃この辺ちょっとダストが多くて花粉症です』

月に花は咲いていない
わずかにはあるが害が出るほどではない
これは地球人に分かりやすく伝える為の自動言語

「ダストってエクス星人に有害なあれだろ?」
「月でダスト?」
『地球人が狙われた事件でエクス星人が黒焦げになってダストが発生していまして』

エクス星人が黒焦げになるのは不思議だ
たったの建物数キロ単位の範囲を逃げられない事があるのか?

「そういやブルーの奴も地下から出ると調子悪いとかなんとか言ってたな」
「ブルー?」
「エクス星人の……息子?まぁそうだな」
「あれの親はカイタという者だと思っていたが違うのか?」

パパだと言っていたが?

「養子に出したから親はアイツ」
「ほぉ?」
「エクス星人と人間との間に親権は無ぇし好きにしたらいい」

ビビビッ
これはエクス星人の通信?

『とうさん今話せます?』
「……どうしたよ?」
『また人間を相手に嫌な事件が起きたので地上暮らしだと心配なんです』
「爆破事件か?」
『へっくち!!』
「は?」
『最近地下までダストがきて……へっくち!!』

そんな事ある!?

「ちょっとブルー君?」
『先生!?』

驚いて目を開いて二度見
地球人にそっくりである
親に似て来たな

「……ダストが地下まで来てるって本当かい?」
『そうですね、はっくち!!』
「定期診断はまだ先だけど初めての症状だろう?明日予定あけてあげるから来なさい」
『いっいぇいいです!!』

ぷちっ(切断)


「……ブルーの奴、どうしたんだ?」
「彼は注射や薬をとても嫌がってね」
「ふーん」
「エンジェさんがいつも力ずくで連れてきてくれる」
「いい母ちゃんしてんなぁ……煙草吸っていいか?」
「構わないが地球人には毒だろう?」
「そうだな」
「何故君はそれを吸う?」
「……理由なんざ吸いたいって思ったからだ」
「ふ~ん?」

煙草を吸う動作はまさにソワソワ
カイタさんが心配で付き添っている時の脳波

「……」
「心配なんだ?」
「えっ?」
「いや、素直に言わないのも可愛げあるなと思っただけさ」





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